魔法少女オレガ☆ヤンノ!?   作:かずwax

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GW書けるうちに書いてこうと思います!


6話 会いたくないと思っても、だいたい次も顔を合わせるもの

俺は頭を抱えていた。原因は手に持っている紙だ。見滝原中学校に転校し、何とか戦場を生き抜いた。しかも頑張った俺へ天からのご褒美かスイーツバイキングの無料招待券が二枚手に入ったのだ!天はまだ俺を見捨てていないと無料招待券が手に入った時は飛び上がって喜んだものである。ただ誘う相手がぶっちゃけ見滝原でいないため、ダメ元で我が親友トモっちを誘ったらOKをもらい、スイーツバイキングがある風見野で待ち合わせしていたんだが、まさかのトモっちからドタキャンをくらった。なんか急用が出来たと言っていた。

 

 

 

・・だが俺は知っている。今日アイツが推しているアイドルが引退ライブを急遽開催されるから奴はそれにいっている。なぜ知っているかだと?奴のバカッターが逐一掲載されてるからだ!なんか「神に会えた・・俺はもう死んでもいい!」とあったので、殺そうと思う・・。

 

 

 

 

は!いかんいかん!頭を振って危険な考えを無理やり追い出す。とまあそんな事情で今俺は一人で風見野駅にいるのである。行かないという選択肢はない。前世から甘いもの大好きだからな!たとえぼっちでも意地でスイーツを食べる!とはいえまだ時間があるため寄り道しようと思う。時間をつぶすため俺はぶらぶらする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・うるさい。

やっぱりゲーセンはいつ来ても大音量だ。時間つぶしにゲームが最適かと思ってゲームセンターに来てみたが、耳が遠くなりそうだ。とはいえ、やはりこの雰囲気。居るだけで気分が楽しくなる。来て正解だった。特に遊ぶことなく店内を歩く。UFOキャッチャー、メダルゲーム、プリクラなど様々なゲーム機があり、どれも楽しそうだ。あちこちに目がいく。だから赤髪のポニーテールが背中向けてダンスゲームしてようが知らない。見てない。そんな人いない。別のゲーム機をみながら後ろを通り過ぎる。・・やっぱりうるさいかな?出るか。しかし俺はとあるゲーム機に目が止まった。

 

 

 

こ、これは・・俺が愛してやまないガンシューティング”ゾンビシリーズ”の最新版!

 

 

やらないという選択肢は存在しない。人間一度会ったぐらいじゃ顔も分からんだろう。気づく可能性は低い!俺は早速銃を手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子side

いつものようにダンスゲームをやる。世間では今日休日なのかアタシと同い年くらいの連中を結構見かける。・・まあ、関係ないが。しばらくゲームをしていると、ふと後ろのほうに気配を感じる。横目で見ると前にアタシが助けたあの女の子だった。気づいていないのかそのままアタシの後ろを通り過ぎる。

 

・・んだよ。アタシは後ろにいても、すぐ気づいたのに・・・。

 

イライラして調子が出ず、パーフェクトにならなかった。

 

「チッ、アイツ。」

 

イライラの原因は絶対アイツのせいだ!アタシに気づかないなんて良い度胸だ。文句をいってやる!・・・ついでにハンカチも返すか。そう考え小走りでアイツを探す。見つけた時にはガンシューティングやってた。可憐な美少女がゾンビ撃ちまくってるのは凄いシュールな光景だ。

 

 

「やべー今回のゾンビ、ハンパないな。」

 

アイツ前と口調違わないか?猫かぶってやがったな。・・・ムカつく。

またイライラしながら、しばらくアイツを眺めてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画面にゲームクリアの文字が浮かび、俺はほっと息をつく。

 

「ふう、こんなもんか。」

 

「へえ、アンタ結構上手いじゃん。」

 

 

 

「!!!ぎゃあああああああああああああああ!!」

気を抜いた時に声を掛けるのは反則だ!色気のない悲鳴とともに猫のごとく飛び上がる。

 

 

 

「んだよ。ビビり過ぎじゃねえか?」

不満そうな赤いポニーテールもとい佐倉杏子が腰に手を当ててあきれた目で俺をみていた。何でここにいんのおおおおおおおお!?

 

「いきなり声掛けるのはナシです!というかいつから見てたんですか!?」

バクバク鳴ってる心臓を押さえつつ聞いてみる。

 

 

 

「いつからって『やべー今回のゾンビ、ハンパないな。』って言ってるあたりから?」

 

「ほぼ最初からじゃないですか!?」

つまり、俺の恥ずかしい黒歴史の一部始終見てたって事ですね!?うわあ穴があったら入りたい!

 

「ところでアンタ。何でこんな所にいるんだ?まさかまた迷子じゃねえだろうな?」

 

 

その問いで恥で震える俺は風見野に来た本来の目的を思い出した。俺は杏子の両手を掴み、驚く彼女に向って

 

「あの!今から時間空いてませんか!?」

 

そう叫んでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んんーうまーい!あまーい!」

んんーかわいいー!てんしー!

 

 

 

 

 

幸せそうにケーキを頬張る杏子。既に二十個超えてる。俺はそんな杏子を見て癒されてる。思い切って誘って良かった。杏子が快諾してくれて良かった。やっぱりぼっちで行くのキツイわ。

 

「ホント助かりましたー。一緒に行くはずだった友達が急遽これなくなっちゃって困ってた所なんです。彼、急に用事があるとか言っちゃって。」

俺は杏子に愚痴を聞いてもらっていたが、杏子が突然ビクリと固まってしまった。

 

「?・・どうしました?」

 

「彼って・・アンタの彼氏?」

 

 

「え!?違いますよ!ただの(オタクな)幼馴染ですよ!そもそも私彼氏いません!」

 

 

それを聞いて何故か杏子がホッと胸を撫で下ろしている。質問の意味がよくわからない。あれか?『アタシはこんな生活してるのにリア充共が』的な妬みだろうか?まあ俺は彼氏作る予定はないし。というか無理。いくら女として転生したとはいえ元男の俺が野郎と付き合うなんて考えただけで寒気が・・。

 

 

 

 

 

「・・・佐倉杏子。」

 

「ん?」

 

 

寒気で腕をさすっていたため、杏子がポツリと呟いたのを聞き逃した。俺が聞いていなかったのに気づいたのだろう。今度はハッキリと口にしてきた。

 

「アタシの名前、佐倉杏子。アンタの名前は?」

 

「えーと・・神原優依・・です。」

 

 

有無を言わせない口調に思わず、タジタジで答えてしまった。ヘタレですみません。

 

 

「ふーん、じゃあこれからは優依って呼ぶから。」

 

「あ、はい。佐倉さん。」

 

「杏子。」

 

「え?」

 

「杏子。」

 

「・・・・杏子。」

 

「ん。ちゃんと呼べよな優依。苗字で呼んだら承知しねえから。」

 

 

満足そうに笑い、再びケーキを頬張る杏子様。何がしたかったんだろうか?ただ分かるのは目がマジだった事だけだ。俺のビビりセンサーに直通するくらい怖かった。気を取り直してケーキを食べる事にした。だが、これで終わったわけじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そーいえばさ優依。アンタ、ゲームやってた時と口調全然違うじゃん。あっちが素だろ?」

 

 

「!?」

 

その言葉に今度は俺が固まった。

 

 

ゲームの事といい、口調の事といい、俺はひょっとしてとんでもないアホなのかもしれない・・。

 

 




杏子ちゃんアゲイン!優依ちゃんの素を知っちゃいました!


優依ちゃんはアホではありません。マヌケなだけです!

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