変人がAクラスに降臨しました   作:孤独なバカ

11 / 15
Aクラス作戦会議

「んじゃ行くか。どこら辺?」

「えっと水無月くらいまででいいんじゃないかしら。」

「それは土日にしようぜ。今日はファミレスで勉強会でよくね?てか、カノネコ映画化しているから土日に見にいきたいんだけど。」

俺は歩きながら

「あっ、それは見にいきたいわね。……今日発売の欲しい本があったのだけど。」

「……あぁ。なるほどな。」

大体欲しい本は分かるのがちょっと嫌だよなぁ。

「あのした発売日今日だっけ?俺も買おっかな。」

「あなたもハマっているじゃない。」

「いや、さすがに用途は違うけど、まぁ本自体は面白いしな。」

普通の会話のように見えるが、まぁ内容はひどいものだ。

いわゆるラノベ。それも木下に限ったらBL本の話だ。

まぁ、偶然に木下を見かけて、買いづらそうな本を買ってやったことがきっかけに仲がよくなったんだよなぁ。

まぁ、俺もアニメやラノベの布教をしたら、お互いにラノベやオススメのアニメを開拓するようになったいわゆるオタク仲間みたいなものだ

「……う〜ん。まぁ俺はパスかな。今月はちょっと節約したいな。映画は優待あるから見れるけど。」

「優待券あるの?」

「あぁ。もう一枚あるけど行くか?」

「えっ。いいの?」

「結衣誘おうと思っていたけど、そういや木下はこういう系大丈夫だっけ。」

「林さんもあぁいうの読むの?」

「いや、漢字が読めないからあいつは映像系だけ。あいつは小学生の漢字も危ういから。」

「……それって本当に大丈夫なの?」

「大丈夫じゃないんだよなぁ。」

俺はため息を吐く

「それじゃあ駅前の本屋行ってから、ファミレスはどうだ?一応明日補充試験だし、文系見直しておくぐらいはできるだろ?家では新刊みたいと思うし。」

まぁ遠回しだけども意味は通じるだろう

「そうね。私は消耗したのは……日本史と世界史ね。」

「明日は四限までは補充だからな。お前なら一時間の復習でなんとかなるだろ。とりあえず本屋行こうぜ。買って来てやるから。」

「いいわよ。自分で買うわ。」

「……隠すんじゃないのか?」

「別に。あなたを見ていたら私がバカらしいじゃない。……それに一度助けてもらっているし。」

「……お前を泣かせておいてか?」

一度俺と木下は秀吉のことで大ゲンカと言えることをしたことがある。その時に一度泣かせてしまったんだが

「……それでも、私の恩人なのは変わりはないわよ。」

「もうやってないだろうな?」

「えぇ。……でも、あんなに喧嘩したのって秀吉を除けばあなたくらいよ。」

「喧嘩できる仲ってそんなにいないしなぁ。てかあの時は大人げなかったよな。本当今更だけど。」

あの時はかなり気まずかったからな。仲直りした後でも少しちぐはぐだったし

「まぁ、秀吉も秀吉だけどな。まったく演劇で女性役が多いとはいえ女子の服装のまま公衆を歩くなつーの。女顔だし女性の服きたらそりゃ女性と間違えられるわ。」

「……そういや、あなたって髪留めする前から私と秀吉をちゃんと区別がつけているわよね?認めたくないけど、私と秀吉って結構似ているわよね?」

「そうか?俺はあんまりそうだとは思わないんだけどな。」

実質見分けがついているわけだし、秀吉よりも木下の方がかわいいしな

結構子供っぽいところとか、意地はっているところとかそういったところを俺にはよく見せるからだろうか?

「……何よ。」

「別に。何でもねぇよ。ほらさっさと行こうぜ。」

俺は少し早足で駅へと向かう。

「えっ。ちょっと。」

「……秀吉と比べんな。お前は自己評価低過ぎなんだよ。」

「……どういうことよ。」

「自分で考えろバカ。」

「なっ。バカって何よ。」

ぎゃあぎゃあ言い合いをしてしまうがでも、

その姿が綺麗だったということは俺だけが知っている話だ。

 

「……それでここは。」

「あっ。なるほど。」

とファミレスで俺は数学を木下に見てもらっているのだが

……近いんだけど

俺の隣に4人席でも関わらず隣に座っている木下を横目で見る

勉強を教えるからといって隣の席に座っているのだが

一時間超えた辺りから集中力が途切れつい木下の方に向いてしまう

とりあえず一区切りをついたところで

「悪い。集中力切れた。」

と一旦途切らせる

俺は苦手科目だと集中力があまり持たず1日一時間くらいしか持たないのだ

「……早過ぎない?」

「今日はもった方だろ。一時間半くらい続いたぞ。」

ドリルは15ページくらい進んでいるし、何よりも木下がいたおかげで効率的にできたし

木下は呆れたようにしているが

「てか、計算問題ならなんとかなるんだけど。証明がやっぱり鬼門だよなぁ。正答率酷すぎだろ。」

勉強の話に逸らす計算はぶっちゃけできるのだが図形問題が鬼門で正答率が4割程度くらいしかない

「……はぁ、まぁそうだけど。あんたって苦手科目になると。」

「分かっているから言うな。でも助かる。」

「基礎は抑えているから後はコツさえわかればもっと取れると思うわよ。」

「……そのコツが分かればなぁ。」

俺は数学のノートを見直す。

「……はぁ。まぁありがとうな。勉強見てあげるはずが見てもらうことになってしまって。」」

「別にいいわよ。」

「……はぁ。理系なんかなければいいのに。」

「そんなこといったってなくならないわよ。」

「霧島は理系強くて500点オーバーだしなぁ。古典と英語も点数400点越えだし次も霧島が主席かなぁ。霧島もかなり点数伸びたよな。」

「あなたほどではないけど代表もあなたを意識しているって言っていたわよ。」

「……そうかよ。」

そりゃ、伸びるよな。

あいつ4500点くらいだったのが今回は俺と同じ5000点オーバーだしな

「……まったくうちのクラスには化け物しかいないのかしら。」

「お前も最近伸びて4000点まで総合伸びているくせに。」

特に理系の伸びがすごくもう少しで400点、腕輪持ちになってもおかしくない

「あなた達が頑張っているのに私たちが支えないわけにはいかないでしょ。……私も愛子も久保くんも二人を見て刺激を受けているのよ。Aクラスのみんなもそれが分かっているから今日の試召戦争も協力しているんじゃないの。」

「まさか。まぁ、協力してくれたのはよかったけどな。まぁ作戦が色々変更になったけど。」

結構予想外なことが起こったんだよな

「……でもよかったの?元々の協定違反に嵌める作戦を使わなかったでしょ?」

「まぁちょっと色々あってな。少し貸しを作ったんだよ。」

「……どういうこと?」

「もうBクラスの勝てる勝負じゃないってこと。あのバカを怒らせたら俺たちが出る幕じゃねーよ。」

俺がブラックコーヒーを飲む。

工藤からの報告には女性物の便箋がBクラスの男子をFクラスから取ったことを明久に報告している

メールを見ているかは分からないが明久がどうにかすることだろう

「……そういや、あなたはFクラスを意識しすぎじゃない?私はそこまでする必要はないと思うんだけど。」

「いや。逆だよ。Fクラスだからこそ警戒しないといけないんだ。というよりも今現状で俺たちを倒せるのはFクラスくらいだぞ。」

「……へ?」

「Fクラスに姫路がいるからな。ぶっちゃけ姫路さえいなければ俺たちは敵なしなんだよ。姫路に点数を勝てるやつは俺と霧島のふたり、将来的には木下と久保、それと宮田くらいか。工藤はしばらくは康太封じのため保体に集中するだろうし来年以降じゃないときつい。でも今現状は負ける。」

「……つまり黒壁くんか代表が姫路さんとやらないといけないのね。」

「そう。でも、霧島は雄二と戦いたいらしいから俺が姫路と相手をしないといけないわけだが理系を選択されたら終わりだ。あいつは学年2位の理系の点数を持っている。そして明久なんだが、……腕輪持ちの久保か、そういやお前、数学で400とってたよな。」

「えぇ。一応。」

「それなら木下、そして宮田のうち一人を明久を出さないといけない。雄二は霧島の弱点を知っている可能性があるから。一敗は確定。康太で一勝、そして結衣の家庭科で一勝ってこと。」

「……なるほど、確かに不利ね。」

「……だからきついんだよ。せめて霧島が姫路と戦ってくれたら。確実にこっちの勝負は確実なのに。」

「……それは本当?」

「「うわっ。」」

と霧島が急に目の前に現れる

「霧島か。びっくりした。」

「……優子と黒壁がいたから。でもそんなに厳しい?」

「……厳しいな。雄二が焦っているから雄二が霧島に負ける可能性はあるけど。幼馴染なんだろ?だから苦手を知っている可能性があるし。」

「そう。」

少し残念そうにしているのだが

「……だけど、選択権が相手が思わぬところで使ったとなれば別だ。」

「……えっ?」

「教科の選択権を俺に渡せば姫路には確定で勝てる。100%だ。それで霧島も勝てばいいだけだろ?霧島お前は苦手をFクラス戦前に克服しろ。小学生の問題から全てやり直せ。」

「……分かった。」

「結衣は何とか知略で封じ込めるとしたら後一人。多分、島田だろうな。木下、多分島田だと思う。島田を挑発して教科選択権をもぎ取ってくれないか?」

「挑発って。」

「悪い。これが雄二と霧島を戦わせる中で一番勝率がいいんだよ。また貸し一つってことで。」

すると少しため息を吐くと

「……分かったわ。やってみる。」

と頷く

「明久は、久保だと手を抜く可能性があるから宮田でで姫路が俺か。結衣は適当に当てるかどうせ勝てないし。」

とりあえずこれがベストメンバーだろう。今のところは

「……ありがとう。」

「……は?」

「そこまで考えてくれているとは思わなかった。」

「俺がやりたかったことと霧島の目標が重なっただけだろ。それと霧島。お前どうせ雄二に付き合うためにこの戦争を仕向けたんだろ?」

「……えっ?」

「……気づいてたの?」

「生憎敏感なんだよ。まぁ、命令権が欲しいって聞いた時から多分そうだろうなとは思っていたけど。それは俺はやめた方がいいと思うぞ。」

「えっ?」

「……俺の勘だけど、多分雄二も気になっているはずなんだよ。お前のことは。あいつが女子を名前で呼ぶのはお前くらいだろ?」

「……」

すると頷く

「多少なりとも意識はしているはずだと思うんだよ。面倒臭いかもしれないけど、雄二のこと待ってやってくれないか?何となく俺はあいつが何でこの学校を選んだのか分かる気がするんだよ。あいつは学力が全てじゃないってことを証明することにこだわりすぎている。…それを証明する方法がこれだ。」

「……ねぇ、どういうことよ。」

「……雄二は霧島の隣に胸を張って立ちたいんじゃないのか?あいつの過去は知らないけど、それだから最初からこっちのクラスを目標にしているんじゃないのか?あいつにしたらなんか隙だらけの策だったからな。」

多分だけど、そうなんだと思う

あいつが試召戦争にこだわる理由は恋愛感情じゃないかと思う

「まぁ、俺の推測なだけなんだけどな。ただ、そうしたらこの時期に戦争を仕掛けたのも少し納得できるかなって思って。」

雄二らしくないんだよ。今の状況は

情報収集も何もかもが足りていない

穴が大きすぎるんだよ

「……黒壁。それなら雄二にどんな命令をすればいいと思う?」

「命令って。まぁ月2でデート。登下校をなるべく霧島と一緒にするが安定じゃないのか?俺と結衣が付き合っていた時はそうしてたけど。」

「……そういえば林さんだっけ?いつもあの調子なの?」

木下がそんなことを言い出す

「あぁ結衣のことか。まぁ結衣は元カノだけど嫌いになって別れたわけじゃないからな。」

「そういや、そう言っていたわね。でも普段から抱きついたりするものなの?」

「う〜ん。親がいなければこんな感じだな。昔からあいつは変わらないし。やっぱりおかしいよな?」

「おかしいっていうより、仲が良すぎるのよ。」

呆れたようにしているけど

「まぁ、友達感覚が抜けきってないだけだろ。あいつ俺が昔のことからあんな感じだったから。……工藤に聞いたら分かると思うけどあいつボディタッチは比較的多いんだよ。元々寂しがり屋だし、工藤にもよく抱きついているぞ。多分時間が経てば木下や霧島にも抱きついてくるんじゃないのかな?」

すると少しだけ嫌そうにしているけど多分すぐ慣れると思うぞ

「てか話逸れすぎ。霧島ならそれだけでも雄二を意識させることはできるだろ。ゆっくりしようぜ。告白するなら雄二からされたいだろ。」

「……(コクリ)」

一度頷く。

「まぁ、この件は勝ってからだ。まずは勝とうぜ。多分BクラスとCクラスが戦争を始めるはずだ。……先ずはそこからだろう?」

「えぇ。それもそうね。」

「……うん。黒壁。ありがとう。」

「別にお礼されることなんてないさ。それに俺も命令したいことがあるし。その件に口出ししてくれなければ。」

「……命令したいこと?」

「あぁ、……これは霧島にとってもいいことだと思うけど。」

と俺の命令を告げると驚いたような二人が印象的だった


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。