魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

14 / 98
GWも残すこと一日!有意義に過ごせましたか?


12話 死亡フラグin見滝原

一回死にそうな目にあったらさ、もう当分やって来ないであろう死亡フラグ。パワーアップして戻って来たら皆はどうする?少なくとも俺は逃げる。

 

という訳で俺は現在進行形で逃げてる!学校が終わった放課後、漫画の立ち読みしようと思ったのが運の尽き。いきなり空間が歪み、ファンタジー世界にご招待!じゃなく死亡フラグにご招待の魔女の結界だった。寄り道なんてするもんじゃないな・・・。しかも魔女に見覚えがある。なんかフランスとかにありそうな門が突っ立っている。しかも周りの景色が何かの絵画みたいな結界だし。あれだ「芸術家の魔女」だ。記憶あやふやだけど。原作ではマミちゃんとまどかがあっさり倒してたけど、一般人の俺には無理!逆にあっさり殺されるわ!現在使い魔であろうゾンビっぽい奴らが俺を追いかけてくるから超怖い!捕まったら俺死ぬから!

 

「うおおおおお!」

 

幸い使い魔達は足が遅いらしく運動神経皆無の俺でも振り切れたが体力の限界が来ていて捕まるのは時間の問題だ。既に足がふらついてるし、次走れるかさえ怪しい。疲労困憊の身体の代わりに頭をフル回転させて生還方法を考える。

 

出口を探す?分かんない!そもそも前回見つからなかったし!魔法少女が来るのを待つ?それが一番安全で確実だが、いつ来るか分からない。最悪来ないか俺が死んだあとにやって来ることもありえる。それにここは見滝原だ。マミちゃんの縄張りであるため来るなら彼女だ。そうなったらもう無関係ではいられない。なんせあの絹豆腐メンタルだ。マミちゃんは俺を引き込もうとするかもしれない。前回の杏子のようにはいかないだろう。死ぬか魔法少女の関係者になるか。何だその二択?どっちも破滅じゃね?

 

「ん?」

 

そこで俺は思い出す。確か「芸術家の魔女」は自分の芸術に自信があるんだっけ?パクり疑惑あるらしいけど。なんか批評が効くとかそんな事書いてあった気がする!批評したら隙が出来て結界から追い出されるかもしれない!・・殺される可能性もあるけど。やる価値はある。このままじゃ俺は破滅一択だ。こんな所で死にたくない!そう決心し、震える足でおぼつかないが、フランス塔(仮)の前に立つ。ちらりと横目で見るとゾンビの使い魔はこちらを見ているがその場から動かない。実に好都合。

 

 

 

今こそ光るのだ!俺の芸術的センスよ!芸術のなんたるかを奴に教えてやれ!

 

「アナタの芸術は素晴らしいですね!実に前衛的だ!特にアナタに刻まれている模様なんて最高だ!」

 

精一杯の賛辞を送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q:自分を瞬殺出来る相手に批評って出来ますか?

A:俺には出来ません。無理です。怖いです。

 

そんな勇猛な性格してない!そもそもあの魔女に効果あるのは「著名な批評家」の批評だけだから!ずぶの素人の俺がもし批判なんてしたら・・・考えたくない。さあ、反応は!?

 

 

 

 

 

 

 

・・お気に召さなかったようです・・。いつの間にか俺の周りは使い魔のゾンビに囲まれてる。しかも追いかけてきたときより倍の数になってる。しかも魔女さんはミサイル的なものを装備しだした。狙いはもちろん俺である。

 

 

何故だ!?俺の賛辞はそんなに気に入らなかったのか!?それともお前みたいな奴に評価されたくないってか!?何それひどくない?俺死ぬの?今度こそ終わり?魔女史上襲った中で一番マヌケな人間なんじゃない?

 

逃げ場がない。周りはゾンビに囲まれ、上からはミサイルにロックオンされている。絶対絶命のピンチ!しかしどうやらヒーローというのは遅れてやって来るのが現実でも常識なようだ。

 

 

 

ギュルルと何かを縛る音と黄色の光がよぎったと思ったら、魔女がゾンビもろとも黄色いリボンに縛られてた。・・という事は・・

 

「大丈夫、優依ちゃん?怪我はない?」

クラシックな服装に黄色のソウルジェムが輝くベレー帽をかぶり、ご自慢のマスケット銃を片手に「魔法少女の巴マミ」が俺を守るようにして立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

マミside

日課のパトロールで街を巡回してる時にソウルジェムに反応があった。この反応は魔女のよう。しかもここから近い。私は急いで反応があった場所に向かう。魔法少女に変身し、魔女の結界に飛び込んだときは驚いた。魔女が人を襲う寸前だったからだ。しかも襲われているのは最近友達になったばかりの「神原優依」ちゃんだった。私は急いで使い魔もろとも魔女をリボンで拘束する。一瞬でも遅れていたら彼女は死んでいただろう。危なかった。それにしても何故この魔女は一般人であろう優依ちゃんに総攻撃でもしかけるような事をしていたのだろうか?一般人でも手を抜かない魔女なのかもしれない。本当に危なかった。

 

「大丈夫、優依ちゃん?怪我はない?」

 

私は優依ちゃんを守るように魔女の前に立ち、彼女の安否を確認する。

 

「あ・・はい。大丈夫・・です」

 

恐怖からしどろもどろになっているが、怪我はないようだ。大事な友達が無事で良かった。間に合って本当に良かった。

 

「そう、無事で良かったわ!もう大丈夫よ!さてと、説明は後でいいかしら。今はこの魔女を倒す事が先決だもの。私に任せてね!」

 

私は魔女を倒すべく、地面を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うげえええええええええええええええ!!マミちゃん来ちゃったあああああああああ!!それ自体は俺の命が助かって非常に喜ばしいが、あわよくば、俺に気付かずあの魔女を倒して去ってくれないかなという淡い願いは木っ端微塵に消えた。バッチリ俺の前に立ってたもの!バッチリ俺の事見てたもの!バッチリ俺の名前呼んでたもの!そしてハッキリと「説明は後で」って言ってたもの!絶対魔法少女のこと打ち明ける気だ!最悪だああああああ!!

 

荒ぶる俺の心など知らないだろうマミちゃんは地面を蹴り一気に魔女との距離をつめると同時に巨大バズーカー(仮)を出現させる。

 

「ティロ・フィナーレ!!」

厨二あふれる技名を叫び、とんでもない超火力が「芸術家の魔女」を呑み込む。・・気の毒だ。リボンで跡形もなく吹き飛ぶって洒落にならない威力だな。原作より凄くないか?俺という友達がいる手前気合い入りまくってんだろな・・ホント気の毒に。俺は心のなかで合掌しておいた。それと同時に悟った。

 

 

 

俺はこの「魔法少女まどか☆マギカ」という死亡フラグに片足どころか全身つっこまれてたんだ。転生した時点で逃げられない。二度も魔女に遭遇してしまった。原作主要人物達と縁が出来てしまった。認めたくはないが、原作に介入するはめになるようだ。拒んでたら本当に近い内に死んでしまうだろう。それは嫌だ!こうなったら原作に介入しまくって鬱なストーリーを変えてやるよ!バッドエンドじゃなくハッピーエンドにしてやるよちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

半ばやけくそな決意を胸に、戦いが終わり、こちらに近づいてきて嬉しそうに手を差し出すマミちゃんの手を俺は掴んだ。




優依ちゃんとうとう原作に介入する決心がつきました!
九割やけくそですけど!


そしてお気に入り200件突破!
皆様ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるような投稿を続けていく所存です!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。