中間管理職は晩成型です~カリスマ無いけど頑張ります~   作:ゆっくり霊沙

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実在の人物、団体、その他に一切関係ありません。


プロローグ

この学校は監獄と昔言われていた

 

まぁ今も学校外部の人はそう呼んでいる

 

厳しい校則、高い進学率、綺麗な校舎、全校約3000人

 

この4つが外部から見た学校の特長で実際は・・・

 

宗教じみた創立者崇拝、生徒の過半数がオタクか変態か腐っている、学校のカーストが何故か複数存在する、たまに生徒がいなくなる

 

これが中から見た学校だ。

 

(あらためて思うとうちの学校おかしかったな。まぁ今日は予餞会を楽しむけど)

 

 

 

 

際という学生はバイである

 

中学の頃はいじめのストレスの反動で凄まじい程中二病(極右、極左の思考研究及び戦争史の探求)を患い、高校入学とともに完治したが、ホモ疑惑をかけられたのでキャラでホモをやっていたら本当に男が好きになるというクレイジーサイコパス野郎だ。

 

そんな存在のため、自虐で笑いを取るピエロだが部活は真面目におこなっていたので副部長の肩書きを顧問からいただいていた(ホモキャラ野郎なのに)

 

ホモホモ言っても部活の男子達とは仲が良く、自分達の性癖暴露大会をよくやったり、温泉旅行やカラオケ、食事会も頻繁にするほど親密な関係だった。

 

(まぁ全体人数120名に対して男女比1:10だからな・・・男子少なすぎなんだよバカ野郎ー)

 

等と愚痴っていたら自分が所属していた応援部の発表が始まる。

 

全校が集まりギッチギチの中なのに後輩が自分と部長をすぐ見つけ、引っ張られるように壇上に上げられる。

 

「先輩、先輩の大好きな鬼畜パターンですよ。鈍ってできないなんて言わせないですよ。」

 

後輩が煽るのでブレザーを脱ぎ捨てワイシャツで部長の後ろで下振りと呼ばれるバックダンスを始める

 

 

 

 

 

 

 

(いや、異世界転移のタイミング最悪過ぎませんかね)

 

壇上に居たため際は全校生徒がいる場所に巨大な魔方陣が徐々に浮かび上がるのが見えていた。

 

部長も・・・不審がってねぇ、流石部長だ。

 

異常事態なのに何の変化もなく踊る部長に周りにいた後輩も落ち着いてくる。

 

(いよいよ光だしたんですけど・・・ヤバイんじゃね?いや、ヤバイよね、なろう小説かな?いや、まてまてまて・・・)

 

先生方が今さら慌て始めるがもう遅い

 

視界が白く塗り潰される

 

(あぁ、お袋、親父、弟よ・・・生きていたら抱きついて泣こう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良く来た勇者・・・諸君よ(あれ?数多すぎないかね?)!!」

 

真横かよ!!

 

まてまてまて普通こう転移したら自分達も列の中とかこう、ね!玉座の前で向き合う形が普通でしょ。

 

ほら部長がオーラ発し始めたよ。

 

これは激怒の感じたよ。

 

眼で分かる

 

(【なに応援部のステージぶち壊してんの、死にたいのか爺】)

 

的なこと考えているよ。

 

後輩怖がってなんとかして副部長って眼で見てるけどお前ら分かるだろ。

 

お前ら散々俺のこと部長の怒りの緩衝材とか低反発クッションとか部長の犬とかイェスマンってあだ名で呼んでたじゃん。

 

「際、あの爺を黙らせろ。」

 

ほらキタァ・・・女帝のお怒りだよ。

 

首を必死に横にプルプルと振る。

 

というか真横だから、部長は振り返ったから真っ正面かもしれないけど俺は真横なの!!

 

ほら屈強な良い男達が凄い形相でこちらに近づいてきてるよ。

 

・・・えぇいままよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇者の数が多すぎるな宰相よ。」

 

若いそして狐のような顔をした黒髪のイケメンが横に立つ宰相に向かって言う。

 

イケメンと宰相の他24名もの人数が空中に映される幻術を眺める。

 

彼等は魔法によって創られた幻術の王を介して壇上から下に蠢く3000人の勇者達を見ていく。

 

大半が困惑、一部冷静、更に少数が歓喜、1名顔を真っ青にして土下座・・・

 

「ほぅ、面白い奴も居たものだ。」

 

「小刻みに震えておりますな。幻術とはいえ王の圧に屈したと見るべきでしょう。」

 

「ふむ、今しばらく様子見だ。」

 

 

 

 

 

 

 

『黙れ!!この人物が喋っている!!聞こえないだろ!!』

 

はい、終わった。人生積んだ。

 

頭真っ白にしたらこれだよ。

 

たま~に吹っ切れると大声で静止を呼びかける癖があるけどさぁ・・・土下座しながら言ったらただの変人いや、サイコパス野郎じゃん。

 

はい、皆こっち見てる。

 

ホモ野郎が、部長の犬がキレてるなんて眼で訴えかけるなよ。

 

「・・・勇者諸君よ、今この国は魔王の手により攻撃を受けている。これをなんとかはね除けてほしいのだ。勿論魔王を討つ事が出来れば良いのだが、そこまでは求めておらん。国境を戦前まで戻し、防衛体制が整えば直ぐに元の世界に戻してしんぜよう。」

 

(はい、ゲームセットありがとうございました。戻った所で良い会社に入るのは無理ですねぇ・・・まぁ自分は地元のコネでなんとかしようと思えば出来るけど・・・骨埋める覚悟をしないと死ぬなこれは。・・・そんなすぐ覚悟完了できねぇよ畜生めぇ!!)

 

【横の者よ、期を見てあそこで此方を見ている老人に話しかけよ。】

 

こいつ頭のなかに直接語りかけただと!?

 

(ファミ○キくだ・・・ネタやってる場合じゃねえ!!壇上の下大パニックになってるし、先生方が落ち着かせてるけど収集不可能になってるな。部長は部員集めて指示出し始めたし、俺もしらーっと脱出しますか。)

 

たぶん生徒会の誰かが壇上の段幕を強制的に降ろしたため、俺は囁かれた通りこっち見てる老人に近づいた

 

「・・・ふむ、今まで見てきた中で一番ましじゃな。」

 

(なにこのお爺さんいきなりマシだとか良い始めたんですけど・・・あ、胃の辺りが痛くなりはじめたよ。)

 

胃の辺りを手で擦り、体をくの字にしていると爺さんの右手が光だし、そのまま自分のことを触ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「握力凄くない?え・・・」

 

爺さんの握力のせいか自分の腕に爺さんの手跡がくっきりついているのを見ていたら知らない場所にいた。

 

Uの字のテーブルを挟み、前には軍服(パッと見、中世から近世辺り)を着たイケメンが真っ正面の席に座り、その横に毛をカールさせた鬘を被った中年から老人がズラリと並ぶ。

 

(後ろには立体映像ですか・・・また土下座かなぁ)

 

直ぐに土下座態勢になろうと膝を床に着けた時

 

「変わった者だな。立て、貴様と話をしたい。」

 

とイケメンが言う。

 

無言で立ちあがり、顔を上げ、イケメンの目を見る

 

「今にも泣きそうだな、それでいて顔は真っ青・・・良い、実に良いぞ。」

 

(ドSなの?イケメンドSなの?)

 

「勇者名を何と言う」

 

「際です(あ、下の名前言ってねえや)」

 

「ギーワか。ふむ、ギーワ貴様は軍事を分かるか」

 

「嗜み程度でしたら・・・(ギワだよ。ギーワって・・・)」

 

「よい、大臣。」

 

「は!!」

 

(普通に喋ってるけど字って読めるのかな?)

 

ふと疑問に思う

 

すると中央部分付近が黒く塗り潰され、南側以外の周りを凸に囲まれた紙が出てきた。

 

手に取ると凸が黒い部分を徐々に侵食し、唐突に現れた赤い×マークと赤い線、青い文字が浮かび上がるが読めない

 

(黒が自国、凸が敵部隊、赤い×が決戦か?赤い線は現在の防衛ラインかな?・・・塗りつぶしてあるのは自国の道を把握させない為・・・だろうな。)

 

「字は読めませんが内容は把握いたしました。幾つか質問宜しいでしょうか。」

 

「宰相」

 

「はい。宰相のヘス・パーマと申します。私が答えましょう。」

 

「北に行くほどこの国は寒いのですか?」

 

「いえ、暖かくなります。」

 

「現在の防衛線から戦前までの国境は直線として徒歩か馬車などで何日かかりますか」

 

「徒歩でおよそ2ヵ月になります。馬車ですと1ヵ月半位になりますかな。」

 

「現在の国境には地形になにか特長はありますか?」

 

「北部から東部にかけて巨大な山脈、南部は海、西部は広大な平地となっております。」

 

(なーんで部外者にここまで丁寧に教えるのかな・・・いや、ちょっと待てよ、南は本当に海だけなのか?この地図だけが正解とは限らない事も頭に入れておかないと・・・それに馬車が有るのは確定だから馬はいるな。・・・と、だいぶ落ち着いてきた。)

 

徒歩でと聞いたのは距離を掴むためであり、自分の知識が当てはまるのならば1日平均30km位は進むことができ、ざっと1800kmである。

 

それを目安に黒く塗り潰された場所を測ると現在の国土(仮)がアフリカ大陸の南半分位の大きさであることがわかる。

 

(そりゃ侵略されても勇者召喚なんて呑気な事ができるわけだよ、というか侵略される【仮】の前まではこれにプラスモンゴル位の国土があった事になるのか・・・たまげたなぁ。)

 

際という男、小者で基本的には馬鹿で有るがたまに狂うし、異様なくらい冷静になる。

 

狂い方はサイコパスのそれだが、冷静になれば例え友人だろうが愛犬だろうが踏み台にする様な男である。

 

異世界転移という興奮から冷静に切り替わった思考により事務的な処理を脳が始める。

 

(この質問・・・は今しかできない。)

 

「本題、私になにを貴殿方は求めているのですか。それによって動き方を変えます。」

 

見定める様な目線をしていた周りにいた男性達はこの質問を答えることなく沈黙・・・していたが、イケメンだけは別だった

 

「勇者を【戦力】として欲しい。」

 

その言葉が何故か自分の頭にスゥと入っていくように感じられた・・・




ストレス貯まって勢いで書いてしまったよ・・・

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