魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

21 / 98
凄い勢いでお気に入りの件数が増えていく事に戸惑いを感じる今日のこの頃・・
自分は楽しんで頂けるものを書けているのか!?
ぶっちゃけ自分の願望(欲望)しか書いていないものなので心配です!


19話 巴マミアイドル化計画

「はい、ホットチョコレートよ。今日は寒いからとっても温まるわよ」

 

俺が見滝原に引っ越してから迎える初めての冬(人生最後の冬になりませんように)。いつものようにマミちゃんの魔女退治同行に付き合わされた日の夜。俺はすっかり見慣れたマミちゃんのモデルルームに招待されていた。今日はとても寒いためマミちゃんがホットチョコレートを作ってくれたが、俺は一切手を付けず腕を組んで考え事をしていた。気分は考える人である。

 

 

 

「・・優依ちゃんどうしたの?全く口付けてないようだけど、体調でも悪いの?」

 

「マミ、気にする事ないよ。どうせ優依はしょうもない事を考えているか馬鹿なのに風邪引いたかのどっちかだから。あ、馬鹿は風邪引かないというのは迷信と聞いているから本当に風邪ひいてるのかもしれないね」

 

純粋に俺を気遣って心配そうな顔で聞いてくるマミちゃんと氷のように冷たい言葉をぶつけてくるソファのぬいぐるみと化した白い生物の対比が凄まじいな。だが俺はそんな事を気にしない。なぜならこれから超ド級の素晴らしいアイディアを提案するからだ!

 

俺は立ち上がる。最近思ったんだが、俺は何かを提案したり、宣言する時は立ち上がって叫ぶのがクセなようだ。今回も例に漏れずそれを行う。

 

「優依ちゃん?」

 

突然立ち上がった俺をマミちゃんが不思議そうに見上げている。俺はビシッとカッコつけて彼女を指差し叫ぶ。

 

「巴マミ!」

 

「え?は、はい!」

 

マミちゃんはいきなり名前で呼ばれ戸惑っているが条件反射で返事してしまったようだ。構わず続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺と契約してアイドルになってよ!」

 

 

 

「・・・・え?」

 

 

マミちゃんに手を差し伸べてキュゥべえ風に言ってみた。なかなか様になってるな俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前から思ってたんだけどマミちゃんはこうキラッと輝くものがあると思うんだよね。それを活かせないかなーと考えてたんだけど、ある時思いついたんだ!そうだ!マミちゃんをアイドルにしよう!と。だってマミちゃんかわいいし、スタイル良いし、エレガントなオーラがあって声も綺麗。アイドルとして絶対うまくいくと思うんだ!」

 

「・・・そうかしら?」

 

俺の熱論に半信半疑だが満更でもなさそうな顔のマミちゃん。

 

でもこれ俺の提案半分も理解出来てないな。混乱してるみたいだし。まあ俺が突然変な事言い出したせいなんだけど。何で俺がこんな事を言いだしたかはきちんと理由がある。そもそもマミちゃんは魔法少女に熱を人一倍入れ過ぎてると思う。正義の魔法少女として誇りにすら思ってるほどだ。その分魔法少女の真相を知った時の絶望も人一倍。錯乱して巻き込まれたら超迷惑な無理心中しようとするので超怖い。そこで俺は考えたのだ!

 

だったら魔法少女以外に熱を入れるものを作ればいいじゃない!という訳で彼女にはアイドルの道に進んでもらおうと思う。何故かって?なんかのゲームの中でマミちゃんアイドルやってた動画見たことあるから。他に俺、女の子をプロデュースしてみたかったんです!そういうゲーム前世でもよくやってました!幸いこの世界のアイドル事情にも精通している(情報ソース:トモっち)。マミちゃんは俺の目から見て原石だ。光り輝くものを持っている。そのまま放置するなど罪である!決して俺の願望だけが理由ではないことを理解して欲しい。

 

 

 

 

「・・また君は突拍子もない事を言い出すね?僕の中の『神原優依』のデータがことごとく変質しているよ。今じゃ変人を通り越してサイコパスさ」

 

ソファから降りてきた似非ぬいぐるみがまたしても聞き捨てならない事を吐いてくる。ホント失礼な奴だな。他人事だと思いやがって。

 

 

 

「何だそのデータは?キュゥべえとはもう一度話し合いが必要か?あと俺は神原優依じゃない。プロデューサーと呼べ!QBカメラマン!」

 

「QBカメラマン!?」

 

「何をそんなに驚いてんだ?キュゥべえもやるんだよ?という訳でマミちゃん!早速やってみよっか!大丈夫、動画撮るだけだから!」

 

「え?え?」

 

「きゅぷ」

 

未だ混乱するマミちゃんの手とキュゥべえの首根っこを掴み、俺は持ってきた資材を準備する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・動画撮るだけなんだよね?カメラ一つで十分の筈なのになんでこんな本格的な機材がいるのさ?君の本気の凄まじさに正直ドン引きだよ」

 

「いや・・これ友達から借りただけなんだけど・・正直俺もドン引きだわ」

 

俺達の前にはテレビのスタジオでしか見た事ないような機材が置かれている。しかもアイドルが着るような衣装に小道具、メイク道具まである。俺が深夜のテンションでアイドルにしたい女の子がいると半分悪ふざけで伝えたら送られてきたものである(提供先:トモっち)。あいつ何者?

 

 

「よし!じゃあ先に衣装でも着て顔隠しながら自己紹介の動画でも撮ってみる?歌は後にしよう」

 

素朴な疑問を振り払い気分を入れ替えるため手を叩いて提案してみる。俺の提案に疑問があったのかキュゥべえが首を傾げてる。

 

「どうして顔を隠すんだい?アイドルなんだから顔が売りなんじゃ?」

 

「甘いな!人間というものはミステリアスなものに惹かれるもんさ!画面に映るマミちゃんのスタイル・雰囲気・声どれも一級品だから申し分ない。それで評価され人気が出るだろう。だが肝心の顔が見れない!現状に満足していても更に欲が出るのが人間だ!顔が見たい!どうしたら顔が見れるのか?そんな欲求が高まってくる。そんな時にライブだ!動画で焦がれてた本人が生で見れる!しかも顔が見れて超かわいい!その時の高揚感と満足感はけっして忘れない!彼らはマミちゃんの虜になる・・それが狙いさ!」

 

俺の壮大な計画の全貌を熱く語ったのに、聞いていたキュゥべえはどこまでも呆れ、そして冷めていた。

 

「ライブする前提なのかい?君一度脳の検査行った方がいいよ。そしたら少しはマシな妄想するだろうから」

 

「うっさい!夢はでっかくだ!それよりキュゥべえ!ちゃんと撮れよ?動画はカメラマンが重要なんだから。こんな複雑そうな機器、俺じゃ扱えないし」

 

「まあ、やるからには徹底的にやるよ。僕の神レベルな超絶アングル捌きを見てひれ伏すがいいさ。・・・という訳でマミ、準備はいいかい?」

 

俺とキュゥべえは同時に振り向く。さっきから全く喋っていなかったマミちゃんは顔を真っ赤にしながらプルプル震えている。

 

 

 

「私やるなんて一言も言ってないわよ!!」

 

部屋全体に響く大声で叫んでた。ごもっとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーいいよいいよマミちゃん。その衣装似合ってるよー」

 

「マミ、その動きをもう一度お願い。今度はこっちのカメラで撮るから」

 

「えへへ・・上手く出来てるかしら?」

 

 

ノリノリのマミちゃんの動画撮影が終了し、俺はキュゥべえと合同で編集してからアイドルオタクのトモっちに送った。

 

「こ、これは百年に一度の逸材だ!是非応援させてくれ!!」

 

という返事が届いたので宣伝はコイツに任せる。ちなみにアイドルネームは「Ribbon」と名付けてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミside

今優依ちゃんが私を見てる。とっても嬉しい。最初優依ちゃんがアイドルやってみないかと言われた時は戸惑った。そのまま強引に動画を撮るはめになるなんて・・。しかもキュゥべえもなんだかノリノリだもの。勢いに押されちゃった。アイドルに憧れがなかったわけじゃない。でも、いざやってみようと言われると戸惑いの方が強かった。まあ、中学生のやる事で動画を撮るだけみたいだし、顔を隠しての撮影だから了承したのに・・。

 

何なの!?この本格的な機器は!?しかも衣装まで本格的・・おまけにキュゥべえはどこのプロのカメラマンよと言いたいほどアングルにこだわりだす始末。もう最初は自棄だったわ。でもだんだん楽しくなってきてこういうのも悪くないなって思えた。

 

何より優依ちゃんが私を見てくれるもの!私のために衣装を選んだり、私のために演出を考えてくれる。うまくいったら手放しで喜んでくれる。それが何より嬉しくてついつい調子に乗ってしまう。アイドルみたいに輝いてたら優依ちゃんずっと私を見てくれるかしら?私だけを見ていて欲しいもの!

 

 

「優依ちゃんこれはどうかしら?」

 

「うん似合ってるよ!」

 

優依ちゃんが私をアイドルにしたいなら喜んでついていくわ。そうしたら貴女は私を見てくれるでしょう?

 




一回やってみたいですよねーアイドルをプロデュース・・

最後はともかく悪ふざけ回でした!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。