魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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先に本編を投稿しなさいというお告げがあったので番外編はまた後程!


29話 好奇心は精神を攻撃する

爽やかな朝、柔らかい太陽の光が俺を暖かく照らしてくれる。しかし俺の心は冷ややかな暴風が吹き荒れ暗くどんよりな気分から抜け出せない。

 

昨日は散々だった。まどか達をインキュベーターに接触させてしまうし、ほむら接触は失敗しおまけに警戒されあやうく撃たれそうになった。とどめに魔法少女体験コース開催決定が告知され俺も強制参加を言い渡された。

 

しかもその後マミちゃんには散々尋問された。内容は「何故俺はマミちゃんの誘いを断ったのか?」「用事とは一体なんだったのか?」「ほむらとは接触していないか」などの三点を中心に聞いてきた。何とかはぐらかす事は出来たがまだ疑っているのは間違いない。

 

執念と思える程しつこく聞いてきたからな!超怖かったよ!

 

ようやく解放してくれた時は既にお空は真っ暗。マミちゃんは泊まっていけと言ったがあんな迫力ある笑顔の人がいる所で寝れるわけないのでお断りした。

 

そういえば、ほむらに銃突き付けられた時の謎の出来事。シロべえが回収して調べてくれたんだけどやっぱり人為的な何かに真っ二つにされてんだって。しかも切り口からして相当の手練れらしい。何それ怖い。いつ自分の首もああなるか分からないんですけど・・

 

「はあ・・」

 

初日でお腹いっぱいです。二、三回は心折れた気がする。

一日でここまで追いつめられるなんて、さすが絶望の代名詞

「魔法少女まどか☆マギカ」だ!!

 

既に俺はギブアップ寸前です!

 

 

 

 

今日は魔法少女体験コースの日。考え事がしたいので今回は一人で登校しているが物凄く足取りが重い。

今の所、特に死亡フラグは無いんだろうけど油断できない。このままいけば黄色さんはマミっちゃうのでどうにかせねば。問題はそれだけではなく山積みで立ちはだかっているので頭だけじゃなく胃も含めて全身が痛い。目下の問題は

 

「ほむらとどうやって接触すればいいんだ・・?」

 

昨日の出来事でめっちゃ警戒され、次接触したら容赦しないと殺害宣言に近い事言われてるので接触しづらい。

 

オワタとしか思えない!まさに絶望!

 

 

 

 

 

 

「禁断の恋なんていけませんわああああああ!」

 

 

「?」

 

憂鬱な考え事を遮断するように後ろから変な叫び声が聞こえて振り返るも既にそれは俺の横を通過した後でそれによって発生した風で髪をかき上げられた状態だった。あまりの速さに何が起こったか分からない。

 

 

「???」

 

前を見てみるも既に何も無くただ土煙が舞っていた。

 

 

何だったんだ一体?

 

 

 

「待ってー仁美ちゃん!」

 

「おーい仁美!鞄忘れてるぞー!ん?あれ・・優依?」

 

「え?ホントだ!優依ちゃんおはよう!」

 

「おーす優依!昨日はどうしたのさ?」

 

朝から元気爆発してる声が後ろから聞こえてきたが見んでも分かる。件のカラフルな連中だ。

 

という事はさっき俺の横を音速で駆け抜けたのは仁美お嬢様だな。護身術の事といい実は素の身体能力はトップクラスだったりすんじゃないのか?もし魔法少女になったら案外格闘系だったりしてな・・?

 

 

くだらない推測は取りあえず置いといてこちらに近づいてきている問題児二人に挨拶するため振り返る。

 

「おはよう!二人とも!?」

 

悪夢の光景に思わず挨拶が途中で止まる。

 

ピンクの悪魔が白い悪魔肩にのっけて笑顔で手振って俺に近づいてきてるうううううううううう!!?

 

おいまどか!肩に寄生してる奴捨てろ!

そいつろくでもないもんだから!

拾った場所に捨ててきなさい!

ほむらに見つかる前に!!

 

叫びは無情にも届かず二人は俺の目の前で立ち止まった。二人してとっても可愛い笑顔のはずなのに今は悪魔の笑顔にしか見えない!

 

「昨日は突然帰っちゃって驚いたんだからね?マミさんから聞いたんだけどあんた随分前から魔法少女の事知ってたんだって?水臭いわーそういうのはさっさとあたしに教えてくれれば良かったのに!」

 

「ごめんね・・危ないから巻き込みたくなくてさ」

 

「それが水臭いっていうの!」

 

「優依ちゃんはマミさんと知り合いだったんだね?魔法少女じゃないんだよね?」

 

「魔法少女じゃないよ?契約する気ないし。去年マミちゃんに助けてもらってそこから仲良くなったの」

 

 

 

三人でこんな会話をしていたが俺の目線はずっとまどかの肩に寄生してる白いマフラーもどきに固定されてる。

 

だって奴が俺の事ガン見してんだぞ!?

なんだよ!?「首尾よくまどかを契約させられそうだから君もどうだい?」とかそんな目線やめてくれよ!

無論、俺は「却下だ!絶対却下!あとまどかも却下!」と目線で返してるけどな!

 

え?シロべえ?奴は調べる事があるから今日学校には来ないんだとよ!

本音はインキュベーターとほむらが怖いからだろうなー?けっ!

 

多勢に無勢。味方がいない今、下手に事を起こすのは得策では無そうだ。・・一人じゃ対処出来ないしさ。

 

俺はこっそりため息を吐いた。

 

 

教室に入り、まどかとさやかはオリンピック金メダル候補の緑に謝罪してる。俺はひたすら後ろにいる人目なんてクソくらえと堂々と机に居座る白い悪魔の無言のプレッシャーに耐えながら自分の席に座った。謝罪が終わったまどか達が自分の席に座りマミちゃんとテレパシーで会話しているが参加する気はないので聞き流す。

 

 

 

「あ」

 

長い黒髪を揺らして暁美ほむらが教室に入ってきた。途端にまどかとさやかが身構える。

 

「・・・・」

 

ほむらが後ろを振り向いてまどか、正確にはまどかが抱いてるキュゥべえを睨む。

やめてくれまどか!

ほむらの前でそいつ抱きしめるのマジでやめて!

煽ってるとしか思えねえから!

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

「うぅ・・」

 

視線を移動させ今度は俺を睨んでくる。もちろん怖くて涙目になってますよ今。

 

おかしいな?

昨日に比べて五倍くらいの眼力ですよ!?

そんなに昨日の事を警戒してるんですか!?

やめてください!警戒させるつもりじゃなかったんですううううううううううう!!

 

 

≪優依ちゃん大丈夫?≫

 

「ふぇ?」

 

俺の頭に直接響いてるくる声。どうやらマミちゃんが俺を心配してくれているようだ。

 

≪あの娘に何もされてない?≫

 

≪大丈夫だよ!今の所何もされてないよ!≫

 

現在進行形で俺の事睨んでますが特に何かしてくる訳じゃないからノーカウントだ。出来れば協力関係になっていただきたいので心証を悪くしそうなものは言わない方が良さそう。

 

・・既に心証最悪かもしれないが

 

 

 

 

≪マミさん!今アイツが優依の事睨んでます!≫

 

 

さやかあああああああああああああああ!!!

 

てめえ余計な事言いやがって!

何がしたいんだよお前は!?

破滅したいのか!?破滅願望でもあんのか!?

 

 

≪・・駄目じゃない。そういう事はきちんと言わなくちゃ≫

 

≪ごめん・・でも睨んでるだけだし・・≫

 

≪人目の付くところでは何もしないでしょうけど、今日は出来るだけ鹿目さん達と一緒にいるようにするのよ?もしあの娘が近づいてきたら私を呼んで?すぐに駆けつけるわ!≫

 

≪うん・・ありがとう≫

 

マミちゃんさ・・ほむらの事警戒し過ぎじゃないのかい?

 

テレパシー会話に夢中だったのでほむらが既に顔を前に戻してるのに気付かなかった。授業の間、白いGが自由気ままに動くものだからいつほむらの堪忍袋がぷっつんして教室で機関銃撃ちまくらないかひやひやしてたから全然集中出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ねーまどか、願い事考えた?」

 

「ううん、さやかちゃんは?」

 

「あたしも全然だわー。叶えたい願いは沢山あるけど命がけの戦いってところに引っかかってさー。優依はそれが嫌で契約してないんでしょ?」

 

「もちろん!戦いたくない!死にたくない!怖い!」

 

「うわ・・躊躇いが無い」

 

昼休み、俺は問題児二人+白い元凶と一緒に屋上でご飯を食べている。会話内容はもちろん願い事の事。

 

「意外だなー。大抵の子は二つ返事なんだけど。・・まあ中には説明もしてないのに即答で断る子もいるけどさ」

 

「・・・・・」

 

何故みんな俺を見る?

 

いきなり断ったの根に持ってんのか?

 

しょうがないんですよ?戦いたくないのは本音だけど他にもあるし。

まあ、最近分かったことなんだけどさ。ある日ふと興味が湧いてシロべえに聞いてみたんだ。俺とまどかの魔法少女の素質って比べたらどんな感じ?と。

 

 

 

結果:

 

まどか<<<<<<<<<<<俺

 

 

シロべえは躊躇いがちに教えてくれましたよ・・

 

 

 

 

実は俺の方が破壊神だったっていうオチな!!!

 

 

ちょっとした好奇心なんかで聞かなきゃ良かったあああああああああああああああああああ!!

 

聞いた瞬間発狂しそうになったわ!

 

あの邪神野郎!俺で遊ぶ事に関してどこまで徹底してんだよ!!

何でここまですんのか理解出来るか!!

 

そういう訳で俺は絶対契約出来ない!

したら冗談抜きで宇宙の終わりなんで!

 

 

「・・・・ねえ。何であたしの頭撫でてんの?しかも何で泣きそうになってんの?」

 

「気にしないで」

 

知りたくなかった事実に再度落ち込んでるから無駄に元気なさやかからちょっと元気を分けてもらいたいのでやってるだけです。特に意味はない。ホントはまどかが良かったけど触って俺の因果が移ったりまどかの因果をもらったりしたら笑えないのでやめておく。

 

 

「///・・恥ずかしいじゃん!」

 

「さやかちゃん顔真っ赤だね。・・ちょっと羨ましいかも」

 

「・・・///」

 

少し膨れっ面のまどかに指摘されてもさやかは止める素振りがないのでしばらく撫でさせてもらう。

 

いやー可愛いですなー。まさに女の子って感じ。

・・精神崩壊が生々しかったのでさやか可愛いと思った事がなかったけどこうしてると結構可愛いもんだ!

契約しない方が君は幸せだからマジでやめてね!

 

 

 

 

「・・あいつ!」

 

「? ・・あ」

 

さっきまでデレ全開で頭撫でられてたさやかが鋭い目で前を見ている。同じ方向を見てみると黒い髪をなびかせてほむらが屋上にやってきた。

 

「・・・っ」

 

さやかは警戒してるのかほむらを睨んで構えている。お前は喧嘩上等の猫か!?

 

まどかなんてキュゥべえを守るために抱き寄せている。でも正直ほむらを煽ってるようにしか見えない!

やめて!火に油を注がないで!

 

 

 

≪大丈夫。ちゃんと見張ってるから≫

 

マミちゃんがいてくれるのは分かっていたのでまどか達と違って目線は逸らさずほむらを見る。

 

ほむらよ。やっぱりまどかが心配なのか。一途だねえ。

・・それが転じてどうしてあんなクレイジーなストーカーになるのか不思議だ。

 

ここでほむらの誤解が解ければ万々歳だな。キュゥべえがいるのは厄介だが全員いるしマミちゃんとほむらのタッグが実現出来るかもしれない!マミちゃんだって好んでほむらと戦いたくはないだろうしな!

 

 

 

 

≪大丈夫よ優依ちゃん!私が付いてるから安心してね?たとえあの娘が今何か仕掛けてきても対応出来るわ!≫

 

・・・?

 

なんかやたら気合のこもったマミちゃんの声がテレパシーで届いた。

 

「・・!?」

 

疑問に思ってマミちゃんがいる建物に視線を向けて絶句。

 

マミちゃんは確かにそこにいた。だが何故か大量のマスケット銃をスタンバイさせた魔法少女姿で銃を構えている。狙いはオールでほむら。

 

 

≪マミちゃあああああああん!?何してんの!?向こう完全無防備だよ!?何でこっちは完全フル武装で待機してんの!?≫

 

≪相手はどんな魔法を使うか分からないわ。手札が分からない以上、警戒しておくに越したことはないのよ?優依ちゃんに危害を加える可能性を少しでも潰しておかなくちゃ≫

 

≪いやだからってやり過ぎ・・!≫

 

≪守りながら戦うのは難しいのよ?人数もあるしこれぐらいは許してちょうだい≫

 

いやあんた劇場版で平然と守りながら有利に戦ってたじゃん!ほむら相手に!

 

これ以上は聞いてくれなさそうなので仕方なくほむらに向き直る。大量のマスケット銃に狙われてんのに顔色一つ変えずこちらに近づいた。

 

 

「・・・何の用?昨日の続きでもする気かよ?」

 

さやかが警戒心バリバリでほむらを睨んでる。

 

「いいえ、そのつもりはないわ。そいつが鹿目まどかと接触する前にケリを付けたかったけどもう手遅れみたいだし」

 

そう答えながらインキュベーターを睨むという誤解しか生まない愚行をするほむら。いいぞ、もっとやれ!

 

「で、どうするの?魔法少女になるの?」

 

「あんたに関係ないじゃん」

 

これってほぼさやかとほむらの喧嘩だよね?俺とまどかは蚊帳の外だしさ。空気がピリピリしてて怖いんですけど・・

 

「昨日の話、覚えてる?」

 

さやかが割り込んで埒があかないと判断したようで今度はまどかの方を見て問いかけている。

 

「・・・うん」

 

「ならいいわ。忠告が無駄にならないように祈ってる」

 

一方的に告げてほむらは背を向ける。

 

「あ、あのほむらちゃん!」

 

まどかが意を決して呼び止めほむらが歩くのを止めた。

 

まずい!急いで止めなくては!

 

「あのまどか?それは・・」

 

「ほむらちゃんはどんな願い事を叶えてもらって魔法少女になったの?」

 

まどかあああああああああああああああ!!

やめてあげて!君がそれ聞くのだけはやめてあげて!

すごい残酷だから!

 

 

「・・・・っ」

 

あああああああああああ!!

どうしよう!?ほむら泣きそうになってる!!

こうなったら話題を変えるためにも俺が話しかけるしかない!

幸いマミちゃんがいるし攻撃される事もないから今ならまともな会話が出来るかもしれない!

 

 

「あの暁美さん!!」

 

 

 

「・・何?・・!?」

 

俺の呼び止めでほむらが振り向きしばらく経って返事をしてくれたが途中で顔を前に戻してそのまま屋上を出て行ってしまった。

 

 

 

え?反応してからの無視は結構堪えるんですけど・・?

何したかったの?俺をいじめたかったの?

 

「何なのあいつ?」

 

「さあ・・?」

 

後ろの二人が不思議そうにしているが俺も問いたいわ。

 

≪優依ちゃん、あの娘に何にもされてない?無事?≫

 

ほむらのいじめに傷つきつつ出口を呆然と見つめていたら、マミちゃんから気遣うようなテレパシーが送られてきた。なんとか正気に戻り彼女の方に振り向き返事をする。

 

≪大丈夫。ありがとうマミちゃ・・!?≫

 

正直見なきゃ良かった・・。いつの間にかティロ・フィナーレまでスタンバイさせてマミちゃんがこちらを心配そうに見つめている。

 

こっちが心配になるわ!

何でそんなに過剰に警戒してんの!?

マミちゃん、ほむらの事そんなに嫌ってたっけ!?

いいじゃん!あの白いGはすぐ復活するんだから!数匹くらい殺したって!

 

≪マミさんありがとう!おかげであいつ帰っていきましたよ!≫

 

≪一緒にお昼食べませんかマミさん!≫

 

≪ありがとう!今からそっちに行くわね≫

 

・・・その光景に誰もツッコミ入れないんだ

 

とりあえず今日分かった事:

マミちゃんがほむらをめっちゃ敵視してる事

まどかはS疑惑じゃなくてS確定だった事

 

こんな些細な出来事でも先が思いやられるわ。

 

 

 

「やれやれ訳が分からないよ」

 

お前がしめるんかい!

 

白い元凶がさっきの出来事を一言でしめ、こうして波乱の昼休みは過ぎていった

 

 

 

 

 

ほむらside

 

昨日は裏をかかれてまどかをインキュベーターと接触させてしまいその上、巴マミとも接触させてしまった。既にまどかは魔法少女の事を知ってしまっているだろう。

 

教室に入り視界にうつるのはインキュベーターを抱きしめ私を警戒するまどかの姿。

 

「・・・・」

 

痛む胸を悟られないようにポーカーフェイスを装い席に着いて憎たらしいあいつを睨む。

 

「・・・・・・・・・・」

 

その後にあの娘の前に座る神原優依と目が合った。案の定私を怖がって涙目。それに罪悪感を覚える。

 

昨日は彼女に悪いことをしてしまったと少し後悔している。インキュベーターが突如現れ時間停止が効かない混乱で冷静じゃなかったとはいえ怖い思いをさせてしまった。脅しのつもりで撃つつもりはなかったが何かの介入で銃が壊されてしまったため退散を余儀なくされた。

 

あれは一体何だったのだろうか?

 

神原優依には護衛でもいるのかもしれない。

 

不可解な事ばかりだが後から冷静になってみると分かることもある。

神原優依は魔法少女ではない。もし魔法少女ならあのいつ攻撃されるか分からない状況下で変身しないはずがない。さっさと逃げるなり反撃するなり出来たはずだ。

 

傍らにインキュベーターがいた事からもしかしたら奴らの甘言に騙された被害者の可能性が高い。契約は時間の問題かもしれない。

 

厄介な事になる前に神原優依の傍にいる個体を始末しておく必要がありそうね。一番良いのは誰の邪魔も入らず二人っきりの時に私の話を聞いてくれる事だけど昨日の出来事じゃ無理そう。ため息を吐いて視線を前に戻す。

 

 

授業中インキュベーターの存在が鬱陶しくて何度時間停止を発動させて始末しようかと考えたか分からない。よく耐えた自分を誉めてあげたい。

 

 

 

 

昼休み、再度まどかに忠告するため屋上にいるであろうあの娘の所に向かう。案の定そこに彼女はおり、美樹さやか、インキュベーター、そして神原優依がいた。

 

何故か神原優依に頭を撫でられ緩んだ顔をしていた美樹さやかが私の姿を見つけると即座に警戒し睨みつけてくる。その様子から他の面子も私に気付き身構える。それを気にせず私はそのまま彼女達に近づく。

 

「!」

 

殺気を感じ横目で確認すると巴マミが魔法少女に変身しており大量の銃で私を狙っている。

 

・・ここまで警戒される理由が分からない。

そこまであのインキュベーターを大事にしてるの?

 

巴マミに警戒されているのでこちらもいつでも変身出来るように構えつつ再度まどかに忠告した。

 

・・殆ど美樹さやかが答えていたけど仕方ない。

彼女にも出来れば契約してもらいたくないのは本当だ。

 

 

 

 

 

「ほむらちゃんはどんな願い事を叶えてもらって魔法少女になったの?」

 

「・・・・っ」

 

忠告が終わり校舎に戻る間際まどかから聞かれた。

 

・・・言える訳ないじゃない!

貴女を救うためなんて・・・!

 

 

「あの暁美さん!!」

 

歯を食い縛り涙が出てくるのを抑え早足で出ていこうとする私を呼び止める声が聞こえたので後ろを振り向く。

 

神原優依だ。

 

心配そうな表情で私に近づいてくる。

 

・・私の事心配してくれるの?

あんな怖い目にあわせたのに・・?

 

戸惑いと嬉しさが同時に出てきた。そのまま周囲をざっと見渡し彼女が連れていたインキュベーターがいないのを確認した。今なら少しだけ話せる可能性がある。

 

これはチャンスかもしれない!

彼女と二人きりで話せれば・・・!

 

私は彼女の呼び掛けに答えることにした。

 

「・・何?・・!?」

 

突如先程とは比べ物にならない程の殺気を飛ばされる。凄まじい殺気だ。

 

方角からして巴マミね。何故?

私が神原優依に危害を加えると思っているの?

・・まずいわね。ここで私が口を開いて彼女と会話なんてしたら躊躇わずに撃ちそう。それほどの不穏な雰囲気を巴マミから感じる。

 

・・・仕方ない。

今回は身を引いた方が良さそうね。

巴マミがいる前では神原優依と会話出来ないみたい。

 

私は彼女から目をそらし屋上を去る。

 

まどかを救うためにも不確定要素は排除しておきたい。そのためにも神原優依の事について知る必要がある。

 

さっきの巴マミの反応からして彼女とはかなり親しいみたいだし仲介してもらえる可能性がある。そうすれば彼女は死を回避出来てワルプルギスの夜との戦力になってくれるだろう。

 

もしかしたら神原優依はまどかの契約阻止に貢献してくれるかもしれない。

 

そのためにはどうやって彼女と接触するか考えなくては

 

私は接触方法を考えつつ早足で教室に戻った。




実はほむほむ積極的に優依ちゃんと接触を考えてます!

まあ、それにはマミさんという障害はありますしシロべえは始末する前提にされてますがw

次は番外編・・になるかもしれません!

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