……学園が始まってから一年が経つ3月
中間考査が終わり俺は成績を見ると
霧島翔子 4819点
黒壁春斗 4810点
二位か……
俺はため息を吐く
数学や化学も今回調子が良く150点ほど取れたのになぁ
俺は総合科目を見るとやはり文系科目全てにおいて500〜700点を取れているのでぶっちぎりの一位だが数学は平均点くらいだしなぁ。
高校に入って空いた時間を数学や化学などの苦手な教科に回しているけど後10点がどうやっても埋まらない。
今回は自信があったのになぁ
俺はため息を吐きかけた途端
「……こら〜!!!吉井!!」
「……」
また騒がしい奴がやってきたもんだ。島田美波。俺の悪友に一人でもある。俺は呆れながらドイツ語を使い島田に話しかける
「島田、明久がこんな学年順位が張り出されるような場所に来るはずないだろ?」
「あら、黒壁じゃない。」
「てかな。明久がどうしたんだよ。どうせ掃除当番でもサボったんだろ?それはもう男子の宿命みたいな感じだからな。」
「……ごめん。意味が分からないんだけど。」
「まぁ、あいつは面倒なことはほっといて遊びに行く奴だ。てか鉄人呼べばいいだろ。」
「それもそうね。じゃあそうさせてもらうわ。」
「おう。じゃーな。」
すると数分後明久らしき騒ぎ声が聞こえたが聞こえないように振る舞うか
っていうのも俺は昼寝の他に読書が好きで子供の頃からよく読んでいたのだが、最近は原作を読んで和訳するということが多い。そのため、ドイツ語やフランス語、中国語も普通の会話程度なら筆記もできるし、島田からはドイツ語について教えてもらったので結構ドイツ語にも対応はできる。
というより、どちらかというと外国語を読むことだけならインターネットや辞書を使って調べることができるしな。まぁ、だから島田とは仲がいいといえるのだが
「……」
すると隣の席の根元が睨んでくる
ぶっちゃけクラスメイトの仲は最悪なんだよなぁ
俺はクラスでは成績優秀者として一位二位を争っており、隣のクラスの霧島と毎回トップ争いを繰り広げている。
しかしまぁここは一応進学校なので俺みたいに成績が高く、不真面目な生徒は嫌われる傾向がある。
まぁ、英語や国語は自分の好きな本を読んだりしているせいで他の生徒からは睨まれているしな。
ただし先生にちゃんと報告して俺なりの理論で勉強しているので許可はもらっているし、何より先生より点が取れるのにやる意味はないしな。
てか自分で翻訳している時点でおかしいけど
「あれ?黒壁くん?」
「……ん?」
最近転校してきたクラスメイトで友達の工藤が話しかけてくる。というものも中学が同じで引っ越した先が同じだったのは少し驚いたが
「あぁ、工藤か。」
「こんにちは、黒壁くん。何しているの?」
「学年別の総合と教科別の順位を見ているんだよ。」
そういえば工藤って頭よかったのか?
俺はそんなことを考えながら工藤の文字を探してみると
「げぇ。お前10位以内入っているのかよ。しかも保体二位かよ。」
俺は保体三位で一応400点オーバーなのにまさかその上を行く奴がいるとはな
「そういう君こそ文系全科目で全部トップでしょ?それと生物も。」
「まぁ、本読んでれば自然と身に入るだろ。英語だってハリーポッターの原文をそのまま読めば結構違う解釈を取れたりするから面白いし。」
「…もしかして自分で翻訳しているの?」
「一応な。まぁだから一冊読むのに数週間かかるけど。」
今でも分からない単語とか文法とかも調べないといけないしな
基本的な有名作品なんかは全て原文で読むようにしているし
「それに自分が好きなことで勉強できるんだ。学校のつまらない授業聞くよりも自分で調べながら楽しみながら読むことができるからな。」
「へぇ〜黒壁くんそれじゃあここでも成績いいの?」
「一応次席。理数系は平均くらいだけど文系特化型だからな。」
「……へぇ〜意外だね。」
「まぁ、普段からバカばっかりやっているし授業中は面白くなかったら寝ているからそんな感想を取るのは基本だろ。それに俺観察処分者だしな。」
一応俺は観察処分者ということでクラスでも教員からも有名だった
まぁ、試験召喚獣を使いたいためになったんだが。それを知るのは教員くらいだろう
「否定しないんだ。」
「事実だからな。てか真面目な奴が多すぎるんだよ。もっと気楽に遊ばないとつまんないだろ?」
「それもそうだね。」
と工藤は話が分かるので結構話す機会が多いのだ。
「まぁ、工藤みたいな奴がいれば。俺みたいなバカは助かるからな。」
「へぇ〜もしかして口説いているのかな。」
「口説いてる、口説いてる。」
「うわ〜適当だ〜。」
といつもののりでふざけられる仲は同じクラスではこいつくらいだからな
「んじゃ買い出し行かないといけないから帰るわ。もうそろそろスーパーで割引するから。」
「うん。じゃーね黒壁くん。」
「あぁ。じゃーな。」
といい別れると俺はスーパーに向かう
これは俺の日常である
俺は家に帰ると宿題を終わらせた後、ふたり分の料理を作る
俺は庭に小さな畑がありおり、季節の野菜が栽培されている
まぁ、お遊び程度だけど、毎朝しっかりと手入れをしているので野菜が楽しめる
俺は今一人暮らしをしているのだが、ちょっと悪友の食事事情を聞いた俺は今こうやって余裕があるので飯を食べさせているのだ
まぁ、光熱費の半分を払う条件に出したのだが。
するとコンコンとドアの音がなる
「はい。空いているからさっさと入れ。」
するとがちゃと音がなり女顔の男子が入ってくる
一応常識はできているが学校中のバカでここ最近は俺の部屋に住み出しているんじゃねーのと言いたいくらい入り浸っている吉井明久だ。
「ただいま!!」
「お前の家じゃねーよ。ほら飯なら後数分でできるから座ってろ。」
「了解!!じゃあ僕はゲームしているから」
「ゲームより風呂沸かせ。マジでしんどいんだよ。」
「え〜。めんどくさいよ。」
「……しばかれるか、晩飯が食えなくなるかどっちがいいか?」
「今すぐ風呂掃除してきます。」
と風呂の方に走って行く明久にため息をはく
「……はぁ。全く。」
と俺は料理を作りながらため息を吐く。こいつは俺が観察処分者仲間ということで結構付き合いが長い
まぁよくも悪くもいい友達なんだが
カレーとサラダを作り終え盛り付けた後、テーブルに配膳すると明久も配置につく
とりあえず挨拶をすると食べ始める
「やっぱり美味しいよね。春斗の料理。」
「うっせ。俺よりも料理上手いくせに。」
俺たちは食事当番を決めているというよりも家事当番を決めている
というよりも最近じゃ本当にルームシェアしているんじゃないのかというくらいの割合で止まっている
てかこいつ雄二と康太、秀吉と遊ぶ時以外はこいつ家に住みついているしな。
だから強制的に家事をやらせたし、今明久の家って確か水とガスは完全に止められていたよな。
まぁ、毎食弁当を俺の家で作れるば当然なんだけどさ。
「そういや、お前勉強大丈夫か?そろそろ振り分け試験だろ。」
「うん。最近じゃ日本史と世界史はAクラス並には取れるようになったから多分Fクラスにはならないと思うけど。」
と時々勉強を見ている時があるのだが、まぁ明久はひどい
どれくらいひどいのかっていうと俺が最初に三角形の面積の求め方から教えるというくらいにひどく、高校の問題を教えるのに数ヶ月かかったくらいだった
「まぁ、それならいいけどさ。てかいつまで居座るつもりなんだよ。お前。」
「う〜ん。姉さんが帰ってくるまでかなぁ?水道代やガス代も半分で済むし。」
「……はぁ。別にいいけど。てか一応問題がなければBクラス並に点数は取れるんだから頑張れよ。」
元々勉強の仕方が間違えていただけで、元々暗記は結構得意な明久のことだ。
文系に限ったら全て200点は超えるし、理数系も100点台までなら取れるように勉強を教えていた。
教えたというより英語はゲームを全て英語表示に変えてプレーしただけなのだが
現代文も同じように漫画で有名な小説を読ませているだけだ
俺は妹がいて、かなりの勉強ぎらいなので勉強が嫌いな人を成績を上げることには慣れているのだ
「飯食い終わったら一時間だけ勉強して後は遊ぼうぜ。」
「そうだね。今日は何する?」
「大乱かマリ○ーでいいだろ。勉強からは逃げるなよ。」
「さすがに一時間くらいなら逃げないさ。」
と笑っている明久にため息を吐く
まぁ、こんなことばっかり続いているので平和すぎる日が続いているのだった