休日はそれに費やしていたんです
だから最新話の投稿をすっぽかしても許されると思うんです
マミside
ここ数日何度も泣いたけど今日は比べ物にならないほど沢山の涙が溢れてくる。
暁美さんから告げられた魔法少女の残酷な真実
ソウルジェムは私の魂で身体はただの抜け殻
ソウルジェムが壊れてしまうと私も死んでしまう事
魔女は魔法少女の成れの果て
絶望してソウルジェムが濁りきればグリーフシードに変貌してしまう事
キュゥべえの本当の目的は魔法少女が魔女になる際、発生させるエネルギーの回収で私はいわゆる消耗品扱い
とてもじゃないけど受け入れられない。
でも心は拒否していても頭は冷静に事実だと告げている。
それはそうでしょうね。だって目の前で証明されてしまったんだもの。
ついさっき暁美さんは優依ちゃんにソウルジェムを持たせてここから離れるように言っていた。
実際、ソウルジェムと距離が離れた暁美さんは糸が切れたように動かなくなり息もしておらず心臓の音も聞こえなかった。
優依ちゃんが戻ってきてソウルジェムが手元に戻ると何事もなかったように息を吹き返した。
説明だけじゃ納得しなかったでしょうけど証拠を出されてしまってはぐうの音も出ない。
ソウルジェムの事は何とか受け入れられるかもしれない。
だけど魔女化の事はどうしても拒んでしまう。
だって私は、
今まで多くの魔女を殺してしまったんだもの!
魔女を殺した私は人殺し?
もうやめてしまったけど正義の味方に酔っていただけ?
この宝石が私の魂なら私の身体は死んでるの?
生きたいと願ったけどこれは生きていると言い切れる?
私の人生って一体何だったの?私のしてきた事って意味があったの?
分からない。もう何も分からない。
涙で濡れてぼんやりした視界でも分かるくらい目の前に置いた私のソウルジェムは黒く濁っている。
このままじゃ私は魔女になる
そして人を襲って最後は名も知らない魔法少女に退治されるだけ
待ってるのはそんな結末
正義の魔法少女はとっくにやめてしまったとはいえショックを隠せない。
そんなの嫌!そうなる前に終わらせなきゃ!
ソウルジェムが私の魂ならそれさえ砕けば・・!
そう思ったのに現実は残酷で何度もソウルジェムを砕こうとしたけど出来なかった。
自殺する事すら許してくれない
私は一体どうすればいいの・・・?
いずれ魔女になるなら私はもう死ぬしかないって言うのに・・!
「マミちゃん!」
「優依ちゃん・・?」
徐々に暗くなっていく自分の世界に光が照らされたような優しい声が掛かる。
顔を上げると優依ちゃんが微笑んでいる。
その笑顔は今の私の恐怖を和らげてくれた。
「マミちゃんは独りぼっちじゃないよ!見てこれ!」
優依ちゃんは自分の携帯を私に差し出している。
どういう意図なのか分からないけどそのまま受け取って画面を何気なく眺めた。
「! これ・・」
画面に表示されていたのは何かの掲示板。
よく見るとそれは全て激励メッセージ。
なんだか見覚えがあると思ったらこれは優依ちゃんがいつの間にか作っていた「Ribbon」のファンサイトだと気付く。
送られてくるメッセージは「Ribbon」に向けて、つまり全て私に向けて送られたもの。
優依ちゃんの提案で「Ribbon」という名前で私が歌っている動画をアップしていたけどこれが結構楽しくて知らない間に再生回数もかなり増えてきていた。
ファンだと言ってくれる人も出てきてくれてやりがいを感じていたけどここ最近は全く活動していない。
優依ちゃんのクラスに暁美さんが来てからそれ所じゃなくて心の余裕もなかったしそんな気分でもなくてすっかり忘れていた。
そんな状態がしばらく続いていたのにファンだと言ってくれる人達はずっと私を応援しててくれてたみたい。
特に最近なんて暁美さんと佐倉さんを闇討ちしようと暗殺計画まで立てていて歌なんて二の次にしていたはずなのに、みんな待ってくれていた。
誰かに応援してもらえるなんて優依ちゃん以外でいなかったし凄く嬉しい。
でも、どうしてこんなタイミングで?
「マミちゃんが落ち込んでるって試しに知らせてみたらこんなに激励メッセージをくれたんだ」
私の疑問が顔に出ていたのか優依ちゃんが嬉しそうに答えてくれる。
その言葉を聞いて察した。
何でもない風に優依ちゃんは言ってくれてるけどそれはきっと大勢の人に声を掛けて私を励まそうとしれくれている。
今だけでもメッセージが多く届いている。
これだけメッセージを集めるのにきっと物凄く時間と手間がかかって大変だったでしょうにどうしてそこまで?
ひょっとして全部私のために・・?
「少し見ても良いかしら?」
今、優依ちゃんの顔を見たらきっと大泣きしてしまいそうだから顔は画面に向いて聞いた。
優依ちゃんの頑張りを無題にしたくない
あっさりOKが出たので続々と送られてくるメッセージを眺めていく。
続々と送られてきて最初のメッセージまで中々辿り着かないくらい大量にメッセージが届く。
こんなにたくさん・・。
優依ちゃんはとても大勢の人に声をかけてくれたみたい。
優依ちゃんの優しさに胸が熱くなっていき涙が込み上げてくる。
さっきと違ってこっちは嬉し涙。とても暖かい。
優依ちゃんだけじゃない。みんな私のためにここまで。
・・でも私はいずれ魔女になる運命を背負っている。
そして魔法少女として人を殺すなんて最低な事まで考えてた。
こんな呪われた私に優しくする価値なんてあるとは思えない。
さっきまで暖かい思いに包まれていたのにすぐに気分が重くなってくる。
それだけ私の仕出かした事と運命は無慈悲なものだから。
「あ・・・」
暗い気分のまま目で追っている内に最初に送られてきたメッセージに辿りついた。
一目見て釘付けになる。
それには今の私の心に刺さる言葉が並べられている。
このメッセージを送った人の名前は、
「TOMOTOMO」と表示されている。
「TOMOTOMO」さんのメッセージはとてもシンプルだけど熱意を感じる。
『貴女の大ファンです!
落ち込んでると聞いて居ても立ってもいられなくてメッセージを送りました!
何に落ち込んでるのか俺には分かりませんが自分の心に正直になるのが一番です!
悩んだ時は建前とか常識とかそんなものより自分はどうしたいのか自分の心に聞いてあげてください!
周りが何と言おうと俺は貴女が大好きです!!』
何度も読み返して頭の中でも繰り返す。
自分の心に正直に・・。
建前とか常識とかそんなものより私がどうしたいのか・・?
私はどうしたいんだろう?
死にたい?生きたい?
「マミちゃん」
自分の本心は何なのか考えていると横から優依ちゃんに声を掛けられた。
とても優しい表情で私の事を見つめていて照れてしまいそう。
私がメッセージを読むために気を遣って黙ってくれていたみたい。
そんな小さな優しささえ今の私には感動してしまう。
「みんなマミちゃんを必要としてくれてるんだ。魔女化の運命から逃げたいのは分かるけどそれは死にたいのか死ななきゃならないのかどっち?マミちゃんはどうしたい?」
優しい口調でそう諭してくれる。
今でも跡が絶たないスピードでメッセージをくれるファンのみんなは私を必要としてくれるのはよく分かった。
それはとてもありがたい。涙が出るくらい幸せな事。
だけど、
「優依ちゃんは?」
気づけば優依ちゃんにそう聞いていた。ほぼ無意識の内に口から出ていて私も驚いた。
優依ちゃんも予想外だったのか「へ?」と口をポカンと開けている。
今なら取り消す事だって出来る。でもそれはしたくない。
あぁ、そっか。私はただ・・。
携帯を机にそっと置いて優依ちゃんの方に向き直って彼女を見つめながらもう一度口を開く。
「優依ちゃんは私を必要としてくれる?」
今度は無意識じゃない。私の本心から聞きたい事だから優依ちゃんに質問する。
さっき気づいた事だけどいつの間にか私が戦う理由は魔法少女として見滝原を守る事じゃなくて優依ちゃんを守る事になっていた。
私の存在意義はこの娘そのものだと言っても過言ではないかもしれない。
だから優依ちゃんが必要としてくれるなら私は・・!
緊張の面持ちで優依ちゃんの返事を待つ。
長いようで短い時間が経った後、優依ちゃんはにっこり笑っていた。
「もちろん!俺にとってマミちゃんは絶対必要な人さ!」
私の両手をスッポリと被さるように握ってはっきりそう言い切る。
「ホントに・・・?ホントにホント?」
「本当だよ!こんな時に嘘なんて言わないよ!」
言ったことが本心なのか確かめるために何度も真意を確かめるけど優依ちゃんが屈託のない笑顔で何度も本当だと頷いてくれる。
「これからもずっと私を愛してくれる・・?」
語尾が次第に涙声になってちゃんと言えたか分からないけど優依ちゃんは照れているのか目を逸らしながら小さく頷いてくれた。
・・それだけ聞ければもう十分よ
それ以上の言葉は私には必要ない。
言葉だけでなく行動でも証明してくれたもの。
優依ちゃんは命がけで私を魔女から救ってくれた。
きっと物凄く危険な状態だったと思う。
あんなに怖がりだった優依ちゃんが私のために命をかけてくれた。
・・・ようやく分かったわ。
私はソウルジェムが自分の本体で今の身体はゾンビだろうともいずれ魔女化してしまう運命だろうともそんな事はどうでも良い。
優依ちゃんが私を必要としてくれてずっと愛してくれるなら他の事なんてどうでも良いの!
例え貴女が他の人に浮気したってちゃんと私の事を愛してくるなら構わないわ!
暁美さんの事も許してあげる!
でもあまり浮気にのめり込み過ぎちゃ嫌よ?
それと優依ちゃんを独り占めにするのは許さないわ。
ちゃんと平等に。・・いいえ。
私を沢山愛してくれないと許さないんだから
自然な流れで優依ちゃんに倒れ込んで胸に耳を当てて彼女の鼓動を確かめる。
少し心臓の音が早いから緊張しているみたいでクスッと笑っちゃう。
優依ちゃんは戸惑った様子だけど無理に引き剥がすつもりはないのかそのまま私の好きにしてくれている。
「あら・・?」
チラッと見た私のソウルジェムが知らない間に元の綺麗な色に戻っている。
どういう事?さっきはあんなに真っ黒だったのに。
確かソウルジェムの濁りは精神の状態に左右されるのよね?
今の私の心の状態は幸福そのもの
・・ひょっとして愛の力で浄化されたのかしら?
ふふ、子供っぽいけどなんだかロマンティックね
本当にそんな奇跡が起きたのかもしれない。
「・・・愛してるわ」
聞こえるか聞こえない程度で呟いて静かに目を閉じる。
その拍子に涙が頬を流れるけど気にならなかった。
優依ちゃん、貴女さえいれば私はもう何も怖くない・・!
いつか知る魔法少女の真実に落ち込むであろうマミちゃん。
一歩間違えば絶望し魔女化。
少し冷静なら周りを巻き込んで無理心中と傍迷惑な事をやらかす彼女。
戦闘力が高い分、暴れられたら厄介過ぎる。
あらゆる時間軸(この時間軸も)でマミちゃんは例外なく魔法少女である事に誇りを持っている。
自分が魔女の脅威からみんなを守っているという自負があるのだろう。
なんせ自分の生活中心を魔女退治に費やしてるしな。
その分、魔法少女の真実に失望するのもまた人一倍だ。
誇りに思っていた分、ダメージも大きい。
本人からしたら裏切られた気分だろう。
どっちにしろ魔法少女に熱を上げすぎている。
これは非常にまずい!
そこで俺が考えたのが魔法少女以外に生きがいを見つけようという事だった。
目を付けたのは「アイドル」だった。
マミちゃんは美人だしさびしがり屋だ。
彼女ほどアイドルに向いた人物はいないと自負している!
俺の趣味とシロべえの悪ノリで半ば強引にマミちゃんをネットアイドル「Ribbon」に仕立て上げた。
新たな生きがいと認識させ、寂しがり屋な彼女に熱烈なファンが出来るなどの盛況ぶり。
マミちゃん本人も満更でも無さそう、というかノリノリだったので好調だと思っている。
もしもの時はここのファンたちが落ち込んだマミちゃんを応援してくれると踏んでいる。
今こそ集大成!
ここで俺が考えた作戦の真価が発揮される時!
魔法少女として価値がないのならネットアイドルの価値があるじゃない!
そう思ってとある事を実行してみたんだけど、
いやー・・「Ribbon」すげぇわ。
俺が管理してる「Ribbon」のファンサイト(製作者シロべえ)の掲示板に、
『「Ribbon」さんが現在落ち込んでます!激励メッセージを求む!』
って数分前投稿してみたら気づけばメッセージが軽く三桁越えてる。
ちょっとでもマミちゃんの慰めになればいいなぁと軽い気持ちで発信したんだけど現在進行形で急激に増え続けていて凄まじいスピードだ。
まあまあ人気だとは思ってたけどまさかここまでとは。
これはプロデューサーとして鼻が高い!
「マミちゃん!」
思わぬ収穫にほくほく顔で絶賛絶望中のマミちゃんに声を掛ける。
「優依ちゃん・・?」
絶望が進行しているマミちゃんはまるで死人のような顔で俺を見上げている。
普段の俺ならビビる所だろうが今の上機嫌な俺にとってはノーダメージ!
「マミちゃんは独りぼっちじゃないよ!見てこれ!」
そう興奮気味に叫んでマミちゃんに自分の携帯を差し出す。
見よマミちゃん!
俺たちの頑張りが報われたと今ここに証明されたんだ!
ほとんどドヤ顔に近い表情に戸惑っているのかマミちゃんは遠慮がちに俺から携帯を受け取って画面を見ている。感動しているのか時々嗚咽をもらしていて、俺までもらい泣きしそうになる。
頑張ったもんな俺たち!
徹夜で撮影したり休日返上で編集したりと汗と涙の日々だったもんな!
おっと、そんな事考えてる場合じゃない。
今の内にソウルジェムを浄化しておかなくちゃ!
マミちゃんが目を離している隙に杏子(?)からもらったグリーフシードでこっそり浄化を完了させる。
みるみる内に元の綺麗な黄色に戻ったのでこれですぐにでも魔女化する心配はないだろう。
良かった。これで一安心。
一息つきながらマミちゃんの方を見ると、俺の視線には気づかず画面を見つめているがどこかおかしい。
さっきから指を動かしていない。
熱心にある一つのメッセージに目を凝らしているみたいだ。
まさか中傷とかかもしれない。
そうなったらせっかくの作戦が台無しなので確認のためにマミちゃんの後ろからそっと画面を覗き込む。
気配を隠すなんて離れ業は出来ないのに俺が背後にいる事にも気づかずひたすら同じメッセージを目で追っている。
随分と熱心に読んでいるようだ。
一体どんなメッセージ・・? !?
マミちゃんが熱心に見ているメッセージ。
ユーザー名「TOMOTOMO」に口を引くつかせる。
おいトモっち、お前何してんだ?
今日は忙しいから連絡出来ないとかほざいてたくせに何で一番最初にメッセージ送ってんだ!?
忙しいって言ったの嘘か!?
怒りのあまり思わず青筋に血管が浮き出てきそうだ。
どうして分かったかというと、トモっちはなんらかの拘りがあるらしく
ネット上で使う名前は全て「TOMOTOMO」に統一しているから疑いようがない。
ネットアイドル「Ribbon」の一番のファンと自称してるアイツの事だ。
追っかけが落ち込んでいると知っても居ても立ってもいられなかったのだろう。
自分の用事何て二の次のはずだ。
無理やりそう結論付けて何とか怒りを鎮める。
アイツの事だから変な事は書いてないだろうが一応確認しておこう。
マミちゃんの背中越しに目を凝らして文章を目で追う。
えーと何々?
『自分の心に正直に』か。中々良い事言うじゃん!
見直したぞトモっち!!
お前の事だから多分勢いだけで書いたんだと思うけど今回はGJだ!
「マミちゃん」
今のマミちゃんの様子を見るため声をかける。
顔を上げた彼女はさっきよりも生気を取り戻したらしく血色が良くなっている気がする。
どうやら激励メッセージは少なからず効果があったらしい。
おぉこれは好機!今こそ叩き込む時だ!
「みんなマミちゃんを必要としてくれてるんだ。魔女化の運命から逃げたいのは分かるけどそれは死にたいのか死ななきゃならないのかどっち?マミちゃんはどうしたい?」
みんな必要としてるんだから自殺なんてトチ狂ったこと考えんなと遠回しに伝えてみる。
こんだけ大勢の人が応援してくれるんだ。少しくらい自殺衝動は和らいでるはず!
「優依ちゃんは?」
「へ?」
「優依ちゃんは私を必要としてくれる?」
まさかの質問返しされた!?
いやこんだけ大勢の人に必要とされてるなら俺はいいじゃん!
実は結構欲張りさんなのか!?
うわー・・はっきり言って答えたくない。
だって、
「・・・・・・・・・・」
こっちをじっと見てる黒髪さんのプレッシャーが半端ない!
怖い!物凄く怖い!
ほむらが睨んでいるのはマミちゃんだけどいかんせん目力半端ない!
あれ瞳孔開いてんじゃないの?何であんなに怒ってんだ?
おかしい!
今日は見逃す的な事言ってた気がするけど俺の聞き間違いか!?
「・・・・」
うるうるさせた上目使いで見てくるマミちゃんもほむらと違う別のプレッシャーを放っている。
どうしよう?なんて答えればいいんだ!?
くそ!こうなりゃ自棄だ!
「もちろん!俺にとってマミちゃんは(戦力として)絶対必要な人さ!」
ヤケクソになった俺はマミちゃんの手を握ってそう叫んだ。
怒ってる理由は知らないけど許せほむら!
対「ワルプルギスの夜」にはどれだけ戦力があっても足りないから!
マミちゃんの火力は絶対必要なの!
パアと顔をマミちゃんが顔を輝かせている。
対してほむらは俺を殺しそうな目でにらんでいるけどな!
喜んでいる割には俺の回答を疑っているのかマミちゃんが何度も「ホント!?」と聞いてくるが全部で笑顔で受け流す。
人間笑ってれば何事も受け流せると信じている!
「これからもずっと私を愛してくれる・・?」
「へ!?」
さらなる爆弾発言がマミちゃんの口から飛び出してくる。
何言ってんのこの人!?大丈夫!?
ヤバい!マミちゃんが本格的に愛情に飢えている!?
これはマジで精神科に診察に行かなきゃならないかもれしれない!
勘弁してください!これ答えなきゃだめなのか!?
「っ!?」
きゃあああああああああああああああ!!
ふと視線を感じ気になって横目で見たほむら様の顔が見れたものじゃない!
どうすればいい!?
ここで「はい」と言えばマミちゃんは喜ぶがほむらを(何故か)怒らせる事になる。
ついでにマミちゃんに依存されそうで怖い。
だって目がすごく病んでるように見えるもん。
きっと魔法少女の真相で傷心してしまっているから根本にあった愛情の飢えが噴出してしまってるのだろう。
同性の俺にそれを求めるくらいには。
かと言って「いいえ」なんて言ったらほむらは怒らないだろうけどマミちゃんはまたソウルジェムを濁らせてしまう。魔女化一直線。
最悪の二択だな!他に選択肢はないのか!?
「・・・・・・・・・・うん」
悩んだ末に俺はYESと首を縦に振る。
なるべくほむらを見ないように、そしてマミちゃんには顔を逸らしてギリギリ聞こえる程度の声で小さく返事を返してだが。
ごめんなさいほむら様。
何で怒ってるのか知らないけど後で土下座するから許してください。
まあ、マミちゃんの事も「ワルプルギスの夜」の戦いが終わるまでの話。
そこからはきっと魔法少女の仲間達が君の孤独を埋めてくれると思うのでそれまで辛抱だ。
とにかくこれでマミちゃんは魔女化も自殺もしないだろう!
そう信じよう。じゃないとやってられない!
求める答えが得られたからかマミちゃんは満足そうに微笑みそのまま俺に身体を預けるように倒れ込んでくる。
今の様子からもう絶望して魔女化する気配も自殺する気配も感じない。おそらくこれで大丈夫だろう。
よく頑張った俺!
そしてありがとう!「Ribbon」のファンたちよ!
君たちのおかげで一人の魔法少女が救われたぞ!
マミちゃんは疲れてるのか起き上がる様子はない。
本人にとっても衝撃的な事実を突きつけられた訳だし仕方ないのかもしれない。
マミちゃんの好きにさせておこうか。
「いやー、一時はどうなるかと思ったけど何とかなったねー。さすが天然タラシ」
「・・・えぇ、そうね。正直見ていて良い気分じゃないわ。終わったのならさっさと離れればいいのに。無理やり引き剥がしてやろうかしら?」
「とても機嫌が悪いみたいだね。だけどそれは無粋だよ。マミの精神安定のためにも今日くらい我慢したらどうだい?」
「・・・・・・・・分かったわ」
「ところでほむら」
「何?」
「マミお手製ぬいぐるみの優依を盾に仕舞い込もうとするのやめないかい?せっかく和解出来そうなのにまた争うつもり?」
「そういう貴方はいつの間に高そうなクッキーの箱を開けてるの?勝手に巴マミのキッチンを漁ったんでしょう?」
・・・・アイツら黙ってくんないかな?
お互い相手の犯罪言及してるけど、どっちもどっちだ。
マミちゃんは今、俺に身体を預けて幸せそうに眼を瞑ってるけど話聞いてたらどうすんの?
怒っても文句言えないぞ?
いや、いっその事撃たれてしまえ!
「・・・愛してるわ」
・・なんか俺の胸元から凄い場違いな言葉を聞いた気がするがきっと空耳だろう。
空耳という事にしておこう。
これで良かったんだよね?
トモっちまさかの活躍でマミさんの危機を救いました!
病みが深まりましたがこれで大丈夫でしょう!
(※優依ちゃんは危なくなりましたが)
マミさん編は次で終わりになります!