主人公は心が揺さぶられやすい純粋な男の子です。
それは、感情が豊かな反面、心に傷を負いやすいことでもあります。そんな彼が何を感じて、学んでいくか
それは大事な要素になっていきます。
ではどうぞ!!
一年の計は元旦にあり
別に言葉通り1年の目標を元旦に立てるという意味ではない。
計画というものは、早めにしっかり立てるという事だ。
俺秋月彩斗もどちらかと言うと、事前に計画を立てて
置くタイプだ。行きたりばったりも楽しそうだが
、計画の基盤を作ることでアクシデントにも対応しやすいのだ。
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そんな俺は、今日得たリハーサルの情報を
ノートに書き留め、明日に備えていた。
時刻は22時、明日は集合が10時なのでまだ起きていても間に合うことができるが、余裕を持った行動をする為にも
ここらで寝ることにした。
いざ寝ようとベットに腰掛けると、机のスマホから着信音がなる。タイミング良すぎだろと思いつつ、スマホを手に取る。
相手は、まりな姉からだった。
通話ボタンをスワイプする。
「はい、もしもし。どうしたのまりな姉。」
「こんな時間にごめんね。実は急遽、ライブの順番変更が発生しちゃって」
まさか、計画を立てた後に早速こう来るか。
だが、順番の変更なら大した影響はない。
「ふーん。んで、どこが変わるの?」
「3番目のRoseliaと5番目のパスパレを入れ替えるんだ。」
Roseliaと聞いて、俺はビクッとした。
一体、何を考えてるんだろう。湊さんの会話が
頭をよぎった。色々と思い出していると
「彩斗君?もしもーし」
「ああ、ごめん。ひとまず了解したよ。他は特に変更無しなんだよね。」
「うん、それくらいかな。後はチーズケーキ予約できたから明後日持っていくね。」
「おお!!予約しにくいはずなのによく抑えれたな。さすがまりな姉だ。」
心が高ぶっている俺の声にまりな姉は笑いながら
「もう。本当にチーズケーキ好きなんだから。ひとまず明日はよろしくね。遅刻厳禁だからね。」
「ああ、了解。じゃあおやすみ。」
通話を切りスマホを置いて、俺はノートに書いていた
パスパレとRoseliaを赤丸で囲み矢印を引き「順番入れ替え」と記載した。
それが終わると、急に眠気に襲われ
俺は床につき今日の疲れを癒すのだった。
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ライブ当日になった。
俺は、集合時間の30分前に現地入りをして
機材の準備を進めていた。昨日から何度も行っている
チェックだが、やって損は無い理由から念入りに行っている。特に問題はなく、集合時間になり受付のメインホールでスタッフと参加者で最終確認を行っていた。
「今日はcircle初のガールズバンド合同ライブ
ガールズバンドパーティ当日です。ここまで色々大変だったけど、今日は頑張りましょう!!」
『『おーーーーー!!!!!』』
全員の士気が最高潮に達している中、Roseliaの面々は
やや疲れている印象だった。昨日の順番入れ替えと何か関係があるのだろうか?しかし、俺にも自分の仕事がある為、
この場で気にしないことにした。
13:00になり、客の入場受付が始まった。
俺がいる観客席バックの音響エリアからもザワザワした声が聞こえ始め、いよいよ始まると言った様子だった。
そして時間はすぎ13:30にライブが開演した。
順番は アフグロ、ポピパ、パスパレ、ハロハピ、ロゼリア
と言った順番だ。
どのバンドも方向性が違く、様変わりしていくステージに観客の盛り上がりも絶好調だった。
そして、そんなライブもプログラムは進み
Roseliaの番となった。
暗転していた証明が紫がかった照明に切り替わり
Roseliaの面々が現れる。
センターにいる湊さんがマイクを強く握り
「Roseliaです。今日はよろしく。早速だけど1曲行くわよ!!
魂のルフラン!!」
1曲目魂のルフランが始まる。
前奏から強い意気込みを感じる中、俺は昨日聞いたものを思い出しながら、聞き比べる。
…昨日の指摘部分が改善されている。
俺は、驚いていた。まだ1日も経ってないのにここまで修正した彼女達に驚愕しているのだ。
何があったんだ。少しの練習で改善できるものでは無いはずだ。そんな中俺は、今日の疲れた様子を見せていたRoseliaの面々と昨日の18時に会いに来た湊さんの記憶を
思い出した。
ずっと、練習してたんだ。どのくらいやっていたのかは知らないが、少なくとも結構な時間を費やしたんだ。
多分だけど、完璧な音楽を作るために。
何か忘れていたものを思い出した気がした。
1曲目が終わり、2曲目に突入した。
blackshoutも昨日に比べて、修正点はなく
加えて、自分たちで見つけ出したのだろう良い所を
更に伸ばしていた。それを見た俺は
「すげえじゃねえか…」
と感嘆の意を漏らした。
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ライブが終わり、撤収作業を始めていた。
打ち上げが1階で行われているようだが、俺は地下で1人
コードの収納などを行っていた。
流石に1人でやるのは応えるが、自分から志願したので
苦労には思ってない。
そうしていると昨日と同じように客入退場のドアからコンコンとノックが鳴る。
「あいてますよー湊さん。」
すると、ドアが開き湊さんが顔を出した。
「何故、私だとわかったのかしら」
湊さんが疑問に感じたのか、俺に聞いてきた。
「昨日と全く同じ状況ってのとあの話をした貴方が来ないわけがないと思いまして。」
そう率直な推理を述べると、湊さんが「成程ね。」と
理解したような表情を浮かべた。
「さて、もう一回聞くわ。Roseliaに力を貸してくれないかしら。」
「その前に教えてください。昨日どのくらい練習したんですか?」
俺は気になっていたことを聞く。
「そうね。16時から21時まで翌日も8時から10時前までは練習していたわ。」
俺は、それを聞いてやっぱりなと思った。
とてもじゃないが、あの修正は並大抵のものじゃない。
そして、練習もただやっているわけじゃなく、向上させようという努力を曲の中に感じられた。
昔、俺もそうやって音楽に向き合っていたんだよな。
何かが変われる気がした。怖い気持ちは捨てきれないが
、それでもここまで努力を見せた彼女に何もしないのは
演奏を聞いた身として、失礼なのかなと勝手に思ってしまうのだ。
「そっか。後別に俺以外にも優秀な人は探せばいると思うぞ。俺じゃなくてもいいんじゃないか?」
そういうと、湊さんは昨日と同じく、俺の目をしっかりと見つめて言った。
「貴方の音楽の考え方は、私に近いものを感じたの。
でも私だけじゃ見えないものもある。Roseliaのメンバーに見えないものが貴方には見えている。それが理由よ。」
そうか、近いものを感じる。
確かに音楽に向き合う姿勢は、懐かしいものを感じていたが、取り組み方が似ているのかもしれない。
湊さんと関わっていけば、もしかしたら
「わかった。協力するよ。」
俺は、湊さんに一途の望みを込めた返事を出した。
この一言でまた失っていたものを取り戻す歌が
紡がれていくきっかけとなるのだった。
友希那との協力関係が実りました。
ここまでは導入で物語の序盤にすぎません。
ここから何が起きるか。
見守っていただければと思います。
どうぞよしなに。