そして翌日俺たちは補充試験を終えると
「ん〜楽しかった。」
「あなたそれテスト終えて最初の一言目がそれなの?」
木下が呆れたようにしているのだが
「いや、だって俺答え合わせに手間取っていたから2教科しか受けてないし。」
「黒壁君、現代国語の回答用紙代表の二倍あったらしいからね。」
「それで何点だったの?」
「810点。今回好きな作家の本だったしドラマも見てたから。」
「私も黒壁くんにオススメされて読んだけど。それ、恋愛小説よね。」
「ボクも黒壁くんに勧められたことあるよ。この本。黒壁くんラノベとかアニメとかでも純愛の恋愛小説をよく読むよね?」
「あんまりバッドエンドは好きじゃないんだよ。ナイスボートとか死エンドとか。」
「……」
工藤は一度勧めて反応を見ようと思ったらガチ泣きされたことがあり、そういう系のものは一切勧めなくなったんだよな
まぁ純愛小説を読むのは工藤も同じなんだよなぁ
こいつの反応を見ながら顔を真っ赤にして読む工藤は少し見てて微笑ましいし
「まぁ、一番確率的バッドエンドに少ないのが純愛系だからな。」
「意外ですね。私もこの作家は好きですよ〜。」
すると宮田が後ろから話してくる
古典と歴史関係に強くその教科は400点越え。……楽をしたいってことで文系全部50点ほど少ない数字を言っていたのだ
「……面白いの?」
「面白いっていうより感動系かな。今回のテストでは冒頭部分だったけどクライマックスはかなりよかったな。」
「そ〜ですね〜。この作家は最後のオチがうまいんですよね。伏線もしっかりひろってますし。」
こいつ恋愛小説が本気で好きなのか生き生きと語っている。
「細かい設定も使い切るのがうまいからな。結構ドラマもオススメ。俳優がうまいからちゃんと期待にそった演技ができているんだよな。霧島読みたいのなら貸そうか?」
「……いいの?」
「この人の本はデビュー作のやつから持っているからな。」
「えっと確か祭りでしたっけ?あれはすごく駄作だと思うんですが。」
「お前よく知っているな。あれ売上酷くて今発刊中止になっているのに。まぁ、確かに面白くないけどな。」
「何で面白くない本まで持っているのよ。」
呆れ顔の木下に苦笑してしまう。面白くないのに時々読みたくなるんだよな
「そういやFクラス対Bクラス戦終了したぽいな。さっき歓声聞こえたし。」
「あぁFクラスが勝ったようだよ。」
「やっぱりか。」
「あぁ、最後は土屋くんの保険体育で決着がついたらしい。」
なるほどな。まぁ、どうせ姫路が使えない以上はこうするしかないか。
「オッケー。多分これで……いつFクラスが宣戦布告してもおかしくはないな。後可能性があるのはBクラスとEクラスだけど。」
「それなんだけど、CクラスがBクラスに宣戦布告したみたいだよ。」
「行動早いな。開戦時刻は?」
「今日の昼休憩終了後らしいね。」
「……さすがにあそこまでお膳立てしてCクラスが負けたらさすがにセンスがなさ過ぎるぞ。」
「さすがに大丈夫だと思うわよ。それに、うちもそんな心配している暇はなさそうよ。」
「……だろうな。」
「失礼する。」
すると雄二が入ってくる
「…我々、FクラスはAクラスに宣戦布告をする。それでなんだが。」
「一騎討ちだろ?雄二。簡単にルールは作ってある。交渉は俺に一任されているから。」
「……お前副代表だろ。そんなことしていいのかよ?」
驚いたようにしているが
「霧島は雄二が来るって聞いてから勉強に集中しているぽいし余計なことはさせたくなかったんだよ。それにFクラスの内情を知っているのは俺だし大体の戦力は理解してある。それに霧島と昨日偶然会ってルールは簡潔に決めてあるんだよ。」
「なるほど。だから昨日は帰るのが遅かったんだ。」
すると明久が教室に入ってくる。その後ろに秀吉、康太、姫路に島田そして
「お兄ちゃん。」
当然の如く結衣がいた
「……てかFクラスエース格が全員いるのかよ。」
「抱きついているのはスルーなのか?」
「言っても無駄ってことだ。もう諦めている。」
「お、おう。」
少し引き気味の雄二だが話を戻す
「まぁ、とりあえず、久保記録係頼む。」
「分かった。」
「木下と工藤も一応交渉の場にいてくれ、気づいたことがあったら報告してくれると助かる。」
「えぇ。分かったわ。」
「うん。その前に結衣ちゃんは一旦離れようね。」
「え〜。」
しぶしぶながら離れる結衣
「……まぁ言いたいことは色々あるけど戦前会議を始めようか。とりあえずこの書類をみてくれ。基本的なルールはここに書いてある。」
そして昨日決めたルールを印刷したものを渡す
「……やけに細かいな。」
「生憎こういったものは隙を作らせないし、お互いに譲渡しあえるように組んだからな。」
そして項目を読んでいくと姫路が何か気づいたようにしていた
「……あの、規則に応じた特別ルールって何ですか?」
「そういや昨日姫路はいなかったな。勝った方が相手のクラスに対して命令権を一つ寄越すって奴だ。」
「まぁ、簡単にいうなら俺たちのクラスも利益が欲しいんだよ。まぁ、それはお互いに命令権を持っているんならそこも明確にしておきたいってことだ。」
「……それで、命令権のルールは……相手の気持ちを尊重しない命令権を禁ずる?どういうこと?」
「これは明確には、恋愛ごとについてだな。例えば島田須川に付き合ってくれとか言われたらどうする?」
「嫌に決まっているでしょ?ってあぁそういうことね。」
納得するようにする島田
「……ん?これを翔子が納得したのか?」
すると雄二が聞いてくる
「あぁ、了承はとったぞ。……それがどうした?」
「いや。俺たちに依存はないが。」
「オッケーこれで交渉は成立だな。開戦は。」
「明日の放課後でどうだ?」
俺は木下を見ると頷く
「オッケー。それじゃあ3時30分開戦で。」
「それじゃあ戻るぞてめぇら。」
「そうそう雄二。」
「なんだ?」
「もう少しポーカーフェイス学んだ方がいいぞ。」
「……どういうことだ?」
「さてどういう事でしょうね。」
木下も分かったのか少し笑っていた。
「それじゃあFクラス戦のメンツを発表するぞ。」
俺が教壇に立つと静寂が教室中に訪れる
出すメンバーを先に知らせるようにしたんでこれで組み合わせるのは簡単だ
「島田戦は木下。須川戦は久保。林戦は佐藤。土屋戦は工藤、坂本戦は霧島。このメンバーでなるべく相手の選択権を全部奪ってくれ。佐藤は正直勝ち目薄いけど。」
「クラスのためなら仕方ないです。」
「悪いな。そして吉井戦は宮田。これは不確定だけど木下か久保が相手に渡した時に使え。」
「は〜い。でも吉井くんって確か観察処分者ですよね?それなら教科の選択権なくても。」
「……あいつに勉強教えているんだよ。ルームメイトだから分かるけど日本史と世界史ならばAクラストップ10に入るんだよ。300点超えるしな。」
「……何で敵を強くするようなことしているんですか?」
ジト目で見られるけど
「あのな。元々は中間や振り分け試験のために勉強教えていたんだぞ。姫路と一緒に途中退席したからだけど、実際のところBクラスくらいには点数があるんだよ。」
「……えっ?」
「Bクラス並って。」
「実際にBクラス戦では世界史で近衛部隊を多く撃破。第一戦功をあげているらしいわ。」
これは木下が秀吉に聞いた情報だから性格なのかわ分からないけどな
「まぁ、明久戦は宮田に任せるさ。負けても俺が勝てばいいし。」
「一番大切な姫路さんとだからね。」
本当にここを勝たないと水の泡なんだよなぁ
「はぁ、勝てるところを確実にとりたいけど霧島が一応負けるとなるとなぁ。」
「勝てるギリギリのところを取っておきたいということ?」
「そういうこと。一応佐藤以外は全員勝てる可能性がある組合せにしてある。どうせならなるべく多く命令権を取りたいしな。」
俺は一息つく
「それじゃあ……勝ちに行くぞ。」
「「「おう(えぇ)」」」
すると雄二達が入ってくる
……さて開戦といこうじゃないか