※と、宣言しましたが本気にしないでください
「男の子みたいな口調の優依ちゃんってとっても可愛いね」
「・・・・はぁ・・」
「素がそれならひょっとしてわたしの前では猫被ってたの?」
「いえ、そんな事は!あの・・まどかさん。その辺で止めていただけると大変ありがたいのですが・・」
「え?どうして?今まで仲が良い友達だと思ってた優依ちゃんの大事な秘密なんだもん。しっかり触れておかなくちゃ!」
ものすごく良い笑顔で俺に語り掛けてくるまどかさんがめっちゃ怖い!
楽しそうに見えるんだけど俺的にはなぜか怒ってるようにも見えるんだよね!ほんとに何故か!?
にぎやかなフードコートが一瞬で尋問部屋と化している!
「今まで全然気づかなかったよ。優依ちゃんそんな素振り全く見せてくれなかったんだもん。わたし、優依ちゃんと仲良いと思ってたんだけど気のせいだったのかな・・?」
シュンと悲しそうなまどかの素振りに罪悪感が募っていく。
間違いねえ!これは怒ってる!どうしてかわからないけど激怒してそうだ!
俺に罪悪感を募らせるためのお仕置きをしてるとしか思えねえ!
「・・まどかさん」
「・・なあに優依ちゃん?」
あんまりにも気まずいんでまどかに話しかけてみるも傷ついたような表情を見せてくるのでとうとう俺の罪悪感はMAXに到達してしまった。
耐えられなくなった俺は両手を机につけて勢いよく頭を下げる。
「今まで隠しててごめんなさい!そして出来ればこのことは他の人に内緒にしてください!」
公衆の面前がどうとか言ってられない。
罪悪感があるってのもそうだがまどかをこのまま悲しそうな表情にさせておくと紫のセコムに背後から襲われてしまいそうだからというのもある。それはやだ。怖い。
いいなぁセコム。頼りになるなぁセコム。
誰か俺のセコムやってくれないかな?せめてこの一か月だけでもいいから。
てか今の立場逆転してない?なんで俺謝ってんだっけ?
「・・さやかちゃんには?」
「え?」
「さやかちゃんには打ち明けないの?」
謝罪後ようやく口を開いたまどかの第一声は自分の親友のことだった。相変わらずお優しいことで。
真剣な表情で俺を見ているからここは真面目になった方が良いみたいだ。
「・・今のところ打ち明けるつもりないよ。元々(例外はあるけど)誰にも打ち明けるつもりはなかったし。まどかの場合は俺のミスでバレちゃったから」
とか言っちゃったけど絶対さやかにもバレる!断言できるぞ俺は!
※俺の素を知ってる人達
〇元々知ってる人 :母さん、トモっち、
〇俺から打ち明けた人:シロべえ、ほむら
〇うっかりバレた人:杏子、マミちゃん、まどか(NEW!)
まとめるとこんな感じか。
どうせマミる後のさやかの契約で関わるだろうしその合間に話すだろうから先に話しておくのも悪くないかも。さやかの性格上からかってくるだろうけどすんなり受け入れてくれそうだし。
それにしても改めて振り返ると俺の素を知ってる人ってほぼ主要キャラで占められてるな。
・・とっても不吉だ。
「じゃあ、さやかちゃんには伝えないの?」
再度確認するようにまどかは念押しで聞いてくる。どうやらさやかが知る事が余程大事らしい。
「うーん、さやかは受け入れてくれそうだし、機会があれば(絶対あるだろうから)話そうかなって。ほら、やっぱりこういう口調って女子の間じゃ悪目立ちしちゃうから慎重にならないと」
「そっか・・あ、ほむらちゃんは知ってるんだよね?優依ちゃんの事・・」
「うん、あとマミちゃんも知ってるよ?(ついでに杏子も)」
「・・・・二人と仲良いんだね?」
「ま、まあ・・あの二人(+一人)は魔法少女っていう特殊事情があるからね」
「・・・・・・・・・」
なんだこの空気?なんでこんなに重苦しいの?
まどか何も言わないで俯いて黙っちゃうし怖っ!
しかも「仲良いんだね?」って凄い刺々しい言い方だったよ!?
おかしいな!?まどかの謝罪から始まり俺の口調尋問に移り最後は浮気を問い詰められた後の気まずい雰囲気にもつれ込んでいる!?
なんだこれの流れ!?
いやだめだ神原優依!こんな事している場合ではない!
お前は立ち止まっている場合じゃないんだ!
今ここで立ち往生してたらそれこそ紫のセコムの標的になってしまうぞ!
そもそもまだ「優依ブートキャンプ」は始まったばかりじゃないか!
実行を継続するべきだ!決してこの重たい空気をぶち壊したいとかそんなんではない!
やるんだ俺!
「そうそうまどか、このあと時間ある?」
方針が決まったのなら即実行する。それが俺の死亡フラグ回避ポリシーだ。
「あるけど・・どうしたの?」
「じゃあ一緒に行こう!」
「えぇ!?優依ちゃん!?どこに行くの!?」
驚くまどかの手を引っ張って俺はフードコートを離れ、とある場所を目指して駆け出した。
俺が今出来る事は「優依ブートキャンプ」を実行する事だけだ!
まどかside
「鹿目さん、私を気遣ってくれてありがとう。でもやっぱり優依ちゃんがいないと・・」
どうしよう?どうしてこんな事になっちゃったんだろう?
・・・わたしのせい?
もし魔法少女体験コースをしていたあの時、わたしが優依ちゃんを無理やり魔女の結界に押し込んでなかったらこんな事にはならなかったかも・・。
そしたらマミさんだってあんなに寂しそうな顔しなかった。
どうしよう!?絶対わたしのせいだ!
はやく優依ちゃんに謝らなきゃ!
「絶対優依は転校生に脅されてるんだよ!」
優依ちゃんが今日学校に来てくれてよかった。
よかったんだけど教室に着いて最初に目にしたのが優依ちゃんがさやかちゃんを必死に取り押さえている場面だった。よく分からないけどさやかちゃん、ほむらちゃんに怒ってるみたいで今にも殴りかかりそうなくらいカンカンだった。
だから急いでさやかちゃんを宥めたんだけどずっとほむらちゃんは優依ちゃんを脅してるって言い続けてた。宥めるのに必死で結局時間が過ぎちゃって謝れなかった。
仕方ないからお昼に謝ろうと思って探したんだけど優依ちゃんはどこにもいなくてお昼休みが終わっても戻ってこなかった。そういえばほむらちゃんも戻ってこなかった。
ようやく戻ってきてもさやかちゃんがほむらちゃんを睨んでて今にも爆発しそうな感じでずっと不機嫌だったから話せなかった。
・・やっぱりわたしのせいだよね?
そしたらさやかちゃんだってほむらちゃんのことであんなに怒ったりしなかったかもしれないし、何より優依ちゃんが危ない目に遭う事もなかった。
全部全部わたしのせい!謝らなきゃ!
わたしを許してくれなくても構わない!
せめてマミさんとさやかちゃんとは仲直りしてもらおう!
そう思ってたのに、
「おぉ!まどか可愛い!」
・・・何でこんな事になってるんだろう?
放課後、帰宅途中の優依ちゃんを見つけて勢いのままに謝ったんだけど、何故か今わたしはコスプレさせられてる。これで十着目で今は天使の恰好だからとっても恥ずかしい。それなのに優依ちゃんはそんなわたしを見てすごく嬉しそうな笑顔を浮かべながら「可愛い」を連呼してる。
こういうのは絶対優依ちゃんの方が似合ってて可愛いのに・・。
それにしてもずっとこの街に住んでるけどゲームセンターのプリクラコーナーでコスプレ出来るなんて知らなかったな。優依ちゃんその情報どこで知ったんだろう?
「はあー・・まどかはやっぱり可愛いな!次は何着てもらおうかな!?」
うっとりした表情でわたしを見てる優依ちゃんは携帯で写メした後すぐにうきうきした様子で再び衣装を探している。
わたしって何してるんだろう・・?
えーと・・ほむらちゃんと二人で歩いてた優依ちゃんに急いで謝ってそこから連れてこられたフードコートでちゃんと謝った。
拍子抜けするくらいあっさり許してもらったけどほむらちゃんからはマミさんと縁を切れって言われてそれに怒ったらほむらちゃん帰っちゃった。落ち込むわたしを優依ちゃんが慰めてくれたついでに何故かわたしの良い所を褒めだしてくれた。そのおかげで心が落ち着いてきて優依ちゃんの口調がいつもと違う事に気付いて・・
隠されていたのが悲しかった事と、ほむらちゃんやマミさんが知っていた事にムッとしちゃって優依ちゃんに意地悪しちゃった。
・・・本当にわたしは何してるんだろう?
困ってる優依ちゃんが可愛いと思うなんて最低だよ・・。
「まどかは小悪魔の衣装も案外似合うかもなー」
自己嫌悪中のわたしの耳に届く優依ちゃんの楽しそうな声。
衣装を選んでるからわたしに背中を向けてるけど本当に楽しいみたいで声が弾んでる。
どうしてそんなに楽しそうなんだろう?
その理由がわたしと一緒にいるから楽しいって思ってくれてるからなら嬉しいな・・って何考えてるのわたし!?
「~♬」
一人慌てふためくわたしに気付かず優依ちゃんは服選びに夢中になってる。
ふふ、今度は鼻歌まで歌いだしちゃったみたい。可愛いなぁ。
子供みたいにはしゃぐ優依ちゃんがとっても可愛くてクスリと笑っちゃう。気づかれてないよね?
「次はこれかなー?」
そう言って新しい衣装を見せるためわたしの方に振り向いた。
そんな何気ない動作もとっても洗練されてて綺麗・・。
そういえば優依ちゃんと二人っきりなのって初めてかも。
優依ちゃんがいる時はいつもはさやかちゃんや仁美ちゃんが一緒にいるもん。
今は二人きり・・・。
「////」
「? まどか大丈夫か?」
「う、うん!大丈夫だよ!何でもないから!」
一度でもそんな事考えると変に意識しちゃって顔に熱が籠る。
それを体調が悪いと勘違いしたらしい優依ちゃんがこっちに向かってくるから慌てて何でもないと取り繕っちゃった。
うぅ・・心臓の音、優依ちゃんに聞こえてないといいんだけど。
「そういえばまどかと二人は初めてだね?」
「え!?う、うん!そうだね!」
今気付いたらしい優依ちゃんは何でもない風にそんな事を口にしてる。
わたしと同じことを思ってたみたいで嬉しいけど意識してる事をズバリ指摘されちゃって思わず声が上ずってしまう。心臓が更に早く動いてて鼓動がうるさいよぉ・・。ホントに聞こえてないよね?
うぅ・・こんなにドキドキしたの優依ちゃんが転校した時以来かな?
お姫様みたいに可愛い優依ちゃんとどうしても仲良くなりたかったから引っ込み思案なのにわたしは声かけようとしてた。今思い出してもよく話しかけようと考えてたなんて驚き。
結局それはさやかちゃんが先に優依ちゃんに声かけちゃったからできなかったんだけど。
それでもよかったと思う。だってこうして優依ちゃんと仲良くなれたんだもん!
「あ、言い忘れてたけど俺の素の口調で話すのなんて魔法少女を除いたらまどかが初めてだったわ」
「え!?本当!?」
「わ!?」
またまた何でもない風に爆弾を口にしてる優依ちゃんに思わず顔を近づけて聞いてしまう。
だってそれって・・、
「優依ちゃん!それ本当なの!?わたしがその・・優依ちゃんにとっての初めての・・」
秘密を知った友達って事になるよね?
「え?うん、まあそうだよ・・」
わたしの勢いにたじろぎながらも優依ちゃんは肯定してくれた。自然と顔に笑顔が広がっていくのが分かる。
すごく嬉しい!優依ちゃんにとってわたしはただの友達じゃないって事になるんだよね?
・・・でも、
「わたしなんかで良いのかな・・?」
さっきまでのウキウキした気分はすぐになくなってしまった。
当然だよね?だってわたしは鈍臭いし取り柄なんて何もない。
そんなわたしが優依ちゃんの大切な秘密を知ってるなんて何だかおこがましく思えてくる。
自分で言っておいてますます落ち込んでしまう。泣いちゃいそうだよ・・。
「え?何でそんなに落ち込んでるの?良いに決まってるじゃん」
「え?」
訳が分からないと言った感じの優依ちゃんがキョトンとした表情でわたしを見てる。わたしの訳が分からなくてキョトンしてしまう。
「何度も言うけどまどかは優しくて可愛い俺の自慢の友達だよ」
「! ・・うん」
素敵な笑顔でそうはっきり言ってくれて思わず涙が出そうになるも慌てて顔を伏せる。
本当はありがとうって言いたかったけどそれ以上言葉が出てこなかった。
今日は優依ちゃんに謝って良かった。ううん、優依ちゃんと友達になれて良かった。
わたしとお話してくれるし笑いかけてくれるのが何より嬉しい。
それはわたしにとって幸せな事でまるで夢を見てるみたい。
・・・夢なのかな?
「いたっ」
「どうしたのまどか?」
「うぅ・・ううん、何でもない」
試しに頬を抓ってみたけどとっても痛いや。これは夢じゃなくて現実なんだ。
つまりわたしは優依ちゃんにとって特別な友達になったのは現実だって事だよね?
そう考えると思わず頬が緩んでしまいそう。
「・・ねえ優依ちゃん」
気付けばわたしは名前を呼んでた。
「何?」
呼ばれた優依ちゃんは?の表情でこっちを見てる。
「優依ちゃんもコスプレしよ?」
にっこり笑って優依ちゃんの手をがっしり掴む。
運動は普通だけど優依ちゃんより力があるみたいだから多分わたしの拘束からは抜けだせないと思う。
「え!?いや俺は・・」
案の定慌てている優依ちゃんは何とか逃げ出そうともがいているけど掴んでる手を引き剥がせないみたい。か弱いお姫様みたいですごく可愛い。
「優依ちゃんこういうの着たら絶対に可愛いよ!わたしなんかの保証じゃ心配かもしれないけど信じて!大丈夫!頑張って似合う衣装選んでくるから!」
「着る前提!?だから俺は着ないって!」
「わたしは優依ちゃんに頼まれてもう十着は着てるよ?」
「う・・」
「それなのに優依ちゃんだけ着ないなんて不公平だよね?」
「・・はい、そうですね・・」
さっきよりもっとにっこり笑ってそう言えば優依ちゃんは観念したみたいで項垂れてしまった。
そんな様子を見てますます笑顔になって優依ちゃんの手を引っ張った。
今日からわたしは優依ちゃんにとって特別になれたと思う。
貴女の大切な秘密を知ってるんだもの。今までと同じ関係じゃだめ。もっと深い関係になりたい!
取りあえず優依ちゃんにもコスプレしてもらおう!
色んな衣装を着た優依ちゃんを見てみたいし何より少しは気晴らしになると思うから。
ここ最近優依ちゃんは何かに悩んでるみたいでよく困った表情をするもん。何も言わないけどきっとそれは魔法少女の事だと思う。
何も話してくれないのは、きっとわたしがまだ頼りないから。
だからわたしは今のわたしが出来る範囲で優依ちゃんを支えていこうと思う。
取りあえず今は気分転換のコスプレ着せ替えしなきゃ!
大丈夫ちゃんと携帯で撮影して大事に保存するから安心して!
今はこんな事しか出来ないけどいつか必ず貴女の友達にふさわしいわたしになるからね!
ほむらちゃんとの事も頑張ってみる!
だってわたしは優依ちゃんにとって
『優しくて可愛い優依ちゃんの自慢の友達』だもん!
それに見合うようにそして、わたしにしか出来ないって言ってくれた優依ちゃんの期待は裏切らないようにしなきゃ!
やれるところまでやってみる!
だからこれからもずっとわたしと仲良くしてくれると嬉しいな優依ちゃん!
「神原優依、説明してもらえるかしら?」
深夜遅くのほむホームにて俺は突然ほむらに後ろから銃を突きつけられ絶体絶命のピンチに陥っている。部屋が暗いうえに背中を向けているからほむらの表情は分からないが声からして怒っているのは明白だ。それも激怒に近い。
下手に刺激してしまえば身体に穴が空いてしまう。ここは慎重に対応しなければならない。
頬に汗が伝うのを感じながらほむらに交渉を試みた。
「俺が何をしたっていうんだ?今日は俺よりもほむらの方が色々やらかしてたじゃん。むしろ俺のほうが今のこの状況を説明してほしいくらいなんだけど?」
「とぼけないで!私がいない間にまどかに一体何をしたの!?様子がおかしかったのよ!?」
「? まどかに会ったのか?」
どうやらまどか関連の事みたいだ。道理でいつもよりカッカしてると思った。
「いいえ、会ってないわ」
「はあ?じゃあ何を根拠にそんな事言ってんのお前?」
「なんで・・」
「?」
突き付けている銃がカタカタ音を立てている。ひょっとしてほむらは震えているのか?何で?
「なんで私の携帯番号知ってるの!?」
部屋全体に響き渡る大音量に思わず耳を塞ぐ。
顔を見なくても今のほむらは真っ赤なリンゴ状態なのが目に見える見える。
「さっきまどかから電話掛かってきたのよ!?どういう事!?」
「あー・・・」
「私の番号を知ってるのは優依だけよ!絶対貴女が教えたんでしょ!?」
「うん、まあ教えたけど?それが何か?」
「それだけじゃないわ!私がどれだけ突き放す言葉を言っても、
『ほむらちゃんは本当にシャイなツンデレさんなんだね』って全く取り合わないのよ!?貴女まどかに何を吹き込んだのよ!?」
「何って?ありのままのほむらの話しかしていませんが?」
「何をどう話したらあんなポジティブシンキングになるのよ!?」
「やかましい!元をたどればお前が厄介な爆弾放り投げるからややこしい事になったんだろうが!むしろ俺はそれを回避し、しかも交友の機会を作った功労者だ!賞賛は受けても批判を受ける謂れはない!」
「う・・・」
「まどか自ら話しかけてくれるチャンスをみすみす逃すんじゃない!今こそ好機だ!はやくツン期から飛び立ってデレ期に羽ばたいて幸せを掴むのよ『ほむデレラ』!!」
「誰が『ほむデレラ』よ!!」
本日二回目の怒声が部屋全体に響く。
今日一日色々あったのにほむらは意外と体力があるみたいだ。
取りあえずいつものほむらのシャイ加減に安堵して力が抜けるわ。
ようやくほむらの顔を拝めてみると案の定顔を真っ赤にして肩で息をしていて笑える。
どうやらまどかは俺の頼みを実行してくれたみたいだ。
まさか自分から電話するとは。てっきり明日学校でほむらに話しかけるとばかり思ってたからこれは意外。良い傾向だ。念のためにほむらの携帯番号教えておいた甲斐があるというものだ。
しかしほむらに電話するという積極性だけでなく言葉の刃を無効にしてしまうスルー力まで披露するとはまどかに一体何があったんだ?あんなにほむらにビクビクしていたのに。
もしかしてこれが本物の主人公力というものだろうか?
まどか恐ろしい娘。
「優依ブートキャンプ」が功を奏したみたいで良かった。
自信回復させるためにまずは容姿から誉めてみようとまどかをプリクラコーナーのコスプレエリア(情報提供トモっち)で着せ替えしてたんだけど思いの外まどかはコスプレが似合う事が分かり元々可愛いのもあって本来の目的そっちのけで楽しんでしまった。
小悪魔の恰好も似合ってたな。うん。
最初まどかは戸惑い気味だったけど途中からめっちゃノリノリで逆に俺をコスプレさせてくる勢いになって驚いた。しかもまどかの倍近く着替えさせられた気がする。
ちなみにまどか曰く俺に似合っていたのは妖精の恰好だったとか。ありえねえ。
まどかは何であんなに元気になったんだ?
えーと、たしか・・俺が
「素の口調で話すのなんて魔法少女を除いたらまどかが初めて」とか言ったあたりだっけ?
うん確かに本当の事だ。見滝原では初めての女の子。
だって前の学校の女の子達は何故か俺の素の口調を知ってたし。
おかしいな?トモっちと母さんくらいにしかそういう話し方してなかったし彼女たちの前では控えてたのに?
「・・・・・・・・・」
「わ!?・・ほむら?」
考え事していたからさっきまで騒いでたのに急に静かになったほむらに気づかなかった。いきなりベッドに押し倒されて、ようやく意識が戻るも訳が分からない。押し倒した張本人はそこから何かする訳ではなくただ俺の胸に顔を埋めている。心なしかその身体は震えているように感じた。
振り解きたかったがガッチリ拘束されているのでどうすることも出来ずほむらの好きにさせておくしかない。俺はそのまま押しつぶされた状態でほむらが話すのを静かに待った。
「久しぶりだわ・・まどかの楽しそうな声を聞いたの」
「・・そっか」
ようやく話し始めたほむら。俺の胸に顔を埋めてるから声がくぐもっているが内容ははっきりと聞こえた。
「ええ、やり方は少し強引で色々おかしい所があるけど優依には感謝しかないわ。本当にありがとう」
「どういたしまして。だから降りてくれると嬉しいな」
そう言った直後にギュッと俺の服を掴んできたんですけどこの紫は今反抗期なのか?
「嫌。このままでいさせて?この幸せを噛み締めていたいの」
今日のほむらは甘えたいらしい。どことなく不貞腐れた子供みたいに感じる。
「・・どうせ、どいてって言ってもこのままなんだろ?」
「そうね。私をこんな風にした責任を取って今夜はずっとこのままよ」
「えー・・・」
「諦める事ね。・・今日はとっても疲れたの。治療も兼ねて頭を撫でてちょうだい」
「拒否権は?」
「ないわ」
「・・はいはい」
諦めの気持ちで我儘ほむらの頭を撫でてやる。見た目通りのうっとりするような触り心地だ。
俺はクセっ毛だからサラッサラストレートが羨ましい。
「ん・・」
気持ちよさそうに目を細めるほむらはそのまま俺に身を委ねている。
是非ともこのアングルで撮影したいものだが手元に携帯がないから諦めるしかない。非常に残念だ。
「・・もうすぐだね」
「ええ・・」
もうすぐマミる日が来る。
正直不安でたまらないし、マミちゃんとほむらの仲を良好に出来なかったのは痛い。
ていうか原作よりも更に悪い超険悪な関係にまで拗れているから最悪だ。
マミちゃんが終わったあともさやかの契約や杏子の襲来もあるかもしれないし頭が痛い。
「頑張ろうなほむら」
「・・・・・・・・」
「ほむら?」
「すぅ・・すぅ・・」
「げ・・寝てる・・」
返事がないし耳を澄ましていると胸の辺りから寝息が聞こえるからどう見てもこの紫、十中八九寝てやがる。
俺はベッドか?ベッドなのか?人が足りない頭で今後の事を真剣に考えてる時に!
シリアスな空気が一瞬で消えたぞおい!
「はぁ・・ま、いっか」
一先ずまどかとほむらがまずまずな関係になれた事は今回の救いだ。
この調子で良い流れに持っていこう!
「ねむ・・」
これ以上考えても仕方ないし俺も寝るか。
「おやすみーほむら」
思考を放棄した俺はほむらを布団代わりにして目を閉じた。
まどかちゃん編でしたー!
ギリギリ病んでませんのでご安心を!
次は分かりませんがねw
では次回からマミる編になっていきまーす!
ここまで来るの長かった・・・