変人がAクラスに降臨しました   作:孤独なバカ

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戦略と元恋人

「こういう作戦のためにCクラス戦をやるから。」

「「「……」」」

俺は翌日のホームルーム時になぜ戦争をするのか、なぜCクラス戦を報告し終わる。

霧島は黙ってきいているのだが口をポカーンと開けている

「……少し質問いいかな?」

「あぁ、いいけど。」

「……これは本気かい?」

俺が作戦という名の今回の本当の目的を伝える。

「あぁ、今回の下りはBクラスに負けてもらうために罠なんだよ。ぶっちゃけCクラスとの同盟は元々はどうでもいい。ただ、借りを作る為にFクラス戦で相手に有利にさせない為にしただけ。まぁ、この調子なら短期でFクラスの戦争は終わらせることができるだろうな。その為にはCクラスに侵入する名目が欲しかっただけなんだよ。」

「……うわぁ、相変わらずだね。」

工藤は呆れたようにしているのだが

「でも、その条件はどうやって。」

「Dクラスを使う。Dクラスに三ヶ月の不可侵条約を昨日のうちに久保に結んでもらった。この情報をCクラスの小山に根本に伝えてもらう。」

「……それがどういう意味が。」

「……CかBクラスに戦争を仕掛けると見せかける為だな。」

するとクラスメイトの一人が発言する

「あぁ、その通りだ。それでBクラスとFクラスは協定を結ばせる。そこで小山を使いFクラスと時間外不可侵を結ばせるのがいいだろうな。」

「……本当こういうの黒壁くん考えるのは好きだよね。」

「協定違反による反則負けを狙うって。あんたね。」

「策略だって武器の一つだぞ。まぁ裏切る可能性はあることはあるけどまぁ俺たちには関係ないからどうでもいい。どちらにしろ漁夫の利を得やすいからな。」

「……本当に性格悪いけど、でも確かに最善の策ね。経験を与えずに勝たせることが可能だから。」

すると頷く。

「でも、警戒して宣戦布告しないんじゃ。」

「してくるさ。だからBクラスとCクラスは手を結んでいる情報と、俺たちがCクラスを攻める情報を与えたんだ。今回の戦争は電撃戦。速さが大事なんだよ。今回の戦争は奇襲攻撃じゃないとFクラスに勝ち目はない。姫路が透けた以上姫路のマークを考えさせる時間を与えない為だ。Fクラスは成績最低クラス。策略でこの戦争は勝つしかないんだよ。」

それが有利になるにしろならないにしろそうしないといけない

「……まぁAクラスを攻め込む以上Bクラスの力なく勝つことは不可能だからな。でも本当に久保には助かった。これDクラスと不可侵を結ばないと絶対に成り立たなかったから。」

Dクラスには俺にとって苦手な人物がいるので本当に助かった

「霧島。」

「……うん。今日の午後からCクラスとの戦争。伝達班は愛子。前線は文系で固める。理系がきたらサポートの優子が入って。」

「えぇ。」

「主力は俺と久保、そして木下。近衛部隊は霧島、佐藤の指示に。……模擬戦だからといって代表の首を取られるなんて以ての外だぞ。」

「おう。」

大きな声が上がる

「それじゃあ軍略会議は終わるわ。午後から開戦するからできの悪かった教科の午前中は補充試験を受けて。」

すると俺は腕を伸ばす

「あ〜疲れた。」

「疲れたって。そういえば目立つことはあんまり好きじゃなかったよね?」

「あんまりな。」

「目立たないって言っても一年の時から目立っていたでしょ?」

「ほとんど巻き込まれてのことだったし。主に明久関係で。」

「……ごめん。」

木下は何度も俺が巻き込まれて被害にあっていることを知っているのでため息をついている

「まぁ、試召戦争は俺がこの学校に来た理由だしな。ずっと記載した通りなんだけど、なんかBクラスはきな臭いんだよなぁ。」

「きな臭い?」

「そうそう。あまり戦いたくないっていうか。試召戦争の規則第8条をうまく使ってきそうなんだよ。」

「……えっと」

「簡潔に言えば戦争の勝敗は教師の認めた勝負であれば何をやっても許される。……まぁ多分予想される一騎討ちのルールが適用されるルールなんだよ。」

工藤が思い出そうとしているが話が進まないので俺がまとめたように

「……それとどういうわけが。」

「……多分開始したらすぐに分かるさ。それじゃあ形式的な宣戦布告行くから二限目終わったら木下ついてきてくれ。」

「えぇ。……いつもこれくらいやる気だせばいいのに。」

残念そうにしているが

「生憎、気分屋で興味がないことをやる気になれないしな。」

「あなたは差が激しすぎるのよ。大体英語や日本史の時間なんかほとんど寝ているか、本読んでいるだけじゃない。」

「だって簡単だしな。」

「簡単だからって、授業休んでいい訳じゃないんだけど。」

「でも、中学の時はよくボクは教えてもらったし、ちゃんと理由があれば起きているんだよね。」

「そうなの?」

「うん。多分言われなかったからとか言って教えていないだけで家で吉井くんと結衣ちゃんの勉強見てあげているんだって。結衣ちゃんが言ってたよ。」

「…あのアホ。」

早速工藤に連絡したのかよ。

「結衣ちゃん?誰?」

「黒壁くんの元カノで今は妹だよ。」

工藤の答えに木下と久保は少し引いているのだが

「……おい。その言い方。詳しい説明がないと俺がシスコンで妹と付き合った変態になる。まぁ、母親の再婚で今の親父の娘が彼女だった結衣だっただけだ。」

「……それって相当な確率じゃない?」

「まぁな。ついでに今Fクラス。苗字も俺は旧姓使っているから苗字が違うから妹だと思われないけど、バカだけどいいやつだから仲良くしてやってくれ。バカだけど。」

「バカだけどって。あなたの義理とはいえ妹なんでしょ?」

「……バカとかそういう次元じゃないんだよ。あいつの唯一の弱点がバカなことだから。」

「……うん。小学生上学年の問題解けるかも危ないよね。」

「家事やっていた分勉強を一切やってこなかったらしいからな。仕方ないって言っちゃ悪いけど仕方ないけど、将来がマジで不安。誰か彼氏でも見つけて養ってくれたほうがいい。」

なんか複雑だけどもな

「まぁ、でも人気はでるだろうね〜。」

「出るだろうな。ゲーマーなのと勉強ができない以外は完璧だからな。優しいし、気遣いもできて、家事まで完璧。……多分霧島以上に人気でるんじゃないの?」

「助けて。お兄ちゃん。」

するとガラガラと物音を立てると結衣がやってくる

「……どうした?」

「明久くんが島田さんに関節技をきめ。」

「……どうしてそうなった。」

俺はため息を吐く。

「えっと、実は私の家に明久くんが泊まっていることがバレて。坂本くんがお兄ちゃんを呼んできてって。」

私の家って元々は俺が住んでいたところにお前が上がり込んできただけだけど。まぁ嫉妬であぁなっているんだろうな。

……まぁ、Fクラスの教室はパス。須川たちいる場所には行きたくないし。

ただでさえ木下たちと話して追いかけられるのに。

すると木下と久保は苦笑いをしている

俺が散々な思いをしたからのをこの二人は知っているからな

そんなことを気にせず結衣は続きをいうと

「島田さんを補習室送りにしてって。」

「あいつは鬼か。試召戦争前だぞ。」

「でも、お兄ちゃんでもそうしてたでしょ?これから戦争するって言っているのに。」

「……まぁな。」

味方の士気に関係することだし

「てか、試召戦争ってお前ゲームモードか。」

「だってゲームじゃないの?」

「……自分の学生生活がかかっているのに、気楽だな。」

「私はお兄ちゃんと一緒の学校に通いたかっただけだもん。」

「……アホ。」

「なんで!!」

よくそんな恥ずかしいことを言えるな。こいつ

「はぁ、しゃーない。行くか。工藤。」

「えっ?何でボクも?」

「お前も試験受けないだろ?ほとんどの教科でいい出来だったじゃねーか。受けることないんだったらついでに手伝え。」

「別にいいよ〜面白そうだし。」

「というわけでちょこっと行ってくる。霧島、雄二に伝えることはあるか?」

「……。」

首を横にふる霧島

「了解。んじゃちょっと調べることもあるから昼食時まで戻らないから。」

「……?」

「気にしなくていい。ほら行くぞ。」

俺はFクラスの方に歩いていこうとすると

「うん。いこ。」

すると手を繋いでくる結衣に少し苦笑してしまう。

「はぁ、これだから。」

「……ほへ?」

「何でもない。それじゃあ行くぞ。」

「相変わらず仲いいね。」

そんなもの俺は苦笑してしまう。

「そりゃ。前まで恋人同士ならそうなるだろ。別れたとも言いづらいし。」

「それでも普通の兄妹としたら仲は良すぎると思うよ。」

「これ見て断れると思うか?」

俺は結衣の方を見ると幸せそうに笑っているのをみて

「笑顔って凶器だね。」

「心の底からそう思う。」


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