魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

10 / 98
祝!新元号!皆さんにとって素敵な時代になりますように!


8話 仲良くしましょう(特にぼっちさん)

「おはよう!さやか!まどか!」

 

「!?おはよう・・・?」

 

「おはよう優依ちゃん。まさか名前で呼んでくれるなんて、急にどうしたの?」

 

休日の杏子の一件で生存率向上のため、積極的に交流を図ろうとする俺に対して失礼な態度をとるピンクとブルー。

 

「どうって。やっぱり(魔法少女無関係でいるために)友達は名前で呼ぶのが一番だなあと思う出来事があってね」

 

「ほうほう。あれだけあたし達の名前を呼ぶのを拒んでたあんたが急に名前で呼び出すなんて一体何があったのさ?このさやかちゃんに言ってみなさい!」

 

興味津々といった具合のさやか。その下世話な感じ、マスメディアブルーって呼ぶぞ?やはり露骨過ぎたか?以前は関わりたくないから苗字呼びだったしな。

 

「さやかちゃん。理由なんていいじゃない。優依ちゃんせっかく名前で呼んでくれたんだし」

 

「それもそうね。ふふん、あんた、まどかに感謝しなよ?何があったか聞かないでおいてあげるからさ!」

 

大天使まどかの救いで止まるマスメディアブルー。ドヤ顔やめろ。ムカつくから。大した理由じゃないんだけどな。死亡フラグ回避のためにちょっと距離を近づけようと思っただけだから。名前呼びがきっかけで更に俺に絡むようになったまどさや。あれ?俺ひょっとして失敗した?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すう・・・よし!」

俺は気合いを入れ、屋上に向かう。目的は黄色いぼっちじゃなくて巴マミの接触だ。原作の彼女は仲間が欲しいために一般人のまどかとさやかを死亡フラグ満載の魔法少女の世界に誘い、それに成功しそうになるも、それの浮かれからか彼女達の目の前で魔女に頭を食いちぎられるというどうみてもトラウマエンドを迎えてしまう(アニメ第三話マミさんマミった事件参照)ちなみにどっかの時間軸のお話ではマミさん仲間出来ない場合はマミらないで魔女撃退に成功するという何それ笑えない展開もあるらしい。

 

それを参考にして俺は考えたのだ!マミさんが仲間を欲しがるのは友達がいないからだ!もし俺が友達になればマミらない可能性あり!原作に介入する気は全くないが、希望的観測つまり俺の精神衛生にも予防線がはれるというもの!俺冴えてる!マミさんがそれで満足してくれる豆腐メンタルであることを信じてる!せめて木綿並の強度があると信じてる!

 

・・というより、マミさんと出くわす度に彼女ぼっちなんですよ?友達になりたそうにこっちみるんですよ?声かけようと口ごもってるんですよ!?ほんと痛々しくて見てられません!俺はこれまでの事を振り返り、出そうになる涙をこらえ屋上を見渡す。今は昼休み。学年の違う彼女に会うにはこの時間しかない。周りに目をやってみると・・

 

いた!黄色のクルクルが!巴マミだ!間違いない!やっぱりぼっち弁当!心なしか彼女の周りだけ景色がモノクロに見えるのは気のせいだよね?あそこだけ酷くどんよりしてるのは気のせいだよね?ツカツカと巴マミに近づく。向こうも俺に気付いたのか食べているお弁当から顔をあげる。

 

「えっと・・何かしら?」

 

怪訝な顔ながら多少の期待をもってこちらを見上げてくる。

 

 

 

今こそ爆発しろ!俺のコミュ力よ!真価を発揮する時だ!

「あの、良かったら友達になりませんか!?」

 

「え・・・?」

 

 

どうした俺のコミュ力よ!?いきなり過ぎるだろ!?マミさん戸惑ってるし!急いで弁解せねば!

 

「いや、えっとお・・私転校してきたばっかりで友達あんまりいなくて、屋上でご飯食べてたんだけど、そしたら貴女を見つけて。素敵だなー友達になりたいなーって。それで思い切って声かけてみたんです!それで・・もし良かったらなんですけど・・友達になってくれませんか?てか、なって下さい!お願いします!」

 

最終的に頭下げて頼みこんでいる。俺は一体何やってるんだろうか・・・?

 

 

 

 

「本当に・・・友達になってくれるの・・・?」

 

涙声が聞こえたので顔を上げてみるとマミさん泣いてました。この時俺は確信した。

 

違う!マミさんのメンタルの豆腐は木綿じゃない!絹だ!しかも崩れかけの!うおおお、結構危なかったんだ!マジでギリギリだったんだ!原作待たずにリタイアもありえたかも・・友達になって欲しいと言われて泣くって相当きてますね・・・。これが原因でそのままマミらないか物凄く心配なんですけどおおおお!

 

「はい!私で良ければ是非友達になって下さい!(そして俺を魔法少女に巻き込まないで下さい!」

 

俺は半ばヤケクソでマミさんの手を掴み力一杯断言する。頭にセクハラという単語がよぎるが無視する。

 

マミさんは急に手を捕まれて驚いていたが、照れたように笑顔になった。

 

「うん、ありがとう。こちらこそ仲良くしてね。私、巴マミ。二年生よ。貴方は?」

 

「私は神原優依。一年生。優依って呼んでね?マミちゃん!」

 

何故名前呼びかというと、友達に年齢は関係ない。俺はそう断言する!だから友達は名前呼びが基本だろうという考えが一割。マミちゃんと呼んでみたかったが一割。いつも苗字呼びなマミさんに名前で呼んでもらいたいという邪な考えが八割。要するにほぼ下心である。

 

「一年生なの?でも友達に学年は関係ないわね。じゃあ優依ちゃんって呼ばせてもらうわ」

 

きたあああああ!みなさん聞きました!?あのマミさんが名前で呼んでくれましたよ!?第一関門突破!マミさんが幸せそうに微笑んでいるので、今日頑張った甲斐があるというもの!

 

「マミちゃん!これから(魔法少女無関係の)友達としてよろしくね!」

 

俺は笑顔でいった。このあとアドレス交換をする事にしたが、マミちゃんがあまりにも手間取っていた姿がとても不憫で涙を流してしまったのは内緒。

 

 

 

 

マミside

今日も一人でお弁当を食べる。前に見かけたあのかわいい女の子を何度か見かけたけど、話しかけようにも中々機会に恵まれずに話しかけずじまい。おそらく向こうは、私の事を気付いてもいないでしょうね。それも仕方ない。一人ため息をつく。

 

「・・あら?」

 

足音が聞こえたから目を向けるとあの女の子が屋上にやってきた。え?こっちに来てる?その子は私の前までやって来て見下ろす形になっていた。

 

「えっと・・何かしら?」

 

まさか向こうからやって来るとは思わなかった。一体何の用なのか?不審に思うも多少期待してしまう。

 

「あの、良かったら友達になりませんか!?」

 

「え・・・?」

 

最初女の子の言ってることが理解出来なかった。そのあとも女の子が何か言ってたけど私は呆然として聞き逃した。

 

「・・・友達になってくれませんか?てか、なって下さい!お願いします!」

 

最後のこの部分だけは、はっきり聞こえて何故か女の子は頭を下げてた。ただ、この子は私と友達になりたいって事は理解出来た。私と・・友達に・・?じわりと目に涙が浮かぶ。

 

「本当に・・・友達になってくれるの・・・?」

 

涙声で聞いてしまう。

 

「はい!私で良ければ是非友達になって下さい!」

 

女の子は満面の笑みで私の手を握った。名前は「神原優依」ちゃん。とっても素敵な名前。私の事、マミちゃんって呼んでくれて嬉しかった。純粋そうな優依ちゃんが嬉しそうに、笑うからこちらも嬉しくなる。でも、どうして優依ちゃん、私とアドレス交換するとき泣いてたのかしら?友達とアドレス交換したことないのかもしれない。分かるわ、その気持ち。私達仲良くなれるわね!

 

「~♪」

 

気分が良い。こんな気持ち久しぶり。友達が出来たんだもの!私怖くないわ!

 




マミさん絡み回でした!死亡フラグたってますけど、多分大丈夫です!

そしてお気に入り150人突破!皆様本当にありがとうございます!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。