「おーい。明久。先行くぞ。」
「うん。じゃあまた後で。」
と玄関から出ると俺はほのぼのと出かける
春真っ盛りに入り俺は通常通り学校へ向かう途中なので焦る必要もない
人混みの中歩き丘を登ると学校が見えてくる
ここにきてもう一年か
新天地は予想外に変な奴が多かったけど充実した日が多かった。まぁ個性的な仲間がたくさんいるからだろう
「おっ。春斗じゃねーか。」
すると後ろから野太い声が聞こえる。後ろを見ると雄二がそこに立っていた
「なんだよ雄二久しぶりだな。」
「おう。そういえば振り分け試験の結果はどうだ?」
「いつも通り上々だよ。まぁ、いつも通り次席ってところじゃねーのか?」
すると苦笑する雄二に俺は首を傾げる
「どうしたんだよ。」
「いや。俺らとバカやっている奴が学年次席だと考えるとな。」
「バカやっているからって勉強できないなんて誰が決めたんだよ。バカやりながら勉強できたら学園が満喫できて最高に楽しいじゃねーか。」
「……お前の考えていることはわかるけどな。」
すると雄二はどこか寂しげにしている。テストの点数が高いことに何か関係あるのだろうか
その後は適当に雑談を続けながら学園へと向かっていると校門前にごつい先生が一人突っ立っていた
「うげ。鉄人。」
「誰が鉄人じゃ坂本!!」
と開始そうそうげんこつを落とすけど
「いや鉄人って言われても仕方ないでしょ。先生みたいな体育教師よりもむさ苦しい教師はですし。体育教師の大島先生よりもスポーツ得意じゃないですか。トライアスロンとレスリングが趣味の先生はどうみたって鉄人としか、見えませんよ。」
それに補習担当の先生で生徒から鬼の補習をするということから相当恐れられているし仕方ないとしか言いようがない。
「……はぁ。まぁいい。ほら受け取れ。」
と一つの封筒が渡され俺と雄二はそれを受け取る
試験校も面倒だよなぁ。注目される分変化を取り入れないといけないし。
そして中から紙を取り出しプリントを見ると
黒壁 春斗
Aクラス副代表
「まぁ、そうだよなぁ。やっぱ霧島に勝つのきついな。」
俺はため息を吐く
「ふむ。やはり理系が少し点数が足りなかった感じだ。」
「ですよね。……文系一位だけどやっぱりか。」
文系は霧島と100点くらい差をつけているが理系は俺は100点台に対して霧島は500点を余裕で超えるからなぁ。ほぼ300点から400点離れているし。
「確かに理数系も上がっているとはいえ元々6位だった、貴様がまさか主席争いをするとは思いもしなかったぞ。」
「そりゃ、どーも。生憎負けず嫌いなもんで。」
実際好きなことでは誰にも負けたくないし、一度たりとして文系科目の一位は譲ったことはない。
「しかし文系だけ伸ばしても全教科まんべんなく点数が取れる霧島には運がいい時しか一位は取れないぞ。」
「知ってますよ。てか俺が数学の点数一年で平均50点上がっているんですよ。一時間以上は集中力もたないからそれ以上は持たないんですけどね。」
嫌いな教科もこつさえ掴んでしまえば後は簡単だしな
「それじゃあ行くか。雄二も行こうぜ。」
「あぁ、これからは敵同士だな。」
と歩き出すとそういえば伝えないといけないことがあった
「おう。それと明久、途中退室しているから試験受けさせろよ。姫路庇ってあいつ途中退席したらしいから。」
「まじ?」
「まじ。ついでに姫路もそっちだからな。案外今年Fクラス強いんだよな。俺の中では要警戒リストのトップだし。」
戦略しだいだけどFクラスはジョーカーが多すぎる
「……悪いが当たるときは警戒させてもらうぞ。どうせ点数調整して代表になっているんだろ?」
「そこまでお見通しってわけかよ。」
「まぁな。まぁ、正直Fクラスがうちらに勝ってくれると嬉しいんだけどな。」
「じゃあ手加減してくれるとうれしいんだが。」
「バカか。こんな楽しいこと手が抜けるはずねぇだろ。それに……負けるって言葉だけは本当に嫌いなんだよ。」
「お前らしいな。」
「うっせ。とりあえずさっさと教室行こうぜ。」
と言いながら教室へと向かうと
一旦俺は教室に着いた途端固まってしまう
「……まじか。」
そこには広すぎるドアが置かれてありドア越しからもよく見えている
「凄い教室だな。」
雄二がそんなことを言い出す。実際かなり凄い
リクライニングシートに最新のノートパソコン。てか遠目にみたら個室になっていてさらにエアコンも一人一台付いているんだが
「はぁ、どんだけこのクラスにお金かけているんだか。」
「よかったじゃねーか。」
「俺のとってはあまり変わらないけどな。」
どこで勉強してても読書できるんだったら別にいいしな。
「んじゃ、今度は戦場でな。どうせくるんだろ。」
「あぁ。楽しみに待ってろ。」
「それと明久に帰りに洗剤買ってきてっていっとけ。今日割引だし。」
「……あいつまだお前の家に住み込んでるのかよ。了解。」
そういやあいつあのまま二度寝してたよな。遅れなければいいんだが
教室に入ると自分の室を探すと
「黒壁くんこっちだよ。」
すると大きな声で話しかけられる。そこには工藤と木下、そして霧島と久保がすでに集まっていた
「よう、工藤久しぶり。俺の席どこ?」
「ボクの隣だよ。ほらここ。」
するとすでに俺の机らしきところには去年から交流のある久保と木下、そして工藤と霧島が座っていてそして大量のお菓子とフリードリンクサーバーから入れてきたとされる飲み物が五人分入れられていた
「おいこら工藤。なんで用意もしてないお菓子が大量に積まれてあるんだよ。」
「えっ?ここボクの席だし。」
「……は?いやだって隣の席って。」
するとリクライニングシートの数を思い出す。
「四人席ってことか。」
「一応木下さんと久保くんが同じ席だね。」
「あぁ、だからこうやって俺の席に座ってお茶会をしているのか。」
と俺は工藤にため息を吐く
「……すぐどく。」
霧島がそんなことを言い出すと俺は手を振る
「いや。いい。俺も今後の方針とか聞いてみたかったからな。俺も一応副代表だし。それにちょっとFクラスが俺たちに近いうちに宣戦布告してくるからその時の話し合いをしておきたい。」
「「「なっ?」」」
すると久保と工藤と木下は驚いていたが霧島は驚いてはいない
「……うん。雄二と話していたのは知っている。」
「雄二?知り合いなのか?」
「うん。幼馴染。」
霧島と幼馴染なの黙っていたのかあいつ。
「まぁ、それにFクラスに姫路がいったからな。明久も世界史と日本史に限ったらAクラス並みにしたけど姫路の途中退席に付き合っていたらしく、同じく途中退席でFクラス。康太に限ったら保体で学年一位だ。……戦争を仕掛けるにはうってつけだろ。」
俺は近くにあったグミを食べる
「Fクラスに姫路さんがいった理由は何故か分かるかい?」
「明久から体調不良で熱がでて試験中に途中退席だってさ。まぁ、詳しいことは知らんが。」
「そうか。それと、吉井くんとは」
……そういや久保は同性愛者で明久のことを気にかけてたな。ここは話を切り替えるのがいいだろう
「工藤、お前今回の保体何点だった?」
「えっと、456点だったよ。」
「……なんか余計に自信なくすな。」
俺はため息を吐く
俺も過去最高の429点取れたのに工藤との差はやはり大きかった
「あっ。そうだ。霧島。これテスト結果。試召戦争の時に使うだろ。先に成績渡しとく。」
「……いいの?」
「別にいいだろ点数管理しやすいし。というより俺は多分成績上前線に立つことが多くなるだろうからな。てか前線で暴れまくりたいから、前線に配置してくれれば助かる。」
「あら、あなたは観察処分者だから前線に配置してほしくないと思ってたのだけど。」
と木下がそんなことをいうが実際は違う
「俺は試験召喚獣システムを使いたくてここに来たからな。実際はバカはやっているけど、俺は補習一回も受けたことがないし、そもそも俺の召喚獣は教師の召喚獣と同じシステムを使っているからな。よほどのことがない限り痛みは感じないんだよ。」
「……そうなの?」
木下が驚いたようにしてるが
「あぁ、一度実験でやってみたけど800点クラスじゃないと痛みはないな。明久のは罰だから痛みのある召喚獣だけど、俺のはしっかりした対痛性はしっかりしてる。実際内申点稼ぐために俺は雑用係引き受けているわけだし。噂が変な方向に広がってなんか観察処分者って肩書きつけられてるけどな。実際は雑務召喚者なんだが説明するのがだるかったから観察処分者で通しているだけだ。別に悪評が広まろうが俺は俺がやりたいことをするだけだしな。」
実際嫌なことはやらないし雑務を明久に変わってもらうときもあるしな
「それに噂なんてもんで踊らさせていたら人間の本質を見過ごすことになるからな。百聞は一見に如かずっていうだろ。人間の印象を決めるのは俺が本当に見たことだけだ。他人の評価なんかどうでもいいし。」
「アハハ。やっぱり黒壁くんって面白いね。」
と工藤が大笑いしている。
「というわけで俺は前線に配置してくれてもいいぞ。文系じゃ敵はいないし。」
「実際僕より文系は50点以上は離れているからね。そういや、武器はなんだい?」
「槍だな。一応6教科は腕輪持ち。」
「……その代わり理数系はBクラスレベル。」
「……まぁ、特化型だし。これでも一応点数上がっているんだぞ。」
元々Eクラスレベルだったし少しは頑張っているんだが
「それに俺は召喚獣の扱いには慣れているからな。このクラスだったら一番強いと思うぞ。」
「まぁ、確かに召喚獣の扱いは難しいわね。」
「……それなら前線は黒壁に任せる。」
ラッキー。それならお言葉に甘えよう。するともうそろそろ始業の時間なのだしな
「んじゃ改めて一年よろしくな。」
「あぁ、よろしく。」
「よろしくね。」
「……よろしく。」
「まぁ、よろしく。」
俺が挨拶すると全員が挨拶する
これから一年はこのメンバーで活動することになるから少し楽しみだ