魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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ついに奴の登場です!


13話 ようこそ魔法少女の部屋へ

「さ、どうぞ中へ入って」

 

「お邪魔します・・・」

 

先程の魔女騒動の後、俺はマミちゃんに自宅に招待され、お邪魔する事になった。

 

「私一人暮らしだから遠慮しないで」

そうですね。部屋が一人暮らし用にカスタマイズされてますもの。雑誌に出てきそうな素敵インテリアですもの。それよりも君の一人暮らし発言と実用性ゼロのインテリアを見ていると涙が出てくるのは何故だろうか?目頭を押さえているとマミちゃんが紅茶とケーキを用意してくれていた。

 

「ろくにおもてなしも出来ないんだけど、ごめんね?」

マミちゃんがすまなそうに謝ってくる。

 

遠慮して言ってるようだけどねマミちゃん。紅茶とケーキ本格的なんですけど?君、訪ねてくる人いないのにどうしてこんな大層なものが家にあるんだい?その理由を考えるとまた目頭が熱くなるので、やめておく。

 

「ありがとうマミちゃん!遠慮なくいただきます!」

さっきまでの気分を振りきるようにケーキを一口頬張る。

 

「!?」

こ、これは!?ふわふわな食感に甘過ぎないスッキリとした味わい。そして口に入れた時の香ばしい香り。紅茶との相性も抜群だ。凄く美味しい!

 

「美味しい!すっごく美味しいよこれ!」

思わず叫んでしまう。それだけの物だ。一体どこで売っていたんだろうか?今度買ってみよう!

 

「良かった。手作りなんだけど、口にあってたみたいね・・・え!?優依ちゃん!?どうして泣いてるの!?大丈夫?怖かったよね?もう危険はないから安心して?ね?」

 

マミちゃんが慌ててハンカチで俺の目を押さえてくる。お願い、それ以上言わないで。余計泣きそうになるから。・・そっか・・手作りなんだ・・一人で食べてんのかな?どうやら俺がさっきの魔女の恐怖で泣き出したと思ってるようだ。全然ちゃうわい。そんなやり取りですっかり気が緩んでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、マミ。魔女退治ご苦労様」

 

 

 

!?まさか・・・

 

「あら、キュゥべえ。帰ってたの?」

声がする方に目を向けてみると、そこには全人類(特に女子)の敵にして悪徳営業マンな鬼畜外道宇宙人「インキュベーター」こと「キュゥべえ」が窓から入ってきた。

 

出たあああああああああああああああ!!白い悪魔!こいつを一匹見たら三十匹はいると思えが鉄則だ!マミちゃんの家に行く以上出会う可能性はあったが、来た当初はいなかったので、安心してたよ!油断してる時に来んな!白いGが!!!

 

俺の心のなかので罵倒しまくってるのを知らず、白いマスコットもどきはこちらに近づいてくる。くっ!見た目だけはかわいいのに!見た目だけは!中身クサレ外道だからな。正直こっち来んな。どっかいけ。念じるのとは裏腹にどんどん近づいてくる淫獣。そして、俺達がいる近くに立ち止まると見つめてくる・・・・・俺を。

 

「やあ、神原優依だね?はじめまして、僕はキュゥべえ。魔法の使者さ」

 

「・・はあ」

嫌な予感がする。何でこいつ俺に自己紹介してんの?何で俺の名前知ってんの?そもそも何で俺はこいつが見えてんの?答えなんて知りたくない。だが、現実は残酷だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕と契約して魔法少女になってよ!」

白い悪魔は残酷に告げた。

 

 

 

 

 

 

 

NOooooooooooooooooooooooooooooo!!!あの悪魔の契約をよりにもよって俺に迫ってきた!?ホント節操ないな!

 

「だが断る!」

条件反射で答えてしまった。悔いはない!この世界に女として転生した時点で魔法少女の契約が出来る可能性はあるかもしれないとは思ってた。そんな可能性はゼロだったら良かったのに・・。

 

「・・え?待って?ホントに待って?まだ説明もしてないよ?」

 

「知りません。待ちません。説明しなくて大丈夫です」

 

俺の即答の拒否が予想外だったのだろうか?感情のないはずのインキュベーターが慌てている。いい気味だ。誰が契約なんてするか。そもそもメリットだけで肝心の都合の悪い部分(ソウルジェムの秘密と魔女化)は説明しないだろうが!やるだけ無駄だぞ。仮に知らなくても絶対やらない。命懸けのバトルとか却下!俺のチキンぶりを嘗めないでいただきたい!

 

 

「落ち着いてキュゥべえ。優依ちゃんも話だけでも聞いてくれないかしら?キュゥべえに選ばれた上に魔女に襲われたんじゃもう無関係じゃないでしょうから」

 

無関係です。たまたま変な白い生物が見えて、たまたま危ない目にあっただけの一般人です。ただの女子中学生です。さっきまでは原作介入しようと決心したけど、いざ現実になると猛烈に逃げ出したくなるな。俺はうざく付きまとってくるキュゥべえを振り払いながら、あわよくば・・と思っていそうなマミちゃんの魔法少女の説明を聞くはめになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そしてこれがソウルジェム。魔力の源なのよ」

違います。それ貴女の魂です。取り扱い間違えると洒落にならないので、丁重に扱って下さい。

 

 

「希望を振り撒くのが魔法少女。そして絶望を振り撒くのが魔女なの」

表裏一体ですよ。絶望したら、貴女も魔女コース確定です。彼女達は敵じゃない?QB被害者達だ!

 

 

「願いを一つだけ叶えてもらうかわりに、魔法少女として戦うことを課せられるの」

なんだその悪魔の契約?何も知らなくても手出したらアカンやつだから。クーリングオフ利かないんだし。かわいい見た目に騙されてはいけません。

 

 

 

 

マミちゃんの説明に裏事情を知ってる俺は心の中でいちいちツッコミを入れる。口には出しません。目の前で自殺されそうだから。俺の精神衛生上で一生傷が残ります。その前に自殺を止める力がない。下手すりゃそれに、乗っかって悪徳営業マンが契約持ちかけそうだし。「巴マミを救いたくはないかい?」とか。何それ笑えない。

 

 

 

 

「という訳で優依ちゃんも契約するんだったら、願いはしっかり考えておくのよ?後悔しないようにね」

 

「いや、契約しませんて」

 

マミちゃんがさも当然のように俺が契約する上での注意事項述べてるけど、貴女の中では既に契約する前提になっているのは何故でしょうか?やっぱり仲間欲しいのか?

 

俺が呆れてどう断ろうか考えていると、またしてもあのキュゥべえがとんでもない事を口にしだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてそう拒むんだい?君にはとてつもない素質がある。君が生み出すソウルジェムは僕でさえも把握しきれないんだよ?」

 

 

 

「・・・・・は?」

 

俺は咄嗟に反応出来なかった。この白い悪魔何て言った?幻聴?




キュゥべえ登場回でした!
そしてやっぱり勧誘された!即効で断ってましたが。

優依ちゃんの受難は更に続きますよー

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