いろはちゃんストーリーの下書きを完成させて満足してしまっていたから
反省はしても後悔はしていない!
ちなみに今回の話は珍しく優依ちゃん視点がありませんのであしからず!
まどかside
「お願いまどか!今日はさやかを病院に行かないように手を打ってくれないか!?」
今日、優依ちゃんに突然こんな事を頼まれて戸惑った。
どうしてそんな事をわたしに頼むのか理由を知りたかったけど曖昧に濁すだけで答えてくれなかった。
最初はどうしようかと迷っちゃったけど悩んだ末に結局引き受けることにした。
だって優依ちゃんなんだか切羽詰ったような表情でわたしに頼んでくるからひょっとしたら只事じゃないかもしれない。
何よりわたしが優依ちゃんの力になれるなら喜んで!
二つ返事で頷くと優依ちゃんはパアッと輝いた笑顔で喜んでくれてわたしも嬉しくなる。
そういえば最近優依ちゃんの笑顔を見ると顔が熱くなる事が多い気がする。
ひょっとして病気なのかな?・・怖いから気にしないようにしなきゃ。
放課後、今日も上条君のお見舞いに行こうとするさやかちゃんを引き留めるため、
「買い物に付き合って欲しい」と真剣な雰囲気を醸し出してお願いしてみたら二つ返事で了承してもらえた。
念のため途中で気が変わってお見舞いに行くなんて言わないように病院とは反対方向にあるショッピングモールまで連れ行った。
さやかちゃんは何の疑いもなくわたしと一緒に歩いてる。
騙すような感じでさやかちゃんには悪いけど優依ちゃんの頼みだからごめんね?
わたしにはしては珍しく上手くいったみたい?
良かったぁ。これで優依ちゃんの役に立てたなら嬉しいな。
・・でもやっぱり申し訳ないから後でさやかちゃんに何か奢ろう。
内心そんな葛藤を繰り返しつつショッピングモールをぶらぶらして、さやかちゃんもお見舞いは明日するっていう言質もとれたから成功したと確信を得れた。
頼まれてた事なんとか上手くいきそう。
これなら優依ちゃんわたしの事、褒めてくれるかな?
「まどか偉いぞー」って頭撫でてくれたりして?
ティヒヒ、なんてね?
・・そんな風に考えてた時がわたしにもあったっけ。
「・・・うぅ」
今、わたしはマミさんと一緒に病院に出来た魔女の結界の中にいる。
理由は簡単。この結界の最深部にいるさやかちゃんを助けるため。
順調にさやかちゃんを病院から遠ざけてそろそろ家に帰ろうと思った矢先、
ふいに現れたキュゥべえから、
「大変だよ二人とも!いつもさやかが行く病院に孵化しかかったグリーフシードがある!魔女が出てきたら大変だよ!」
と言われちゃって、それを聞いたさやかちゃんは、
「まどか!あたし先に病院に行くからあんたはマミさんを呼んできて!」
と一方的に告げてわたしの言葉を待たずに走り出してあっという間に見えなくなっちゃった。
凄いスピードだったから静止する暇もなかったよ。
その後、仕方なくキュゥべえの方に振り返ったらすでにいなくなっていて、
≪僕はマミを呼んでくるからまどかはさやかを追って!≫
とテレパシーで聞こえてきた。
逃げられたってこういう事を言うのかなって何となく頭の片隅で思っちゃった。
わたしじゃどうしようもないよ・・!
予想外の出来事にこれからどうしようかアタフタしたけど、そういえば優依ちゃんからこういう緊急時の対策も言われてたんだっけ?
・・・・あ!
そういえば何かあったらほむらちゃんに連絡するように言われてた!
「ふぇぇ・・繋がらないよぉ」
急いで連絡したけど繋がらず、半泣きになりつつもなんとか留守電にメッセージを残しておいた。
ほむらちゃんと繋がらなかったしどうしよう?
! そうだ!優依ちゃんにも電話しなきゃ!
緊急事態なんだもん!別に電話しても良いよね?
ちょっと心細いし・・。
自分にそう言い訳して今度は優依ちゃんに電話をかける。
「もしもし、どうしたまどか?」
いつも通りの優依ちゃんの声で安心したのかとうとう本格的に泣きそうになったけど何とか起こった事を説明する。
途中で気が緩んじゃって何度も泣きそうになりその度に心配されてしまった。優依ちゃんはわたしが不安がって泣きそうになってると思ってるみたいだけどその逆で安心して泣きそうになってるだけ。
だって優依ちゃんの声を聞くと安心するだもん。
欲を言えば傍にいて欲しいけどそんな事言えないし顔を見たら本当に泣いちゃいそう。
状況を把握したけどわたしの内心を知りもしない優依ちゃんはすぐに病院に向かうと聞いてふっとさやかちゃんの事を思い出して心配で居ても立ってもいられなくなったからすぐに電話を切って病院に駈け出した。
最後に優依ちゃん何か言おうとしてた気がするけど気のせいだったのかな?
その途中でマミさんと結界の前で合流して「私が守るから着いてきて」と言われそのまま一緒に結界に入った。
最初は和気藹々って感じでお話してたのに今は・・・、
「・・・・・・・・・・・」
うぅ・・気まずい。
少し進んで後、いきなり背後からほむらちゃんがリボンで拘束された姿で現れた時は驚いた。
さやかちゃんが危ないしこのまま争ってる時間はないとマミさんは判断して結局ほむらちゃんをそのまま置いてきちゃったけどこれで良かったのかな?
ほむらちゃん、マミさんが危ないって必死に叫んでて嘘を言ってるようには見えなかった。
一緒に来ることは出来なかったのかな?
マミさんはほむらちゃんと会った後、不機嫌になっちゃってさっきからずっと無言で歩いてる。
背中から発する「私怒ってますオーラ」がわたしにまで伝わってきて居たたまれない。
さっきのやりとりを見てるとマミさんとほむらちゃんってすごく仲が悪いみたい。
前の魔法少女体験コースから薄々感じてたけどここまでじゃなかった気がする。
わたしが知らない間に何かあったのかも?
・・・でも、
「あの・・マミさん」
出来れば二人には仲良くして欲しい。
そう思ってマミさんに声を掛ける。
試しにほむらちゃんは悪い魔法少女だと思ってるか聞いてみたらほぼ即答でYESと返ってきてたじろぎそうになるも何とか踏み止まる。
そんなにほむらちゃんの事嫌いなのかな・・・?
わたしからほむらちゃんは悪い人じゃないって言って納得してくるか分からないけど言ってみよう!
優依ちゃんだって二人には仲良くして欲しいって言ってたんだもん!
試しにほむらちゃんの事を話してみたけどマミさんは納得していない顔。
それ所か優依ちゃんの名前を出した途端、一気に不機嫌そうに顔をゆがめていたからひょっとしたら怒らせちゃったかも。
うぅ・・怖い。もしかして怒らせちゃった?
「・・・ごめんなさい」
「え?」
怒られるかもって身構えてたのにマミさんから出てきた言葉は謝罪だった。
「私ね、もう正義の魔法少女はやめちゃったの」
そこからマミさんは罪を告白するように今までやってきた事を話してくれた。
さっきわたしをほむらちゃんから引き離したのもわざとみたい。
・・何となくそんな感じがしてた。少しわざとらしさを感じてたから。
でもおかげでほっとしっちゃった。
マミさんがほむらちゃんに意地悪したのってきっとヤキモチ焼いてたから!
最近、優依ちゃんはほむらちゃんと一緒にいるからきっとそれが原因だと思う。
その気持ちすごく分かるかも。
わたしも・・・寂しかった。
優依ちゃんをほむらちゃんに取られちゃったと心のどこかで思ってたから。
でも良かった。そういう理由で意地悪しちゃったならマミさんは悪い人じゃない!
むしろ謝るマミさんの背中が何だか優依ちゃんに謝ってる時のわたしと重なってちょっと微笑ましくなるくらい。
だからこそ誤解が解ければほむらちゃんとも仲良くなれるはず!
短い時間でしかもお話する機会もほとんどなかったけどほむらちゃんは悪い魔法少女じゃないと思う。
優依ちゃんからほむらちゃんの事を頼まれた時、思い切って電話してみたけどほむらちゃん最初は素っ頓狂な声あげて驚いて何とか取り繕うとしてた。
でもほとんど声が上擦ってたし、少しどもってたからわたしにはバレバレで逆におかしくて笑っちゃうくらい!
ひょっとして緊張してたのかな?
優依ちゃんの言った通りほむらちゃんはとっても照れ屋さんで可愛い!
「電話してこないで」
「貴女と話す事は何もないわ」
「二度と連絡しないでちょうだい。良い迷惑よ」
以前のわたしなら泣きそうな事を電話で言われても何とも思わなかった。
むしろツンデレさんて凄いなー、本当にこんな事言うんだーって感心しちゃったくらいだよ!
今日だって学校で挨拶したら、ほむらちゃん真っ赤な顔して「おはよう・・」って小さく挨拶してくれたんだもん!
優依ちゃんの言った通りだね!凄いよ!
そんな照れ屋なほむらちゃんが悪い魔法少女だなんてどうしても思えない。
きっとマミさんはほむらちゃんの事を誤解してるかもしれないからちゃんと話し合えば分り合えるかもしれない。だったらそのきっかけをわたしが作ろう!
わたしなんかじゃ上手くいかないかもしれないけど優依ちゃんの期待に応えたい!
と思ってマミさんにほむらちゃんと話し合ってみませんかと提案してみたんだけど・・
うーん、イマイチ反応は良くない。
・・やっぱりわたしなんかじゃだめなのかな?
ううん、弱気になってちゃだめ!
優依ちゃんからほむらちゃんの事頼まれてるんだもん!
だったら今のわたしに出来る方法は?
優依ちゃんならこういう時どうするんだろう?
何気なくポケットに入れた手で携帯に触れる。
! これなら!
・・本当はこんな事したくなかったんだけどこれならマミさんを説得出来る!
最終兵器を使うことに決めてすっと隠し持っていた携帯電話をマミさんの顔の前まで持っていく。
最終兵器。
それはコスプレした優依ちゃんの画像!
前に優依ちゃんにコスプレしてもらった時に撮ったもの。
コスプレした優依ちゃんがあまりにも可愛くてつい携帯のカメラで撮ったけど後悔していない。
優依ちゃんには画像は消したと言ったけどそれは嘘。こんなに可愛いのに消すなんて勿体ないよ!
画像は全てお気に入りに保存してこっそりランダムに待ち受けにしてる。
優依ちゃんには絶対内緒にしなきゃ。
マミさんは優依ちゃんの事とても好きみたいだからきっと食いついてくれるはず!
前に部屋にお邪魔させてもらった時に魔法少女の話そっちのけでひたすら優依ちゃんの話(出会いから今に至る)をしていたからきっと大丈夫!
餌で釣るなんて卑怯だし優依ちゃんは絶対こんな事しないだろうけど今のわたしじゃこれが精一杯みたい。
案の定マミさんは食いついてくれた。目がじっと携帯電話に固定されてるもん。
よっぽど欲しかったんだね。
本当はわたしだけの大事なものだったんだけど仕方ないよね。
でもわたしのお気に入りの優依ちゃん(妖精ver)は大事に取っておくつもり。
いくらマミさんでもこれだけは渡せない。
何度も念を押して約束してくるマミさんは目が血走ってて怖かったけどほむらちゃんと話し合ってくれる約束をしてくれたから良かった!
その直後キュゥべえから連絡を受けて変身したマミさんは心なしかとってもやる気に満ち溢れていて、地面にひしめくくらい沢山いた使い魔をあっという間に倒して速攻でさやかちゃん達がいる最新部まで辿り着いちゃった。
さやかちゃんが無事でほっとしたのも束の間、グリーフシードが孵化しちゃってぬいぐるみみたいに可愛い魔女が出てきた。
見た目はとっても可愛いから倒すの可哀想かなぁ・・。
そう思ってたんだけどマミさんは何とも思っていないのか、銃を連射して蜂の巣にしたり銃をバット代わりにして魔女をボコボコにしてる。
マミさんあの魔女に恨みでもあるのかな?
ストレス発散のためにサンドバック代わりにしてるみたいでちょっと怖い。
「まどか」
「どうしたのさやかちゃん?」
「マミさん、あの魔女になんか恨みでもあんの?親の仇かってくらい容赦なく攻撃してるけど・・」
さやかちゃんも同じ事考えてたらしい。
目の前に広がってる光景に引いてるのか顔が引き攣っている。
「! マミさん!」
魔女の口から黒い大きな芋虫みたいなものが出てきた。
咄嗟のことだから一瞬放心しちゃってたけどマミさんに向かって鋭い歯が生えそろった大きな口を開けて攻撃しているの見て慌てて隠れていたところから身を乗り出して声を掛ける。
わたしの言葉は間に合わなかったのかマミさんはそのまま魔女に食べられてしまった・・。
「マミさん! ・・あれ?」
「それは偽物よ」
魔女に食べられたと思っていたマミさんはリボンが作った偽物でそのまま魔女をグルグル巻きにして拘束してしまった。身動きが取れなくなった所で本物のマミさんが出てきてほっと肩の力が抜ける。
「これで終わりよ!」
次で決めるつもりなのかマミさんはいつものティロ・フィナーレを取り出して拘束されて動けない魔女に標準を合わせている。
無事に魔女を倒せそう。
ほむらちゃんの言ってた事が外れて良かった。
「ティロ・フィナー、・・・え?」
マミさんの必殺技が繰り出す直前、いつのものように技の名前を叫んでたけど途中でやめてしまう。一体どうしたんだろう?
「だめよ優依ちゃん!そっちは危ないわ!」
優依ちゃん・・?ここに優依ちゃんがいるの?
見つからないように大きなドーナッツの物陰に隠れてるからそれが死角になってここからじゃマミさんが見ている方向が見えない。
なんどか優依ちゃんと呼び掛けてる内に痺れを切らしたのかマミさんは準備していたティロ・フィナーレを消して魔女に向かって走っていく。
いつの間にか拘束から抜け出していた魔女はその様子をじっと見ていて表情豊かなその顔でニヤリと笑った後、大きな口を開けてマミさんに向かっている。
「マミさん危ない!」
わたしがそう叫んだ時、既に魔女はマミさんの目の前にいて口を開いていた。
「・・・ひっ」
わたしの目に映るマミさんは今、魔女に頭を齧られた状態で宙に浮いている。
魔女から解放されたマミさんは重力に従ってそのまま地面に落下した。
落下途中で見えたマミさんは首から上が無くなっててそこから血のような赤いものが出ていた気がする。
地面に叩き付けられたマミさんを追って魔女が再び近づいて口を忙しくなく動かしてる。
魔女の近くからバリ、ボキィと何かが砕ける嫌な音が響いている。
そんな光景をただ息を呑んで見つめていた。
今食べられてるマミさんは本物・・・?
「まどかぁ・・!」
さやかちゃんが涙目でわたしに抱き着いてくるけど反応出来ない。
呆然とただその光景を見つめるだけ。
次第に身体が恐怖を感じたのか震えが止まらなくなってくる。
「二人とも!早く願い事を決めるんだ!」
キュゥべえが叫んでるのをどこか遠くから聞こえてくる気がする。
でもわたしもさやかちゃんも何も答えずただ手を握り合って震えるだけ。
「!」
マミさんを食べ終わったのか魔女がこっちを見つめてる。
次はわたし達の番みたい。
ほむらside
間に合わなかった・・・。
時間を止めながら急いで結界の最深部に向かったけど着いた時に見たのがおびただしい量の血痕が広がる光景で瞬時に何があったのか悟る。
また優依の期待を裏切ってしまった・・。
失敗を繰り返してばかりの私を信頼してくれたっていうのに!
私は・・・!
失意のまま膝をつきそうになるも何とかこらえて前を見据える。
まだ終わっていない。
せめて魔女を倒してまどかをここから脱出させなければ!
「まどか!さやか!願い事を決めるんだ!」
この機の逃さずインキュベーターが契約を迫る声がここまで届く。
忌々しい!お前達の思い通りになんてさせないわ!
「その必要はないわ」
全員の意識をこっちに向けさせるために口を開く。
その後に勢いをつけて最深部に飛び込み魔女の前に立つ。
「こいつを倒すのは私」
そう宣言して時間を止めた。
この魔女の倒し方は今まで時間軸で戦ったことがあるから分かっている。
今立ってる場所に盾から取り出した時限式の爆弾を置いて別のテーブルに移動する。
時間停止が解除され、さっき私がいた場所に魔女が大きく開いた口でテーブルごと飲み込んだ。
“?”
「こっちよ」
食べた感触がしないからか不思議がっている魔女に声をかけてもう一度時間停止を発動させ同じ動作を何度も繰り返す。
時間を止めては爆弾を設置して移動する。
解除されれば私がいた場所を魔女が食べていく。
それの繰り返し。
・・・そろそろね。
“!?”
魔女の体内に入った爆弾が時間通りに爆発する。
爆発が起こる度に魔女は口から脱皮を繰り返しているがやがてそれが切れたのか脱皮せずに身体が爆風に飲まれていった。
ティーカップに突き刺さるグリーフシードを見て魔女が死んだ事を確認する。
これでこの魔女は倒せた。けど・・・。
ちらりとまどか達がいる方向を見る。
二人は遠くからでも分かるくらい震えながら抱きしめ合ってこちらを見ている。
この反応は仕方がない。
目の前で人を、ましてや自分たちの先輩が食い殺されたのだから。
もうそれに対してあまり感情が動かない私はきっとおかしいのかもしれない。
自嘲気味な考えを浮かべながら二人の方へ向かって歩き出す。
ついでにその途中で変身を解除すると同時に結界の空間が歪み、元の病院に戻った。
念のために周囲をざっと確認する。
どこかに巴マミが生きていないかと期待しながら
だけど巴マミの姿を確認出来ず、彼女が死んでしまった事を再確認出来ただけだった。
「危なかったわね貴女達」
おそらく怪我はないだろうけど確認のために全身を見渡しながら二人に声をかける。
「・・・・・・・・・」
二人からは何の返事もない。心ここにあらずのよう。
「何で・・」
「?」
「何でマミさんを見殺しにしたんだよ!?」
美樹さやかがキッと私を睨みがら胸倉を掴んでくる。
全くの誤解だが私がやってきたタイミングを考えれば仕方ないのかもしれない。
前の私ならここで突き放す言葉を言っていただろうけど、
「さやかと仲良くしてほしい」と優依に言われている。
思い込みの激しい美樹さやかは信じてくれるか分からないけどここは正直に否定しておきましょう。
「・・間に合わなかっただけよ。見殺しになんてしてないわ」
「嘘だ!!」
全く取り合おうとしない美樹さやかに思わずため息が出そうになる。
もうこの際、力づくで納得させるしかないかもれしれない。
「・・やめて・・さやかちゃん」
「まどか?」
私の制服を掴んでる美樹さやかの手をまどかが抱き込むようにギュッと掴んでいる。
瞳に沢山の涙を溜めて震えながらも懸命に腕にしがみついている。
「ほむらちゃんの言った事は本当だよ・・。だからもうやめて・・」
「! ・・うぅ、マミさん・・」
まどかの言葉を聞き入れたのか美樹さやかは制服から手を放した。
だけど巴マミが死んだという残酷な現実に耐え切れなかったのかとうとう膝をガクッと地面に落として泣き出してしまった。
それにつられてまどかも膝を落として泣き崩れている。
時間遡行する度に何度も見た光景だけど慣れない。
慰めの言葉なんて知らないし私がかけてもきっと慰めにすらならないだろう。
優依、私はどうすればいいの・・?
だめ、私が優依に助けを求める権利なんてない。
・・・でも辛い。優依はどこにいるの?
「マミちゃん!?」
「! ・・っ」
背中越しに優依の声が聞こえて息を呑む。
どうやら無事に結界から出れたみたいで安心したけど巴マミが死んでしまったこの状況を思い出しサッと顔を青ざめる。次第に身体が震えてきた。
優依はこの光景を見たらどう思う?
巴マミを助けられなかった現実をどう受け止める?
きっと私を責めるでしょう。
もしくは辛いはずなのに私を安心させようと笑顔を向けるだけでそれ以上は何も言わずに人知れず泣くかもれしない。
どのみち私にとっては最悪な結果だ。
巴マミを死なせてしまった。
なにより私を信じて託してくれた優依の信頼を裏切ってしまった。
背中から私を呼ぶ優依の声が何度も聞こえるけど怖くて後ろを振り向けない。
マミった!?マミちゃった!?
次は優依ちゃん視点に戻ります!
皆がそれぞれ頑張ってる間彼女は何やってたんでしょうね?