ちなみにこの話からマミる編です!
分かっていた。分かっていたんだ。
こんな事になる事くらい!
ほむらの様子を見てこれは無理だろうなと薄々感づいていた。アイツ自身も、
「前の私はこれを使う機会がほとんどなかったからちゃんと出来るか分からないの。だから優依が察して欲しいわ」と言っていた。それに対して俺は了承した。
その結果、先程奴から届いたメールがこれ。
From:ほむほむ
本文:まどか
分かるか!!!!!これで俺に何を察しろって言うんだ!?
まどかの名前だけで内容理解出来るのはお前くらいだろうが!
携帯の操作不慣れっていうレベルじゃねえぞこれ!
こんなもんただの嫌がらせじゃん!必死に指導してる俺の心が折れるわ!
いや、うん。ほむらの携帯の操作はこの際、置いといて一応内容は分かるよ?多分。
何て言ったって今日は運命のマミちゃんが「マミる日」だ。
おそらくほむらが伝えたかったのはその事に関してだと思う。多分。
どうしてこんなメールが来たのかそれの経緯を説明しておきたい。
マミる=マミちゃんの死
それを回避するために主要な人物であるターゲット三人の動きをこちらでコントロールする必要があった。
ほむらとシロべえで相談した結果、以下の事を実行する事にしたのだ。
一番重要な人物であるマミちゃんは今日も休んでいるから放置するしかない。
彼女に関してはシロべえに押さえてもらえば大丈夫だろう。
残りはまどかとさやか。これに関しては問題なかった。
戦いの舞台である病院はさやかが上条の野郎をお見舞いするために行ったのだ。
要はそれを阻止すればいいだけの事。
だから俺はまどかに頼んで今日はさやかを病院に行かせないようにして欲しいと頼んだのだ。
まどかにちゃんとした説明はしてなかったが、
当の本人から「分かった。さやかちゃんを病院から遠ざければいいんだね?」と非常に理解ある返事がいただけたからこれもクリア。
これで主要人物は病院に行く未来はなくなった。
あとはほむらがお菓子の魔女もとい「俺のトラウマ」を倒せば万事OK!
そのために俺はほむらに代わって今日の日誌当番を引き受けた。
俺は日誌を書きながらほむらの連絡を待つだけで済む。
これでマミる未来は来ない!
そう思っていた。
計画は完璧だったはずなのにどこで狂った?
狂い始めたのはまどかから電話が来た時だ。
何でもまどかはさやかを病院から遠ざけるために買い物に誘ってショッピングモールに行ってたらしいんだけど道中キュゥべえの野郎がわざわざやって来て、
ご丁寧に「病院に今にも魔女に孵化しそうなグリーフシードがある」と告げ口しやがったそうな。
それを聞いたさやかはまどかの制止を振り切って病院に向かってしまい、
黒幕キュゥべえの下種野郎は「マミを連れてくるからさやかを追って!」と言い逃げされてしまったらしい。
慌てたまどかはすぐほむらに電話するも(何かあったら連絡するようにと言っておいた)繋がらず困り果ててしまい次に俺に連絡してきたからどういう状況か分かった次第だ。
まどかGJ!いやそれよりも、
何してくれてんだあの白い悪魔がああああああああああああああああああああああああああああ!!!
せっかく上手くいったと思ったのに!!パアじゃねえか馬鹿野郎おおおおおおおおおお!!
まどかには待機するようにと言おうとしたが言うよりも早く、
「さやかちゃんが心配だから追いかけるね!」と言われて電話を切られ、仕方なく俺からほむらに電話してみるもまどかの言う通り繋がらなかった。マジで何してんだあの紫?
居ても立ってもいられず急いで学校を出て、せめてほむらが魔女を倒すまでマミちゃんを足止めしようと家に向かうも途中でシロべえとまさかのバッタリ。奴曰くどうやら目を離した隙にマミちゃんはキュゥべえに連れ出されたらしい。最悪だ!!
そんな時に来たのが最初に見せたほむらからの謎メールだ。
全然分かんないけど今日の出来事の流れから見るにおそらく「まどかをお願い」と言いたいんだろう。多分。
理由は知らんけどほむらが今動けない以上、こうなったら俺が病院に先回りしてマミちゃんを止めなければ!とシロべえと話し合いでそう決めてそのまま病院に向かったんだ。
・・・・向かったんだけど・・・・
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!怖いいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
何故か俺は現在進行形でロープにしがみ付いている。
どうしてこんな事になってるかというとシロべえと一緒に病院に向かっている最中、突然空間が歪み気づけば俺達は晴れ渡る青空が広がる空間の中にいた。
三百六十度見渡す限り広がる青空
無数のロープが張り巡らされ、そこには洗濯物のように吊るされはためくセーラー服
そしてこの空間の主であろう蜘蛛のような六本の腕でロープにしがみ付いてるセーラー服を着た存在
こちらに向いたスカートは絶対領域な鉄壁ぶりのおかげで中が見えていない
間違いなくあれは「委員長の魔女」!!
命名「セーラー蜘蛛戦士」!
こんな時に最悪だあああああああああああああああああああああ!!
こんな急いでる時に魔女!何より近くに魔法少女がいない時に限って現れやがって!
何だこの狙ってやったようなタイミングは!?
まさかこれあの外道宇宙人共の仕業じゃないよね!?
くそ!急いでるのによりにもよってこの魔女かよ!
チラッと自分がしがみついてるロープを見る。
ある程度太さはあるが空中にあるからか少しの振動でよく揺れる。足場は最悪と言っていい。
床面積がこんなロープのみじゃ走るどころか歩く事すら出来ない。
だって俺だもの。間違いなくバランス崩して青空に向かって真っ逆さまだ。
これじゃ逃げることすら出来ない。笑えねえ!
今なら必死にロープにしがみ付いて怖がってたほむらの気持ちがよく分かる!
大丈夫だよメガほむちゃん!君はおかしくない!
おかしいのはこんな足場不安定なロープの上を平然と走ってたまどかとマミちゃんの方だから!
よくこんな所を走りながら攻撃出来たなあいつら!
「!? わわわわわわ!揺らすな!落ちるだろうが!」
「好きで揺らしてる訳ないでしょ!僕だって落ちたら死ぬんだから必死にしがみ付いてるだけだよ!!」
シロべえも一緒に結界に巻き込まれたから落ちないようにロープにしがみ付いている。こっちも落ちないようにしがみつくのに必死で動けそうにないみたいだ。もちろん俺が動くのなんて論外だ。ほぼ間違いなく地獄逝き確定のスカイダイビングをするはめになるだろう。
しかしタイムリミットが迫っている。
いつまでもこんな所で立ち往生してる場合でない!
幸いあの魔女は攻撃どころか動く気配もない。今の内に脱出方法を探さなくては!
「シロべえ!ここから出る方法はないのか?急いでるんだけど!」
「僕だって必死に探してるよ!でも動けない現状どうしようもない!今のところあの魔女を倒す以外方法はないよ!」
「マジかよ!倒すにしても武器とかあんの!?」
「ないね!僕が作ってるのは基本、便利な日用品くらいなものさ!」
「つまり倒すの絶望的って事じゃん!魔女と出くわす事もありえるのに何で作らなかったの!?」
「それは僕のポリシーに反するからね!相手を傷つけるための道具に何の意味があるのさ!?最後はお互い消耗して自滅するだけ!自我を得てからその無意味さを思い知って武器は作らないと決めてるんだ!僕が目指すのは皆を幸せにする某猫型ロボットの便利道具さ!」
「そのどうでもいいポリシーのせいで今俺らピンチなんですけど!?」
シロべえの妙なこだわり論を聞き流しつつ他に手がないか必死に頭を回転させる。ああなったらシロべえは止まらない。一体誰に似てしまったんだろうか?
現状で一番良いのは魔法少女が倒してくれる事だがはっきり言ってそれも期待できない。今この街にいる魔法少女のほむらとマミちゃんは病院に向かっており助けには来ないだろう。
ていうか相手が相手だから下手すりゃここよりも向こうの方が危ないわ。うん。
やっぱり俺の頭では良い案が浮かんでこない。
でも頼りになるシロべえも手だてがないようだし・・。
今まだ希望はある。シロべえの道具だ。
これまでの傾向から思いがけない効果を発揮するかもしれない。
本来の用途とは違うだろうが現状を打破する一手になる可能性もある。
他に手段がない以上やるしかない!
「こうなったら二人であの魔女をどうにか退けないといけないみたいだな。こうなったら何でもいい。今持ってる道具を確認して使えそうな奴を片っ端から使ってみよう!シロべえ頼む!」
未だにじっとして動かない魔女を注意深く観察しながら近くにいるシロべえに道具を受けとろうと手を伸ばす。やるんなら今しかないだろう。倒せなくても怯ませるくらいなら出来るかもしれない!
「・・・・・・・・・・・」
伸ばした手に何か乗せられて感触はない。返事すらなかった。
「シロべえ? ! この野郎・・!」
あまりに静かだから不審に思った俺は「セーラー蜘蛛戦士」からシロべえに視線を移したが奴の様子に思わず青筋を浮かべてしまった。
奴は俺のすぐ傍にいた。
しかし微動だにしないお座り状態で片足をちょこんと上げてもう片方の足はどこから出したのか小判を持っている。俗にいう招き猫のポーズだ。
・・招き猫のふりしてこの場をやり過ごそうとしているのだろうか?
「何やってんだお前はああああああああああああ!?一人だけずるいぞ!片足上げて何招こうとしてんだ!?今んとこ死亡フラグしか招いてねえぞ!!」
怒りの絶叫を叫ぶ。
魔女が襲ってこようが知ったことかああああああああああああああああ!!
コイツ実質俺を見捨てて自分だけ助かろうとしてるってことだろうがああああああああああああああああ!!
通常運転の無表情がこの時ばかりは普段の数百倍ムカつく!!
あらん限りの力を込めて首を揺さぶってみるも奴は動こうとしない。
あくまで招き猫を貫くつもりらしい。その無表情をぶん殴ってやりたい!
”!”
「?」
そんなくだらないやり取りが続いてる最中、何かを感じ取ったのか動く気配のなかったセーラー蜘蛛戦士がしきりにそわそわ動き始めた。何だ?何かあったのか?
「え?うわぁ!?」
澄み渡る青空なのに俺達の頭上には雨が降っている。
何を思ったのかこの蜘蛛子さん絶対領域で支配されたスカートの中から机やらイスやらが絶え間なく発射している。標的は俺達らしく広範囲に土砂降りレベルで落ちてくる。
ついに恐れていた魔女の攻撃が始まってしまった。
あれに当たったら一発OUTは間違いない。転落死の意味でも撲殺の意味でも!
「く!シロべえガード!!」
「優依のばかああああああああああああああ!!」
俺は咄嗟の判断で掴んでいた招き猫を頭上に掲げて降り注ぐ落下物から身を守る。
何やら盾にしてる招き猫が喋ったり動いたりしてる気がするがきっと気のせいだ。
物が動くはずがないから別に問題ないはず。
だってずる賢く自分だけ結界張ってるらしいありがたい招き猫だもの。
きっと災いから俺を守ってくれるさ!
「!? ひゃぁああ!」
しばらくそうしてやり過ごしていたからか中々落ちない俺達に痺れを切らしたらしいセーラー蜘蛛戦士は次に俺達がいるロープを揺すってくる。それもバランスを保つために残してあるスカートの手以外の全ての手を駆使して力いっぱいに揺らしまくるガチぶりだ。
どうやら向こうは本気で俺達を殺したいらしい。
しかし何故だ?「セーラー蜘蛛戦士」よ。
さっきまであんなに大人しかったのに一体何が貴女をそこまでする程に駆り立てているんですか?
「ぅおっと!」
「きゅぴぃ!」
尽きない疑問で気を緩めてしまったのか危うく落ちそうになったので反射的に掲げていた手をロープに戻す。しかしその弾みで招き猫よろしくやってたシロべえをロープに叩きつけてしまったので下から変な音が聞こえてきた気がする。
「うぅぅぅぅぅ」
揺れが左右だけに限らず上下も含めて滅茶苦茶に揺れているので落ちないように必死にしがみついているが動きが激しいので酔いそうだ。
「わひゃ!」
「うお!」
俺よりもシロべえが揺れで激しく身体も揺れているので今にも落ちそうだ。さっきなんてマジでヤバかった。慌ててそれを阻止するためにシロべえを俺の下に手繰り寄せて身体が揺れるのをせき止める。シロべえはこれで大丈夫だろう。
でもこのままじゃ落ちるのも時間の問題な気がする。一体どうすれば?
「っ!?」
「優依!」
ついにバランスを崩してしまい前のめりで落ちかけるも何とかロープに捕まる事に成功した。身体を宙ぶらりんにさせながらも必死にしがみついているから何とか生きながらえている。ただしロープに食いついた俺の手がいつまでもつのかの話だが。
「ふぐううう・・・!」
「頑張って優依!ここが正念場だよ!今こそ君の潜在能力を発揮する時だ!火事場の馬鹿力とやらを行使するんだ!」
「うるさい!出来たらもうやってるから!そんな事より早く引き上げてええええええええええええ!!」
「何言ってるの!?それが出来たら苦労しないよ馬鹿!!」
俺の裾を引っ張って引き上げようとしてくれてるけどシロべえ自身も力がないからあまり効果がない。てか制服伸びそう。その間にもセーラー蜘蛛戦士が容赦なくロープを揺らしてくるので落ちないように耐えるのだけで精一杯だ。
うぅぅぅぅ!落ちる落ちる落ちるぅぅぅぅ!
どうした俺の潜在能力!?今ここで発揮しないでいつ発揮するんだ!?
発揮できなきゃ俺死んじゃう!早く出てきてくれ!
・・・・・・・・・・・。
・・あれ?普段の俺ならすぐに落ちそうなのに意外と耐えてる?
これが火事場の馬鹿力ってやつなんだろうか?うん・・そうみたい。
何故だ!?それならせめて身体を引き上げるくらいの力があってもよくない!?
俺の潜在能力の発揮の方向性がおかしい!
「ぐ・・・・!」
とはいえずっとこの調子だから流石に腕が疲れてきた。というよりもう感覚がない。
さっきまで掴んでるロープが指に食い込んで痛かったはずなのに。腕もプルプル震えてきた。限界が近い。
「優依!ちゃんと掴んで!」
「うぅ、もうダメ・・」
シロべえの頑張りも虚しく俺の身体に限界が来てしまった。
握っていた手を徐々に緩め、今は指にロープを引っかけているだけの状態だ。
・・・落下まであと何秒?
「ったく、見てらんねえな」
「え・・?」
何が起こったのか分からなかった。俺の目がおかしくなってしまったのか?
激しい風の音が聞こえて何だろうと思い、音がした方に顔を向けて思わず目を見開く。
「セーラー蜘蛛戦士」が縦に真っ二つに割れている。
比喩でもなんでもなく文字通りそのまま。
「優依!呆けてる場合じゃないよ!しっかり手を握ってるんだよ!」
「う、うん! うわっ!?」
シロべえの一喝により正気に戻った俺は慌ててロープを掴んでる手に集中する。
その直後に魔女の身体が凄まじい音を奏でる爆発に包み込まれる。激しい爆風が周囲に広がり魔女から遠くにいる宙ぶらりん状態の俺がいる所にも激しい勢いでやって来た。
「うぅ、あっ・・!」
「優依!」
爆風に耐えられなかった俺はロープから手を放してしまい、そのまま爆風に流されあっという間にシロべえがいる場所から遠ざかり見えなくなってしまった。
やがて爆風が止んだのでそのまま俺は重力に従い頭を下に向けて真っ逆様。
「ひゃああああああああああああああああああああああ!!」
こんな生命の危機でもスカートを押さえる俺はかなり女子力が身についたかもしれないと頭の片隅でぼんやりと思う。死の直前までこんな事考えてるなんて俺はアホなのか!?
勇気を振り絞って下を見るも一向に地面が見えず青空が広がっている。
この青空の空間には地面があるのか知らないがこのまま落ちるのは勘弁だ!
何でか分かんないけど魔女が倒されたんなら早く結果解除してほしい!
あ、だめだ。今解除されたら俺そのまま頭かち割れる!どうしよう!?
「誰か助けてえええええええええええ!!うゅ!?」
絶望の死が近いため、なりふり構わず助けを求めるための叫びをあげるも途中で遮られてしまう。何かが俺の身体に巻きついて引っ張っているからだ。
うぅぅ・・目が回る・・。
その衝撃で三半規管をやられた俺は何の抵抗も出来ずに成すがままに流れに身を預けるしかなかった。耳にはどこからかジャラリと鎖のような音が聞こえてくるが正直気にする余裕は今の俺にはない。
目を開けていられないほどのスピードが出ているため俺に何が起こっているて今どういう状況か分からない。
__ポスンッ
「・・・?」
やがて柔らかい何かにぶつかりそのまま俺の身体は拘束された。
落ちてる時の空気抵抗と浮遊感がなくなってほっとするも恐怖から解放されて冷静になってくるとこの異様な状況にじわじわと恐怖を覚えてくる。
俺を拘束してるのは何だ?考えられるのはシロべえか?
いやでも途中で遠くに飛ばされて見失ったし何より触れてる感触がシロべえと全く違う。
じゃあ何だ?俺の腰に回してるのって腕っぽいから人か?
そういや前もこんな事あったような気がする。でも誰?
一番ありえそうなのはあの魔女だ。だって人型だったし。
実はあの時、死んでなかったりして・・?
「う、うわ!?」
恐怖に駆られた俺は拘束から逃れようともがくも相手の方が力が強いのか俺の貧弱な抵抗は通用せず逆にあっさり抑え込まれる。その圧倒的な力の差にますます恐怖が出てきたため今度は両足をバタバタさせて出来る限り暴れた。
こんな所で捕まって食べられるなんてやだ!
それならまだ落ちた方がマシだ!
今からマミるもあるのに死んだら悔いが残る!
いや、なによりまだ死にたくねえええええええええええええええええええ!!
「うわあああああああああああ!離せ!離せぇ!!」
「おい暴れんな。また落下してえのか?」
「・・・え?」
聞き覚えのある声が耳元で聞こえてピタリと動きを止める。今なんて言った?
喋れるって事は魔女じゃない?てか、この声って・・いやまさか・・ね?
だってアイツは今風見野にいるはずじゃ?
俺を拘束してるのって・・?
恐怖よりも好奇心が勝ったため、そっと目を開けると視界に鮮やかな赤が広がっている。
試しに目をこすってもその赤色は色あせる事はなかった。
俺の知る限りでは赤を身に纏っている人物は一人しかいない。
まさか・・まさか・・!?
ギギィと動きの悪いロボットのようなぎこちない動きで顔を上に向け、そして呆然としてしまった。
「・・・・・・へ?」
見上げた先にいた人物に思わずマヌケな声が漏れる。
人間予想外の出来事が起こると声を失うらしい。嘘かと思っていたが本当のようだ。
「何だよ?驚きすぎて今度は声が出ないのか?」
「え?えぇ!?」
今の状況が徐々に分かってくると同時に今度は頭がこんがらがってきて先程の恐怖とはまた違ったパニックに陥る。何とか冷静になろうとしてみるも混乱は収まらず次第に目もグルグル回りだす。
そんな俺の様子をソイツはとっても微笑ましそうに見つめていて落ち着かせようと頭まで撫でてくる。そのせいでますます混乱を極めそうだ。
何で?え?どういう事なの!?
俺が驚くのは無理ないと思う。だって、
「驚いた顔も可愛いな優依」
「杏子ぉ!?」
ここにはいるはずのない”佐倉杏子”が微笑みながら俺を抱きしめていたから。
何でここにいるのおおおおおおおおおおおおおおおお!?
マミる編なのにマミちゃん出てこず何故か杏子ちゃんが出てきましたw
カオス展開まっしぐら!どうなる事やらw
ちらほら聞くマギレコの番外編ですが、現在いろはちゃんのお話作ってます!
早くてマミる編終了後、遅くてさやか契約騒動編終了後に投稿する予定になってます!
思ったよりいろはちゃんの話が長くなりそうで憂鬱です。流石主人公・・。