結果発表は次回の投稿時にお知らせするのでよろしくお願いします!
ドドドドドドドドドドドドドドドド
バキィ ドガン グシャ
「いつまで続くんだこれ?」
何故かいきなり勃発した紫と黄色の激戦を物陰に隠れて見学しつつ今更ながらに思う。
そもそもの発端は一体何だっけ?俺がマミちゃんに襲われた事?
ほむらがマミちゃんに銃向けて発砲した事?よく分からん。
シロべえは知ってるみたいだけどこの戦闘の撮影(結局根負けした)に夢中で何も答えてくれない。
さっきから俺一人でこの無駄な戦闘を止める方法を考えてるんだが何も思い浮かばない。というかただの一般人が超人ハ〇ク的な魔法少女の戦闘を止めるなんて無謀にも程がある。
「待ちなさい!」
「こっちよ」
今は追いかけっこをしてるらしい。ほむらが逃げてマミちゃんが追いかけてる。
時間停止が発動してるのにマミちゃんがほむらを狙って発砲するものだから空中に停止する弾数が増えていく。もうすぐ解除されて銃弾の嵐が発生するからこれ以上弾数を増やさないで欲しい。
というかマミちゃんよ。なぜそこまで執拗にほむらの顔を狙ってるんだい?
妬みでもあるんですか?君も十分美人さんでしょうが。
「ほむらの暴走は通常運転だから別にいいとして、マミちゃんは一体何を考えてんだ?俺の事『大好き』と言っておきながら襲ってくるなんて理解出来ないぞ?」
「おや?意外とクールな反応だね?君の事だから好意を伝えられた途端デレデレになると思ってたけど?」
俺がポツリと呟いた事に興味を持ったのかシロべえがこちらを振り返っている。
そんなにおかしな事を言っただろうか?さっきまで何を話しかけても無視してた奴が妙な所で食いつくな。
「意外って、この年頃の女の子は友達に好意を伝えたりするもんじゃないのか?実際前に通ってた学校で仲良かった女の子達とよく『大好き』って言い合ってたし」
「え?初耳なんだけど?君にそんな事言った女の子ってどんな子たちだったの?」
俊敏に反応したシロべえに少し引いてしまう。今重要な事かそれ?
「どんなって普通に可愛い娘達だったぞ?皆気遣い出来て優しい娘が多かったな」
「他に共通点はないの?実は魔法少女だったりしない?」
さっきよりも更に食い気味に赤い目で俺の顔をじっと見てくるから何かおかしな事言ってしまったのだろうか?てか、何で魔法少女?
「いや・・指輪はしてなかったから多分違う。ああ、でも共通点と言えば皆それぞれ事情抱えてたな。家庭崩壊してたり虐められてたり、両親が他界してたり」
共通点と言えば全員性格良くて可愛かった事とそれぞれ何かしら不幸で訳ありだった事くらいしか思い浮かばない。
「・・・あ、うん、なるほど」
「何がなるほどなんだ?」
疑問が解決したとばかりにうんうん頷いている。曖昧な事を口にしただけなのに何故かシロべえはそれで納得してた。
「取り合えず優依はどこにいても優依だって事はよく分かったよ。今だけじゃなくて昔からやらかしてたんだね。君の友達も可哀想に」
「なんだよそれ?」
「さあ?自分で考えなよ」
とても失礼な事を言ってる気がするのでどういう事かと聞こうとしたけどそれっきりはぐらかされて撮影に戻ってしまい会話は終了してしまった。つれない奴だ。
それにしても懐かしい。今でも連絡は取り合ってるが今頃あの娘達はどうしてるだろうか?
俺が転校するって知った時なんて大号泣してくれたし、「絶対また会おうね」って言ってくれた優しい娘たちだ。
何故か親友のトモっちの事は毛嫌いしてたけどな。
まあ、あの変態ぶりだから一部の女子に嫌われてたけど俺と一緒にいるときは凄い噛み付いてきたな。
トモっちの方は俺と彼女たちを見比べながらよく気持ち悪い笑顔してたっけ。
引っ越してかなり経つのに今でも俺の事心配してくれている。
電話で話す内容はもっぱら質問攻めが多い気がするし特に俺の交友関係を知りたいみたいだ。
彼氏出来たの?とか、どういう娘と友達になったの?とか心配性だなあ。
未だに『いつでも帰ってきていいんだよ。ずっと待ってるからね』と言ってくれる。
ホント俺を大事に思ってくれるなんてありがたい事だ。
元気にしてるといいな。
そんな優しい女友達と一緒に過ごしていた中でよく彼女たちから「大好き」って言われる事が多かった気がする。そんな自分の経験から同性の思春期って気軽に好意を伝えるものだと思ってたからマミちゃんに「大好き」って言われた時も前の娘達と同じ、この年頃にありがちだと認識したんだが違うのか?
だってこの前、杏子も俺の事「大好き」って言ってくれたし、どこでもそれがノーマルだと思ったんだけど。
「そろそろね」
ボーっと思い出を振り返りながら目の前で繰り広げられている鬼ごっこを見ていたんだが、ほむらがふいに立ち止まってマミちゃんと対峙している。じっと動かないで様子を見てるからどうやら時間切れのようだ。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「ひええええええええええええええええええええ!!」
ついに時間が動きだし、空中に静止していた無数の銃弾が一斉に動き出し縦横無尽に飛び回っている。
魔法少女の戦闘のせいで廃墟と化して原型を留めていない学校は更に削られていき、鼓膜が破れそうな大音量に耳を塞ぎながら地面に丸まった。緊急事態のためさっきまでの思考はすぐに吹き飛んで身を守る事を最優先に切り替える。
≪シロべえ!ホントにこれ大丈夫なんだろうな!?≫
俺の目の前で無駄なプロ根性で未だに撮影を続けているシロべえにテレパシーを送る。真横スレスレに銃弾被弾したのにまだ続けるって呆れを通り越して尊敬の念すら湧いてきそうだ。
≪うるさい、今撮影中だよ!結界張ってあるから大丈夫だって言ったでしょ?≫
≪そうだけども!やっぱり怖いじゃん!ホントに結界機能してるか心配だよ!≫
≪これだからへタレは・・・。あっ・・・≫
≪どうした?何かあったのか?≫
俺の不安な様子に根負けしたのかイライラした声で俺たちがいる空間をじっと見てたシロべえが素っ頓狂な声を出していて、その様子にとっても嫌な予感がする。
人間こういう時の嫌な予感って当たるんだよね。頼むから外れていて欲しい。
≪・・・結界のバッテリー切れてる≫
≪はあ!?≫
マジで嫌な予感って当たるんだね!
今この瞬間俺らにとって最悪な展開かもしれない。
つうか何でバッテリーで動いてんだよ!?そもそも何のバッテリーで動いてんだこれ!?
嘘だよね?お願い嘘だと言って!!
どれだけ願っても嘘ではないらしく奴の漂白された身体の全身からダラダラ大量の汗を流している。
≪あーくそ!そろそろ単三電池の入れ替え時期だった事忘れてたよ!≫
≪単三電池!?そんなので動いてたの!?≫
結界に関しての俺のファンタジックなイメージが急速に崩壊していく。
何でよりにもよって単三電池?せめて太陽光とか風力とかの方がまだ良かった。
≪しょうがないでしょ。だって結界って結構エネルギーがいるんだよね。確かに自然エネルギーでも作れるけど効率悪いからすぐに補給できる単三電池を重宝してたんだ。コスパも良いし≫
知りたくなかった裏事情がつらつらと吐き出されていく。
もうこれ以上イメージ崩壊しようがないくらいの衝撃だよ。
宇宙救済掲げたスケールのでかい宇宙人から「コスパ」って言葉聞きたく無かったわ。
≪でもデメリットもある。簡単に補充出来るけどあっという間に消費して短期間で取り換えが必要なのが欠点なんだ。電池が切れてる間は結界が消えるからとても無防備になる≫
≪つまり今の俺らは無防備な状態で戦場にいるって事か?≫
≪そうなるね☆≫
いたずらっ子が失敗を誤魔化すように舌を出しておちゃらけているがそれ所ではない。
≪ヤバいじゃん!急いで単三電池取り替えないと!≫
≪いやー・・それがね、替えの電池忘れてきちゃって☆≫
シロべえ的には精一杯可愛く言ったつもりらしいが今の俺にとっては殺意しか湧いてこない。手を出さないだけかなり理性的だと思う。
≪張っ倒されたいのかお前は!?だったら尚更すぐにあの二人を止めなきゃ!!≫
≪やだ!巻き込まれて死にたくないし何よりせっかく撮影してるんだから最後まで見届けたいよ!≫
≪あほか!こんな所でプロ意識出してる場合じゃないだろ!撮影終了する前に死ぬぞ俺ら!≫
意地でも動かないつもりらしいシロべえは床に噛り付いていて引き剥がせない。どんな場面で執念見せてんだコイツ!?
「どうやら決着つかなかったみたいだね」
「は?・・うわ・・」
くだらないやり取りしてたらいつの間にか銃弾の大雨は静まっていて、全体が蜂の巣のように穴だらけになっている。土煙が収まって視界が開けてきたので様子を見ると、ほむらとマミちゃんは無傷で銃を構えながらお互いを睨んでいる。
冗談抜きでいつまで続けるつもりだろうか?
こんな惨状になってもまだ気が済まないとかどうなってんの?
「いい加減うっとうしいわね!これで終わりにするわ!」
どうやら次で最終局面を迎えるようで空気が緊張感に包まれピリピリしている。言っちゃ悪いが「やっとかい」とほっとしてしまいそうだ。
これが最後と決めたらしいほむらは盾からロケットランチャーを取り出し更に戦争映画に出てきそうな無数のミサイル弾まで取り出していた。
あの紫はマミちゃんを殺す気なのか?
「ワルプルギスの夜」はどうした?
「貴女こそ!私と優依ちゃんの前からさっさと消えて!」
マミちゃんもほむらの攻撃を真正面から受けて立つようでさっきと比べ物にならない程の大きさのティロ・フィナーレ砲を上空で生成して下にいるほむらに狙いを定める。
コイツもコイツでほむらを消しとばすつもりだろうか?
自称「正義の魔法少女」はどこいった?
「ティロ・フィナーレ!!」
「ふぐううううううううううううう!」
同時に放たれた強大な二つの力がぶつかり合ってこの戦闘で一番の衝撃波を放っている。
凄まじい熱量と風圧で何かにしがみつかないと吹き飛ばされてしまいそうだ。
「ううう」
身体を後方に吹き飛ばされないように廃墟の岩に抱きつくような形でしがみつく。
少しでも気を抜いたらアウトだ。すぐにでも身体を持って行かれそうだ!
「あ」
「え?あっ、シロべええええええええええええええええええ!!」
なのにシロべえの馬鹿は一瞬油断してしまったのか衝撃の余波でそのままはるか後方に吹き飛ばされてしまった。慌てて手を伸ばすも既に姿が見えない所まで行ってしまっている。
欲張って良いアングルで撮ろうと近づくからそうなるんだろうが!!
実際、俺が必死にしがみついてる最中でも床に這いつくばってたからそりゃ当然の結果になるわな!
助けに行きたいが今尚、衝撃の風圧は続いており立ち上げる所か必死に壁にしがみつかないと俺まで吹き飛ばされてしまいそうだ。
「!」
爆発の衝撃からか建物の残骸が俺のいる所めがけて飛んできている。まるで俺に対してホーミング機能でもついてるのかと疑いたくなるくらい真っ直ぐこちらに曲線を描いて飛んでいる。
まずい!
避けたくても今も続く風圧が邪魔して思うように動けない!
助けを求めたくてもシロべえは自業自得でここにいない!
マミちゃんとほむらは今の攻撃に集中してるからこっちには気づかない!
打つ手なし!絶望的だ!
「っ!」
もうすぐ当たりそうなくらい瓦礫が近づいていて息を呑む。
せめて痛くない死の方が良かったのに・・・!
少しでも痛みが和らぐように目を瞑り歯をくいしばって痛みに備える。
――――――――――――!!
「いっ・・・!」
俺の間近で耳の鼓膜が破れてしまいそうな爆発音が鳴り響く。耳を塞ぎたかったが爆発音の後すぐにさっきよりも凄まじい風を正面から受けてしまったため慌てて吹き飛ばされないようにしがみつくしかなかった。
「?」
あれ?風が少し和らいだ?
でも間接的に受ける風はまだまだ強烈。何かが風を遮ってる?
「!? ひっ!?」
考え事してたからか一瞬気を緩めてしまい、俺もそのまま後ろに飛ばされそうになるも腕を何かに捕まれた。
「え?え?」
そのまま引っ張られて俺の身体をすっぽり何かに覆われてしまった。
怖い・・・!
風圧のせいで目をまともに開けられないから俺を包んでるものの正体が全く分からない!
分かるのは触れてる何かは暖かくて柔らかい。あとそれが正面にあるから風圧がかなり抑えられている事くらいか。
ていうかこの感覚って・・俺抱きしめられてないか?
腰に回されてるの腕みたいな感触だし。
この訳のわからない時間は永遠に続きそうなくらい長く感じたがそれもすぐさま終わり謎の爆発の衝撃もおさまったようでそれに伴い風も止んだみたいだ。
もう目を開けてもいいかな?
「あれ・・?」
「きゃっ!」
「うっ!」
「え?何!?何なんだよ!?」
目を開けようとした瞬間、俺を包んでいた温もりは煙のように消え去って代わりにマミちゃんとほむらの悲鳴が聞こえた。ダメージを負ってるのか「うぅ・・」と呻き声のようなものまで聞こえてくる。
え?一体何があった!?てか、これ目を開けたらアカンやつじゃね!?
どういう状況かすごく知りたいけどこういう場合で目を開けたら目の前にヤバいヤツがいるパターンな気がする!
よし!絶対目を開けない!開けたら死ぬ!!
――――――ジャリ
「!」
こっちに向かって歩いてくる足音がして肩がビクリと動いた。逃げたくても身体が震えて座り込んだまま動かない。
「・・・・・・」
目の前に気配を感じる。誰かいるの!?
ほら来た!怖えええええええええええええええ!!
お願い!どっか行ってください!
俺を殺したって何の得にもなりませんから!
「っ!?・・うぅ」
恐怖でガタガタ震える俺の頭に何か置かれている。
「?」
ひょっとして頭撫でられてる?俺を安心させるようなゆっくりとした優しい手つきで困惑する。
どういう事だ?俺を殺すんじゃないのか?
俺の頭を撫でてるの誰?何がしたいんだコイツ?
「もう大丈夫だ。目を開けていいぜ優依」
「ふぇ?」
耳元で声がしたから驚いてつい目を開けるも正面には誰もいない。
「・・・?」
周囲を見渡してみるもやっぱりいるのは俺一人。
おかしいな?さっきまで誰かは俺の側にいた気がしたのに。
「一体何が・・?ひい!?」
少しでも状況を整理しようと暴走魔法少女どもが戦っていた場所を恐る恐る覗くも見なきゃ良かったとすぐ後悔した。
俺がいる所より少し前方からマミちゃんとほむらが向かい合っている場所まで大きく床が抉れている。
もしかしてさっきの謎の存在と関係があるのだろうか?今の状況では何とも言えない。
「いた・・」
「う・・」
更に二人は現在戦っておらず地べたに座り込んでいる。
いや、戦えないから座り込んでいると言っていいかもしれない。
マミちゃんとほむらの両手足が真っ赤に染まっていて腕や足、そして地面に赤い液体が流れている。
どう見てもあれは血です!新たなトラウマをありがとうございます!!
何で!?いつの間に!?
ひょっとしてさっきの悲鳴ってこれ!?
状況が全く分からないが一つ分かることがある。今のままじゃ戦闘の継続は無理だ。
二人の負った傷はかなり深いものらしく血が止めどなく流れ続けている。普通の人間なら放っといたら死ぬがあいつらは魔法少女。これくらいじゃ死なないだろうがすぐに戦闘を再開するのは無理そうだ。
かなり乱暴だけどこれなら戦わなくて済みそうだ。でも、どうしてこんな展開になってんだ?
「やれやれ酷い目にあった」
「シロべえ!無事だったか!」
じっと二人の様子と謎のクレーターを見ていると背後から吹き飛ばされたシロべえが戻ってきた。
更にボロボロになっている気がしないでもないがそれは自己責任だと思う。その点に関しては同情する余地は全くない。
しかしシロべえが戻ってきたって事は少しは何か分かるのかもしれない。
「何とかね。僕が目を離した隙に何があったんだい?」
「分からない。気づいたらこうなってたんだ」
「ふむ・・僕が測定したあの二人とは違う力が働いたみたいだ。それも重火器のオンパレードや威力マシマシの厨二技すら相殺させるほどの。ついでに深手も負わせたみたいだね。二人のベテラン魔法少女の四肢を切り裂き、しかも全て急所を突いている。誰がやったか知らないけどかなりの腕前のようだ」
シロべえは最初キョトンとした声でこの急展開に疑問を覚えていたようだがすぐさまインキュベーターの本領を発揮させて分析を始めていた。実際見てないのにある程度状況を理解するなんて流石だわ。
「それにしても二人の傷を見てるとその深さから心なしか凄まじい怒りを感じるんだけど・・優依はその場面を見たかい?」
「見てない。怖くてずっと目を閉じてたから。あ、でも助けられた気がするんだ。俺の所に飛んで来た残骸は無くなってるし、吹き飛ばされそうになったのを助けてくれたみたいだし」
「そりゃ、彼女は君に危害をくわえないだろうさ・・」
「?」
意味深な事を口にするシロべえを不思議に思うも今はそれ所じゃない。
問題はマミちゃんとほむら。いくら負傷しても魔力ですぐ回復するから戦闘続行は可能だ。
謎の横やりで少しでも頭冷やしてくれるとありがたいんだけど・・どうだろうか。
不安になりながらもシロべえと共にそっと様子を見守ってみる。二人は相変わらず座り込んだままだ。
「一体何が起きたの・・?」
「さあ?でもここが潮時みたいよ」
「・・・・・・・・」
「お互い少し冷静になった方が良いみたいだからこの戦いは一旦保留にしましょう」
暴走する事で有名なほむらでも引き際は心得てるらしくこの状況では戦えないと判断を下して今でも訳が分かっていないマミちゃんに休戦を呼びかけている。
良かった!ほむらは冷静になってくれた!
マミちゃんも引き際を知ってるからこれで一旦戦いは収束するはず!
この二人を負傷させた誰かさんありがとう!
さすがに四肢を血まみれにするような攻撃はやり過ぎだと思うけどそれを差し引いても今回のMVPは間違いなしだ!
「・・・・・・・・」
「巴マミ・・?」
俺の期待とは裏腹にマミちゃんは何も答えずただ顔を俯かせている。不審に思ったほむらが話しかけてみるも返事はない。どうしたのだろうか?
「まだよ・・」
「え?」
ぽつりとつぶやいたマミちゃんは目をギラつかせながらほむらを見据えている。血まみれの両手足を無理やり動かせそうともがくがそのままうつ伏せで倒れてしまった。
「まだ、終わってないわ!まだ・・!貴女を倒すまで終わってない!」
「な!?」
完全に頭に血が昇っているらしいマミちゃんは休戦の申し入れを聞き入れず、激高した挙句リボンで無防備なほむらを拘束してしまい空中につるし上げた。
「これで私の勝ちね!!」
再びマスケット銃を大量に出現させて、あるゆる角度からほむらに標準を合わせている。
そうだった!マミちゃんは身体を動かせなくてもリボンや銃を操るだけなら特に問題なかったわ!
「く・・!いい加減にしなさい・・!」
ほむらは深手を負った傷のせいで思うように身体を動かせないままリボンで宙づりにされ、触れられているから時間停止も使えないしかなりピンチな状態になっている。
このままじゃほむらがやられるのも時間の問題じゃん!
「うおおおおお!マミちゃんが暴走したせいでほむらがまたピンチだ!シロべえどうしよう!?」
「よし!こうなったら出番だよ優依!」
「へ?」
(ほむらの)絶対絶命な危機を何とかしてくれそうなのはシロべえだけだ。
助けを乞うため話しかけたのに何故かシロべえは俺の方を向いてグッと拳らしきものを前足で作っている。
「行ってこい!」
シロべえにそう言われた直後、地面が光りだし俺を囲むように覆った。
「ちょっ!?」
その後は光に包まれて何も見えず気づけば開けた場所に立っていた。
地面を見るとさっきまで見てた残骸があるのでここは学校(廃墟)だというのは分かるが一体どうなってんだ?
「優依ちゃん・・?」
「な!?どうして出てきたの!?」
「・・・・・・・・え?」
俺の正面と背後から声が聞こえて正面の方を先に顔をあげると、
「どうして・・?どうしてなの優依ちゃん!?」
無数のマスケット銃を携え、ショックを受けたような表情で俺を見下ろすマミちゃんがいた。
「馬鹿!どうして隠れてなかったの!?」
今度は後ろを振り返ると俺を罵倒しつつも瞳をうるうるさせて何かに感激したような嬉しさをかみ殺した表情をしたほむらがいた。
「マジか・・」
この瞬間、嫌でも理解してしまった。
どうやら俺はシロべえによって二人の間に飛ばされてしまったようだ。
しかも二人のど真ん中というわけではなくほむらがいる位置に近い所に飛ばされたらしい。
ほむらに背中を向けてマミちゃんの正面に立っている俺。
当事者ふたりもしくは第三者から見ればこう見れなくはない。
俺がほむらをマミちゃんから守るために身を挺して庇っていると見えなくもない・・!
そうだった場合この二人の反応も説明がつく。
出来ればこんな馬鹿な予想は外れていてほしい・・!
「優依ちゃん嘘よね?私の事愛してるって言ってくれたでしょ?貴女が暁美さんを庇ってるように見えるのは私の気のせいよね?ねえ、何とか言ってちょうだい!!」
「優依!貴女が私を大事に想ってくれてるのは凄く嬉しいけどこんな事しないでちょうだい!この前みたいな思いはもう沢山よ!」
前後から色々言われていてどうやら俺の予想通りの勘違いをしているらしいが正直どうすればいいか分からない。逃げたくてもここは学校ですらないからどこにも逃げ場がないわけで途方に暮れる。
シロべえてめえええええええええええええええええええええええええ!!
なんつう所に飛ばしてくれたんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!
最悪だ!これ完全に俺も巻き込まれる展開じゃん!
怒りと懇願を込めてシロべえが隠れているはずの場所を睨むも奴はどこからか取り出したスケッチノートに何かを書いている。
ひょっとして何かアドバイスをくれるのか?それだったら大歓迎だ!
是非ともこの殺伐とした流れを変えてくれる助言が欲しい!
書き終わったらしいそれを掲げたので期待を込めてじっと目をこらして書かれた文字を凝視する。
『ガンバ!!』
スケッチノートにはその一言がデカデカと書かれているだけだった。
希望が絶望に変わった瞬間を実感する。
いや、人を戦地に放り出しておいて放置かいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
しかもテメエ、目がまた赤く光ってんぞ!
傍観決め込んで撮影してんじゃねえよ!!
ふざけんなこらあああああああああああああああああ!!
という訳で優依ちゃん戦地に放りこまれましたw
この戦いは謎の存在の勝ちです!一体誰でしょうね?
優依ちゃんが鈍感な理由も少しご理解いただけたかと思います!
ああいう理由ですw
まあ、自業自得というものでw