少女終末旅行短編集   作:チビサイファー

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二十代中盤を過ぎた同棲するユーチトの話


部屋着

「ちーちゃんただいまー」

「おう、お帰り」

 

 私は仕事を終えていつもよりやや遅めの時間に帰宅した。ドアを開けると、ちょうどお風呂上りであろうスウェット姿のちーちゃんが出迎えてくれた。ほんの少し湿った髪の毛と、火照ったほっぺが可愛い。

 

「疲れた疲れたー。晩御飯ある?」

「ユーの好きな鯖の煮付け作ったよ」

「うほーい! 鯖だ鯖だー!」

 

 ちーちゃん大好き、結婚しよう。私は大喜びで靴を脱ぎ散らかして食卓に飛び込む。「こらユー! 靴くらい揃えろ!」と怒るちーちゃん。いいじゃん、お腹ペコペコだよ。

 

「それにちーちゃんの作ったご飯を一刻も早く胃袋に納めないと死んじゃうの」

「死ぬのかよ」

「ガチ目に」

「ガチなのか」

 

 そう言うと、ちーちゃんは小さくため息。そう、これは「仕方ないな」って許してくれる時のため息だって知ってるよ。次はちゃんと揃えるからね

 

 お茶椀にご飯をついで、ちーちゃんが鯖をさらに盛ってサラダを用意してくれる。お味噌汁のおまけつき。うーん、この香りがたまらない。

 

「それじゃあ、いただきまーす!」

 

 私は早速白いご飯にかぶりつく。続いてお魚、味噌汁にサラダ。ああ、今日頑張ってよかったと心底思う。生きてるって感じ。

 

 むしゃむしゃとあっという間にご飯を食べて、私はけふー、と満足な顔を浮かべる。ちーちゃんが微笑んで私のことを見て「ほんと、美味しそうに食べるな」と言った。そうだもん、ちーちゃんのご飯とってもおいしいからね。

 

「お前のおいしそうに食べる顔を見てると、作ってよかったと思うよ」

「でしょー?」

 

 米粒一つ残さずに食べた終わった私は、食器を丁寧に洗って乾燥機の中に入れた後、軽く歯を磨いてお口のケアをし、部屋着に着替えてリビングに戻る。

 

 すると、ちーちゃんは前かがみになって、コロコロで床を掃除しているようだった。それちょっと楽しいよね。そう思った時、少しばかりだぼっとしたスウェットの襟が垂れさがって、胸元が見えそうになっていた。私は思わずドキッとしてしまう。

 

「っ!」

 

 ごくり、と唾を飲みこむ。残念ながら(?)その中は暗くて良く見えなかったけど、その先に何があるかを想像しただけで喉が渇いてしまう。私は目を反らして呼吸を整える。

 

「テレビでも見よっかな」

「うん。なんか面白いのあったら教えて」

 

 と言うちーちゃんは、カーペットの掃除を継続する。私はまだ少しどきどきしながらテレビを点ける。けど、さっきの光景が頭に残ってテレビの内容が頭に入ってこなかった。

 

 またちらりと私はちーちゃんを見る。ちょうどこちらにお尻を向けて、コロコロのテープを剥がしているところだ。スウェットで浮き上がったちーちゃんのお尻回りがくっきりと浮かび上がっている。

 

 お互いそれなりに歳をとって、お腹やお尻回りの肉付きが良くなったのも原因なのだろう。目の前にあるちーちゃんのお尻は、私が以前見たときよりもまんまると、大きくなっているようだった。前はもっと小さかったのに、意識して見直すとこんなにも違って見えたんだ。

 

 ごくり。私はまた唾を飲み込んでしまう。ちーちゃんが足を曲げる。そのとき、むっちりと美味しそうになった太ももが目に突き刺さる。

 

「……ちーちゃん、ちょっと太った?」

「うっさい。ああそうだよ、夜食とか晩酌してたら2キロくらい太ったよ」

 

やっぱりそうか。決してスレンダー、ナイスバディと言えるような体型ではないと思う。胸は相変わらず小学生に負けそうなレベルだし、背だって低い。けど、足の回りだけやたら肉付きがよくて。

 

 いつもより、ちーちゃんが美味しそうに見えた。

 

 リモコンを放り、ぬるりと私は立ち上がる。ちーちゃんは少ししつこい汚れがあるのか、ごしごしとコロコロを乱暴に押し付けていた。

 

 その度にふりふりと揺れるお尻。えっろ。なにその動き、誘ってるの? 突っ込んじゃうよ? あ、でも私突っ込めるモノなんて持ってなかった。じゃあ揉みしだく? いや、ここはひとつお尻と言えば。

 

「……ていっ」

 

 ぺちん。私はちーちゃんのお尻を軽く叩く。軽くのつもりだったけど、割りといい音がして、ちーちゃんが飛び上がった。

 

「ひゃんっ!?」

 

 可愛すぎかよ。滅多に聞かないちーちゃんの可愛い悲鳴に、私の欲求レベルが一気に不満の域へと達する。

 

「ユー! なにするんだ、変な声だしちゃっただろ」

「ごめんごめん。ちーちゃんのお尻が美味しそうで」

「お前ついに私のことまで食べ物扱いしだしたのか」

「だってちーちゃんのお尻、まんまるで美味しそうだもん」

「またそういうことを言って……っぅ!? こら、揉むな!」

「うーん、私の胸ほどじゃないけど、叩き心地の良さそうなお尻……」

「バカやってないで離れっ……あーもう!」

 

 ちーちゃんは無理矢理体を回転させてお尻を床に向ける。あーあ、もっと触りたかったのに。

 

 はーはーとちーちゃんは両手をお尻に当てて半分私を睨んでいる。もしかしてちょっと気持ちよかったりしたのかな。お風呂上がりではない火照ったほっぺだった。

 

 でも、私は新しい物に目をつけてしまう。ちーちゃんのスウェット、少しサイズが大きいから襟回りが広い。だから首から下の素肌も体制次第では簡単に見えてしまう。そりゃもう、鎖骨まではっきりと。

 

 そう。そのわずかに浮いている、貧相な鎖骨が私を人間と言うカテゴリーから獣へと変えた。

 

「あー。ごめんちーちゃん我慢できない」

 

 私はちーちゃんを壁際に追い込むと、壁に右手を着き、私の両足でちーちゃんの足を動かさないように挟み込む。ちーちゃんはと言えば抵抗しようとしたけど、手をお尻に当てたままだったから抵抗できない。残念でした。

 

「ちょ、ユー落ち着けって! なにがっついているんだ!」

「ちーちゃんのお尻や鎖骨がエロいので、ムラっと来ました」

「着眼点がマニアックすぎだろ、理性はないのか理性は!」

「今だけ獣になるから理性ないね」

「お前そういうのを屁理屈って言うんだぞ、せめてベッドに……」

「やだ」ずい、と私はちーちゃんに顔を近づけ、言う。

「今がいい」

「ユー、ユーほんと、まっ……ーーーーっ!!」

 

 私はちーちゃんの鎖骨にかぶりついた。ああ、可愛い。身を強ばらせてカタカタと震えている。はむ、はむと鎖骨の回りをじっとりとなぶり、右手でちーちゃんの耳に触れる。びくっ、と体が跳ね上がる。

 

「だめっ……ゆー、だめっ」

 

 鎖骨をなぶり、舌を這わせながら首筋へと移動する。ちーちゃんの吐息混じりの声が最高にそそる。首が弱いもんね、よーくしってるよ。

 

 ぬるり、ぬるり、ぺろりと首筋を堪能する。耳に触れていた右手も首に回して、優しく撫で回してあげる。ちーちゃんのからだの強ばりが消えていき、くたりと首が傾く。えへへ、ほんと。

 

 簡単に堕ちちゃうよね。

 

「ちーちゃん」

 

 私は空いた左手で肉付きのよくなった太ももを丹念に撫で回す。時々指を押し込んだり、むにむにと揉んでみたりしてその感触を楽しむ。私が指を動かす度にちーちゃんの吐息が私の首筋に触れてぞくぞくする。

 

「ゆ、う……」

 

 とろんとした目でちーちゃんが私のことを見ていた。はい、出来上がり。こうなったら私の勝ち。無防備に晒された、美味しそうな首筋にかぶりつく。甘い悲鳴、ちーちゃんの匂いとシャンプーの臭いが混ざりあってとってもいい香り。

 

 ぎゅっと左手が握りしめられる。いつの間にかお尻から脱出したちーちゃんの手が、まるで小さな子供のような力で私の手を握りしめていた。それに指を絡めて私は答える。

 

「ふ、っあぁ……ゆー、う……」

「んっ、ちーちゃん、かわいい……」

「ぁあ……ば、か」

 

 最後の抵抗だろうね。バカとは言いつつも、ちーちゃんの唇がはむはむと動いている。チューのおねだり。私は舐めずりすると、ちーちゃんの小さな唇を自分の唇で塞ぎこんだ。

 

 あしたは、朝寝坊しよう。私はちーちゃんのありとあらゆる体の部位を堪能しながら、二人でカーペットの上に倒れこんだ。

 

 

 

 了

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