「それでは次の人お願いします。」
「……これを落とされたら意味がないな姫路。」
「はい。」
「んじゃ、俺だな。」
俺が立ち上がるみんなが息を呑む。
ここが大一番だとわかったんだろう
「教科は現代国語でお願いします。」
「了承します。」
高橋先生が告げる
「それでは召喚してください。」
と呼び出される召喚獣だが
一瞬で決着がつく
【現代国語】
Aクラス 黒壁春斗 812点
VS
Fクラス 姫路瑞希 382点
「「「「はぁ!?」」」」
味方敵問わず大声が上がる
俺の好きな本の問題ばかりだったので余裕の800点オーバーを記録したんだよなぁ
「悪いな。ここで負けたら後がないんで。」
一閃すると一瞬で姫路の召喚獣は戦死する
「勝者Aクラス。」
誰もが静まり返る。
呆気に取られるものがほとんどだ
「悪いけど明久をバカにしたり暴力を振るうような奴に手加減するつもりはないから。」
「えっ?」
俺はそう一言だけ呟くと自分の陣に戻る
「……あんた。現代国語点数おかしいわよ。」
木下が呆れたようにしているのだが
「今回その分物理と化学が低かったんだよ。総合50点くらいしか上がってないし。」
夜に勉強していた物理と化学は勉強時間が一時間以上だったこともあり、あまり勉強した意味がなかった。」
「……物理と化学が振り分け試験のテストのままだったら私総合科目負けていた。」
「げっ、マジかよ。」
「うん。12点差で。」
「代表と黒壁くんまだ点数上がっているの?」
工藤が少し涙目になっているがちゃんと話せるくらいには復帰している
「……これで3勝2敗。」
「あぁ。後は明久と宮田、そして雄二と霧島か。宮田お前そういえば教科はどうするんだ?」
準備をしていた宮田に聞いてみると
「日本史か世界史にしようと思います。」
「……古典じゃなくてか?」
古典は明久の一番苦手科目だと伝えているのだが
「はい。ダメですか?」
一応400オーバーの教科だが負ける可能性はある
いや、負ける可能性の方が高いだろう
「……問題ない。私が勝てばいい。」
霧島が言うと俺は苦笑する
「別にいいぞ。思う存分やってこい。」
「ありがとうございます。」
すると戦場に歩いていく。
「えっ?止めないの?」
木下がいうと
「まぁ、代表の意見は俺より強いからな。それに、宮田が負けてもまだこっちには霧島がいる。……それに前ミーティングでは任せるって言ってあるし。どっちにしろこいつは日本史世界史共に俺の次だからな。好きにやれ。それに。」
俺は一呼吸置いて
「油断してない霧島が負けるわけないだろ。」
ただでさえ点数おばけの霧島だ。全教科隙がないので大丈夫だろう
「……まぁ、それもそうね。」
「そういうことだ。」
雄二達からは明久が出てくる。まぁ当たり前か
「それじゃあ教科は何にしますか。」
「日本史で〜。」
「へ?いいの。」
明久は驚いたような顔をしているが、頷くと
「はい。その代わりなんですけど、ちょっと聞きたいことがあるんですよ〜いいですか?」
「うん。いいけど。」
するとヘラヘラしているようにしていたのだが、急に真剣な顔つきになって
「……なんであの女の子の為に自分のゲームや漫画を売ってまでお金を集めたんですか?」
「へ?」
なんの話をしているのか全くわからないのだがどういうことだろうか。
「多分ですけど観察処分者になったのもそれが影響していますよね〜。せっかく西村先生から没収されたゲームと取り返したのに使うっていう選択肢はなかったんですか。」
……そういや、明久が観察処分者になったのって西村先生の私物を古本屋で売ったからだったな。
俺が雑用係を請け負ってすぐに、観察処分者の吉井について話してくれたことがある
『確かにあいつはやってはいけない行為をやった。しかしそのおかげで救われた人がいる。だからこそ俺は退学や休学ではなく観察処分者にしたんだ。』
つまり女の子の為にこいつは鉄人のロッカーから自分のゲームを売る目的で奪い取ったのだ
そこで鉄人の古本に手を出したのだろう
……あいつもうちょっとやり方があるだろ
さすがに呆れてしまうが。
……でもあいつらしいな
それと同時に納得してしまった俺は悪くないだろう
「だって泣いてるの子がいたんだよ。」
「……へ?それだけですか?」
「うん。あれ?なんかおかしいかな?」
俺も雄二も秀吉も康太も呆れたように明久を見る
おかしいに決まっているだろ
おかしいところしかない
他人の為にそんなに尽くすことができる
「……」
あっけにとられていた宮田
「なんだ。そんなことだったんだ。」
力が脱力したようにしているのだが
「それなら、私も本気で行きますね♪サモン。」
「へ?」
と召喚獣を出すと
【日本史】
Aクラス 宮田海 454点
点数を表示されると雄二達も驚いたようにしている
宮田が点数ごまかしていたせいで俺たちも知らなかったが、今年から久保を抜かして学年3席
両親が歴史と古典の教師らしく、よく教わっていたらしい
全て320点以上であり、3教科で腕輪持ち
これが俺たちの切り札だ
「こっちだって負けられないんだ。サモン。」
明久も召喚獣を呼び出すと
【日本史】
Fクラス 吉井明久 382点
するとFクラスはもちろん。Aクラスも知らなかったのか驚く人が多い
まぁ、日本史と世界史は漫画やゲームが多く販売しているのもあり、明久が取り組みやすい教科なので最初はこればっかりやっていたのだが
取り組むと案外呑み込みが早く、物の覚えは悪くはなかっただけだ
しかし、60点台が半年で300点代後半まで上がるとは思わなかったけど
……やっぱこういった場面には強いのが明久だよな。
「聞いてたとはいえ、さすがに凄いわね。」
「元々大舞台では強いイメージだからな。一応Fクラスで前線にいながら一度も補充試験に戻らず前線で戦っているだけはあるだろ。」
あいつ本番に強すぎだろ。
すると先にレイピアで一直線に接敵する宮田の召喚獣。
このクラスでは珍しいレイピア型の召喚獣が接敵する
明久は左側に避けカウンターを入れようとしたのだが走り抜いていたので距離を取り止まったらまた明久の方を向きでそのまま突っ込んでくる
……うわっ。動きエゲツないな。宮田は相打ち覚悟で特攻。それも高橋先生だからこそできる戦法で明久を追い詰めている
高橋先生のフィールドは他の先生よりも数倍強くできている。その理由は総合科目による性能の上昇にある
エンドレスで取れる文月学園のテストでは総合科目はかなりの力を持っている
俺に限ったら総合科目は召喚獣が実体されないようにしているくらいだ
そしてまた突進しようとすると
するとサイドステップを踏み横にずらしそして
腹に思いっきり木刀を叩き込む
宮田海 312点
さすがにこの点数ならば一撃150点以上は喰らうかと思った矢先だった
下から大量の針山が現れ明久の召喚獣は避ける間もなく串刺しになった
吉井明久 dear
「勝者Aクラス。これにて、Aクラスの勝利とします。」
するとため息が聞こえる
「ぎゃー体中が痛いよう。」
「えっ?あの。」
「ヤベェ。忘れてた。明久。大丈夫か〜。」
「うぅ。全身が痛いよう。」
すると涙目になる明久。
「どうしたのじゃ。」
「観察処分者のフィードバックだよ。」
「あっそうでした。大丈夫ですか〜。」
宮田も少し苦々しく明久の方を見る
「だ、大丈夫。」
それでも痛そうにしているのだが少し顔が赤くなっていた
「しっかしうまく誘われたな。あれはさすがの俺も明久も無理だろ。カウンターと同時に腕輪使うなんて。」
俺は針山ってことを知っているのだが
「タイミング間違えれば自分も戦死、自分だけ戦死ってこともあったし。お前腕輪の使い方かなり練習しただろ。」
「え〜なんのことですか?」
ニコニコ笑っている宮田を見るとため息を吐く
「……まぁいいや。てかお前日本史。あんなに伸びてたのか」
「うん。少しでも勝ちたかったから。」
「島田が最大の原因だろ。俺に選択肢を渡ったら勝ち目はないには雄二がわかりきっていた。てか彼処を雄二が秀吉じゃなかったほうがおかしいんだよ。捨て駒だったら、何事でも動じない秀吉の方が最適だ。」
「……深読みしすぎていたんだよ。お前のことだから島田の数学で教科選択権を使わせようとしているんだと思っていた。」
苦々しく雄二がため息を吐く
「あのなぁ。俺数学で一度も島田に勝ったことないのにそんな危ない橋渡れないだろ。」
「……お前本当に極端なんだな。」
「お前らよりはマシだと思うけど。俺Bクラス中位クラスだぞ。理系は。」
「……はぁ。負けだ負けだ。これはどうやっても勝てねえよ。翔子。決勝戦は不戦敗でいい。」
すると雄二がそんなことを言い出す
「……いいの?」
「あぁ。もう負けは確定しているんだ。それならまた今度勝てる時にその勝負を挑むことにするばいいしな。」
「最終目標が俺たちってことは変わりはしないんだな。」
まぁ妥当な判断だろう。それにまた挑むことがあるとすればそれは武器になるしな
「まぁ、宮田が学年三席だし、今年Aクラスも結構ごちゃごちゃしているんだよ。Aクラストップ10に限れば総合平均点がいつもより数倍高いしな。」
「……おい待て、久保が学年4席だと。」
「私も総合は4500点オーバーですよ〜。」
「主席レベルが5人もいるんだ。今年は。木下も4300点代だし。負ける要素が見つからないんだよなぁ。」
「代表と黒壁くんがまだ成長しているからみんなついていけるように必死なんだけどね。」
だからこそこのクラスは強いんだよ
「というよりも吉井くんも日本史本当に強かったんだ〜。」
「春斗にかなり鍛えられたからね。」
「まぁ、日本史は参考資料が多くあるしな。」
漫画やゲームなど明久のやる気にさせる物がいっぱいあるし
「とりあえず戦後会談は全員揃ったら始めるぞトイレとかいきたいやつは先行ってこい。長くなるから。」
すると俺は一旦区切る