休み時間になると早速クラスメイト達に囲まれ、質問をぶつけてきた。
まあだいたい前はどんな学校にいたの?とか趣味は?とか定番のやつだ。
なかには彼氏いるの?と聞いてくるやつもいたな(もちろん男子共)。
・・ただこういう積極的にくる奴は九割スクールカースト上位陣、クラスの中心人物だ。コミュ障のメガほむちゃんじゃなくてもビビる。実際俺も怖いです。ヘタレにはキツイ。
結局俺は休み時間の度に逃げ回る派目になった。
昼休み。それは学生にとってお楽しみな食事の時間。
友達と交流を深める時間。そしてぼっちには苦痛な時間である。
質問しまくるスクールジャーナリスト共を振り切り、俺は屋上に避難し、そこで昼食をする予定だ。まあ、半分は行ってみたかったのがある。前世の学校は屋上に行けなかったから。
ワクワクしながら、屋上に来てみると先客がいました。
中学生ではありえないプロポーションにして、最強の戦闘力と最弱の豆腐メンタルを持つ、魔法少女界のぼっち代表「巴マミ」さんが。
こ、ここにおったんかいいいいいいいいいいい!!!
学年が違うから油断してたああ!
昨日に引き続いていい加減にしてほしい!
俺この二日間で重要人物ほとんどあってる!もうお腹いっぱいです!
俺の中に吹き荒れる嵐を押さえつけながら、マミさんがいる所とは斜めの位置に座る。引き返すという選択肢はない。校舎に戻ったら情報に飢えたハイエナ共に捕まるだけだ。
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
全神経集中して食べる。それ以外は見えないように。
だってさっきからマミさんがこちらをチラチラ見てるんですよ!?
あれはおそらく「この人も一人なのかな?だったら声掛けてもいいかな?友達になってくれるかしら?一人は寂しいし。」とか思ってそうな期待のこもった目なんですよ!?
これはまずい。原作キャラと関わりたくない俺としては実にまずい。
下手に仲良くなって死亡フラグが成立するとか笑えない。
最悪マミさんのほうに死亡フラグ立つかもしれないし。
ほら、「もう何も怖くない」とか言ってさあ。
俺は食べ終わった弁当箱を素早く片付け、屋上を出る。
後ろから「あの・・・。」という声が聞こえた気がするが気のせいだ。
マミside
今日も一人でお弁当を食べる。町のパトロールが忙しくて、友達と疎遠になってしまったから仕方ない事とはいえ、寂しい。同級生は今頃楽しくおしゃべりしながらお弁当を食べているんだろうなと思うと、涙が出そうになる。
いけない!しっかりしなくちゃ!
正義の魔法少女がこんなことで弱音を吐いてはいけない!
「ん?」
自分に喝を入れていると、屋上に誰か来た。視線を向けると、とびっきりかわいい女の子が入ってきた。
見たことない子だから、ひょっとしたら転校生かしら?
女の子は私のいる所の斜めに腰を下ろし、凄い速さでお弁当を食べ始める。
見たところ一人みたい。
・・この人も一人なのかな?
だったらだったら声掛けてもいいかな?
友達になってくれるかしら?一人は寂しいし・・。
女の子をチラチラ様子を見ながら考える。
食べ終わったのか光速で弁当箱を片付け、屋上を去ろうとする。
「あの・・・。」
意を決して声をかけるも余程急いでいたのか、そのまま屋内に入っていく。一人残された私は沈んだ気分で、お弁当をまた食べ始めた。
「やっと終わった・・。」
放課後とは何て素敵な時間なんだろうか。
結局屋上を出た後に包囲され、質問責めを食らってしまった。
そのため疲れがピークに達している。俺は机に突っ伏したまま、今日はこのまますぐ帰ることを決意する。決めたら早いが帰る準備に取り掛かり教科書を入れ始める。
「やっほー転校生。今から空いてる?良かったらこのさやかちゃん達が街を案内してあげようか?」
「・・・はあ。」
ま、まだ終わってなかったああああああああああ!
解放されたと思っていたのに!
天国から地獄に突き落とすとはどういう事だ!?
しかもよりにもよって美樹さやか、君なんですか!?
「さ、さやかちゃん。いきなり過ぎるよ。神原さん困ってるし。」
「えーだって、まどかが言い出したんでしょー?転校生がまだこの街のこと分からなくて困ってるんじゃないかって。」
言い出しっぺアンタかい!!鹿目まどか恐るべし!!
「あ、あのもし良かったらでいいんだけど、この辺りを案内しようかと思って・・・今日一日おしゃべり出来なったから・・・その・・仲良くなりたくて・・ダメかな?」
そんな子犬みたいな目で見ないでください鹿目さん。罪悪感で潰れそうになるから。
「・・・ウン・・ダイジョウブダヨ。」
この時の俺は目が死んでたと思う。これ断れる奴いるんだろうか?是非見てみたい。
俺からOKが出たので、パアアと顔が明るい笑顔になる天使もとい鹿目まどか。うん、かわいい。
「じゃ、決まり!行こっか。あ、これから転校生のこと優依って呼ぶから。あたしもさやかでいいよ。」
「困った事があったら遠慮なく聞いてね優依ちゃん!わたしのことはまどかって呼んでね。」
・・お二人の間では既に名前で呼ぶの決定事項なんですね・・。
結局さんざん連れまわされたので、俺がベッドに直行したのは言うまでもない。最近の中学生はタフなんだね・・・。
まどかside
今日わたしのクラスに転校生がやってきました。名前は「神原優依」ちゃん。おとぎ話のお姫様が来たのかと思うくらいすごく可愛い女の子。
「うわーすげー美少女じゃん。」
さやかちゃんも思わずつぶやくくらい。仲良くなれるかな?
「じゃあ、席は・・鹿目さんの後ろね。」
わたしの後ろの席!?やった!これなら話しかけれる!
わくわくした気持ちで神原さんのほうを見ると、わたしのほうを見ていて、何故か顔が強張ってた。
神原さんが席につくと早速話しかけてみた。
「よろしくね。」
「よろしくー転校生。」
さやかちゃんは神原さんの後ろの席だから話しかけたみたい。
「ア、ハイ。ヨロシクオネガイシマス。」
笑顔がぎこちなかった気がするけど、緊張してるのかな?今日転校してきたばっかりだもんね。
それから休憩時間になって話しかけようにもクラスメイトのみんなが神原さんの周りに集まっていて全然話せなかった。お昼休みに一緒に食べようと誘おうとしたけど見つからなかった。そうしてる内に放課後になってしまった。
「まどかーそろそろ帰ろうー。」
さやかちゃんがそう言ってきたが、今、神原さんの周りに誰もいない。疲れているのか机に突っ伏している。話しかけるのは今しかない。
「ごめんねさやかちゃん。神原さん転校してきたばっかりでお店とか分からないだろうから案内しようと誘ってみるつもりなの。先に帰ってて。」
「ほほう積極的だねーまどか。結局今日ちゃんとしゃべってないもんね。いいよ!あたしも一緒に行く!・・・やっほー転校生。今から空いてる?良かったらこのさやかちゃん達が街を案内してあげようか?」
言うが早いが、早速さやかちゃんは神原さんに声をかけている。
まさかお誘いOKしてくれて、そのうえ優依ちゃんって呼べるようになるなんて思わなった。色んな所を案内して優依ちゃんとたくさんおしゃべりした。今日一日とっても楽しかったなあ。
でも優依ちゃん。ずっと遠い目してたけど、どうしたんだろう?初めてだから疲れてたのかな?はやく馴染んでもらえるようにこれからもっと仲良くなろう!
まどか、さやか、マミさん絡み回です!(マミさん絡んでないけど)
そしてまどかさん。さらに優依ちゃんを追い詰めるみたいです・・。