Day after day   作:へーばる魂

5 / 5
ここからもう適当Final

時は移り、インターミドル・チャンピオンシップ予選。早くも波乱が巻き起こる。

高町ヴィヴィオ、アインハルト・ストラトス、新人の枠で予選突破。今回は新人が多いなとはほくほく顔の一般観戦老人の一言。

そんな二人はある試合に釘付けになっていた。

 

「バリアジャケットなしで本選出場…?」

 

「危険すぎでは?」

 

会場に出てきて度肝を抜かせたバリアジャケットなしの青年、チャック・アナトリアである。魔導士戦は当然のように魔法を使う。非殺傷設定とはいえ、生身での戦いなど恐怖で動けなることが多い。

それに防御力も皆無なので、本来は危険行為なのだが、彼はその状態で予選を突破したのである。それに相手の油断を誘ってなどでない。確かに初戦は相手が油断していたのだろう。顎に一発入れられてKO。

2回戦目はさすがにしては油断しなかったものの、それでも地力の差が出てチャックの勝利。三回戦も同じようにして予選突破。会場は唖然としていた。それに対してヴィヴィオとアインハルトの感想はそれである。

しかし、二人とも感想は違えども一つの同じ感覚が目覚める。

 

((懐かしいようでそして悲しいようなこの“なにか”はなんだろうか))

 

これを二人が口に出していったのならば、間接的に古代ベルカに関するものだと考えることもできたが、そこまで頭が回ることはなかった。

 

それにしてもその青年は危ない。いつもぎりぎりで魔法を避けているのだ。一般人が見たら冷や汗ものである。だがその道に一歩でも踏み入れたものならわかる、もちろんヴィヴィオもアインハルトもリオもコロナも感じていた。

 

「すんげ~目と反射してんな。だれだこいつ」

 

そこにノーヴェが口を挟む。機動機人の彼女から見ても自分と同等かそれ以上の力を持っているのが分かった。それもバリアジャケットなしでだ。

 

「でもよくできるな~私だったら怖くてできないかも」

 

「私だってできないわよ」

 

コロナとリオは漫才していた。ラインハルトは思う。

 

(彼と戦えるなら覇王流はもっと高みへ行ける。)

 

つまりは戦闘狂である。

 

 

本選当日。やはり多くの来場客で賑わうスタジアムでは誰が優勝するのかが話し合われていた。やれ前回優勝者、やれ期待の新生だ。その言葉に呼応するように会場は熱気を帯びていく。そして今本選が開始された。

 

日程も進み、そろそろ一回戦組が終わるというころ、チャックはオッツと会っていた。順当に二人が勝ち進めば二人が本選2回戦目で当たるのだ。

 

「やっぱりチャックも本選これたんだな!」

 

「ぎりぎりだったがな」

 

オッツの言葉には確信めいた雰囲気が存在していた。それにチャックは苦笑いをもって返す。チャックもオッツもリラックスモードなのだ。

そこへオッツへ選手呼び出しが行われる。一回戦目は強いが、オッツはそれだけで負けるようなたまではない。

 

「それじゃ次で会おうぜ!」

 

オッツの真剣な表情に浴びせられたチャックも準備態勢に入る。といっても念のために持っているバリアジャケットのようなものだけだが。

 

(生身ではやっぱりきつい。解放してもいいのか…)

 

そういうことだろう。オッツの元気な声が会場に響き渡った。

 

 

オッツは負けることはない。実際勝った。そしてあとはチャックが登ってくるだけ。チャックの対戦相手を見る。別にきつくもないだろう相手だ。チャックなら絶対来る。

 

(チャック、次の試合、お互い最終兵器もって戦おうぜ!)

 

この日の為に作った新技をもってオッツは待ち構える。

 

 

チャックの試合はやはりチャックの勝ちで決まった。だけれども限界があった。

 

(次の試合はオッツか…使うか?これを?)

 

まあ、常時通常モードにしておけばいいだろうとあたりをつける。としても使うときだけだが。

 

 

一回戦目も終わり、二回戦目へ突入した。ラインハルトもコロナとの戦いでギリギリのところで勝ち抜き、ヴィヴィオも同じく勝ち抜き三回戦目へと駒を進める。

 

「ラインハルトさん!決勝で会いましょう!」

 

「はい。お互い頑張りましょう」

 

二人はお互いの健闘を称えあう。なのはもノーヴェも嬉しそうに楽しそうに試合を見ていた。

ヴィヴィオとアインハルトが試合観戦を始めたと同時に前回大会上位のオッツと新生チャックとの試合が訪れた。

 

「なあチャック」

 

「どうした」

 

試合前の軽い掛け合い。ここで本当の力を見たいオッツはチャックに提案する。

 

「次の試合、本気でこい。チャックの本当の速さを俺は見たことあるから知っている。だから俺もそれを想定して練習してきた。本気を見せてみろ」

 

「…」

 

チャックは押し黙った。あの姿が見られた。その対策も行った。なら、今の俺の姿だと確実に負けるだろう。ならば。

 

「…楽しみにしている」

 

本気を出すこととした。

 

 

「両者前へ!」

 

オッツとチャック、この試合も注目されていた。特にインパクトが強いのは生身でこれまで戦ったチャックであったが。

 

「用意!はじめ!」

 

試合開始の合図。しかし両者は動きすらしない。チャックはもちろん、オッツもバリアジャケットをつけていなかった。

観客の困惑した雰囲気が流れ始めて5秒たったころお互いの目が開かれた。

 

「レイス、セットアップ!」

 

オッツの声によってバリアジャケットが形成される。それは今までのものとは違かった。黒い下地にところどころに入った青い線。男心をくすぐるしようとなっています。

 

「起きろ、ホワイトグリント」

 

≪メインシステム 戦闘モードを起動します。≫

 

そして、本大会初めてのチャックのバリアジャケット。観客は期待した。あの少年はどんなバリアジャケットなのだろうと。だが、その中心にいたのはまさしく異形だった。

そしてなのははまさかの事態に目を見開く。その中心には管理局が4年前から追っているあの白き閃光がたっていたからだ。

観客はまずその佇まいに不思議と背を張ってしまう。

純白のバリアジャケットで身を包み、この世で見ることのできないであろうフルフェイス型。一種のロボットアニメのような感覚を覚えるその姿は本来わかる人がいないオーパーツ。

だが、この会場にはオリヴィエの記憶を持つものとクラウスの記憶を持つものがいる。つまりどうなるか。

 

「「ホワイトグリント!?」」

 

こうなる。声の発生源であるヴィヴィオとアインハルトは懐かしきその姿を見て驚愕と一緒に笑みが浮かぶ。

 

「懐かしいなぁホワイトグリント。」

 

「…えぇ。確かに言ってましたね。ホワイトグリントは世界を渡る兵器だって」

 

「え、ちょっとまってヴィヴィオにアインハルトちゃん。あれを知っているの?」

 

「ええ、古代ベルカ時代にひっそりと現れた自称、傭兵が乗る対軍殲滅長期稼働人型兵器(仮)のホワイトグリントです。」

 

「わたしのもとになったオリヴィエの陣営を支援していたよ。最後の時には別の世界に行ったけど。」

 

娘とその友達によってまさかの白き閃光の名前と情報を知ることができたなのはだったが、こんなところで暴れてはならないと慌て始めるが、娘はそれを止める。

 

「大丈夫。あの方は意味なき殺人は起こさないよ。安心してみてよ!フェイトママよりもすごいの見れるから!」

 

知っていますとはいえないなのはだったが、いったん心を落ち着かせてその試合を見ることにした。管理局に連絡を入れるのも忘れずに。

 

 

その間試合は少し動いていた。オッツがその機動性でチャックを翻弄していたのである。その速度は去年では見ることのできなかった速さ。観客は息をのむ。いくらか蹴られたところでチャックは反撃に出た。

オッツの機動性をも上回る旋回速度でオッツの後ろを取りそのまま蹴りを放つ。移動の際にキィンという甲高い音が聞こえたら後ろに回り込まれている。正直恐怖でしかない。しかし、オッツはこの機動性を見ているのだ。

対策を練って練って練りまくったのだ。その結果はというと、衝撃を後ろに流すことに成功した。わざと飛んでいくことでダメージを減少させたのだ。しかし、減少させたといってもダメージ自体は入るもの。確認したところ総HPの2割が消し飛んでいた。

軽く蹴っただけでその衝撃。このときオッツは聞いていなかったがチャックが蹴りを放ったと同時になった音。ガキィン!!という金属を蹴ったかのような音は会場を一瞬静寂へ導いた。オッツもやられてばかりではない。すぐに起きだし、自慢のゲイルブロウを繰り出す。

ゲイルブロウは空気の回転を利用した突きに特化した殴り。その素早い展開は今までの選手なら一瞬で倒すことができただろう。しかし、その殴りも不発で終わった。チャックがまた後ろを取ったのだ。だが二度も食らうオッツではない。その瞬間に後ろを向きゲイルブロウを繰り出す。

しかし、その殴りもチャックの繰り出した蹴りと相打ち。いや、オッツに一方的に帰ってくるという結果。

 

オッツは理解した。これがチャックの本気。これが輝き。これが…。楽しい…楽しい!

怖いという感覚がないわけではない、ただ、それ以上に楽しいのだ。友達との打ち合いが。強敵に挑むこの瞬間が!

もう自分にはこの試合で勝てることはないと思っている。だが、だが!あきらめるわけにはいかない!これが俺の全力!

 

「ゲェェェイルゥゥゥゥ!!!!」

 

それに対しチャックも楽しんでいた。ただ殺すだけではなく、お互いを鍛えあう素晴らしさ。やはり愛とはいいものだと再認識した。

今闘っているクラスメイト、いや、友達のオッツの全力攻撃。なら俺はそれを向かい打たなければならない。

本来そういうことは意味がない。しかし、相手がオッツなのだ。なら、俺もそれに乗るだけだ。

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

お互いの全力がぶつかる。オッツは自身の持つ最大の技を出した。チャックは全力の蹴りを出した。

 

「ぶおぉぉぉぉぉぉうううううううううう!!!!!!」

 

「てやあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁあぁ!!!!!!」

 

ぶつかる時、音響爆弾もかくやの音が鳴り響く。視界は余波で舞い上がったステージが覆い隠す。

やがてすべてが収まり立っていたのはチャックだった。バリアジャケットが解除される。チャックはそのままオッツのもとへ自分の足で出向き手を差し出す。

 

「ありがとう。いい試合だった」

 

「へへ!こっちこそだ!次はリベンジしてやるからな!」

 

オッツはその手を握る。途端に鳴り出す大喝采。やはり友情はいいものだ。それを体感したチャックは次の試合の準備をする。狙うは優勝。チャックの心に灯がともった。

 

 

そのあとの話をしよう。もちろん彼は優勝した。圧倒的速度から放たれる重い一撃に耐えられるものがいなかった。

試合が終わった後に管理局から呼び出しを食らい、そのままホワイトグリントのことについての説明。

ヴィヴィオとアインハルトとの顔合わせ。といってもチャックはホワイトグリントを継承しただけなので彼女たちのことが分からなかったが、これからも交流を深めるとのこと。

管理局はチャックの力、正式にはホワイトグリントの力を警戒したが、特に問題がなくなった。チャック自身が管理局に所属させてほしいとお願いしたからだ。

管理局は大喜び。これで世界の平和は保たれるのでした。

終わり。

 

 

 

「ハハハッ!見てたよルーキー。なかなかやるじゃない?ちょーっと時間がかかったけどね。…クローン、か。それでも懸命に生きている。これだから面白いんだ。」




ライトニングフルバーニアンを使ってみよう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。