魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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皆さん本当にありがとうございます!
原作前なのに長い話になってますが、読んで頂いて感謝感激です!

何とかあと数話で原作入る予定ですので、どうかお付き合いください!


20話 人生生きてりゃ間が悪い事はよくあるもの

年明けました。見滝原に引っ越したのが随分前の事のように思う。通常ならここでハッピーニューイヤーと言いたい所だが、今年は一歩間違えたら地球が滅亡するアンハッピーデスイヤーになりかねないので自重しておく。

 

前世の俺は年が明けるとよく抱負を決めていた。彼女作るとか、出世するとかありがちなことを目標にしていた。どれも達成されなかったが。ちなみに今生のこの年の抱負は《五体満足、人間として無事生存し次の年を迎える》というかなり切実な内容になっている。

 

それはともかく、今は休日の雪の降る夜、俺は親友のトモっちとパソコンでメールのやり取りを行っている。内容はもっぱら人気急上昇中の謎の動画アイドル「Ribbon」の事が多い。

 

よくトモっちと連絡を取り合っているが、ちょっと前に奴が俺の今の交友関係を聞いてきた。なので、俺は「ちょっとヤンキーなツンデレ少女」「依存体質な頼れる一つ上のお姉さん」「S疑惑のゆるふわ女子」「青春中のサバサバガール」と友達になったと伝えたら、何を思ったのか奴は後日俺の家に荷物を送ってきた。中身を見ると百合関連のアニメDVD、漫画、ゲームなどがぎっしり。

 

実はトモっちはBL・GLが好物のオールマイティーな真性の変態オタク。どうやら俺を百合の世界へ引きずり落としたいらしい。おい!変態嗜好を俺に押し付けるな!親友の俺を何だと思ってんだアイツは!?

 

ともかく奴が送ってきた変態嗜好品は現在段ボールに入ったまま俺の机の下に隠してある。近々処分予定だ。それまでは絶対母さんあたりに見つからないようにしようと思う。

 

そんな事を考えながらメールの返事を送信した後パソコンから目を離し、軽く伸びをする。

 

「ふう・・」

 

今日はいつも通り母さんは仕事でおらず、キュゥべえも撮影に熱が入っているのか頻繁にマミちゃんの所に出向いていて、今も撮影でいない。ノリノリだなアイツ。

 

「お腹空いたな・・適当に何か作るか・・!?ひゃあああああああああああああああああ!!!」

 

ぽけーっとしていた俺の首になにか冷たいものが当たってるううううううううううう!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あははははは!優依ホントびびりだよな!からかった時の反応マジで面白いわ!」

 

 

 

後ろから声がしたので振り向くと杏子が立っていて、外の冷気によって冷えきった手を俺の首にあててた。

 

 

 

 

 

 

俺の家に襲撃した日から定期的に(マミちゃんの目を盗んで)杏子は俺に会いに来るようになった。来る度に戸惑ったけど最近はあ、来たんだくらいにしか思わない。慣れってホント怖い。ただ、窓の鍵開けとくのやめようかな?初めて来たときみたいに幽霊の如く立ってる姿が超怖かったので、それを阻止するため鍵閉めないで出入り自由にしたんだけど、今回みたいな事されたら身が持たんわ。

 

 

「はーやっぱ優依の部屋あったけえなー。外は死ぬほど寒くて手が氷みたいになっちまったし」

 

赤い犯人は悪びれもせずにそのままふてぶてしく俺のベッドに寝転ぶ。こいつは遠慮ってものを知らないのか?そういえばクリスマスの時も何故かサンタの格好でやってくるし、お正月も「初詣行こうぜ!」と連れ出されるし。マミちゃんと鉢合わせしないかヒヤヒヤした。

 

「何か言うことないの?」

 

引きつった顔でベッドを陣取るでかい赤猫に聞いてみた。さっきのはマジでびびったので謝罪して欲しいんですけど。

 

 

「優依ー腹へったー」

 

こちらに顔向けて謝るかと思ったらご飯の要求!?なんて食欲に忠実なんだ君は!?人の家を定食屋かなにかと勘違いしてないよな?

 

 

「あーうん。晩御飯まだだし、ついでに作ってくるわ。部屋で大人しくしててくれよ」

 

「分かってるっての」

 

杏子にそう指示し部屋を後にする。もはや諦めの境地である。・・・そういえば何か忘れていたような気もするが何だったっけ?思い出せないのでまあいいか。俺はそのままキッチンに向かった。

 

 

 

 

 

 

「・・よし!出来た」

 

自信作の豆乳リゾット(食べたくなったから)が完成し、杏子を呼びに部屋に向かう。

 

 

 

 

 

 

「杏子、ご飯出来た・・・ぞ・・・」

 

部屋に入って杏子に呼び掛けるも途中で途切れてしまった。部屋にいた杏子は人のベッドで胡座をかいて本を読んでいた。・・・あの変態から送られてきた百合漫画を。

 

わ、忘れてたあああああああああああああああ!!杏子の予想外のドッキリで完全に忘れてたよ!頭のすみからも消滅してた!そうだよ!今どうしても隠さなきゃいけない爆弾があったんだった!油断してた!俺の家に遊びに来る人そんなにいないし、母さんも俺の部屋物色しないから気緩んでたよ!

 

しかもバレたのがよりにもよって杏子!また恐喝してくる可能性大!え!?何で!?机の下に隠してたのに・・待ってるあいだ暇だから物色したなこいつ!?最悪だああああああああああ!!

 

「・・優依テメーなんつーモン読んでんだよ・・」

 

杏子のその一言でパニック状態の俺は現実に戻される。杏子の方を見ると顔を赤らめワナワナ震えていらっしゃる。どうやら完全に誤解してる様子。何だろうね?後ろめたいこと何も無いのに友達にエロ本見つかった時のような気まずさと同じものを感じるよ・・。

 

「あの・・杏子さん・・」

 

「!?・・来るな!」

 

誤解を解こうと近づくも後退りされて拒絶の言葉も叫ばれた。何故?しかも身を守るように自分を抱き締めてる。酷くね?

 

「お前!こういう趣味があったのかよ!?まさかアタシの事もこんな目で見てたんじゃないだろうな!?」

 

「違うわ!全くの誤解です!それ俺の幼馴染の趣味!無理矢理送ってきたから後で処分する予定だったから!!本当なんで恐ろしい事言わないでえええええええ!!」

 

読んでいた百合漫画を指差し恐ろしい誤解を叫ぶ杏子さんに反射的に否定する俺。ホント勘弁してください・・。

 

「・・嘘じゃないんだな?」

 

「これで嘘ついてどうすんの?俺の尊厳がかかってんのに」

 

疑わしそうに聞いてくるが、取り敢えず誤解はとけたようだ。でもね杏子さん?何でまだ俺と距離とってんですかね?実は・・とか思ってないよね?それはともかくトモっちシバく。

 

「まあ、アタシも少し取り乱し過ぎちまったかねー?人の趣味にとやかく言うこともないし」

 

「だから趣味じゃないって!杏子の事仲の良い友達だって思ってるよ!そもそも俺は杏子に恋愛感情持ってないし、そういう目で見てないから!」

 

「!!・・・・・・ふーん」

 

まだ人の趣味と勘違いしてたようなので、即否定した上で杏子の事は無害の友達認定と伝えたのに肝心の杏子は何故か不機嫌になってしまった。何故!?俺まずい事言った!?

 

「杏子、怒ってる?」

 

「別に怒ってねえよ」

 

そう言いながらも眉間に皺寄せて顔をそらしてるのは何でですか?まずい!本格的に機嫌が悪そうだ。どうにかせねば!

 

 

 

 

「アンタはさ・・・」

 

「ん?」

 

どう宥めようか考えてる俺に弱々しい声がかかる。見てみると杏子が膝を抱え顔を埋めていた。表情は分からないがさっきの声は明らかに落ち込んでるようだ。どうした?今日はなんだか情緒不安定じゃないか?しばらく沈黙が続いたがやがて杏子がぽつりと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「女同士・・好きになるのは駄目だと思ってるのか?」

 

「・・え?」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えええええええええええええええ!!!?まさかの貴女が興味あるパターン!?マジで!?相手誰!?さやか?マミちゃん?ほむら?・・あれ?でも今は原作前だよね?どうなってんの!?

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ああああああああ!やめて!そんな悲しそうな顔で俺を見ないで!!なんか俺が悪い事したみたいに思えてくるから!取り敢えずなんか言わなきゃ!無難な回答しとけ俺!

 

「あー駄目とは思ってないよ?世の中いろんな恋愛の形があるし。女同士も一つの愛の形だよ」

 

「・・・・・・そっか」

 

杏子は俺の無難な回答に少し安心したような顔をしている。良かった。ひとまず安心だ。ホッと胸を撫で下ろす。それにしても・・うん。杏子はGLだったのか・・?喜ぶ人は喜ぶな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい優依・・さっきのは忘れろ!」

 

「はあ!?」

 

「わ・す・れ・ろ!!」

 

安心してた所に杏子がいきなり俺の胸倉つかんで真っ赤な顔で凄んでくる。んな無茶な!どうやら少し冷静になって自分が爆弾発言したのを自覚して恥ずかしく思ってると推測してみる。気持ちは分かるけど、とんでもないインパクトがあったので、早々忘れないよこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピロン♪

 

 

どうしたもんかと思っていると場違いな電子音がなり救いの手が差しのべられた。どうやらパソコンにメールが届いたようだ。

 

「杏子、ちょっとメールを確認したいから後にしてくれないか?」

 

「・・・チッ」

 

これ幸いとメールをダシにしてパソコンに向かう。杏子も舌打ちしながら渋々離してくれた。ありがたやー。

 

メールの送り主はトモっちで「是非友達と見てくれ!」と書かれていて、動画が添付されている。何のこっちゃと思うが丁度今は杏子がいるしあけてみるか。

 

「杏子、トモっちが動画を送ってきたんだけど、是非友達と見てほしいって書いてあるから一緒に見てくれないか?」

 

「トモっちって・・ああ・・アンタの幼馴染の・・」

 

提案しただけなのに、何故か杏子はトモっちの名前を出した途端、眉間に皺寄せて不機嫌オーラを出し始めた。怖すぎるんですけど!?

 

「あ、あの一緒に見ていただけますか?」

 

「・・・まあ、いいけど」

 

なんとか了承を得られ、隣でとんでもない威圧感を放っている杏子と一緒に添付された動画を再生する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュッ

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

送られてきた動画はアニメだった。ただし、俺らと同年代であろう女子中学生同士が恋人つなぎしたり、軽いキスしたりしてる百合もの。

 

トモっちいいいいいいいいいいいいいいいい!!何なんだお前は!?そんなに俺を百合の世界へ突き落としたいのか!?友達と見ろと言ってる時点で確信犯じゃねえかあああああ!それにしてもこんな初々しい百合アニメは状況によっては時にドエロな動画より恥ずかしくて目のやり場に困るものになるんですね!?知りたくなかったよ・・。

 

は!そういえば杏子は!?俺は慌てて隣にいる彼女の様子を見てみる。

 

「杏子!」

 

「・・・・・・っ」

 

杏子は頭を抱えていた。顔は真っ赤でしかも涙目。よく見ると体震えてる。独り言で「そんな・・」と呟いてるのが聞こえた。尋常じゃない様子に不安を覚える。

 

「・・杏子さん?」

 

「!・・・・」

 

恐る恐る呼んでみるとようやく杏子が俺の方を向いた。涙目でウルウルさせながら目を合わせてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「杏子・・・?」

 

 

 

「~~~~~っ!ーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

「え!?杏子!?」

 

 

 

 

しばらくお互い無言で目を合わせていたが、突然杏子が声にならない悲鳴をあげて人のベッドに潜り込んでしまった!俺のベッドが!!

 

「何してんの杏子!?」

 

布団をめくろうとしても凄い力で押さえつけていてびくともしない!パニックを起こしているのか「嘘だろ!?」「アタシが!?」とか叫んでる。

 

 

 

 

そこで俺は唐突に自分の過ちを悟ってしまった。

 

俺はなんてことをしてしまったんだ・・!杏子は悪ぶってても絶対純粋だ。純情ガールだ。そんな娘に邪な思惑の入ったものを見せてしまった。そもそもあの変態から送られてきたものだった時点で警戒すべきだったんだ。完全に俺の失態。ピュアな杏子を変態の毒牙の被害者にしてしまった・・!取り返しがつかない!

 

 

「ごめん杏子!ほんとにごめん!」

 

「いやああああああああ!」

 

未だにパニック中の杏子に謝る俺。これキャパオーバー起こしてね!?謝ってすむ問題じゃなさそうだぞこれ!

 

 

 

 

 

 

 

 

宣誓!俺はこの世から変態を抹殺する事を誓います!手始めに変態アイドルオタクを八つ裂きにすることを誓います!

 

 

俺は心に固く誓った。最優先は未だ混乱中の布団青虫と化した杏子に謝ることだ!

 




トモっちこんなアホで変態ですけどイケメンなんですよ?お互いに恋愛感情はありませんが仲のよさから前の学校では美男美女カップルと思われてました!

杏子ちゃんが知ったら荒れそうですねw

このアホ回まだ続きます!
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