遅くなってすみませんでした!
ほむらside
「くっ、出遅れた!」
ようやく病院に辿りついた私は急いで魔女の反応がする場所へと向かう。
まさかこんな事になるなんて誰が想像出来たって言うの?
優依達と考えた作戦でまどか達を病院から遠ざけ私が魔女を倒す手筈だったのにその道中でまさか別の魔女に出くわすなんて予想外だわ。
しかも今までこの見滝原で見た事ない魔女だった。
「ワルプルギスの夜」には遠く及ばないけどそれでも今まで戦ってきたどの魔女よりも強くて倒すのにかなり苦労してしまった。今思い出しても勝てた事が奇跡に近いと思う。本当に危なかった。
強い上にどの時間軸でも見たことがない。
ひょっとしたらたまたま出くわさなかっただけかもしれないが、「ワルプルギスの夜」を倒すためにグリーフシード集めをしていたから見逃していたとは到底思えない。
それに不可思議なことにあの魔女は喋っていた。
ちゃんと聞き取れた訳じゃないけど確か、
”ダイスキ”
”ハナサナイ”
”モウニガサナイ”
そう言っていた気がする。
魔女が喋るなんて・・まさか自我が残っているの?
誰に向けて語りかけているのか分からないけどかなりその相手に執着しているみたい。
絶命する間際に、
”ワタシカラコノコヲトリアゲナイデ!”
と叫んでいた。
最初は意味が理解出来なかったけど出てきたグリーフシードを見て何となく悟った。
グリーフシードが二つある。
グリーフシードは元々魔法少女のソウルジェムから生まれたもの。
それが一体の魔女から二つ出てきたという事は魔女同士合体した?
でも魔女になったら元の人格を失われるはずなのにどうして?
・・一体どうなってるの?
そこである悪い考えが思い浮かんでしまった。
まさか・・魔法少女同士が合体した魔女だというの?
それなら多少説明はつくはずだけどどうも腑におちない所が多い。
分からない。この時間軸は他とは違う。
明らかに異常だ。
とても気になるがあの魔女の事を考えている暇はない。今は巴マミの事だ。
今回の魔女の事はそれが終わった後に考えればいい。また戦う可能性もあるし何よりこれは一人で背負える問題じゃなさそう。
余計な考えを振り払うように頭を振って思考を切り替える。
目の前にはお菓子の魔女の結界の入り口がある。
ここから気配を探ってみると既にまどか達は結界内に入っていることが分かった。
巴マミの魔力を感じるからどうやらシロべえ(そう呼んであげてと優依に言われた)の方は彼女を抑えるのに失敗したらしい。使えないわね。
このまま彼女たちを放っておけば巴マミは死に、戦える者がいなくなってしまうからインキュベーターに唆されたまどかが魔法少女になるかもしれない。すぐに追いつける距離だしこのまま突入しようかと思ったけど思いとどまる。
優依は一体何をしているの?
出来ることならあの娘と合流してからにしたいけど今尚、音沙汰がない状態が続いている。
今回の事についておそらくシロべえかまどかから聞いているとは思うけど今はどこにいるのかしら?
私は魔女に遭遇したから優依の方も何かあったとみた方がいい。
少し心配だけどあの娘ならきっと大丈夫でしょう。
あのうっとしいシロべえのおかしな道具を護身用に持っている事だし何より彼と合流してる可能性が高い。
今は無事だと信じるしかない。
私がまどかと優依の二人から連絡が入っている事に気づいたのは魔女を倒したあとだ。
まどかからのメッセージで今何が起きているのか理解できた。
どうやら美樹さやかがインキュベーターに唆されたらしい。まさかあいつ等が露骨に干渉してくるなんて。
まどかが協力的でありがたい。
留守電を確認した後もう一度こちらから連絡を取ってみても留守電に切り替わってしまった。
あの娘の事だ。おそらく美樹さやかを心配して病院に向かったのだろう。
本当に優しい娘。だからこそ私は救おうと決めたんだった。
それと同時にインキュベーターの罠に引っかかる迂闊さに腹が立つ。
少し考えれば罠だとわかるはずなのに!
まどかの優しさを利用するなんて相変わらず汚いやり口ね!
病院に向かう間、先を急ぎながらも優依にも連絡を入れておく。
移動しながら電話をするのは私にはまだ難しいからメールを打っておいた。
書きかけ途中で送信するけど優依なら「まどか」の名前で察することができるはず!
意味は”まどかを足止めして”
きっと優依なら分かる!
そう信じてメールを送信した。あの娘はそれを見て察してくれたらいいんだけど。
「遅い・・。もうこれ以上は」
私が結界の入り口にたどり着いてもう数分が経つ。一刻を争う時間。今から急げばまだ間に合う!
・・優依を待ってる時間はもうない。ここは私一人で何とかするしかなさそうね・・
一度だけ優依がやってくるだろう方向を一瞥して結界に中に足を踏み入れる。
ここからは私一人でやるしかない。
覚悟を決めて結界に突入し、すぐさま気配を探る。
魔女を刺激しないように変身しないままほとんど走っている状態で後を追う。
何としてまどかを助けなくちゃ!
”ほむらちゃんおはよう”
今日、私にそう笑顔で話しかけてくれたまどかの笑顔が脳裏に過る。
ほとんどの時間軸でまどかを避けて突き放してきたからいつも怯えられていた。あんな風に笑いかけてくれるのは本来の時間軸か時間遡行をし始めた時の最初頃の時間軸くらいのもの。
私は魔法少女。
だから私と関わっていたら、まどかはいずれ魔法少女になってしまう。
だからずっと避けていた。今回もそうするつもりで冷たくしていた。
それなのに、
「こんばんは、ほむらちゃん。いきなり電話してごめんね」
「!?」
いきなり電話が来たときは驚いた。
どこか見覚えのある電話番号だったから不審に思いながらも試しに電話に出てみたらまさかのまどかからで変な声が出てたと思う。
優依と二人帰っていた放課後、まどかがやってきていきなり謝りだした日の夜の事だった。
フードコートで冷たく突き放し、二人を残して先に帰ってしまった。
もうこれでまどかは私に話しかける事はないと思っていたのに、どうなっているの?
それよりどうして私の携帯番号を知っているの?教えていないのに?
いえ・・まどかに私の携帯番号を教えた人物に心当たりがある。
絶対優依が絡んでいる!
勝手な事をした優依に怒りを覚えつつも、もう一度冷たくしたのにこの時のまどかには全く通用しなかった。どんなに辛辣な事を述べても「そうなんだ」でスルーされ、挙句の果てには私をツンデレ扱いする始末。
高確率で優依が何かを吹き込んでる。
怒りと呆れを感じながらも楽しそうなまどかの声と会話しながら少しだけ泣いてしまった。
優依には感謝しかない。
それを上手く表現できる程、私は素直じゃないから照れ隠しに銃を突き付けてしまったけどちゃんとお礼は言えたと思う。
だから巴マミを助けてほしいという優依の願いは極力叶えるつもりだが私の力じゃ難しい。
それに彼女とはかなり険悪な関係になってしまっている。
優依に危害を加えた巴マミを私は許せないし彼女に嫌われたままでも構わない。最悪死んでも仕方ないとさえ思ってる。
巴マミが屋上で優依にしようとしていたことを思い出すだけで今でも頭に血がのぼりそうになる。
ここで死んでくれたら邪魔は減るからこちらとしたら好都合なところもあるし・・・
! だめよ!こんな考えしてたら優依に嫌われてしまう!
巴マミと戦った後に優依にかなり怒られてしまったのを忘れてはいけない!
立ち止まり思案に更けていた頭を慌てて振って馬鹿げた考えを追い出そうとする。
優依を疑ってたわけじゃないけど、学校の屋上で巴マミに向かって「愛してる」と叫ぶ声が屋上に向かう階段越しに聞こえていたから嫉妬していた。それもあったから彼女を先制攻撃して戦闘にもつれ込ませて挑発したり、戦いが終わった後に少し意地悪な事を言ってしまった。
大人げなかったと思う。でも抑えきれなかった。
優依が私を置いて巴マミの所へ行ってしまうんじゃないかって。
あの娘が彼女と会うと言った時からずっと不安でしょうがなかった。でもそれは私の思い過ごしだったみたい。
だって優依は私の前に立って私を殺そうとしていた巴マミに向かって命がけで守ってくれたんだもの!涙が出るくらい嬉しかった。
それに私の事を「大事だ」ってはっきりそう言ってくれた!
今でもその事をはっきりと思い出せる。
私が愚かだったの!優依の愛を疑うなんて!
だってそうでしょう?魔女狩りの時だってあの娘は私を守ってくれた!
二度も命を懸けて私を守ってくれたのよ?
愛されてるのは疑いようがないわ!
だから優依の願いに応えなくてはいけない!今度は絶対に失敗は許されない!
巴マミを死なせない!何としても!
何としても優依の愛に応えなくては・・!
今度こそ迷いを振り切って再び結界内を駆け出した。
駆け出してから少し経って目線を遠くの方に集中させると人影が見える。
いた!巴マミとまどか!
私は咄嗟に物陰に隠れて二人の様子を伺う。
何か話しているらしく会話に夢中でこちらには気づいていないみたい。それなら都合が良い。
巴マミを説得するのはおそらく不可能。
私の言葉には聞く耳を持ち合わせていないでしょうし。
まどかをここから連れ出せば、まどかを追って巴マミも連れ出せるかもしれない。
一か八かの賭けだがやるしかない!
二人ともこちらに気づいていない今の内に・・!
「!?」
身体を起こそうとした直後、気づけば私は身動きが取れず宙に浮いていた。
「やっぱりいたのね」
そんな私を巴マミが侮蔑を含んだ表情で見上げている。特に驚いた様子もなく落ち着いている。
まさか気づいていた・・?
「ほむらちゃん!?え!?どうして!?」
状況を理解出来ていないらしいまどかは混乱しながらも私と巴マミを交互に見比べて理解しようと努めているみたい。
「く・・・」
下の視線を向けると赤いリボンが私の身体をぐるぐる巻きにして拘束している。
何とか振りほどこうとするも相変わらず巴マミのリボンは縛ることに関して優秀らしい。ビクともせずむしろもがけばもがくほど縛りつけて身動きが取れなくなっていく。
「御覧なさい鹿目さん。暁美さんったら背後から貴女を襲おうとしていたみたいよ」
「・・!」
「またその忌々しいカチューシャをつけてるのね?嫌味かしら?」
リボンを解くのに集中していたから何を言ってるのか分からないが巴マミが向ける視線が全てを物語っている。まどかを巻き込んで私を挑発しているのは明白だ。一瞬、巴マミを見捨ててしまおうかと思ったが、優依の頼みを思い出し、ぐっと怒りを飲み込む。
「今回の魔女は貴女とは相性が悪い!だからここは譲ってちょうだい!最深部にいる美樹さやかの安全は保障するわ!」
「信用するわけないでしょう?貴女みたいな泥棒猫の言葉に耳は貸さないわ」
何とか交渉出来ないかと試しに提案してみるも巴マミはただ冷たい瞳で私を睨み、にべもなく拒否した。まるで私の言葉なんて聞きたくないみたい。
「こんなことやってる場合じゃないでしょう!?」
「優依ちゃんはどうしたの?また貴女の家にいるかしら?」
諦めず尚も説得しようと試みるも私の話を聞いていないのかさっさと話題を変えてくる。さっきから目線はずっと動いたままだからおそらく優依を探しているのかもしれない。
「ほむらちゃんはマミさんと喧嘩でもしたの?」
「・・まどか」
まどかが心配そうな顔で私に近づこうとしている。ひょっとしてまどかを説得すれば・・?
「近づいてはだめよ鹿目さん。彼女はとっても危険なのよ」
「え?でも・・」
当てつけなのかまどかの肩を掴んで私と距離を取らせようとしている。その目論見は成功したようでどんどん私と距離が離されていく。
「マミさん、その・・ほむらちゃんに乱暴しないであげて・・」
「・・えぇ、分かってるわ」
何を言っていたのか聞き逃したが二人が会話を終えた後、巴マミが冷え切った目を私に向けてくる。
「本当なら今ここで貴女をどうにかしておきたいのだけど今回は鹿目さんに免じて拘束だけにしといてあげるわ」
それだけ告げてさっさと私に背を向け歩き出す。
「行きましょう鹿目さん」
「でも・・・」
まどかが私を方を伺っている。暗に”このまま置いていくのか?”と訴えているのだろう。
「大丈夫よ。さっきも言った通り、戦いが終わったら暁美さんを拘束しているリボンは解除するわ」
「本当ですか?」
このまま行かせるのはまずい!なりふりなんて構っていらない!
「待ってまどか!お願い巴マミを止めて!このままじゃ彼女は死んでしまう!」
「え?えっと・・」
私の言葉が届いたのか巴マミに続こうとしていたまどかがピタリと立ち止まってこちらに振り向く。その表情は戸惑っているみたいだけど聞く耳はありそう。
これなら何とかなるかもしれない!
「ん!?」
そう思った直後、リボンが覆いかぶさってきて口を塞がれてしまった。これでは話す事が出来ない!
「何してるの鹿目さん?」
私の口を塞いだであろう巴マミが何事もなくまどかに話しかけている。ゾッとするくらい表情が抜け落ちていて巴マミの偽物かと思うくらい違和感と恐怖を感じる。
「あの・・ほむらちゃんが」
「彼女の言葉に耳を傾けてはだめ。それに急がないと美樹さんが危ないわよ?」
「! は、はい!」
自分の親友の名前を出されたからかさっきまで迷っていた素振りだったのに力強く返事をしている。
まどか待って!
「ほむらちゃんごめんね。さやかちゃんが心配だから急がなきゃ。後でマミさんにリボンを解いてもらえるようにわたしから頼んでみるね」
まどかはそれだけ告げて先を行く巴マミの跡を追って駆け出してしまった。
まどか!
呼び止めたかったが口を塞がれていて声を出すことが出来ない。
どれだけ力を込めて拘束を抜け出すことが出来ない。
結局私は何も出来ないまま二人の背中を見ることしか出来なかった。
「・・・・・来ちゃったね」
「・・・・・来ちゃったな」
色々想定外の事に見舞われたがようやく目的地の病院に着いた俺たちはお菓子の魔女もとい命名「俺のトラウマ」の結界の前で立ち往生している。
理由は簡単、超怖いからです!!
だって相手は「みんなのトラウマ」認定受けてる、あの「似非サン○オなマスコットもどき」の「お菓子の魔女」ですよ!?ここから一気にダークな展開一直線になっていくのでどうしても尻込みしてしまう。
あんだけ阻止しようと意気込んでいたがいざとなったらマミちゃんがマミる場面が俺の脳内でフラッシュバックされるのでとっても恐ろしい。出来ることなら今すぐにでも逃げ出したい気分だ。
「・・・僕、帰りたい」
俺よりも早く音を上げたのがまさかのシロべえだった。
コイツにはしては珍しい。
いつもは大体俺がヘタレてシロべえが一喝するのが通常の流れだというのに。
余程今回の事を深刻に受け止めているらしい。
「帰ってお風呂入りたい」
「え?何でお風呂?」
まさかの風呂発言。そこは恐怖に駆られた定番らしく布団とかベッドではないのだろうか?
「だって見てよ優依!僕の背中を!!」
そう叫んでずいっと俺の足元に寄って来て背中を見せてくる。
シロべえの背中にはくっきりと足跡が残っていた。どうやらさっきの杏子(?)に蹴られたものらしい。
「僕の自慢の毛並みが!優依のリンスとコンディショナーを毎日塗りたくって保っていた僕の毛艶が!自称杏子のせいでこんなボサボサに傷んでしまってる!一刻も早く毛を整えたいよ!!」
憤怒と悲哀が混じった声でそう叫ぶシロべえ。
確かに最近毛並みが整ってきたなと思ってたがそういう事か。
今丁度俺の足元の良い位置にいるから取り敢えずシロべえの背中を踏んでも良いだろうか?
それもグリグリと押し付けるように!
通りで俺の髪用メンテナンスの減りが早いと思ったらコイツのせいだったのか!!許せん!!
「自業自得じゃん!あの杏子(?)に無防備に近づいたりするから!」
「失礼な!名誉の負傷と言って欲しいね!あわよくば彼女にも発信機を付けようと思ってたんだけどバレちゃったみたいで怒りの気持ち強めに蹴られちゃったよ!酷くない!?」
成程。つまりそれで蹴られたのか。
可哀そうかと思ってたけど同情する価値もないな。誰だって発信機つけられそうになったら怒るわ!
「知るか!酷いのはお前だろうが!全く懲りてないな!殺されなかっただけマシじゃん!!」
不気味な空間に繋がる入口の前でそう叫んでいた。
「て、こんなバカな事してる場合じゃない!今は目の前に集中しなきゃ!」
ここに来た理由を唐突に思い出し、マヌケな気持ちを切り替えるためにパァンと頬を叩く。
真剣味を帯びた声で口を開く。
「シロべえ、結界の中に誰がいるか分かるか?」
「ちょっと待って。えーと、この魔力の反応はマミ。やっぱり来てしまったんだね。もう一つはほむら。移動していない所を見るにひょっとしたらマミに拘束されて動けないのかもしれないね。後は一般人の気配が二人。これはおそらく鹿目まどかと美樹さやかと見て良いだろう」
「うわー・・奇しくも原作通りのメンバーになってしまったって訳ね・・」
どうしよう?マジで帰りたくなってきた!
これマミるんじゃね?強制力でも働いてそのままマミりそうで怖いわ!
「配置も君から聞いた筋書き通りみたいだよ。幸いなのはマミ達はまだ結界の最深部にたどり着いていない事だね」
「それはラッキーじゃん!・・よし!まずはほむらと合流しよう!どうしてあんなメールしたのか問い詰める必要もあるしな!」
まだマミちゃんが魔女と戦ってないなら今から結界に突入すればひょっとしたら間に合うかもしれない!
そう思い再び結界を見る。
「・・・・・っ」
そう分かっていてもやっぱり怖いいいいいいいいいいいいいい!!
やべ!足めっちゃ震えてきた!!
一歩間違えればマミってしまうしそれを目撃するかもしれない。
そしたらどんなに頑張ってもあの暗い原作と同じ展開になっていくかもしれない。
それはいやあああああああああ!!
悪いことを考えだすと次から次へと更に悪い考えが出てきて止まらなくなりそうだ。慌てて頭を左右に振る。
ダメダメダメダメダメダメ!!
しっかりしろ俺!マミるを回避するんだろ!?
だったら立ち往生してる場合じゃないはずだ!
何より今まで(ほぼ一方的な気もするが)仲良くしてきたマミちゃんが死にそうになってるのに、ここで度胸見せなきゃいつ俺はヘタレを卒業出来るって言うんだ!!
今こそ勇者になれ俺!!
必死に自身を鼓舞し、無理やり突入する覚悟を決める。
「・・・よし行くぞシロべえ!!」
「ちょ、まって!まだ作戦が、きゅぷ!!」
シロべえの首根っこを掴むと変な声が聞こえた。そんなの気にしてられない。勢いでいかないとまた尻込みしてしまいそうだから。
女は度胸だ神原優依!いざ行かん!!
俺はシロべえを掴んだまま結界の中に飛び込んだ。
とある方(名前は後日公開)からイラストを頂いたので近いうちにのせるつもりです!
すごいですよ!何と「神原優依」ちゃんを描いてくれました!
とっても可愛いです!
ただあの可愛い顔でいつもゲスイ自己保身しか考えてないヘタレかと思うと・・・。うん。
イラストはあらすじに表示しますのでまた見てください!
※ただしバイ男なので時間はかかるかも