現代人はネットが繋がらないと生きていけないという事。
ネット回線に障害が生じてパソコンが使えなくなったので投稿がかなり遅くなってしまいました。申し訳ございません!
「あの・・杏子さん、どこまで行くんですか?」
「もうちょっと先だ」
「そう言ってもう軽く三十分は経ってる気がするんですけど?」
杏子に手を引かれ、ファミレスを後にした俺はひたすら赤の後ろについていく形で歩く。
ホントどこまで行く気だこの赤?
結構な距離を歩いた気がするんだけど気のせいじゃないだろう。
かなり疲れた上に足が痛い。悲鳴を上げるまで秒読みだ。
気づけば夕暮れもかなり傾き始めている。
そろそろ帰らないとあっという間に中学生補導対象&魔女さんいらっしゃい時間帯に早変わりだ。
何としてもそれまでには屋内に逃げ込みたいんだが、それには杏子の拘束から解放されなくてはならない。
それにはどうしても前を先導する赤に話しかけてなくてはいけないわけでして・・。
若干、いやかなりビビりつつ慎重に声をかける。
「杏子、もうすぐ夜になるよ。俺、そろそろ帰りたいんだけど・・」
「んー?もうちょっとだから付き合ってよ」
「・・はあ」
だめだこりゃ。
さっきから話しかけてもこんな調子で返されるから押し黙るしかない。
なけなし勇気で話しかけたのに貼り付けたような笑顔を浮かべて軽く流される。
それが堪らなく怖いので閉口してしまうのだ。
さすがに時間の問題上、もうちょっと押し強めにいきたいところだが、これ以上押し強めにいけば今は一応笑顔の杏子も機嫌がみるみる下がっていきそうで怖くて何も言えない。
大人しくついていくのが無難だろうが、身の安全が保障されない上に夜遅くまで帰してくれなさそうな気がする。
そもそも帰してくれるのかさえ疑問なのだが。
マミちゃん今頃どうしてるだろう・・・?
俺の事探してくれてるかな?黙っていなくなった訳だし。
過保護な上に心配性な性格だから今頃パニックになってないと良いけど。
そうなったら俺の無事を確認するまで暴走しそうだ。
いつかの恐怖の連続着信が来てそうで怖いけど今の俺にはそれを確かめる術すらない。
何故なら、
チラッと前を歩く杏子のパーカーのポケット見る。
そのポケットの中には黒い長方形のものが入っている。
正体は俺の携帯だ。
そうです。いつの間にか杏子に回収されてました。
いやほんとビックリしたよ。
”じゃ、これは預かっとくから”
軽い口調で知らぬ間に俺のバッグから引き抜かれてたんだもん!
全然気づかなかった!何あれ怖い!
杏子がどうやって普段、資金調達してるかの一部始終を垣間見た気がする。
いつかのATM破壊未遂の時もそうだがコイツの将来が心配だ。
それ以前にこの世界に将来があるのかとても心配なんだけど。
もちろん、そんな横暴は許されない。
マミちゃんに連絡を取るため携帯を取り戻そうと試みた。
しかし勘の良いコイツは実行する前に俺の方に振り向いて「大人しく付いてきてくれよな」と釘を刺してきて、その時も笑顔だったけどオーラが確実に怒ってた。
笑顔+怒りオーラの迫力は凄まじい。
その威力は高速で首を縦に振らせ、抵抗の意思をなくすには十分な威力だった。
そんなこんなんで今に至る。待っていなくてもすぐに辺りは夜になるだろう。
大人しく付いて行っているが流石にこのまま黙って連行されるのはかなりまずい気がする。
なんせ昨日睡眠薬なんて恐ろしいもの盛られてんだ。
今度もそれくらい、いやそれ以上にヤバい事仕掛けてきそうで洒落にならん。
でも俺のようなヘタレがこの目の前のベテラン魔法少女をどうにか出来るとは到底思えない。
やはりここは目には目を、歯には歯を。魔法少女には魔法少女をだ。
この状況を穏便に解決してくれそうなものはほむらだが、アイツ今どこにいるか分かんないし、何よりまどか最優先だから俺の事など二の次だろう。助けを求めても「どうにかしなさい」と放置されそうだ。
さやか?論外。
騒ぎが大きくなりそうだし、今度杏子と会ったら殺されそうだ。
となるとやはりここはマミちゃんだ。
どうにかして彼女と連絡を取りたいがどうすれば良いだろうか?
「? 杏子?」
杏子がふいに立ちどまるから俺はそれに気づかず背中にぶつかってしまった。
鼻が痛い。背中にぶつかった拍子に当たったらしい。
結構強くぶつけちゃったけど鼻血出てないよね?
イラッとしたが周りの様子を見る。
杏子に引率されながらずっと考え事してて気づかなかったが、どうやら俺たちはどこかの橋の下にいるようだ。
薄暗くて気味が悪い。如何にもなにかでてきそうな陰湿な雰囲気ですぐにでもここから離れたいと思わせるそんな雰囲気だ。
当然、ホラー超苦手な俺にとってOUTな場所だ。めっちゃ怖い。
この雰囲気に呑まれて恐怖で発狂しそうだ。
でも何より怖いのはさっきから立ち止まって微動だにしない杏子だ。
俺の前に立っているから表情は分からないが、手を離す素振りはない。それどころか更に強く握ってくる。
ひょっとして行きたい場所ってここなんだろうか?
わざわざビビりの俺を連れてまで来るなんて何と意地悪な性格なんだ。
杏子はどういう意図で俺をここに連れて来たんだ?
まさかの俺をビビらせてからかうためか?
怖いけど一刻も早くここから抜け出したい。
流される可能性があるが話しかけるしかないだろう。
「杏子、一体どうしたんだ?わざわざこんな遠い所まで連れて来て何がしたいんだ?からかうためだったら悪いけど、俺は帰るぞ」
少し怒ったような口調で話しかける。
ちなみに声の調子は苛立ち一割と残り九割は恐怖を隠す強がりで構成されていたりする。
「優依って結構意地悪だよな」
俺に背中を向けたまま杏子はそう呟いた。
その際、俺の手を握る力が一段と強くなったので痛みで思わず顔を顰めてしまう。
「はあ?・・いきなりなんだよ?」
俺が意地悪だと・・?意地悪代表みたいな奴が何言ってんだ?
現に今も訳の分からない事して俺を混乱させる意地悪してるだろうが。
無自覚かコンチクショウ!
「アタシこれでも結構傷ついてんだ」
俺と話しているというよりまるで独り言を言っているようで微妙に話が噛み合わない。
杏子の纏う雰囲気はこの場所に影響されてるかのように暗いものに感じる。
これがどういう状況かよく分からないが、このまま杏子の好きにさせておくのは良くないという事だけは何となく分かる。
とにかく話題を振って気を紛らわせた方が良いだろう。
「杏子」
「・・・・」
え?無視ですか?泣くよ俺?
意地悪も辛いけど無視されるのが一番辛いんですけど俺・・。
「・・・来た」
「え・・? !?」
杏子が呟いたと同時に周りの空間が歪む。
とっても見覚えのある落書きのような空間の中央にこれまた落書きのような物体が子供の笑い声のようなものを上げながら現れた。
それを見た俺はここがどこか悟り一気に顔が青ざめた。
「良いタイミングで出てくれたもんだ」
ようやくこっちに振り返った杏子は楽しそうに笑みで俺を見つめている。
その笑顔はどこか虚ろなものを宿していたが今の俺にそんな事を気にする余裕は一ミリもない!
それよりも俺の生命の方が遥かに大事ですから!
「あわわわわわわわ!」
「安心しろ。使い魔の結界だ」
「安心出来るか!魔法少女にとって雑魚でも、一般ピーポーにとっちゃ確実な死亡フラグだから!ていうかこれやっぱり使い魔の結界か!」
安心させるようにパニクる俺の頭を撫でながら告げる杏子に思わず食って掛かる。
どこをどう見たら安心できるのか是非説明して頂きたい!
杏子にとっては雑魚同然だろうよ!杏子にとってはな!
俺にとっては死が具現化された存在そのものだから!
しかもよく見るとアイツって、原作でさやかが倒そうとしたけど杏子が逃がした奴じゃん!
まさかの再会ですか!?ちっとも嬉しくないから!
それなのにわざわざ自分から結界に入っていくなんて杏子は今更この使い魔に何の用だ?
昔はともかく今はグリーフシード目当てでむしろ使い魔を放置するはずなのに・・・・まさか!
最悪の事態が脳裏に過り、そっと杏子の手を離す。
考えるよりも先に身体が勝手に動いた。
今の杏子は使い魔の方に気を向けている。チャンスだ!
「おっと、どこに行くんだ?」
「!」
全てを悟った俺は本能に従うまま逃げようとした。
しかしそれはすぐさま終わった。
地面を蹴る前に杏子が俺の手を掴んでいたから。
掴まった俺の顔が青ざめていていくのが分かる。
「は、離せ杏子!俺を餌にするつもりだろ!?絶対嫌だぞチクショウ!」
杏子が俺をここに連れてきた理由、
それは俺をあの使い魔の餌にするつもりだ!
そうだ!それに違いない!
チクショウ杏子め!そこまで堕ちたか!
ドライな面はあると思ってたけどそれは過去の事が原因で装った偽悪的な仮面だった。
本質的には心優しい聖女だったはず。
それなのに今はどうだ。
自身が生き残るために友達(仮)の俺を使い魔の餌にしようとしているではないか!
なんて奴だ!見損なったぞ!
お前なんか魔法少女どころか人間の風上にもおけねえよバカヤロウ!
「離せ離せ離せ離せ!」
「こら、暴れんなって」
まさかの裏切りに対しての怒りと失望で半泣きになりながらがむしゃらに暴れるも杏子は全く動じない。
それ所か俺の両腕を掴んで背中に押さえつけられてしまった。
いたたたたたたた!折れる折れる!
俺のスカスカな骨密度だと確実に折れる!
もはや暴れるどころじゃない。
痛いと涙ながらに訴えたら、力を緩めてもらえた。
といっても拘束はしたままだが。
「ここさ、人がよく消えるってオカルトマニアの間じゃ有名らしいんだよね。まあ、真相は魔女や使い魔が好んでやってくる場所だから、それを知らないで肝試しにやってきた馬鹿が食われてるってだけなんだけど」
「へ、へえ・・そうなんだ」
俺が骨折する心配なんて一ミリもしていないのか杏子は腕を押さえつけながら聞きたくもない都市伝説っぽい事を語り始める。いきなりそんな話をするのはどうかと思うが話を聞く俺も大概だけど。
ていうかガチでリアルな怖い話じゃん!
心霊スポットに遊び半分で行ったら生きて帰れないとかどこのホラー映画だ!
「もうすぐだ。あと一人くらい食えばアイツは魔女になる」
背中越しに聞こえる楽しそうな声。
例えるならそれはサンタを待ちわびる子供のような無邪気さを孕んでいた。
「離してくれええええええええええええええええええええ!!俺はまだ死にたくないいいいいいいいいいいいいいい!!」
全身を恐怖で支配された俺はもはやパニック状態。
発狂からの絶叫とやりたい放題だ。
なんならさっきよりも身体を振り乱して暴れまくってみたが、そんな俺の必死の力にも杏子の力の前ではビクともしなかった。
俺史上渾身の力を使ったはずなのに一体どうなってんだおい!
どんだけパワー有り余ってんの!?お前、前世絶対ゴリラだろ!
ゴリラはゴリラでも絶対キン〇コングレベルの強さだっただろ!
「おい落ち着けって。怪我するぞ」
「怪我がなんぼのもんじゃい!骨折がなんぼのもんじゃい!やっぱり俺を餌にするつもりだろ!?昨日の仕返しなんだろ!?見損なったぞ馬鹿!」
「誰が馬鹿だ。・・そんな訳ねえだろ。優依には絶対に近づけさせないよ。ましてや餌になんてするはずないだろ」
「え?・・・本当?」
「ああ、本当だ。約束する。アタシの命に変えてもアンタを守る」
俺を見る真剣なその眼差しはとても嘘をついているとは思えない。
そうだよな。いくら杏子といえど友達(未満)を見殺しにするような真似する訳ないよな。
あー焦った。まじで餌にされるのかと本気で思ったわ。
こんなに友達思いの奴がそんな事する訳なのにな。
誰だよ杏子を見損なったとか最低とか言った奴は・・あ、俺だ。
「まあ、他の奴は知らねえけど」
「・・・ん?」
ぼそっと独り言のつもりで口にしたようだが生憎俺の耳に聞こえてしまった。
気のせいだ。そう、きっと俺の気のせいだ。
「ごめん、今なんて?」
「ん?他の奴は知らねえって言っただけだけど?」
「それって、他の人が食われても構わないって事ですか・・?」
「そうだけど?」
「・・・・・」
おいいいいいいいいいいいいいいいい!!
コイツ可愛い顔でとんでもねえ事言ったぞ!?
違った!俺の気のせいなんかじゃなかった!
まともに見えて実は自分(多分俺も含まれている)以外、他はどうなってもいいという一番危険な思考の持ち主だよ!
怖い!コイツマジで怖い!
病みを極めた悪魔ほむらでさえまだ周辺に気を遣う優しさは残ってたぞ!
自分以外は幸せになる自己犠牲悪魔だったぞ馬鹿野郎!
それに比べて赤いヤンキーときたら!
見損なったとかそんなレベルじゃねえぞ!
これは非常にまずい!
一刻も早く杏子から逃げなくては!
俺が暴れなくなって油断していたのか、腕を掴む力が緩んでいる。
そのおかげでなんとか掴まれていた手を外す事が出来た。
よし今の内に・・!
「!」
「逃がさねえよ」
くるりと踵を返した直後、俺を包み込むような形で背後から抱きしめられる。
耳元で聞こえる杏子の声は酷く冷たくて寒気がした。
「何でこんな事すんの!?俺に恨みでもあんの!?」
「昨日言わなかったかい?『容赦しない』って・・アタシは怒ってんだ」
杏子が俺を抱きしめたまま結界の壁の方に向かって歩いていく。
壁に到着する間際、視界が霞み背中に衝撃が走る。
「・・っ」
呼吸が上手く出来ない。背中痛い。
鈍痛が走り、せめてそれを和らげようと背中に手を伸ばそうとするも両腕を何かに掴まれて壁に叩きつけられた。
何事!?と前を向くと目の前には杏子の顔があった。
どうやら俺は杏子によって壁におさえつけられているようだ。
という事はさっきの背中の衝撃は壁にぶつかったからか。
じゃあ杏子に投げられたのか俺?
いや、それよりもこの状況は・・!
俺を壁に押し付ける杏子
これは第三者から見たらおそらくこう言うだろう。
『壁ドン』・・と。
状況を理解し、顔に熱が集まっていく。
こ、これが壁ドン!?
まさか人生初の壁ドンを女子にされるとは・・。
ん?なんか足の間に違和感が・・ !?
「ちょ・・!?」
恐る恐る下の方に視線を向けると俺の太ももと太ももの間に杏子の足が割り込んでいるじゃないですか・・・!
もしかしなくても『股ドン』って奴じゃないの!?
うっそマジで!?おいおい!
まさかリアルでありえない経験をまさか一度に経験するなんて・・!
これ途端に女の子憧れのキュンキュンな状況から途端にR-18にシフトチェンジしそうな展開になるやつだ!
杏子の奴、いつの間にこんな事覚えて・・ありがとうございます!
なんてトキめいてる場合じゃねえ!
何これ!?どういう状況なのこれ!?
「わざわざ遠くまで来たんだ。マミは簡単に追ってこれないだろうさ。ほむらもアタシのいる場所は分かんねえだろうよ。・・ようやく二人っきりだ」
ショート寸前の頭で一人漫才してると杏子が息がかかる程、グッと近くに顔を近づけて来る。
頬を赤らめてにっこり笑う杏子は肉食獣のような目をしているので本能的に鳥肌が立った。
「あの、ここ使い魔の結界・・」
「優依・・・」
聞いちゃいねえ。
熱に浮かされたような声が俺の名前を呼んでいて超怖い。
速攻で助けてを求めたいが、しかし悲しいかな。助けが来る可能性は皆無だ。
俺一人で杏子及び使い魔から逃げて生き延びなくてはいけない。
普通に無理ゲーじゃね?てか何この状況?
俺、ひょっとして杏子に襲われちゃう感じですか?
このままモザイクかけなきゃいけないような百合百合しい展開になっちゃう感じですか?
使い魔の結界の中で女の子同士がR-18展開するとかどんな特殊プレイだ。
駄目だ。混乱し過ぎてロクでもない考えしか出てこねえ!
ロクなアイデアが浮かばない中、杏子がそっと俺の耳元に顔を寄せてくる。
「お前が悪いんだよ。アタシをこんな風にしておいて、責任を取らないで裏切るから」
「えー・・」
俺が悪いの?
確かに魔法少女関連の事黙ってたのは悪かったと思うけどここまで根に持たれる程怒らせるものだったっけ?
そもそも杏子を裏切った覚えはないんだけど?
てか、そもそも杏子をどんな風にしたんだ俺は?
「面白い事教えてやるよ」
「?」
「どうやら近くに人がいるみたいなんだよね。このままだとソイツ食われちまうかもな?」
「は!?」
おいおい勘弁してくれよ!どこが面白いんだ馬鹿!
それは何か?下手すればグロイ殺戮ショーが俺の目の前で開催されるって事か!?
そんなもん見たらトラウマどころか精神崩壊起こすわ!
「・・アタシは何もしねえぞ。卵産む前の鶏絞める気ないし」
「・・・」
ですよねー。
ほんのかすかな望みをかけて目で使い魔倒してとお願いしてみたが案の定玉砕。
予想通り過ぎで涙出てきそうだ。
このままじゃ俺の目にR-20確定のシーンを映す事になる!
それは駄目だ!絶対に駄目だ!
「取引次第で倒してやらない事もないよ」
頭を抱える俺に杏子はタイミングを計ったようにニヤリと意地の悪い笑顔で顔を覗き込んでくる。
てか顔近いんですけど!
何でいちいちマウストゥマウスしそうな距離に近寄ってくんの?
「・・取引って何?」
何となく察しはつくが一応聞いておこう。
絶対ロクでもない取引内容だろうけどな。
「簡単さ。アタシと一緒に来るって言え。そうすればすぐあの使い魔を殺してやるよ」
やっぱりですかチクショウ!嫌な予感はしてたよ!
ホントしつこいなコイツ!もはや執念だろこれ!?
思わず怒鳴りたい衝動に駆られたが、それよりも呆れと疲れからか思わずため息がもれる方が早かった。
そんな俺の様子を杏子は笑顔を引っ込め真剣な表情で静かに見下ろしている。
「昨日からずっと考えてたんだ。どうやったら優依を連れ出せるか。どうやったら優依は素直にアタシの元にくるか、マミ達と戦った後からひたすら考えてた。そこでふと思いついたのさ。アタシの言う事を聞かなきゃいけない状況にしちまえばいいって」
「何をどう考えたらそんな結論になるんだよ!?それは考えてるとは言わない!思いつめてるっていうんだよ!」
ほむらと共同戦線が出来たと一先ず安心してたらこれだよ!
まあ、ほむらの方も杏子との約束守る気ゼロだったからあおいこだろうけどこれは酷い。
約束破るどころか裏切る気満々だぞ!
「これを実行するために今日は一日俺を見張ってた上に待ち伏せしてたのか?」
つまり、初めからこれが目的で俺を出待ちしていたと?
まさかマミちゃんと引き離したのもキュゥべえと結託した杏子の仕業じゃ・・?
「はは、それは違うぜ優依」
「え?」
「今日はアンタの事見張ってない。昨日の事があるからさ、マミとほむらに警戒されてて近づけなかったんだ。どうやってあいつ等の目をだし抜こうか考えてたらまさかの優依の方から来てくれるなんてね」
「・・・・・・え?じゃあ今日会ったのって待ち伏せじゃなくて・・・・・・全くの偶然なの?」
「ああ、まさか偶然通った道で現れるなんてな。・・これも神様のお導きってやつかね?」
教会の娘らしく神に向かって感謝を捧げるように目を伏せる。
俺は彼女と違って神に感謝する事はない、むしろ罵倒したいくらいだ。
邪神テメエこの野郎おおおおおおおおおおおおおおおおお!!
なんつう死亡フラグに導いてくれてんだ馬鹿!
お前そんなに俺の事嫌いか!?
嫌いな奴はどこまでも苦しめってか!?
俺、お前にそこまで嫌われる事した覚えねえぞおい!
俺の何がそこまでテメエを奮い立たせるんだよ!?
「さあ、おしゃべりはここまでだ」
「!」
再び顔を上げた杏子の顔がすぐ近くまでに迫っている。
赤い瞳にうつる俺はどこか黒くくすんで見えるのは気のせいじゃない気がする。
「今ここで決めな。アタシと一緒に来ると約束してアタシに使い魔を退治させるか、自分可愛さにこれからやってくる人間を見殺しにするか。どっちか好きな方を選ばしてやるよ」
有無を言わせない。
嫌でも雰囲気で分かってしまう。
思わず息をのむ。
間違いない。杏子は本気だ。
冗談抜きでこれは最終通告だ。
邪神様は人がもがき苦しむ姿を見るのが大好きです!
特にリアクションが大きい人ほどお気に入りw
IFストーリー
杏子ちゃんと付き合ったら(杏子√続き)
「マミ、アタシ優依と付き合う事になったから」
そう言って俺の肩に腕を回す杏子。
まさかの杏子からの告白でかなりびっくりしたというのに勢いでついOKを出してしまったが今更後悔しても遅い。
だってめっちゃ恥ずかしい。
彼女いない歴=前世からの年齢加算の俺にこんな可愛い彼女が出来るなんて!
「・・・・・」
何も言わないマミちゃんが非常に恐ろしい。
無表情で俺たちを見る様子はガクブルものだ。
「ここはアタシの優依にとって大切な街だ。可愛い優依に頼まれたんじゃ断れねえよ。仕方ないからアタシも『ワルプルギスの夜』を倒すために協力するさ」
そうなのだ。
(一応)付き合う事になったからダメ元で杏子にお願いしたらあっさりOKが出た。
あれだけマミちゃんと協力するのを拒否していたのに・・恋の力恐るべし。
しかも善は急げとそのままマミちゃんの所に行くなんて行動力が逞しい。
「・・・そう、良かったわね」
「マミちゃん・・?」
ゆらりと立ち上がったマミちゃん。
何故かその手には銃が握られており銃口は杏子に向けられている。
「佐倉さんを殺して私が優依ちゃんの彼女になる!」
「ハハ!やってみろよ!アタシらの仲に入る隙なんてどこにもねえけどな!」
お互い変身して始まる殺し合いに俺はすぐさま避難して頭を抱えるしかなかった。
結局こうなるのね・・。
杏子√は彼女となった杏子は味方になるがそれ以外は敵になるので修羅場展開確定w