魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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どうも!
別の新しい番外編を思いついたので夢中で執筆してたら最新話更新すんの忘れてた馬鹿です!

遅くなってすみません!
またそのうち番外編の方も投稿する予定ですのでよろしくお願いします!

投稿するのが杏子ちゃんシリーズの続きか新しい番外編かは気分次第!
ちなみに新たな番外編もIFのお話になります!


35話 贈り物を貴女に

「ん・・・」

 

「あ、起きた?よく寝てたな」

 

「・・・うーん」

 

人の膝枕でグースカ寝てた杏子が目を覚ましたのでようやく俺はこの拷問に近い羞恥プレイから解放される。

今日だけで三回目(一回目ダンスゲーム、二回目人前で女同士のあーん)だ。勘弁してほしい。

 

「んん・・」

 

なのにコイツは俺の太ももで寝返りを打って再び目を閉じやがった。

 

ふざけんな!いつまで寝てんだよ!!

俺にこんな公共の場でまだ羞恥プレイさせる気か!?

 

 

「杏子、そろそろ起きてくれ。いい加減足が感覚ないよ。人の膝枕で爆睡しだしてから夕方までずっとやってたんだぞ?頑張ったよ俺、正直今立てるかどうかも怪しいよ?」

 

怒りをなるべく抑えて穏やかな声で毒と愚痴を惰眠きめこむ奴につきつける。

 

 

 

「・・夕方?・・・・・・・・はあ!!?もう夕方なのかよ!!?何で起こさなかったんだよ!!?」

 

「いや、起こすなって言ったじゃんか君・・」

 

杏子は最初寝ぼけていたが辺りが夕焼けに染まっている事に気付き、勢いよく起き上がって俺に抗議してくる。

 

起こすなって言ったくせに何で起こさなかったんだって怒られるのは理不尽だ。

まあ、あんなバトル繰り広げて疲れてただろうから起こすのも何か悪いと思ったのもあるが。

 

 

「はあ・・・」

 

さっきまでの勢いが嘘のように杏子が両手で顔を覆って項垂れている。

何をそんなに落ち込んでいるのだろうか?

 

下を向いているのでどうしても視界に杏子の燃えるような赤い髪が目に入る。長時間俺の膝枕にさらされていたくせに寝癖がほとんどない不思議仕様だ。そういえば原作で髪おろしたシーンも跡がついてなかったし俺の家に泊りに来た時もほぼ寝癖ついてなかったわ。どんな髪質してんだか。

 

それにしても、

 

「髪、綺麗だな」

 

「!?」

 

思わず手にとって触れてみる。

 

ふむ、思ったよりも柔らかい。

色は奇抜だけどこの髪質はウィッグにしたら高く売れそうだ。

髪切る時、譲ってもらえるように頼んでみよっかな?

 

 

 

「・・お前は何でそう・・///」

 

「?」

 

ぼそりと呟き、視線を髪から杏子に移すと顔を両手で隠してるのはさっき通りだが、夕日のせいにすら出来ないほど杏子の顔は耳まで真っ赤になっていた。

 

 

 

 

「あ・・・髪といえば」

 

「何?」

 

「・・・・・・//」

 

「???」

 

 

 

杏子が何かを思い出したようですぐさまパーカーのポケットを確認したのち、チラチラと俺を見てる。心なしか身体の動きもモジモジしてる気がする。

 

俺なんかしました?

 

「さっきから人の顔見てるけど何?俺になんかついてる?」

 

流石に杏子の行動が気になったので思い切って聞いてみる。

分かりやすいくらい挙動不審だしな。全然目合わせないもん。

 

「うえ!?そ、そんな事ないけど・・」

 

「じゃあ何?」

 

このままじゃ埒があかないので語尾を強めに問い質す。

 

一体なんだってんだ?

 

 

 

「・・・・・・・・・あのさ」

 

「うん」

 

しばらく杏子は黙っていたがやがて決心したのか深呼吸してからこちらに身体を向ける。

恥ずかしいのか頬染めて目を合わせず俯いている。

 

「これ・・・優依に・・・」

 

少し躊躇いがちにパーカーに突っ込んだままだった手を取り出し、中から取り出した何かをこちらに差し出した。

 

 

 

「これって・・?」

 

差し出している手にあるのは黒い大きなリボンと小さな十字架がついた赤がベースのバンスクリップだった。

 

オシャレなデザインだが俺的にはこれを見てると目の前の人物を連想するデザインにしか見えない。

杏子はこれを俺に差し出して何がしたいんだろうか?

そもそもこれは一体どこで入手したのかすごく気になる。

 

「どうしたのこれ?買ったの?」

 

目の前にあるバンスクリップをじっくり観察しながら思わず疑問を口に出す。

 

「・・・違う」

 

躊躇いがちに杏子が否定する。その態度に最悪の想像をしてしまう。

 

 

 

「・・・・まさか盗んだんじゃないよね?」

 

「違う!!」

 

震える唇で聞いてみるも怒気を含んだ力強い否定が返ってきたので安堵した。

しかし疑問が残る。買ったのでも盗んだものでもないならこれは一体どうやって手に入れたんだろうか?

 

 

 

 

「・・・・だよ・・・・」

 

 

 

「ん?何て?」

 

疑問が顔に出ていたのかもしれない。怪しむ俺に杏子がむっとしたのち、顔を伏せてぼそぼそと話す。全然聞こえなかったのでもう一度言ってもらおうと耳を傾けると杏子は身体をフルフル震わせてヤケクソ気味に叫ぶ。

 

 

「・・これはアタシが作ったんだよ!!この前この公園で無料のアクセサリー作り体験があったからそこで!!~~~~////ああもう!!何でそんな事気にすんだよ!!?何もやましい事してねえよ!」

 

「へ?」

 

思わずマヌケな表情で杏子を見つめる。

 

杏子は真っ赤な顔で荒い息をしていたが叫んで吹っ切れたのか続けて叫んだ。

 

「たまには優依にお礼をしようと思っただけだ!いつも世話になってるしさ!でもアンタはアタシが買ったものは受け取らないだろうから仕方なく作ったんだよ!!」

 

叫んで疲れたのか肩を大きく揺らしてゼエゼエいっている。

 

しばらく辺りに沈黙が流れた。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「おい・・優依?」

 

 

 

 

その沈黙の中俺は顔を俯かせ、ただひたすらじっと耐えていた。その様子に杏子が心配そうに顔を覗かせてくる。

 

 

駄目だ。それ以上は駄目だ!

近づくんじゃない杏子!

 

 

じゃないと俺は・・・

 

 

 

「優依?・・うわ!?」

 

 

 

無理。限界だ!

 

 

 

 

 

 

「超可愛いいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

 

 

俺は興奮し顔を覗き込んでくる杏子を思いっきり抱きしめたのち叫ぶ。

 

だってそうだろう!?

あの男勝りでがめつい杏子がお礼と称して俺に贈り物をしてくれたんだよ!?

しかも真心こもった手作りアクセサリーときた!!

これを可愛いと言わずにいられるか!!

思わず抱きしめてしまったぜ!!

今日くらい良いだろうが!!

 

セクハラ上等!!

 

こんな可愛いの権化を愛でないなど万死に値する!!

 

 

 

「離せ!!優依離せってば!!」

 

杏子が俺の腕の中でもがいているが知ったこっちゃない!!

 

構わず杏子を抱きしめる。俺の胸に杏子の顔があり頭を撫でるには丁度良い位置なのでそのまま撫でまくる。

 

ありがとう杏子!

君のおかげで俺のボロボロだったメンタルHPが満タンになったよ!

ついでにHP上限も上がった気がする!

それほどの効果だ。

杏子に会いに来てホントに良かったよ!!

 

 

「~~///さっさと離せ!!!」

 

「ちぇ」

 

力の差があるのであっという間に抜け出されてしまった。顔を真っ赤にさせて深呼吸を繰り返している。

 

ひょっとして窒息寸前だったのかもしれない。

俺の胸に顔埋もれちゃってたもんね。

悪い事したな。

 

 

「ごめん杏子。嬉しくてつい・・」

 

「はあ、はあ、・・良いよ。それにしてもアンタって意外と・・」

 

「ん?」

 

「何でもねえよ!//」

 

「?」

 

しおらしく謝ったからか杏子は許してくれた。

それはいい。その後何か言おうとしていたのに途中ではぐらかされて顔を真っ赤にして首を振っていたのが気になる。

 

 

 

「それより!これもらってくれるよな!?」

 

話題を変えるためか杏子が食い気味で俺の方に身を乗り出してきた。

 

「えーと、いいの?」

 

「優依にあげるために作ったんだからいいに決まってんだろ?なあ、今からアンタに付けていいか?」

 

キラキラした目で俺の髪を見つめている。

ここで駄目だって言ってみたい気もするが後が怖いので好きにさせるか。

 

「・・いいよ」

 

「よし!じゃあ少しじっとしてろよ?」

 

「うん」

 

杏子が嬉しそうに笑っておずおずと髪に触れた。

その触れる感触がくすぐったいが今は我慢だ。

 

バンスクリップの装着に四苦八苦してる杏子を横目に見ながら俺はとある妄想する。

 

アクセサリーを作るため机に向かってうんうん唸ってる杏子が浮かぶ。

不器用そうだから絶対苦労しただろうな。

実はほとんど先生につくってもらったりしてな。

そうだとしてもコイツがわざわざ俺のために作ってくれた!

 

ぐああああああああああ!!

見たかったよその場面!

タイムマシーンとかあったらその場面見れるのに!

 

あ!いるじゃん!

生きたタイムマシーンが!

 

あ・・だめだ。あの紫が行けるのは並行世界であって過去じゃないわ。使えねえ!

 

 

 

「・・・もういいぞ。見てみろよ」

 

「どれどれ?」

 

馬鹿な妄想してたらすぐ時間が経ったようで杏子が満足そうに手を頭から離す。俺はバッグに入れてあるコンパクトミラーで確認した。俺の髪色にこのバンスクリップはよく映えている。杏子は意外とセンスが良いようだ。やっぱり女の子だと再認識した。

 

「よく似合ってるじゃん!・・優依はどう思う?」

 

主観で自画自賛していたが俺の評価が気になるのか不安そうに杏子が感想を聞いてくる。

 

 

「うん!ありがとう!気に入った!俺髪飾りあんまり持ってないから嬉しいよ!」

 

顔を鏡から杏子に向けて満面の笑みでお礼を言う。

 

俺はあまり髪をいじらないから髪型をかえる事はほぼないし、ましてやオシャレのためのヘアアクセサリーなんて持ってない。興味もなかったしね。でもこれは素直に嬉しい!

だってあの杏子だよ?友達だって思ってくれてんだなーと感じてマジ嬉しい!

 

「・・・・・」

 

「杏子?」

 

「・・へ?あ、ああ・・このアタシがわざわざ作ってやったんだから大事にしろよな?」

 

呆けていた杏子はハッと我に返って頬を染めながらツンデレ発言。相変わらずのようだ。

 

「そっか、そっか。ありがとなー杏子。偉いぞー」

 

「だから何で頭撫でるんだよ!?」

 

杏子の頭を撫でながら俺は幸せに浸る。

 

やっぱりコイツはマジで癒やしの天使だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子side

 

 

「杏子に会いたくなってさ、会いに来たんだ」

 

 

 

優依がそう言って風見野にやってきた。アタシはその言葉が嬉しく嬉しくて自分でもおかしなテンションになってたと思う。普段なら絶対しないような事までやった。

 

今思えば人前であーんするなんて恥ずかしい。

 

最初は悪ふざけのつもりだったのに優依があっさり拒んだ。それにムッとしたアタシは優依がパンケーキを食べようとしたフォークを腕ごと強引に引き寄せて食べてやった。イタズラに成功して満足だったのに優依が突然真剣な様子で謝罪してきて戸惑ってしまった。

 

その様子はまるでアタシを拒んでるみたいで辛くて泣きそうになってしまったから激情のまま優依に問い詰めたんだ。

結局、誤解だったから良かったものの罰として食べさせあいを強要。

優依と間接キス出来てドキドキした。

 

 

 

 

 

だからだろうな。

 

アタシが浮かれてたから、優依を魔女の結界に巻き込む羽目になったのは。

直前で気付いて何とか回避しようとするも間に合わず優依と一緒に結界に閉じ込められた。

 

 

 

 

「くそ!まさかこんな事になるなんて・・。何でだよ?何で?よりにもよって優依がいる時に・・!」

 

完成した魔女の結界の壁に思わず八つ当たりする。

 

危険な目にあわせないって優依との約束を破ってしまった。

しかも魔法少女の姿まで見せてしまって最悪だ!

 

 

「コイツにだけは見られたくなかったのに」

 

「巻き込まないって約束したのに」

 

「何やってんだアタシは」

 

 

 

後悔してももう遅い。

今更優依になんて言えばいい?

 

 

考えても考えても答えは出てこない。

 

 

 

このままじゃアタシを怖がって二度と会ってくれなくなる。

優依が離れていってしまう・・・!

 

怖くて後ろを振り向けない。

 

 

「杏子」

 

「! ・・・何だ?」

 

背後から優依がアタシの名前を呼ぶ。心なしか声が冷たい感じがする。

 

恐る恐る後ろを振り向くと優依の表情は真剣そのものでアタシをまっすぐ見てた。

 

 

優依はこれから何を話す?アタシを拒絶する言葉?

もしそうだったらアタシは・・・

 

死刑宣告される心境で言葉を待つ。

 

 

 

 

 

「その恰好似合ってるね!」

 

 

「・・・・は?」

 

 

優依から出てきた言葉は予想外。最初は何言ってるのか理解できなかった。

でも優依が口を動かしてるうちにコイツがアタシの衣装をべた褒めしてるのを理解して恥ずかしくなった。やめるように言っても止まらずアタシを徹底的に褒めちぎって居たたまれない。

 

「可愛さとカッコ良さを兼ね備えた完璧な衣装!最高だ杏子!」

 

「あう///」

 

トドメをさされて頭がショート寸前になる。優依はアタシの様子に満足したのか青空なんて見えない天井を眺めてた。

 

 

 

 

「///たく、人が本気で悩んでる時にコイツは何を言い出すんだ?悩んでたアタシが馬鹿みたいじゃないか」

 

アタシは一人ぼそりと愚痴った。

 

ホントに馬鹿馬鹿しくなってくる。

 

・・そうか、優依ってこういうの好みなんだ。

じゃあ好きなだけ見せようかな?

 

って違う!こんな時に何考えてんだアタシは!?

優依の能天気が移ったのか!?

 

その能天気な優依はアタシの独り言が聞こえたのかキョトンとした表情でこっちを見てた。その顔を見ながらこれからどうするか考える。

 

 

そうだ、優依は厄介ごとや危険な事に巻き込まれるのが嫌う。

この先も厄介な事には関わりたくないはず。

だったら優依を無関係な一般人と断言して何もなかった事にしてしまおう。

アタシが優依をちゃんと守る事が出来れば危険はないと判断してくれるかもしれない。

 

打算も込めた無理やりな結論づけをし、優依は無関係だと宣言する。何故か優依は感動した様子だったから多少の罪悪感はあったがコイツがアタシから離れていくのは耐えられない。

痛む胸を押さえつけて表情にはださないようにしないと。

 

 

 

「傍を離れるんじゃねえぞ?」

 

「はい!もちろん!」

 

 

平静を装ってたら優依が突然アタシの首に腕を回して抱きついてきた。

 

 

「!? わあああああ!馬鹿!抱きつくな!これじゃ動けねえだろうか!」

 

あまりの事に頭がまっ白になって叫び魔女と対峙する冷静さを忘れて慌てふためく。

 

密着した優依は柔らかくてあったかくて、それになんだか良い匂いがする・・。 !?

 

 

「はやく離れろ!!」

 

 

「はーい」

 

変態じみた考えを振り払うように大声で叫び優依を引きはがす。バクバクうるさい心臓をどうにか落ち着けすぐさま思考を切り替え辺りを見渡した。

 

この牢獄みたいなのが結界のようだ。近くに結界の出口はない。出来れば脱出しようと考えていたが無理みたいだ。反応からして魔女。どうやらアタシ達を逃がさない気だ。

 

それを優依に説明して少し付き合ってもらうように頼んだ。もちろん安全は保証すると宣言して。

 

アタシの持てる力を全て使って優依は必ず守る。

 

可愛い優依を危険にさらす気はない。

綺麗な肌に傷なんてつけさせやしない。

 

ましてや

 

「優依はアタシと一緒に死ぬんだから殺させてたまるか」

 

思わず声に出してしまい慌てて口を閉じた。優依は聞き取れなかったみたいで首を傾げていたが素知らぬ顔でスルーする。

 

「行くぞ」

 

「うん」

 

アタシは槍を担いで空いた手で優依の手を握った。心臓がうるさかったが優依が何度も転んでその度にアタシが助け起こしたので緊張なんてすぐに消え去り呆れるばかりだった。

 

いくら足元がガラクタだらけでも限度ってもんがあるのにコイツは何でこんなに転ぶんだ?

目を離したらすぐこれだ。危なっかしいたらありゃしねえ。

そのうちアタシの知らない所で危ない目に遭わないか心配だな。

もし優依がアタシのいない内に魔女に殺されでもしたら間違いなく発狂するだろう。

それだけは避けたい。

 

 

だったらいっその事、

 

 

 

「うわ!」

 

「・・お前これで何度目だよ?」

 

「ごめん・・」

 

 

 

・・優依を閉じ込めるか?

 

 

また転んだ優依を助け起こしてぼんやりそんな事を考える。

 

 

 

しばらく歩くと開けた空間に着いたのでここが結界の最深部だと悟る。辺りを見渡していたが、正面の大きな牢屋に気配を感じすぐさま構える。

 

 

「下がってろ!来るぞ!!」

 

牢屋の中から出てきたのは無数の手が生えた髪の毛の塊だった。

見た目がホラーなため優依は悲鳴をあげる。それを落ち着くように諭し魔女を観察する。

 

コイツは一体何なんだ?

見た目は鈍足そうに見えるが優依を守らないといけないから油断は大敵だ。

 

”ウガアアアアアアアアアアアアアアア!!”

 

人の悲鳴のような叫び声を発して目で追うのも難しいほどのスピードでこちらに向かってくる。

 

どうやら思ったより大物のようだ

コイツから優依を守らなければ!

 

 

「優依!そこから動くなよ!!」

 

優依の前に立って結界を作りだし、槍を構えて魔女を迎え撃つ。

長期戦になるとこちらが不利になる。優依が狙われるとまずい。

早急に倒す必要がある。

 

「速攻で決めてやる!」

 

馬鹿正直にまっすぐアタシに向かってくる魔女に槍を突き刺す。

 

 

「な・・!?うあ!」

 

槍で刺したと思ったのに気付けばアタシは壁に叩き付けられてた。

 

アタシの槍をかわして逆に攻撃したのか・・?

 

「・・くっ」

 

思ったよりもダメージを食らったようだ。思うように身体が動かず槍で重心を支える。

次に来るであろう攻撃にそなえて防御の体制をとるも何も来ない。

 

・・おかしい。今がトドメをさす絶好のチャンスなのに何で攻撃してこない?

 

!? 優依は・・?

 

慌てて優依のいる方向に顔を上げると魔女が優依に向かって飛びかかってた。

 

「優依!!」

 

まだ動かない身体に魔力を流し込んで修復し全速力で追い付いて魔女の背後に槍を突き刺す。どうやって察知したのか分からないが天井に逃げることでかわされ優依に槍をつきたてる羽目になってしまった。案の定、優依は悲鳴をあげて文句を言うが適当にあしらう。

 

 

 

冷や汗が止まらない。

 

うっかり優依を刺さなくて良かった。

助けるはずが殺してたなんて目も当てられないからな。

 

顔に焦りが出てないよな?

 

 

 

少しだけ会話をして再び優依の前に結界を作り出し地面から槍を出現させて魔女を狙う。狙うタイミングがずれるように調整して回避をしづらくしているのにこの魔女は難なくかわし確実にアタシに近づいてくる。

 

上等だ!同じ手はくらうか!返り討ちにしてやるよ!

 

そう意気こんで今度はカウンターを決めるため魔女がギリギリまで接近するのを待つ。

 

「? う!」

 

目の前まで近づいた魔女が信じられない事をしでかしてアタシはそれに気をとられてしまった。その一瞬の隙を見逃さず無数に生えてる手をアタシの首に伸ばし締め付けてくる。勢いそのままに押し倒され馬乗りで身体を押さえつけられ自由に動けない。

 

 

なんて力だ!このままじゃ・・一か八か!

 

 

 

持っていた槍を魔女めがけて振り下ろしあたらなかったがアタシの上からどかす事には成功する。酸素を求めて咳き込む暇もほとんどなく、だめ押しとばかりに何度も何度も突進をくらう。背後から攻撃をくらいアタシはそのまま前のめりで倒れてしまった。

 

 

「やば!杏子!魔女が!!」

 

「・・・くそ!」

 

後ろの気配で魔女がトドメをさそうと構えているのが分かる。でも今の自分の身体はボロボロ。あのスピードに対応出来るか分からない。

 

更に悪いことにアタシが弱ったからか優依を守っていた結界が壊れ跡形もなく消えてしまった。

 

このままじゃやられる!

優依が殺されてしまう!

 

でもアタシが魔女を殺すところを見た優依はどう思う?

 

結界に閉じ込められてからずっとある不安。

殺さなきゃ殺されてしまうのは分かっているのに躊躇ってしまう。

それが原因で積極的に攻撃出来ない。

 

映画でも暴力や殺戮が苦手な優依だ。

現実でアタシが魔女を殺害したら怖がられてしまう!

最悪親父のようにアタシを罵るかもしれない・・

 

怖い・・それだけは嫌だ・・!

 

一体どうすれば・・?

 

視界が涙で滲み、噛んだ唇から血の味がした。

 

 

 

 

 

 

「杏子!あんな化け物に負けないで!カッコイイ所俺に見せて勝って!!」

 

「・・優依」

 

その時優依が大声でアタシを激励した。それなのに顔をあげたアタシは弱気な表情でアイツを見るしか出来ない。優依の表情は真剣そのものだった。

 

情けないなアタシは・・。

こんな無様な所を優依に見せるなんてさ。

 

心のなかで自嘲ばかり出てくる。

 

 

 

「死なないで杏子!俺にとって杏子は大切な人なんだ!!」

 

「!?」

 

 

 

優依の言葉に驚いて目を見開く。耳を疑った。

 

え・・・・?

アタシは優依にとって大切な存在なのか・・?

誰よりもアタシを大切だと思ってくれてる?

 

本当に?アタシの事を・・?

 

 

 

 

 

「生きて欲しい!俺、杏子と一緒にいたいよ!だから勝ってくれ!」

 

!?

 

今度こそ幻聴かと思ったが必死な表情の優依を見て嘘を言ってないと悟った。

 

傷だらけの上体を起こして顔を伏せ考える。

 

 

間違いない。優依にとってアタシは特別な存在なんだ!

優依はそう思ってくれてたんだ!

 

嬉しい・・!

嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだ・・!!

 

今すぐ優依に触れたい!

抱きしめたい!アタシだけのものにしてしまいたい!

 

 

 

・・でもそれにはあの毛玉が邪魔。

さっさと殺してしまおう。目障りだ。

優依にその場面を見せるのは心苦しいがアタシの事が大切で一緒にいたいんなら見せても嫌ったりしないだろう。

 

 

 

だからもう・・遠慮はいらないよね?

 

 

 

そこからは躊躇なくあの毛玉を痛めつけて槍で木っ端微塵にしてやった。

 

 

 

でも魔女を倒した後、盗み見た優依の顔がひきつった表情をしていたのでようやく我に返って後悔する羽目に。

 

どうしよう・・!?

張り切り過ぎて優依の目の前であんな惨い殺害をしてしまった!

怖がられてるじゃん!!アタシの馬鹿!!

 

結界が消滅し内心慌てながら変身を解除する。グリーフシードを拾いながらこの後どう言い訳するか必死に考える。

 

でも、無茶な戦いをしたのがたたったのかよろめいてしまい、優依に支えてもらって近くのベンチまで運んでもらう情けない事態になってしまった。

 

優依の肩に寄りかかり、お互い無言で座る。

ソウルジェムは半分くらいの濁りだったのであとで浄化する事に決めて優依になんて言おうか考えた。

 

でもどう考えても優依を怖がらせてしまったのには変わらない。言い訳なんて出来ない。

 

優依は今アタシをどう思ってるんだろう?

怖いって思ってるんだろうか?

 

 

 

 

「優依」

 

「ん?」

 

「・・・アタシが怖い?」

 

どうしても気になったアタシは肩にもたれかかったままで優依を見て聞くことにした。

 

「あんな場面見せちまったんだ怖くて当然だよな?・・ごめん。巻き込まないって危険な目に遭わせないって約束破った上に怖い思いさせちゃったね」

 

優依に懺悔するつもりで謝罪の言葉を口にする。でも優依は何かに耐えるように難しい顔をして何も答えてくれなかった。

 

ひょっとして怒ってる・・?

いくら相手が魔女といえどあんな殺し方すれば誰だって気分が良いわけない。

ひょっとして答えてくれないのは口もききたくないからとかじゃないよな?

もしそうなら泣いてしまいそうだ。

 

 

「アタシが怖いか・・・?」

 

最悪の想像をして目から涙が出そうになるのを堪えながら震える声でもう一度聞く。アタシのそんな様子に優依は驚いた表情だった。優依は少し考えた様子だったがゆっくり口を開いて結論を告げる。

 

 

「怖いよ。杏子の事が怖い」

 

「っ!」

 

息が止まる。呼吸の仕方が分からない。身体が勝手に震えだして止まらない。

 

どうしようどうしようどうしよう!!?

優依がアタシを怖がってる!!

このままじゃ優依はアタシから離れていく!!

嫌だ!!絶対嫌だ!!!

 

このまま会えなくなるくらいならアタシは優依を・・

 

 

「だって杏子って怒らせたらおっかないし、空腹時なんて餓えた獣みたいで不機嫌で凶暴になるし、睨まれると蛇に睨まれた蛙みたいに動けなくなるし」

 

 

コイツの言う怖いがアタシの予想斜め下な回答だった。それが原因でさっきまで考えていたことが綺麗さっぱり吹き飛んだ。

 

 

「ちょ、ちょっとまて!お前何言ってんだ!?怖いってそっちかよ!?ていうかそんな事思ってたのか!?さっきのは!?さっきはあの化け物を一方的になぶり殺しにしたんだぞ!?」

 

 

思わずズッコケそうになるがどうしても魔女との戦闘が気になったので自分から聞いてしまった。

 

そしたら優依はキョトンとして全く怖くないと答えた上に魔法少女の衣装が見れて眼福なんて言いやがってアタシの前で嬉しそうな顔で親指立ててた。なんか最後の衣装の感想がやたら熱意こもってた気がする。

 

「助けてくれてありがとう!」

 

その一言を聞いてどっと力が抜けた。きっと戦闘の疲れもあるからだろう。

だからアタシはそのまま甘える形で優依の膝枕に寝そべって爆睡してしまった。

 

ぐっすり寝たおかげで疲れは取れたけど夕方まで寝過ごしてしまい優依と過ごす時間が終わってしまって項垂れる。

 

それなのにアイツはアタシの髪を手にとって綺麗だなんて褒めるからまた顔が赤くなってしまった。

 

 

優依は天然タラシなのか?

魔女の結界にいた時もそうだがよくあんな恥ずかしい事出来るな!

アタシ限定?だったら嬉しいけどさ。

・・まさか他の奴にもやってないだろうな・・?

心配になってくる。

 

優依が髪を触ってるのを見てふと手作りの髪飾りを思い出した。いつ渡せても良いようにポケットに入れてたんだった。

 

 

渡すの恥ずかしくてモジモジしてただけなのに何を思ったのかコイツは盗んだと思いやがって失礼な奴だな!

まあ受けとってくれて良かった。

思いっきり抱きしめられて頭撫でられたけど。

恥ずかしくてすぐに抜け出したけど勿体無いことしたな。

・・少し分かった事は優依は着やせするタイプって事だ。

 

 

あげた髪飾りはコイツによく似合ってる。

喜んでくれて良かった。

ホントに苦労した甲斐があった。

 

 

 

ある時、たまたまこの公園をぶらぶらしてた時イベントをやってたみたいでスタッフがアタシに声掛けてきた。無料でアクセサリーを作ってみないかって。イベントの会場を見てみるとアタシと同い年くらいの女の子達がたくさんいて一生懸命作業してた。

 

特に興味が惹かれなかったからそのまま立ち去ろうとするも作業中だった女の子の話し声が耳に入った。

 

 

『ねえ知ってる?このイベントのアクセサリー作り体験で作ったものを好きな人にあげると両想いになれるらしいよ?』

 

『へえ、ありがちじゃん。どうせデマでしょ?』

 

『それがね、実際成功したらしいのよ。ある女の子が片想いの女の子に告白されて両想いになったんだって!』

 

『え!?両想いって同性でもいけんの!?』

 

 

その会話が終わらない内にアタシは作ると決めてそのまま参加した。

 

もともと不器用だから苦労したがなんとか完成し、その日の内に渡そうと思って優依の所に向かったが丁度その時が泣きじゃくってた日。だから結局渡せなくて今に至る。

 

 

「うん!ありがとう!気に入った!俺髪飾りあんまり持ってないから嬉しいよ!」

 

アタシの作った髪飾りをつけて嬉しそうに笑う優依を見て満足する。

 

 

 

色々あったが何とか渡せて良かった。

これでアタシと優依は両想いになれるよな?

 

いや、既に両想いか?

だって優依にとってアタシは一緒にいたい大切な人だもんな?

アタシも同じ気持ちだから。

だったらこれはもう両想いじゃん!

 

 

「杏子?」

 

「・・へ?あ、ああ・・このアタシがわざわざ作ってやったんだから大事にしろよな?」

 

 

優依が名前呼ぶまでそんな事考えててぼーとしてたから慌てて返事をする。優依はまたアタシの頭を撫でてきた。

 

 

 

アタシは文句を言いながらも甘んじてそれを受ける。

 

穏やかな時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても今日は一体何なんだ?

良い日なのか悪い日なのか分からない。

 

可愛い優依とデート出来てラッキーだったけどまさか一緒に魔女に遭遇するなんてさ。

魔法少女としての戦いを見られて最悪だった。

まあ結果的に優依の告白に近いものを聞けて役得だったけど。

 

それでも変な魔女だったな。

今まであった他の魔女よりも強かったし、何より魔女の癖にありえない事してた。

それに一瞬気を取られて危なかった。

 

 

 

 

だって魔女が喋ったんだ。

 

 

 

『ズットイッショダヨ __ 』って

 

 

女の子の声だった気がする。

最後はおそらく名前を呼んでたんだろう。

女の子っぽい名前だった。

 

喋る魔女もいるんだな。次回から気をつけるか。

いや、むしろそんな魔女がまた出たら積極的に狩るか。

 

グリーフシード二個落としてたし集める手間が省けそうだ。

 

 

 

「あ・・」

 

気付くと辺りはかなり暗くなってた。親がいる優依はそろそろ帰る時間だ。名残惜しいが仕方ない。コイツにだって家族はいるんだし親を心配させるわけにはいかないだろう。

 

 

「もうかなり暗いな。そろそろ帰るんだろ?」

 

優依の方を向いて確認する。ホントは帰したくないが無理に引き留めて嫌われるのはごめんだ。

 

「・・・・・・・」

 

「優依・・・?」

 

優依が顔を俯かせている。辺りは暗くなってるから表情が分からない。

 

「・・・ない」

 

「何だよ?はっきり言えよ」

 

ぼそぼそと呟くからはっきり聞き取れない。そう文句を言うと優依は少し考える素振りを見せた後、今度は俯かせていた顔をあげてアタシを見る。その目には決意が宿ってた。それに圧倒されて思わずたじろぎそうになる。

 

 

 

「帰らない。杏子と一緒にいる」

 

「!!!?」

 

 

 

はっきりそうアタシに告げた。

 

 

 

優依はなんて言った?

帰らない?アタシと一緒にいたい?

え?これからずっと傍にいてくれるって事・・?

それって・・・・まさか。

 

今日何度目になるか分からないほど熱を帯びた顔が再び熱くなり心臓が暴れだす。

あまりの事にアタシは混乱して声が出ない。

 

優依はどう意味で言ったんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子からまさかの贈り物でテンションMAXだったが時間が経つにつれて俺のテンションは下がっていく。

帰りたくないなあ・・。

 

原因は分かっている。

杏子が寝ている間暇なので電源を切ってた携帯を起動させて表示されたものが原因だ。

それを目にして俺は小さな悲鳴をあげてしまった。

 

携帯・メール共に数十件の受信あり。

名前表示はすべて「巴マミ」だった。

俺は震える手でメールと留守電メッセージを表示させてみた。

 

 

 

「今日は学校お休みしたの?」

 

「お見舞いに来たんだけど家にいないのかしら?今どこにいるの?」

 

「ねえ、どうして連絡くれないの!?今何してるの!?」

 

「ひょっとして私と会いたくないから今日は学校休んだの!?暁美さんにそう言われたの!?」

 

「お願い連絡をちょうだい!!じゃないと私おかしくなっちゃいそうよ・・」

 

 

 

表示させなきゃ良かったと後悔した。

 

メッセージに至っては涙声でほとんど叫んでいてホラーだった。

 

 

 

怖いいいいいいいいいいいい!!

絶対これ俺の家の前でスタンバってるやつじゃん!

うおおおおおお!帰れねえええええええ!

 

でも時間は残酷だ。刻一刻と帰る時間が近づいてくる。

 

「もうかなり暗いな。そろそろ帰るんだろ?」

 

辺りはすっかり暗闇で街灯までついてた。いつもこれぐらいの時間帯に帰るのを杏子は知っているので親切に確認してくれた。

 

お願い杏子さん!今それ言わないでえええええええええ!!

今の俺にとっては処刑宣告に近いから!!

 

憂鬱な気分で頭を抱える。

 

 

 

「優依・・・?」

 

俺の様子が気になったのか杏子が顔を覗き込んでくる。

 

「帰りたくない・・」

 

思わず本音がぽつりと出てくる。

 

 

マジで帰りたくねえな・・

絶対マミちゃん待機してるし。

会ったら最後何されるか分かったもんじゃない。

 

 

「何だよ?はっきり言えよ」

 

曖昧な態度の俺に苛立ったのか杏子の声が少し低くなる。

 

怖っ!何か言わなきゃ!

でもどうしようか?

このまま帰ってもマミちゃんに捕まるだけだ。

それは避けたい。ていうか今、夜だし魔女出るじゃん。

俺の事だから二ラウンド目とかありえそうで怖い。

しかもそれにあわせてマミちゃんもパトロールしてるから下手すりゃ鉢合わせしてしまう!

じゃあどうする?

 

 

その時本日初めての天啓が俺に舞い降りた。

 

 

! そうだ!今夜は風見野で過ごせばいいんだ!!

それで明日の朝一で帰ればマミちゃんに捕まらない!!

よし!そうしよう!今夜は杏子と一緒にいよう!

俺が帰らないって言ったってコイツは深く追求してこないだろうから安心だ。

しかも魔法少女だから守ってもらえる!

一石二鳥とはこの事だ!俺天才!

 

 

そうと決まれば早速杏子に風見野に泊まること伝えるか!

 

 

俺は上機嫌で顔をあげ杏子を見る。既に暗いため表情は分からないが驚いてるみたいだ。

 

「(今日は)帰らない。(俺の安全のために)杏子と一緒にいる」

 

「!!!?」

 

俺は決意を込めてはっきり告げた。

 

今日は一日リフレッシュ休暇だ!

どうせ明日休みなんだから問題ない。

 

さてと泊まるって言ったし、どっか安いビジネスホテルでも探すか。

それと晩飯どこで食べよっかな?杏子の分の支払いもあるし安いところにしないとな。

あ、母さんにも連絡しないと。

 

取りあえずそろそろ移動しよう。

 

俺はベンチから立ち上がり座っていた解放感から軽くストレッチをする。

今とても開放的な気分だ。

 

 

「・・・・・・」

 

「?」

 

それなのに杏子は無反応。微動だにせず座ったままだ。

息すら止めてるんじゃないかと錯覚するほど全く動かない。

試しに顔の前で手を振ってみても反応がなかった。

 

 

何してんの?何で固まってんのコイツは?




お分かりの人もいるかと思いますが杏子ちゃんの弱点優依ちゃんからのアクションです!

優依ちゃんから積極的に行動されるとめちゃ弱い!
慌てふためきます!

杏子ちゃん目線だとこんな感じです!
魔女の謎が増えただけでしたw
今後も何かと関わってくるでしょうね!


次回は初夜(嘘)回です!

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