変人がAクラスに降臨しました   作:孤独なバカ

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Fクラス戦前半戦

「それじゃあ。両名共準備はいいですか?」

「ああ。」

「……問題ない。」

高橋先生の声で始まる試召戦争に俺たちは笑う

「それじゃあ1教科目の人は出てください。」

「島田頼むぞ。」

「分かったわ。」

すると思った通りの捨て駒が出てくる

「木下。」

「えぇ、ちゃんと役割を果たすわ。」

すると木下が歩いていく。

「早い所済ませましょ。どうせ相手にもならないんだから。」

うわぁ、初手からキッツイことを言うなぁ

「ちょっとFクラスだからって舐めないでよね。」

「事実でしょ?」

うん。正論しか言ってないな

でも奥では秀吉と雄二が話している。もうそろそろ頃合いだ。

俺は目線で合図をすると頷き

「あなたと私では格が違うのよ。悔しかったら私を倒してみたらどう?あなたの得意科目で。」

「しま、」

「えぇいいわ。高橋先生数学でお願いします。」

よし釣れた。

俺はニヤリと笑ってしまう。

これで島田に勝てれば形勢は一気にこっちに偏る。

「それでは召喚してください。」

「「サモン。」」

幾何学模様も魔方陣が描かれそして二人の召喚獣が出てくる

【数学】

Fクラス 島田美波 186点

あっやべ。俺負けているじゃん。

数学は今朝補充試験受けたときは173点だったしなぁ

「私数学だけに限ったらBクラス並にあるんだから。」

「……へぇ〜それは凄いわね。でもね。」

 

【数学】

Aクラス 木下優子 410点

 

「私はもちろんAクラス並だけどね。」

「「「なっ。」」」

「400点越えだと。」

雄二やFクラスは驚いている。

「あたしだって代表や黒壁くんには負けないんだから。」

そして一閃し一瞬で勝負は決まった。

「勝者、Aクラス。」

するとAクラスで歓声が湧く。

そして木下が帰ってくる

「悪い助かった。」

俺は手をかざす。

「このくらい別にいいわよ。……これで負けたら許さないわよ。」

「あぁ、分かっているさ。」

手をパンと鳴らしハイタッチをするとわぁと一際歓声が強くなる。

ふと高橋先生を見ると少し笑ったような顔をした後に

「次の人は前に。」

高橋先生は無表情に戻りそう告げる

「……なるほど。メンバーを先に告げるってこういうことかよ。須川頼む。」

「了解。」

「久保。選択権を使っていいから確実にやれ。」

「「「なっ。」」」

「久保だと?」

さすがにFクラスは予想外だったのか

久保は姫路級の大物で今回の試験では第4席を奪ったほどだ。

「それじゃあ総合科目でお願いするよ。」

「はい。承認します。」

そして二人の召喚獣がでてくるが試合は一瞬で終える

【総合科目】

Fクラス 須川亮  680点 

     

     VS

 

Aクラス 久保利光 4518点

 

召喚獣の腕も関係ない学年主席並の一撃になすすべがなく須川の召喚獣は倒れてしまう

「……うぉ。すげぇ。」

「黒壁くんはもっと取れているんじゃないの?」

「いや、普通ならこれが主席レベルだぞ。三年の主席ってこの点数くらいだし。」

俺と霧島がトップ争いしていたからそればっかり見ていたけど

「……ついでに黒壁くんは総合何点なの?」

「5000点は超えているぞ」

「化け物ね。」

「……黒壁は高校に入って総合が1500点伸びているから。」

「最初第六席だったのにいつの間にか抜かされていたからね。」

久保が帰ってくる。

「まぁ、いい数学教師ができたからだろ。分かりやすいし。久保もかなり伸びたよな。」

「600点くらいならまだまださ。それで次は。」

「多分康太だろうな。ここで1つは勝たないと面目立たないし。」

「次の人はどうぞ。」

「……」

するとやっぱり康太が出てくる

「んじゃ、工藤頼んだ。」

「うん。任せて。」

すると工藤が前にでる

「土屋くんだっけ、随分と保健体育が得意みたいだね。」

すると康太に話しかけている

「でも、ボクだってかなり得意なんだよ?……キミとは違って、実技で、ね。」

お前が言っているのは運動の方だろ。

恋愛面に関してめちゃくちゃ奥手だしな。

まぁ、そのことについては後からからかうか

するとあっちでは雄二達が何か戸惑っていると目線で俺の方に助けを求めているが無視しておこう

何となくやばそうな気がするし

「そっちのキミ・・・・吉井くんだっけ?保健体育でよかったらボクが教えてあげようか?もちろん実技で」

「ふっ望むとこ。」

「吉井には永遠にそんな機会なんて来ないから、保健体育の勉強なんていらないわよ!!」

「そうです!!吉井君には永遠に必要ありません!!」

するとFクラス陣からの声が聴こえてくるんだけど

……なんかあいつら少しだけイラっとくるな

「……なるほど。あんたが言っていたこと少しはわかる気がするわ。」

すると木下が少しため息を吐く

「みんな何言っているの?保健体育って試召戦争の教科の一つじゃないの?」

そして無知の結衣が首を傾げる

「林さんは知らないでいいわよ。」

「えっと。どうしても知りたかったら工藤に聞け。保健体育に関しては俺よりも詳しいしな。」

俺と木下がありのままに答える

「えっ?」

「うん。愛ちゃん後から教えてね。」

「えっ。黒壁くん。」

「自業自得だアホ。言葉の責任くらい負え。」

純粋な笑顔に怯む工藤。これはいじるとかじゃなくてお前の責任だな。

「時間が押していますので早く召喚してください。」

すると高橋先生から警告が出される

「……サモン。」

「サモン。」

すると二人の召喚獣が出てくるとすぐさま工藤が接近戦を持ち込む

【保健体育】

Aクラス 工藤愛子 493点

 

すげぇ伸びているな。工藤ここまで保体でここまで伸びるとは

「理論派と実技派、どっちが強いか見せてあげるよ。バイバイムッツリーニくん。」

斧を振るおうとする工藤の召喚獣に対して康太は落ち着いた様子で腕輪を発動させる

「……加速。」

「えっ?」

「加速終了。」

【保健体育】

Fクラス 土屋康太 567点

その上を行くんだよなぁ

「そ、そんな、この、ボクが。」

「……」

分かってはいたがやっぱり工藤を捨て駒にするのは胸糞悪いな。

……でも康太に運良く勝てるとするならば工藤しかいなかった

俺は頭を何回かかく。

そして工藤が戻ってくると

「…後は任せろ。」

小さく耳元で呟く。

こいつの負けは絶対に犠牲にはしない

「次の人はどうぞ。」

「私が行くね。教科は家庭科でお願いします。」

「佐藤。悪いけど。」

「はい。行ってきます。……絶対に勝ってくださいね。」

「任せとけ。」

すると前に出る

「それじゃあサモン。」

「サモン。」

すると結衣の召喚獣が出てくるのだが。その手には弓と矢が

「………弓か?珍しいな。狩人モデルの召喚獣は。」

「弓?つまりは遠距離タイプなの?」

「近接戦は向いてないけどそれでも。」

【家庭科】

Fクラス 林結衣 712点

 

    VS

 

Aクラス 佐藤美穂 419点

 

佐藤も高いけど結衣にははるかに届かない

一本のものすごい速さの矢が佐藤の召喚獣を貫く

「勝者Fクラス。」

するとあちらの歓声が湧く

湧いているんだが雄二は苦しげな表情を浮かべる

この勝負圧倒的に有利なのはこっちになっている

前哨戦はこっちの勝利と言えるだろう


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