見滝原での魔女騒動後
マミちゃんから魔法少女の事を打ち明けられ、更にあのキュゥべえから悪魔の契約を持ちかけられ、ダメ押しで衝撃の特典事情を思い知らされ絶対絶命のピンチだったが、なんとか機転を利かせ俺の持論を披露することで事なきを得た。
マミちゃんのマネージャーになる事で裏方に徹し、キュゥべえとの契約回避が出来たのだ!よく頑張ったぞ俺!
そんな激動の日から一日過ぎ気づけば夜、俺は風呂上りで気分よく自分の部屋のドアを開けた。
「やあ神原優依。風呂上りかい?お邪魔させてもらっているよ」
「NOooooooooooooo!!白い悪魔でたあああああああああああああ!!」
俺のベッドの上に白い悪魔ことインキュベーターがくつろいでいた。
そうだよねえええええ!
コイツがあんな程度で諦めるわけないわなああああああ!
というかどっから入ってきたんだこの白いGは?
「部屋に戻って来ていきなり乱暴じゃないかい?僕は泥棒じゃないよ?」
「黙らっしゃい!うら若き乙女の部屋に無断で侵入してくる奴はたとえかわいいマスコットの姿をしていても、宇宙救済する宇宙人でも立派な犯罪者です!」
俺は不法侵入したキュゥべえを捕獲し、天井から縄で宙づりにしてその前に仁王立ちをする。第三者から見れば、小動物をいじめる女の子の図だがコイツは似非マスコットなので問題ない。
「だいたい何しに来たんだ?俺ははっきり契約しないって言ったよな?」
「説明不足だと思ってね。前回は願い事と魔法少女の素質の話に着目していたけど、魔女の脅威についてはあまり話していなかったんだ」
淡々としているが俺を魔法少女にさせようと虎視眈々にみえるんですけど。
とんでもない執念なんですけど。まさに営業マンの鏡だな。
「戦いたくないって言ったよな?俺そんなメンタルしてないって言わなかったっけ?へタレ嘗めんなよ?運動音痴嘗めんなよ?瞬殺されちゃうよ俺?」
「魔女は人に害をもたらす存在だ。襲われた君ならよくわかるだろう?とても危険なんだ。君の素質ならどんなに強い魔女でも倒す事が出来る。君は魔女の脅威から人を守る事が可能なんだよ?そして君ならどんな願いだって叶えられる。望めば万能の神にだってなれるのさ。それでもこのチャンスを棒に振る気かい?」
今度は脅した上に餌で釣る気か・・ムカつく奴だな。あっ待てよこの手があった!
「へえ、じゃあ『全ての魔女を消し去りたい』って言っても叶うんだ?」
「!?・・それは・・」
キュゥべえが驚いてる。
無表情だが、声に動揺が出てる。
おーやっぱこれ言ったら普段ポーカーフェイスのコイツでも驚くんだな。
GJまどか!!
俺は心の中でまどかに親指を立てる。
勿論そんな事願いません!
永遠に終わりがないとか自分の存在消えるとかまさに俺にとって絶望的な状況だ。
絶対嫌です!神様になんてなりたくない。
そもそも俺は神様嫌いです!
特に少年の姿してる神様は世の中で一番嫌いです!!
それはともかくあのムカつくキュゥべえに一泡吹かせるのは気分が良い。
よし!ちょっと意地悪してみるか!
俺はにやつく顔を抑えながら口を開く。
「別に本気で叶えようなんて思ってないよ。デメリットも凄そうだし?ていうかそもそも胡散臭いんだよお前。嘘は言ってないんだろうけど、本当の事も言ってないよね?俺が万能の神?面白い冗談だ。誰が信じるかそんな事。お前ホント営業の神になれるよ?割とマジで」
「・・・・・・・・・・・・・」
・・怒ってる?なんかプルプルしてない?
え?インキュベーターって怒れんの?感情あんの?
まあ、うん。ムカつくと思う。
自分でやっておいてこれは無いだろうって思ってました。
調子に乗りやすい俺の悪い癖です!ごめんなさい!
お願い!何かしゃべってくれ!怖いから!
無言の圧力に耐えられるメンタルしてないから!
くそ、こうなったら俺が話すしかない!!
「あ、ごめーん、怒っちゃった?悪気はないんだよねー許してよ。というかさ魔女って何?そもそも魔法少女の契約って何だよ?」
まだ続ける気か俺は!?ほんと俺何やってんのおおおおおお!?
もう引くに引けないところまでいっちゃってるよ!
お願い、はぐらかして?何の事だって言って?
じゃないと引っ込みつかないんで!
「・・・君はエントロピーという言葉を知ってるかい?」
しばらくの沈黙の後、キュゥべえは恐ろしく冷淡な声で話し出した。え?待って?ほんとに待って?この話ってまさか!?
「ちょ、ちょっと待って!いきなり核心にせまる感じ!?いいです!聞きたくないです!意地悪してごめんなさい!謝りますんで勘弁して下さい!!」
必死で謝る俺を無視し、キュゥべえは語りだした。
キュゥべえside
僕は目の前にいる「神原優依」に語る。
僕たちの正体
魔法少女と魔女のシステム
宇宙救済のためにエネルギーの回収でこの地球に来ていること全てを語った。
極めつけに人類とインキュベーターの歴史の記録を彼女に見せた。
何故か彼女は悲鳴をあげて床に倒れたけど。こうでもしないと駄目だ。
僕たちの目的のため、どうしても彼女に魔女化してもらう必要がある。
彼女だけでエネルギー回収のノルマを達成出来るのだ。
このチャンスを活かさない手はない。
それなのにマミの部屋で初めて出会った時、説明もしてないのに即答で断られてしまった。
最初は理解できなかった。
他の女の子達は即答で契約を了承するし、説明を聞いた後に考えて契約する子もいる。
なのに「神原優依」は願いが叶うといっても、膨大な素質があるといっても、首を縦に振らなかった。そればかりか生きてる事が奇跡だと言い出して契約を拒否した。
彼女なりの考えがあるんだと納得して引き下がったんだけど、この後に情けないことを叫んでいたので、僕の彼女に対しての評価は一気に下がった。
そして今回再び、彼女と対峙した。
今まで部屋に侵入しても驚かれはしたが、怒る子はいなかった。
それなのに今僕は縄で吊るされている。本当に訳が分からない。
彼女の正義感に訴えかけてみたけど効果なし。
それどころか全ての魔女を消し去りたいという願いはどうかなんて言い出した。
混乱してしまったよ。まさかそんなことを言い出すなんて。
でもそれは僕をからかう為の冗談だった。
僕の反応をみて彼女は面白がったのか意地悪な笑顔で馬鹿にしてきた。
納得できない
僕は宇宙のために活動してるんだ。それなのに彼女はそれを知らずに僕を馬鹿にする。
なら理解させてやる
僕はそう判断し、彼女に語った。
そしてすべてを語り終えた。これでもう僕に馬鹿にすることはないだろう。
さあ君はどう思う?神原優依。
キュゥべえに全部暴露されました。予想外です。
しかもまどかに見せたであろうR-18指定がつきそうなショッキング映像も見せられました。グロ耐性ないためグロッキーな状態で現在床に倒れてます。
何が人類と共に歩んだんだ?
人類に首輪かけて引きずり回した歴史だよこれ?
「という訳さ。分かってくれたかい?」
「・・・十分に」
説明し終えたキュゥべえの晴れやかに聞こえる声は気のせいじゃないだろう。
俺に仕返しするためだけにあんな手間かけたのか?なんて陰湿で腹黒いんだ!?
何とかダメージから回復した俺は床から立ち上がり再びキュゥべえと対峙する。
「宇宙のために死んでくれるというなら言ってくれ。大歓迎さ」
嬉しそうな声だったぞこれ。
「・・・・だがあえて異議あり!!」
「何で!?」
俺が待ったの叫びをすると即反応してツッコミを入れてくるキュゥべえ。
コイツひょっとしてマミちゃんとこにいた個体か?
俺は取りあえず奴に反撃するため、口を開く。
ここから俺のターンだぜ!
「お前達の理屈は分かった。一応話に筋が通っている。・・・だが一つ致命的なミスを犯している。・・・・・そうそれは感情を侮っている事だ!」
キュゥべえに指を突き付け断言する。
決まった!と思っていたのは俺だけで、キュゥべえは意味が分かっていないのか首を傾げている。
動作だけは可愛いんだけどな・・・動作だけは。
「どういう事だい?僕たちが感情を侮っているって?確かに僕たちには感情が無い。だからといって分析せずに利用する事はしないよ」
「それだ!その認識こそが甘いんだ!!」
俺は握りこぶしを作り力説する。
「人間の感情というのは時に予想外の事をしでかす。どんなに間違ってる場合でも合理的じゃなくても自分の思うままに突き進む!それは理屈じゃないんだ!それこそが感情を持つ人間だ!!それはいくら技術を持った奴らでも制御出来るシロモノじゃない!」
俺の頭の中で悪魔化する暴走紫の姿が思い浮かぶ。
「訳が分からないよ」
「そう!訳が分からないのさ!ちなみに俺も何で自分がこんなハイテンションなのか訳が分からないんだけどね!!」
「君が馬鹿だからじゃないの?」
淡々としたキュゥべえの物言いが俺の心を深く抉る。結構毒舌だなコイツ。
「それで本当に感情は制御出来ないと思うのかい?」
「ああ、もちろんだ!例えば・・・」
俺達はこの後、熱く語り合った。
時には生命とは何か?宇宙とは何か?などという哲学的なテーマにまで及んだ。
そして気づけば夜が明けてた。日の光が窓に差し込む部屋には
「君との会話はとても有意義で実に興味深かったよ。ただ僕は君に契約してもらうのを諦めないよ!」
満足したような声色で尻尾を振るキュゥべえと
「はあ・・・・」
目の下に隈を作ってやつれた俺がいた。
俺は本当に何をしているのだろうか・・・・?
スイッチが入ると謎のハイテンションと語りをする優依ちゃん!
その性質はオタク達を引き寄せる!!
キュゥべえも例外ではありません!
10000UA達成しました!!ありがとうございます!!さっき気づいて記念すべき瞬間見逃しましたが・・・