魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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シロべえと優依ちゃんの外道交渉の行方は?


39話 ほむらちゃんの心情は分からない

「暁美さん少し顔洗ってきたらどうかな?」

 

「・・・・・・・」

 

 

俺の言葉は届いているのだろうか?

 

ほむらが泣き出して数時間後ようやく涙が枯れたのか泣き疲れたのかは分からないが何とか泣き止んでくれたけど未だにこの紫は俺の服にしがみついて離そうとしない。

 

いい加減ずっと同じ体勢で抱きつかれるのはキツイのとほむらが人の服に顔埋めて泣いたから胸のあたりビチョビチョで着替えたい。しぼったらすごい量の水分が出てきそうだ。

 

 

「ほら、泣き腫らしたらせっかくの美人さんが台無しだよ。少し顔洗ってすっきりした方がいいよ」

 

「・・・・・・」

 

 

おい、こら。

なるべく優しく諭すように言ったのに何で更に力込めてしがみついてんだ?

 

マジで離れろ!ホント離れて下さい!

俺が泣きそうですから。

 

 

「さっきまで自分が殺そうとした相手に慰められる気分はどうだい?少しはまともに考えられるようになってくれるとありがたいんだけど」

 

 

こらあああああああああああああああ!!

 

やめろ!ほむらはお前のせいで今精神不安定なんだよ!!

傷口に塩塗る行為すんじゃんねえ!

魔女化したらどうすんの!?

 

 

キッとシロべえを睨み付け、これ以上何も言わないように牽制する。そんな俺を気にも止めず奴はカップ麺を啜っていた。

 

ん?ちょっと待って?何でお前カップ麺啜ってんの?

それほむらのじゃない?

なに堂々と盗み食いしてんだ!?

 

ほむら怒っていいぞ!

お前の食料盗み食いしてんだから!

 

 

 

「ごめんなさい・・」

 

「え?」

 

ギっとシロべえを睨んでいると、下の方でか細い声で謝罪が聞こえてきた。視線を向けるとほむらが涙目で俺を見上げている。あれだけ激しく泣いたのに何でまだ涙が出てくるのか不思議で仕方ない。

 

 

「えっと・・何が?」

 

慎重に聞いてみる。今のほむらはちょっとでも地雷踏むとまたすぐに泣き出してしまいそうなくらい情緒不安定だから。

 

 

「今まで怖い思いさせてごめんなさい。厳しい態度で接してごめんなさい。銃を向けてごめんなさい。貴女の話を信じないで頭ごなしに否定してごめんなさい。事実を受け止めきれなくて八つ当たりしてごめんなさい。・・貴女を殺そうとしてごめんなさい・・・!!」

 

「あ、うん!大丈夫!大丈夫だから!!確かに怖い思いしたけど実害があった訳じゃないし、ね!?ともかく今はちゃんと話が出来るみたいで結果オーライだから!終わり良ければ全て良しだよ!だからお願い!それ以上泣かないでえええええええええええええええええええ!!」

 

 

再び目がうるうるして涙が溢れ出しそうになりながら謝罪のエンドレスを繰り返す姿に内心ビビりつつ気にしてない事を慌てて伝えた。

 

 

いや何としても伝えなければならない!だってさっきチラリと見えたソウルジェム、めちゃくちゃ黒いんですよ!?ちょっとの刺激で速攻で魔女に変身されそうなのでまさに命がけ!

 

 

「一度この暗い雰囲気から抜け出そう!これからの話もしたいしね!ほら、早くソウルジェムの穢れとって顔洗ってきなよ!その方が絶対良いから!!」

 

 

このままじゃ俺が死ぬからせめてソウルジェムの浄化だけでもして下さい!

 

 

 

「・・・・・」

 

「暁美さん?」

 

 

ほむらが何か考え込んでいる。取りあえず泣き出すのは阻止できたようでなによりだ。

 

 

「・・私が顔洗ってる間ここで待っててくれる?」

 

不安そうな顔で俺を見上げている。

 

目を離した隙にいなくなると思ってるのだろうか?本音はそうしたいけど死亡フラグになりそうなので間違ってもしないよ?

 

 

 

安心させるようににっこり笑ってほむらを見る。

 

「もちろん!待ってるから」

 

「・・そう、なら顔洗ってくるわ。少し待っててちょうだい」

 

 

小さく俺に微笑み返しソウルジェムを持って洗面所に向かっていく。俺はその間に急いで服を着替えた。ついでにさっきまで来てた服を試しにしぼってみたらとなかなかの水分が出てきて泣きそうになった。

 

 

着替え終えてシロべえと向き合う形で座る。相変わらず食いしん坊のコイツはまだ麺を啜ってた。

 

「めちゃくちゃ泣かせたなシロべえ。もう少しでほむら危なかったぞ?ぶっ飛んでるけど女の子なんだからちょっとは優しくしてあげてよ。てか、どんだけ食べてんの?」

 

「重火器を平然と拝借して何食わぬ顔で使う奴は女の子って言わないよ。そういうのは過激派攘夷浪士って言うんだよ。あ、ちなみにこれでカップ麺三つ目ね」

 

食べ過ぎだろ。

そもそもそんな四足歩行でどうやって食べてんだ?

見た所ひたすら啜ってるけど・・

 

 

 

 

「待たせたわね」

 

 

 

「あ、おかえり暁美さん。顔スッキリしたね。ソウルジェムの穢れはとった?」

 

 

シロべえとくだらない会話を繰り広げているとまだ目が少し赤くなっているが吹っ切れた顔のほむらが戻ってきた。その姿を確認した俺の第一声は最重要問題の確認だった。なんせ命かかってるからな!

 

 

「もう大丈夫よ。不安にさせてごめんなさい。さっきの話の続きをしましょう」

 

「良かった。じゃあ今から・・あの、何で隣に座ってんですか?」

 

「何か問題でも?」

 

 

問題しかありませんが?

何でそんな俺の言ってる事がおかしそうな表情してんですか?

 

俺の中ではだいたい話って当事者同士向かい合って対話する形式だったと記憶してるんだけど?

今の状況は俺の隣にほむらがさも当然のように座っている。しかも触れられそうな距離感だ。

 

 

謎のSF部屋で俺とほむらがシロべえと向かい合う形で座っている。何だこれ?

 

 

「まあ優依、いいじゃないか。ともかくこれで話せる環境になったわけだ。さてと・・すまないね暁美ほむら。君にとって残酷な事実を打ち明ける事になってしまって申し訳ない。僕にとっても不本意だったけど優依の身が危険だったから心を鬼にしてこうするしかなかったんだ。酷い事してしまったけど僕たちはいつでも君の味方だよ。それで答えは出たのかい?」

 

 

嘘つけえええええええええええええええ!!!

 

なにしれっと嘘ついてんだ!!

 

情け容赦ない攻めだったろうが!鬼どころか外道そのものの言い方だったろうが!

絶対心にも思ってない!絶対形ばかりの謝罪だろ!

 

 

俺の目の前で悪徳営業マンの名にふさわしい外道なセールストークが繰り広げられており戦慄を覚える。

 

 

「いいえ貴方が正しいわ。私がいけなかったのよ。優依の話に耳を貸さず頭ごなしに否定してその上・・殺そうとするなんて・・!こんなどうしようもない私を救ってくれた優しい娘を・・」

 

「あの!もうそれはいいんで早く話を続けようよ!いやその前に離れてくれると嬉しいな!」

 

 

 

ほむらがまたまた涙目になって俺の腕にガッシリしがみついてきたので引き剥がそうと力を込めるも全然離れない。どうやら諦めるしかなさそうだ。ていうか、さり気なく俺を呼び捨てにしてんのコイツは?

 

そもそも嫌いなインキュベーターのシロべえにきちんと会話してるけど大丈夫か?

精神壊れたからじゃないよね?不安しかないぞ!

 

 

「ごめんなさい。もう少しこのままで」

 

 

それだけ言ってほむらは更にギュッと腕に纏わりついてきた。ひょっとしてシロべえが怖いから俺んとこに避難してんのかな?

 

コイツホントにほむらだよね?明らかにキャラ変わってんじゃん!

心折れちゃって幼児退行起こしてんじゃねえの!?

 

それにしてもどうしよう!?

密着してしがみつかれてんのに胴体にほとんど柔らかい感触がない!

思った以上の絶壁ぶりだ!

マミちゃんなんてちょっと腕にしがみついてきただけでもマシュマロ触感があるのに!

今の段階でこれじゃほむらの将来の成長が心配だ!

 

 

 

「で?どうすんの?」

 

 

なかなか返事に答えないほむらに苛立ったのか低い声でシロべえが聞いてくる。俺的には麺ズルズル食べてる奴の方がイラっとくるんだけどな。

 

 

「その前に教えて欲しいわ。私に協力して欲しいと言うけど貴方達の目的は何?」

 

 

流石ベテランなだけあって切り替えが早い。さっきまでキャラ崩壊まっしぐらの甘えたな態度だったのに一瞬で表情どころか雰囲気まで真剣さを纏ってシロべえを見ている。・・俺の腕をしっかり抱いたままだが。

 

 

「最優先はワルプルギスの夜を倒す事。後は鹿目まどかの契約阻止さ。この二つは世界の危機がかかっているから絶対に失敗は許されない」

 

「ええ勿論よ。・・そういえば優依に聞いたのだけど貴方は感情があるんですってね?精神疾患で他のインキュベーターとはリンクが切れてると聞いたわ。本当なの?」

 

「本当だよ。あのアンドロイド共にそのせいで切り捨てられたけど結果的に優依と友達になれたんだ。感謝しているよ。じゃなきゃ今頃どうなっていたか分からないし。僕にとって優依はかけがえのない存在なんだ。君にとってその存在がまどかのようにね」

 

 

はっきりと告げたシロべえの言葉に泣きそうになる。まさかそこまで思っていてくれてたとは。

 

 

「・・本当にごめんなさい。もうあんな馬鹿な事はしないわ」

 

「その言葉信じるよ。またトチ狂って優依を殺そうなんてしたら今度は死んだ方がマシだと思うような生き地獄を味あわせてやるからね」

 

怖いいいいいいいいいいいいいいい!

冗談だと思いたいがシロべえの声がガチトーンだったので嫌でも本気で実行する気だと悟り鳥肌がたつ。

俺はぶるぶる震えているのにほむらは平然としてる。今まで孤独な時間遡行に耐えてきただけの事はあるようだ。

 

 

「肝に銘じておくわ。リンクを切られたならインキュベーターの技術力は使えないと思ってたけどさっきみたいに変身出来ないようにする事は可能にするぐらいの腕前はあるみたいね。多少期待しているわ」

 

「僕を見くびってもらっちゃ困るよ。確かに一個体で行う技術力は限度があるけど僕個人としての技術は優秀だと自負してる。喜んで君の挑発に乗ってあげようじゃないか。今から君が僕に謝る姿が目に浮かぶね!」

 

「あら、楽しみにしてるわ。せいぜい私の期待に応えられるように頑張ることね」

 

 

火花がバチバチとほむらとシロべえの間に散っている!

何がしたいんだよこいつら!?もうやだこの宿敵同士!

帰りたい!ほむらが腕を掴んでなけりゃ今すぐにでも逃げ出すのに!

 

 

 

 

「それとポンコt・・優依ね」

 

 

「は・・?」

 

 

逃げる事しか考えてなかったので突然シロべえから俺の名前が出てきたことに耳を疑う。

最初の方、俺の悪口言わなかった?

 

 

「彼女がどうしたの?魔法少女じゃないんでしょう?」

 

「そうだぞシロべえ。俺がなんだって言うんだ?」

 

 

ほむらと顔を見合わせてから訝しげにシロべえを見る。一体どういう事だ?

 

 

「確かに優依は魔法少女じゃないし運動神経一般人以下の役立たずだけど存在自体は利用価値がある。一つは魔法少女の素質は宇宙終焉レベルだ。インキュベーターの目をまどかからこちらに向けさせる囮に使える。優依が少しでも契約する可能性を口にすればすぐに飛んでくるよ。あいつら虎視眈々と優依を狙ってるからね。君が契約する機会をさ」

 

「うわー聞きたくない事実聞いた。俺は白いGをおびき寄せる餌ですか?嘘でも契約するなんて言いたくないんだけど?強引に契約迫られそうだし」

 

 

俺の事を友達だと言ってた奴がまさかの囮発言するか普通?

 

 

うんざりした顔でシロべえを見るも隣にいるほむらは顎に手をあてて納得顔だった。

 

 

「確かにそれならアイツらの意識をまどかから逸らせる事が出来るわね」

 

「でしょ?僕もこれはなかなか良い考えだと思ってたんだ!」

 

「お前ら鬼か!?」

 

 

二人して頷くな!

実は仲良いだろお前ら!!

 

 

 

「それともう一つ、優依を使えば戦力集め出来るんじゃないかな?」

 

「はあ?それってマミちゃんと杏子の事言ってる?二人とも友達だけどさ協力してくれんの?」

 

「貴女、巴マミだけでなく佐倉杏子とも知り合いだったの?」

 

「うん、杏子はここに引っ越した最初の頃に出会ったんだ。迷子だった俺を魔女から守ってくれて駅まで案内してくれてさ。それから何だかんだで仲良くなった」

 

「・・引っ越し早々何してるの貴女は?」

 

 

俺はシロべえを訝しげに見たが、ほむらは俺の発言に驚いてこっちを見ていたから簡潔に説明したんだけど途中で呆れ顔された。何故だ?

 

 

「本当に君は命拾いしたんだよほむら。もしあの時優依を殺していれば杏子もマミも君を許さないだろう。一緒にワルプルギスの夜を倒そうと言っても応じないよ。それどころか佐倉杏子に至っては復讐目的でどこに逃げても君を追い回し八つ裂きにするだろうね」

 

「そ、そうなの・・?」

 

「マジで・・?」

 

シロべえの冗談みたいな脅しに二人して顔が引きつる。

杏子ってそこまで友達思いなのか?気持ちは嬉しいが復讐とか勘弁してほしい。成仏出来なくなるから。

 

 

「本当だよ。優依が今つけている髪飾りを見てごらん。それは佐倉杏子が優依のために作ったものだから。並行世界とはいえ数多くの佐倉杏子と接してきたほむらならこれの意味がよく分かるでしょ?」

 

「・・・そう・・・・・その髪飾りは佐倉杏子からなの・・・」

 

「あの・・もう少し優しい目で見てくれませんか・・?」

 

 

ほむらの鋭い視線が至近距離で俺の頭部、正確には杏子からもらった髪飾りに突き刺さっていて居たたまれない。なんか殺気もあたってる気がしないでもないし。

 

 

「巴マミも同様さ。君を敵視するのはインキュベーターを襲ったからだけじゃない。優依がほむらを気にかけていて話をしようとしていたからさ」

 

「え!?そうなの!?」

 

 

まさかの理由に驚きの声が出てきた。何でマミちゃんあんだけほむらを敵視してたのか謎だったけど友達取られると思ったからなのか・・。

 

 

「・・だから他の時間軸でも類を見ないくらい殺気を飛ばしていたのね」

 

「幼稚園児じゃあるまいし、もう少し先輩らしい対応してほしいわ・・」

 

「・・気づいてないの?」

 

「何が?」

 

 

ほむらが不思議そうに俺を見てるがそんな表情する理由が分からん。

 

 

 

「ほむら、このポンコツはいつもこんな感じだから気にしないでいいよ」

 

「そうみたいね、今のでよく分かったわ」

 

「おいこらそこの二人!なんだその態度は!?それはいいけどどうやって俺がマミちゃんと杏子を勧誘するんだよ?マミちゃんはともかく杏子は義理堅いけどただで動くタイプじゃないじゃん!」

 

 

超失礼な白と紫に注意した後、ふと思った疑問をついでに口にするもシロべえはその問題も想定済みで解決方法を考えてるようでうんうんと余裕な表情だ。どうやら自信があるようで頼もしい。

 

 

「そんなのあっさり成功するよ。君が彼女を口説くなり誘惑するなりすればあっさり承諾する。見返りを求められたらまあ・・身体くらい差し出しなよ。大丈夫。死ななければ問題ないから」

 

 

提案したのが悪魔そのものみたいな解決策だったけどな!

 

 

「何言ってんだお前!?悪魔か!?問題ありまくりじゃん!それだったらまだライフライン提供する方が成功率あるわ!!」

 

「きゅぷ!」

 

 

当然俺は激怒してシロべえに突っかかり奴の首を掴んで揺さぶりながら噛み付くように抗議しまくる。そんなガチギレ状態の俺を鎮めるように横から凛とした声が聞こえた。

 

 

「やめなさい優依。そのインキュベーターが言ってる事は正しいわ。私でも貴女にそれをされたら抗うのは難しいのよ?少しは自分を客観的に見てみたらどうかしら?」

 

「暁美さん・・頭大丈夫?」

 

 

真顔でとんでもない事ほざいているほむらに本気で不安を覚え思わずシロべえを落とす。ほむらが言う「それ」はライフライン提供の事だよね?

 

 

「まあ、そういう事さ。戦力面でも優依は足手まといだけどマミと杏子を勧誘するなら優依の存在自体は思ったより役に立つよ。君も気を付けないとあっという間に飲み込まれるから注意した方がいい。・・既に手遅れみたいだけどね」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

褒めてんのか貶してんのか分からないシロべえの意味深な言葉にほむらは黙りこくっている。

 

 

 

というかほむらまで役立たず認定は否定しないんかい!

役に立つのは存在だけかよ!

くそ!俺だってたまには役に立つんだよ!

それを証明してやる!

 

 

「あのな俺だって役に立つの!俺にだって出来ることはあるんだよ!」

 

 

あまりに役立たず呼ばわりされたので腹が立って俺は気づけばこう叫んでた。

 

 

「へえ?優依がかい?何が出来るのさ?」

 

「ふふん、聞いて驚くなよ。昨日発見したんだけどこれが意外と役に立ったんだ!」

 

「だからそれは何だい?」

 

 

シロべえが馬鹿にした口調で挑発してくるため後に退けない。

ほむらも俺の方を何事かと不思議そうに見ているし。

その態度に少し怯むも何とか踏みとどまる事が出来た。

 

 

やっと見つけた俺が出来る事、絶対これは役に立つ!

 

自信を持つんだ俺!

 

 

 

覚悟を決めて俺は精一杯息を吸い込んで大きく口を開いた。

 

 

 

「俺が出来る事、それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             【応援】だ!!!!!」

 

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

 

部屋の空気が白けたのは気のせいじゃない。予想以上の白けぶりに慌てて次の言葉を繋ぐ。

 

 

「あの、馬鹿にした空気だしてますけど応援は馬鹿に出来ないよ!?スポーツでも試験でも応援をするだけで凄まじい効果を発揮するんだから!昨日も杏子を応援したらあっさり魔女を倒してくれたんだ!やっぱり応援の力は偉大だね!!」

 

馬鹿にした二つの視線に冷や汗を流しながら必死に説明するも効果は薄そう。そればかりか呆れも加わってしまったようにさえ感じる。

 

 

「・・君に言いたいことは沢山ある。一つは何くだらない事言ってんのかという理解不能な事。二つ目は応援と評して佐倉杏子に余計な事言ったのが分かった事。三つ目は魔女と遭遇したなんて初耳だった事」

 

「・・シロべえさん怒ってる?」

 

 

俯いてて分からないけど声のトーンがむちゃくちゃ低いのは確かだ。そういえばほむらに秘密を打ち明ける事に頭が一杯で必要最低限の事しか言ってなかった。忘れてたとも言っていいかも。

 

 

「うん、怒ってるよ、正確にいうなら激怒してるかな?」

 

 

「!? ホントだああああああああああああああああああああああ!!シロべえ怒ってるううううううううううううううううううううううううううううううう!!!」

 

 

頭を上げたシロべえは顔中に青筋が浮かんでいて恐怖で悲鳴をあげる。普段の顔が可愛いからシュールで怖い!!

 

 

「うるさいよ優依。取りあえずどういう事か説明してくれるよね?嘘偽りなくさ」

 

 

このままではまずい!

シロべえの地獄の追及と言葉による精神攻撃が決行される!

そうなったら俺の心はズタボロだ!!

なんとか話題を変えなければ!!

 

 

「?」

 

「あ」

 

周りを見渡しているとほむらと目が合った。チャンス!流れをほむらに持っていこう!!

 

 

 

「暁美さん!」

 

「!? はわわ・・!」

 

 

俺は暁美さんの手を握ってずいっと顔を近づける。突然の行動にほむらは戸惑っているようで素のメガほむみたいになってた。

 

 

「こんな俺だけど暁美さんの事応援してるよ!」

 

「え?」

 

「暁美さんだからこそ応援したいんだ!この時間軸で必ずまどかを救おう!絶対出来るさ!シロべえがいるし頼りにならないけど俺もいる。暁美さんはもう一人じゃないよ!」

 

「・・・っ」

 

 

ニコッとほむらを安心させるように笑う。

止まるわけにはいかない!俺の後ろには怒りのオーラを纏った奴が待ち構えているからな!!

 

 

「君は友達思いの最高の魔法少女だよ!俺が保証する。他の奴がなんと言おうと胸を張って言い切れる!だからまどかを救うために一緒に協力し合わない?」

 

 

「・・・・・」

 

「俺、暁美さんに興味がある。君の事(いつ襲われても対策出来るように)もっと色々知りたいし(魔法少女関連対策の重要人物だから)支えたい。駄目かな?」

 

冷や汗を流しながらほむらを見る。

一瞬でも止まったらシロべえの追及は確実だからマシンガントークになってしまった。

正直自分でも何言ってんのか分かんないや。

 

しばらく手を握って返事を待っている間ほむらは考えていたのかひたすら俯いていた。俺は後ろの白い奴がいつ牙を向いてこないか冷や汗流してひたすら背中を意識していた。

 

 

 

「・・・その事に関してだけど一つお願いがあるの」

 

 

ようやく口を開いたほむらは真っ直ぐ俺を見て口を開いた。表情からはどういう意図があるのか読み取れない。

 

 

 

「うんいいよ。何?」

 

 

軽い感じでOKし、続きを促す。

どうせまどかとの仲を取り持って欲しいとかマミちゃんを仲介してほしいとかそんなとこだろう。

 

 

 

そのまま頼みを口にするのを待っていると、少し躊躇いながらほむらが俺に頼みごとを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今から私の魔女狩りに同行して欲しいの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめん、何て?




という訳で何故か魔女退治の同行をお願いされました!

ほむほむの考えは次回の彼女の視点で分かると思います!
それにしてもシロべえってその気になったらどこまでも外道そのものですね・・・



番外編全然書き終わらなくて辛い・・
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