魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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感想読んで思ったこと

優依ちゃんに恨みでもあるんですか?


47話 紫vs黄色

「?」

 

 

襲ってくる衝撃に備えて目を瞑っていたが何も起こらず、代わりに何かに支えられてるような感触が俺の身体(特に背中)に感じた。

 

 

「大丈夫?怪我はないかしら?」

 

 

訳が分からない俺の頭上に凛とした声が聞こえる。

 

 

 

「! ほむら来てくれたんだ!ありがとう!マジ助かった!!」

 

「!? ちょっと!離れなさい優依!」

 

 

目を開けるとほむらの心配そうな顔がドアップであって、感動のあまり思わずこいつの首に抱き着いてしまった。耳元で奴の慌てた声がしたがそんなの気にしてられない!

 

マジで怖かったあああああああああああああああ!

ほむらが助けてくれなかったら今頃俺はどうなっていた事か!

 

 

「///・・・遅くなってしまってごめんなさい。今日一日一緒にいたのに少し油断した所を狙われるなんて、私とした事が」

 

「いや、いいよ。今日マミちゃん休みってほむらも隣で聞いてたしね、少しくらい大丈夫だと思うって」

 

「そう言ってくれるのなら助かるわ。魔力を感じたから急いで来たけど正解だったわね。間に合って良かった」

 

 

そうなのだ。ほむらは今日の昼休み先生に呼ばれるまでずっと俺の傍にいた。

別れたのはついさっきだったから今ココにいるって事は、その用事をかなり早めに終わらせてきたみたいで俺一人になったのはほんの数分だった事になる。なのにまさかそのタイミングでマミちゃんが現れるなんて誰が想像出来るんだ?

 

 

こんな狙ったタイミングで現れるなんてまさかマミちゃんずっと俺の事見張ってたんじゃないよね?

 

 

そっとマミちゃんがいる方向を見るとにっこりと笑ったまま動かない。彼女の周囲には無数の黄色いリボンが波のように群がっており、元々俺がいたであろう位置に隙間なく降りかかろうとする寸前だったようでそのまま停止している。

 

さっき視界全体を覆った黄色はリボンだったのか。これが俺に向かってきてたのかと思うと身震いしそうだ。

 

どうやらほむらの時間停止が発動してるみたい。

改めてほむらを見ると魔法少女に変身しており、そして俺をお姫様抱っこしながらマミちゃんからかなり離れた位置に立っている。

 

客観的に見るとコスプレした華奢な美少女にお姫様抱っこされる俺。

はっきり言ってすごく情けない。

 

 

「あの・・降ろしてくれるとありがたいんだけどって、どこに行くの?」

 

 

流石にこんな羞恥プレイを継続されるのは辛いので降ろしてもらおうと声を掛けるも無視され、そのまま俺を抱っこしたままほむらは歩き出した。更にマミちゃんから遠ざかっており足取りに迷いはないように思うがどうしたんだ?

 

 

「決まってるでしょう?私の家よ」

 

「何で?」

 

「優依を守るために私の家で匿うのよ。巴マミは貴女の家を知ってるでしょう?彼女の事を考えるともう帰れないだろうからこれから先ずっと私の所で暮らせばいいわ」

 

「はあ!?」

 

 

平然と爆弾発言をした迷いのないほむらは俺を抱えたままフェンスの上に飛び乗り家がある方向に顔を向けて学校を去ろうとする。

 

 

「待って待ってほむら!マミちゃんはどうするの!?今何とかしなきゃマミっちゃうし、何より俺怖くて学校どころか外歩けないよ!」

 

「やめなさい、危ないから暴れちゃだめでしょう」

 

 

このままお持ち帰りは嫌なのでじたばた暴れて抗議するも、あんまり強く抵抗するとフェンスから落ちそうなので大した抵抗が出来ないのが辛いな。しかもそんな俺に対して言う事聞かない子供をあやすようなほむらの宥め方がめっさ腹立つ。

 

 

「大丈夫。一生外に出られなくても問題ないわ。不自由がないようにするから」

 

「何言ってんの君?」

 

 

真顔で何とんでもない事言ってるのだろうか?頓珍漢な回答にも程があるわ。

苦労させないって言ってるように聞こえるけど既に俺はほむらと会話するだけでかなり苦労してるんだけど?

 

 

「もうすぐ時間が元に戻る。巴マミに見つかると厄介だから今の内に距離を稼いでおきましょう」

 

「おい!マジで聞けって!このままほっといてマミちゃんが死んだらまた同じ事の繰り返しだぞ!?そうなったら終わりのないループの時間が続く事になる!お前この時間軸のまどかを救うんじゃなかったのかよ!?」

 

「それはまた後で考えるわ。今は貴女を匿う事が最優先よ。最悪巴マミが死んでも仕方ないと思ってるわ」

 

「はあ!!?」

 

 

ほむらの並々ならぬ言い方から本気だと悟り今度は渾身の限り暴れた。

その成果が出たのかほむらはフェンスから降りて屋上に着地し俺に向かってため息を吐いている。こっちが吐きたいが今はほむらを説得する方が優先だ。

 

 

 

「まどかが悲しむぞ!」

 

「そうね。でもこれは不可抗力よ。優依の代わりはどの時間軸にもいないじゃない。だから貴女を優先するわ」

 

 

うおおおおおおおおおおい!伝家の宝刀「まどか」が通用しないだと!?

馬鹿な!?まどかが通じないほむらなんてホットドッグにウインナー入ってないくらい違和感があるぞ!

どうしよう!?まどかの名を出せば何とかなると思ったのに!

他にほむらを説得する材料は?まどか以外思い付かないけど考えなきゃ!

 

 

「俺、マミちゃんいなくなるの凄く嫌!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

考えた末に俺は自分の正直な気持ちを告げる事にした。

ぶっちゃけこれ以外思い付かない。これでほむら説得できなかったらどうしよう?

上手くいく未来が見えない。だって目の前のほむら凄く不機嫌そうに眉間に皺寄ってるもん、怖いわ!

 

 

 

 

「もし、いなくなったら俺一生マミちゃんの事後悔しながら思い出して泣いてるかもしれない」

 

「・・・・・・・分かったわ。私が彼女を説得するから貴女はそこに隠れてなさい。いいわね?」

 

「良かった。ありがとうほむら!」

 

 

マジか!?よっしゃ!!

正直上手くいくとは思わなかったけどほむらは了承してくれて良かった!

だって嫌じゃん?友達が頭齧られた姿とか一生のトラウマになりそうだし、そんな場面見たら夢に出てきそうだぞ!

 

 

重いため息を吐いたほむらは渋々、それはもうかなり渋った態度で俺を降ろし、マミちゃんの方に歩いて行く。俺は急いでシロべえが入ったバッグを回収して建物の物陰に隠れ成り行きを見守る事にした。

 

それにしてもほむらがとってもやる気なさそうに見えるのは俺だけか?

歩くペースはかなり遅いし心なしか背中は気だるげな雰囲気が出てる。

何故だ?ワルプルギスの夜を倒すにはマミちゃん程の火力が必須だというのにここでやる気出さないでどうするんだ?

 

 

ひょっとしてほむらはマミちゃんを仲間に引き入れるのを諦めてんのか?

 

 

「?」

 

 

ほむらが盾に手を突っ込んで何かを取り出している。俺からは背中しか見えないから取り出したものが見えない。ようやくマミちゃんの所にたどり着いたほむらは空中で静止してるリボンを一瞥しながらマミちゃんの真横に立ち止まる。

 

 

そして手に持っていた黒い何かをマミちゃんのこめかみにあてたと同時に時間が動き出した。ゴウッと渦巻いた音を立てながらリボンは俺がいた場所を飲み込んだ後、地面に落ちて水のように広がっていた。

 

 

「動かないで」

 

「!?  ・・・暁美さん?」

 

 

違和感に気付いたマミちゃんは訝しげにリボンを見たがそれも一瞬で横に立つほむらに驚愕の表情をし、やがて鋭い視線で睨みつけていた。

 

目を凝らして見てみるとほむらが手に持っているものそれは黒光りに輝いている銃であった。

それをマミちゃんのこめかみに当てている。

 

 

ほむらさああああああああああああああああああああん!!?

説得はどうした!?完全に脅してますけど!?

 

 

「驚いたわ。もう気づいてしまうなんて。優依ちゃんをどこへやったの?」

 

「貴女には関係ないわ。随分と悪質な事してくれたわね」

 

 

マミちゃんは一瞬驚いた顔をしていたけどすぐに不敵な笑顔を浮かべて横目でほむらを見ている。銃を突きつけられてるのに全く動揺せずに腕まで組んで余裕そう。流石ベテラン。

 

 

「・・そう、先に優依ちゃんを救出しなきゃと思ってたけど、どうやら貴女から対処しないといけないようね。上手くいきそうだったのによくも邪魔をして・・!」

 

「八つ当たり?犯罪を止めたのだからむしろ感謝して欲しいくらいだわ」

 

「私言わなかったかしら?二度と貴女に会いたくないって。次は戦いになるわよって。そんなに私と戦いたいなら容赦しないわ」

 

 

俺の捕縛用に放たれたリボンはそのまま地面に落ちていたが、再び命が与えられたように動きだし、今度はほむらに向かって一斉に襲いかかる。

 

しかしほむらもそれを予想していたらしくすぐさま時間停止を発動させてリボンの動きを止めマミちゃんの真横から真正面に移動していた。

 

何も知らなきゃ時間停止かっこいいと思うが、裏側ってかなりシュールな光景なんだな。

あの暴走紫を止めようとさっきからテレパシーを送っているが無視されてしまっている。

 

何を考えてるんだあの紫は?あの最強格のベテランと戦いたいとか考えてんのか?

 

 

 

 

 

「不思議な光景ね。私と貴女以外の全てが時間が止まったように動かない」

 

 

「な!?」

 

 

「え!?」

 

 

全ての時間(ほむらと俺以外)が止まる中、何故かマミちゃんの時間は止まっていないようでそのまま顔を動かして真正面に移動したほむらを見据えている。予想外の出来事に俺もほむらも目を見開いて驚いてしまった。

 

 

「ひょっとして貴女の魔法は時間停止なのかしら?」

 

「・・・・!」

 

 

初見殺しのほむらの時間停止を見破られた!?

これにはポーカーフェイスのほむらも焦りを隠せないようだ。見るからに動揺していて少し後ずさりもしてる事から多少弱気になってるかもしれない。

 

 

「もし私の予想が正しければとても厄介ね。でも弱点もあるみたい。貴女に触れていれば時間停止は効かないようね」

 

「いつの間に・・!?」

 

 

すっとマミちゃんが手を翳すとほむらの右足に巻かれたリボンが姿を現した。そのリボンの端はマミちゃんの腕に巻かれている。どうやらそれで時間停止を逃れたようだ。末恐ろしい。

 

 

「貴女と会話していた時にこっそり仕込んでおいたの。だっておかしいでしょ?一瞬で優依ちゃんがいなくなって代わりに貴女が私に気付かれることなく接近するなんて何かあると思うわ。どういう仕組みか調べるつもりで試しに施したんだけど予想以上に効果はあったようね」

 

「く・・」

 

 

マジか!?マミちゃんすげえな!

たった一回でそこまで冷静に対処出来るなんて今まで生き残ってきた実力者は違うって訳か。

やっぱり頼りになるから仲間に引き入れたい!

 

 

・・でも、そんなに冷静に対処出来るならさっき俺にしたトチ狂った行為は一体何だったのかと問い詰めたいな。

 

 

「どうする?ここで退散するなら見逃してあげるわ。ただし二度と優依ちゃんに近づかないって約束してもらうけどね」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

現状は圧倒的にマミちゃんが有利だ。その事は本人も分かっているのだろう。

かなり高圧的な口調でほむらに語りかけている。

それに対してほむらはじっと視線をリボンが巻かれた自分の足に向けていた。

 

ただでさえ戦闘力はマミちゃんの方が上なのに絶対的なアドバンテージであった時間停止も通用しないとなるとほむらが勝てる確率はほぼない。ここは素直に引き下がった方が賢明だろう。

 

 

 

それは俺も分かってる。でもそれはやめて!

 

 

 

今ここでほむらに去られると俺どうなるか分からない!

今度こそマミちゃんに捕まってゲームオーバーだ。もうお天道様を見られるかどうか。

しかも二度と俺に近づくなと約束させれそうになってるから助けてもらえる可能性もゼロ!

 

このままじゃ俺お先真っ暗!

 

 

お願いしますほむら様!

俺を見捨てないでえええええええええええええええええええええ!!!

 

 

 

祈るようにギュッと手を握って物陰から涙目でほむらを見るもほむらの方も俺を見てる?

 

 

「・・・・・・」

 

 

間違いない。絶対俺の方を見てる。

マミちゃんに気付かれないように流し目だからガン見してるとは言い難いけど視線はずっと俺の方を向いている。最初の方は不安そうな表情だったのに次第に決意を固めたようなキリッした表情に変わっていき最後の方は小さく俺に笑っていた。

 

すみません。何かメッセージがあると思うんですが俺は怖いです。

ほむらさん貴女の頭の中で一体何が起きてるんですか?

 

 

 

 

 

「断るわ」

 

 

 

 

俺に笑った後、ほむらは勢いよく身体を動かしてマミちゃんの眉間に標準を合わせて持っていた銃の引き金を引いた。

バンッと乾いた音を立てて弾は眉間を狙うもマミちゃんはすんなり避けた。特に焦った様子もなく腕を組んだままだ。

 

ほむらも避けられると予想していたらしい。撃ったと同時にマミちゃんから距離をとってリボンを解こうとするも特殊なものらしく銃を撃ったが解除できないみたいだ。仕方ない様子でマミちゃんの方を向いて銃を構える。

 

 

「残念ね。あのまま素直に引き下がってくれれば無事で済んだのに」

 

 

底冷えしそうな冷たい目でほむらを見ている。本当にあのマミちゃんかと思うくらい冷めた表情だ。

 

 

「その油断が命取りになるわ。時間停止が使えなくても戦い方はいくらでもあるから逃げはしない。私はただ貴女という脅威から優依を守るだけよ。あの娘に危害を加えようとした貴女を許さない」

 

 

マミちゃんのその冷たい視線に全く怯まずほむらは堂々と受けている。

俺を守ってくれるその意思は大変ありがたいが俺はマミちゃんを説得してほしいと頼んだんだ。

誰が宣戦布告して来いと言った?

 

ほむらの喧嘩を売るような言い方にマミちゃんはピクリと眉を顰めてかなり不機嫌そうに見える。

 

 

「心外ね。・・それじゃまるで私が優依ちゃんにとって危険人物と言ってるみたいよ」

 

「違うのかしら?」

 

「違うわ!私はただ優依ちゃんと一緒にいたいだけよ!!それを邪魔するなら許さない!!」

 

 

煽りには定評があるほむらの挑発に乗ったマミちゃんは激高した後すぐさま魔法少女に変身し大量のマスケット銃を出現させてほむらに先制攻撃を仕掛けた。それを迎え撃つためほむらもマシンガンを取り出して発砲している。

 

 

「ひい!」

 

 

銃弾がぶつかり合って空中ビリヤードのようにあらゆる方向にはじき飛んでいくので急いで地面に頭を伏せる。どっちも威力は申し分ないので当たったら即死は免れないだろう。だって弾が当たった場所が深く抉られてるんですもん。

 

 

「ちょこまかとうっとうしい」

 

「これが私の戦い方よ。貴女も自分の魔法を発動させればいいじゃない」

 

「未だに足にリボンを巻きつけておいてよく言うわ」

 

 

リボンを使って屋上内を人間離れしたアクロバティックな動きで飛び回るマミちゃんを撃ち落とそうとほむらがマシンガンやショットガン、マグナムなどあらゆる銃を撃ちまくっている。

 

さながら劇場版の二人の戦闘が再現されてるみたいでファンにはたまらないが俺としては勘弁して欲しい。巻き込まれて死にそうだから!

 

 

「なっ!?それは卑怯よ!」

 

「これが私の戦い方よ。貴女も自分の戦い方をしてるじゃない」

 

「だからってこれはナシよ!」

 

「つべこべ言ってないで避けるのに専念しないと当たっちゃうわよ」

 

 

 

 

「熱っ!」

 

 

俺の目の前が火の海になっている。

何言ってるかと思うが文字通り火の海だ。めっさ熱い。

 

 

なんとほむらは盾から火炎放射器を取り出して屋上を火あぶりにしやがった!

可憐な美少女が無表情で周りを火の海にする光景はさながら新たな地獄絵図と言えるに違いない。

 

トラウマ案件だけどマミちゃんの行動範囲が狭まったのは確かだ。

現に足場に困って炎が回っていない場所で立ち往生している。

 

ちなみに俺の周囲は火が回っていない(それでもかなりの高温で熱いが)。

ほむらが気を使ってくれたようだがそんな冷静さを残しながら周囲を火の海にするコイツの容赦のなさに戦慄を覚えたよ。

 

 

「これならどう? ティロ・フィナーレ!!」

 

「チッ!」

 

 

ほむらが立っている真上から毎度おなじみ厨二あふれるティロ・フィナーレ砲(通常サイズよりも二倍でかい気がする)をぶっ放し、屋上にドデカい穴が空いた。ほむらはすぐに横に逸れて躱したが火炎放射器は今の攻撃で大破してしまい火の海も凄まじい衝撃波で消火されてしまって真っ黒い焼け跡が残った。

 

 

「危ないわね。私を殺す気?」

 

「それはお互い様でしょう?こっちは危うく焼き殺される所だったのよ」

 

 

少しの会話をした後、体勢を整えて再びほむらとマミちゃんは銃撃戦を始めた。

 

 

 

 

 

 

激戦が繰り広げらている中で俺は一つ言いたいことがある。

 

 

 

 

「ここ学校なんですけどおおおおおおおおおおおおおおお!!?」

 

 

 

 

 

目の前で超次元な銃撃戦が繰り広げられているので目を奪われそうになるが忘れてはいけない。

 

ここは学校なのだ。彼女たちが戦っているのはその屋上。

 

当然校舎内には数多くの生徒並びに教師がいる。

こんな銃声の大音量が響きまくっているので誤魔化しようがないわ!

かなりの騒音なので俺の制止する声なんて二人には届かず戦闘に夢中になっているせいかテレパシーも通じない。

 

誰か来て巻き添えになったらどうするつもりだ!?

こんなもんどう言い訳するつもりだよ!?

 

アイツら絶対ここが学校だって事忘れてんだろ!!

 

無数の銃弾を食らった屋上はもはや原型を留めておらず以前の面影すらない。間違いなく弁償案件だぞこれ。

 

 

つうか、さっきから戦い見てると二人が本気で殺し合いしてるようにしか見えない!

火炎放射とかティロ・フィナーレとかどう見ても魔女にしか使っちゃいけないものまで出しやがって!

特にほむら!お前どっから拝借してきたんだ!?

 

 

 

 

「あれ・・・?」

 

 

どれくらい時間が経過したか分からないがかなり戦いが長引いてるはずだ。

 

 

おかしい。これだけ馬鹿騒ぎ起こしているのにここへ誰かがやって来る様子も悲鳴も聞こえない。

まるでここには俺達しかいないみたいだ。どうなってんだ?

 

 

 

 

「な・・なんとか間に合った・・」

 

「! シロべえ!?」

 

 

 

首を傾げていると近くに置いてあったバッグがもぞもぞと動いて中からゾンビのように這っているボロボロのシロべえが出てきた。どうやら意識を取り戻したようだ。

 

 

「・・大丈夫か?」

 

「誰のせいだと思ってるのさ?あともう少しで僕は昇天してしまう所だったんだよ!かなり痛めつけられたから意識を取り戻すの遅くなっちゃったんだから酷いよ!」

 

「いやーごめんね。ほむらの殺る気が凄まじくて止めるのに苦労したんだ」

 

「今度やったらキレるからね!」

 

 

見た目はボロボロだが開口一番きゃんきゃん元気よく吠えるシロべえの様子は見た目より大丈夫そうだ。

 

 

 

「それはともかく俺たちが以外人がいないみたいだけどシロべえ何かしたか?」

 

「ご明察!マミが現れた時くらいから目を覚ましてたから何かしら対処しようとしたんだ。だけどほむらが急いでこっちに向かってくる気配を感じたから咄嗟に用意してた僕謹製『仮想バトルフィールド』を発動させたんだ」

 

「何それ?ここ学校じゃないの?」

 

「うん、違うよ。ここは僕が作り出した空間さ。外界から切り離されているからどれだけここを破壊しても現実に影響はないよ。優依が学校に行くからには戦闘は避けられないかもと思って一応用意したけど正解だったみたいだね。後こっちに被害が来ないように結界も張ってあるよ」

 

「流石シロべえ!マジで頼りになる!それなら安心だ!ついでにあの二人の戦いも止めてくれると嬉しいです!」

 

 

相変わらずな優秀さに舌を巻いて絶賛すると同時にこの訳の分からない戦闘もついでに止めてもらえないかお願いしてみる。おそらくシロべえなら簡単に解決出来るはずだ。

 

 

 

 

 

 

俺の指差す方向は未だ激しい戦闘が繰り広げられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきから搦め手ばかりな気がするわね。流石私から優依ちゃんを掠め取った泥棒猫の事はあるわ。とても卑怯だもの。今までそうやって生きてきたのかしら?」

 

「人聞きの悪い事言わないで。そんな真似はしていないわ。あ、でもそんな卑怯な私でも優依との関係は貴女よりも深いと言えるかしら?」

 

「寝ぼけてるの?私は暁美さんなんかよりもずっと優依ちゃんと一緒にいたのよ?出会って一週間しか経ってない貴女なんて足元にも及ばないわ!」

 

「本当にそう言い切れるかしら?例えば、ほら・・」

 

 

そう言ってほむらは自分の頭についてる赤いカチューシャに触れた。まるでマミちゃんを挑発するように見せびらかしているみたいだ。

 

 

「付き合いの長い貴女は優依にプレゼントしてもらった事あるの?」

 

「! うるさいわよ!」

 

 

ほむらの意図を察したマミちゃんは悔しそうに顔を歪ませてカチューシャを撃ち落そうするもほむらによってそれを阻まれる。

 

このままでは勝機がないと判断したほむらはどうやらマミちゃんを怒らせて隙を作る作戦に切り替えようだ。

とてもおっかない。心なしかとても楽しそうに見えるのは俺の気のせいだと思いたい。

 

今は上手くいってるけど果たしてまずい方向にならないか心配だ。

 

 

「貴女さえいなければ・・!」

 

 

怨念のこもった声と目は一直線にほむらに向かって注がれている。

 

 

今のマミちゃんは原作でも見たことが無いほど迫力満点だ。

ここまでマミちゃんに恨まれてるなんてほむらは一体何をやらかしたんだ?

 

 

「いなければ何?優依は貴女の傍にいてくれるとでも?それはないわ。仮に私がいなかったとしても佐倉杏子がいるもの。あっという間に取られちゃうでしょうね。身近にいたが故に慢心していた貴女が悪いのよ!」

 

 

熱くなっていくマミちゃんと比較してほむらはどこまでもクールだ。

王者の貫録すら出ているかもしれない。

 

 

「ぽっと出の泥棒猫のくせに言ってくれるじゃない・・!」

 

 

ほむらのその余裕な表情にマミちゃんはますます激昂していくばかり。

 

 

「なら今の貴女は負け犬の遠吠えね」

 

「そう言ってられるのも今のうちよ?貴女も佐倉さんも無事では済ませないわ!最後に勝つのは私よ!」

 

 

そう叫んで無数のマスケット銃をほむらに向かって一斉射撃をお見舞いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、とっても修羅場ってるね☆」

 

「言ってる場合か!何とかしなきゃ!」

 

 

俺達の前で尚も続く激しい銃撃戦。

弾は空中で止まっていることから時間停止が発動されているようだ。

解除された時の銃弾の嵐が非常に怖い。この建物崩れるんじゃないだろうか?

 

それにしてもシロべえさん。

さっきの感想だとこの戦い楽しんでるようにしか聞こえない甲高い声だったぞ?

 

 

「俺はこの無意味は戦いを止めてほしいんだけど!」

 

「無理。あんな修羅場の間に入るなんて自殺行為だよ。ここはどちらが勝つまでやり過ごす方が賢明だね。それに僕は君たちのせいでこんなにボロボロで、しばらく動きたくないくらい身体が痛いんだ。僕は少し休ませてもらうよ」

 

「嘘つけ!お前今この戦い撮影してるよな!だって両目が『●REC』って表示されてるぞ!そんな暇あるなら止める方法一緒に考えてよ!!」

 

 

リラックスした姿勢で戦いを傍観もとい観戦しようとするシロべえの顔を引き寄せて目をじっと見る。

案の定、無機質な目には『●REC』と表示されていた。撮影中のためかいつもより目が赤く光ってる気がする。

 

 

「ちょっと揺らさないでよ。手ブレならぬ顔ブレしちゃうじゃないか」

 

「やかましい!お前それ何に使うつもりなんだよ!?それ所じゃないって言ってんだろうが!!」

 

 

派手な爆発音が響く中、魔法少女同士の激しい戦闘を尻目にマヌケな戦いがひっそりと開催されていた。




お知らせ

番外編でマギレコのみなさんを登場させようと思っています!
ストーリーはまだちゃんと考えてませんが
優依ちゃんが神浜市に遊びに行くという話にしようと考えてます!
短編なのであしからず!それぞれの魔法少女の話を一話か二話程度の短編です!

まだ誰を出そうか考えてないのですが今のところ登場予定なのが

『アリナ・グレイ』さん

『八雲みたま』さんです!

しかしこの二人の話は本編の話がかなり進んだ後に投稿する予定になるので先にマギレコレギュラー陣を投稿させる予定です!

誰の話を投稿するかアンケートするのでよかったら回答お願いします!
投票が多かった人をトップバッターに執筆するつもりです!

残りの人達は自分のモチベーションが続けば投稿します!
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