「懐かしい顔ぶれだな」
「一番懐かしくない奴が言うなよ」
アーサー王は自分が呼び出した英霊達を見回して言い、アーチャーの英霊エミヤが答えた。
「数ある英霊達の中から私を選ぶとはいいセンスしているわね。これはもう、張り切り甲斐がありそう」
キャスターの遠坂 凛は言う。
「ボクはもう燃え尽きたつもりだったんだけどな。今度は君がボクを働かせる番かい?」
アサシンの英雄エミヤは、久々に会った顔に柔和に笑って言った。
「切嗣。もう一度あなたに会いたかった」
柔和にわらったアーサー王も答える。
「私がバーサーカーってどういう事? 絶対凛より私の方がキャスターしてるでしょう?」
「お子様はお姉さんに席を譲りなさい。会ってすぐの頃、あなたも結構バーサーカーしていたと思うわよ」
凛の言葉にふくれたのは、バーサーカーのイリヤだ。
「そして、なんで僕をえらんだのかな? この世界に二人の王は必要ないと思うんだけどな」
「イスカンダルの方のつもりだったのだが……」
「あー。多分、君の手にはおえないだろうっていう判断じゃない?」
ライダーのアレキサンダーだ。
「なぜ貴様が私を呼び出したのかを聞いていいか?」
最後に言ったのは、ランサーのディルムッドだ。
「だまし討ちをした相手をよく呼び出せたものだ」
アーサー王はその言葉で険しい顔になった。
「あんな事をしたからだ。あれでは私の寝ざめも悪い」
「私と戦いたいなら敵として呼び出すべきだったな」
「いいぞ。いつでも受けてたとう」
アーサー王は剣を抜いた。ディルムッドは槍をかまえる。
「事情は知らないけど、セイバーと戦う気なら私達も加勢するわよ」
「凛。私と彼に任せてくれないか?」
「部下として呼び出しといて勝手言わないでくれない? あなたが負けたら私達は路頭に迷うのよ」
「相変わらず口が達者だな」
凛のその言葉を始めに、次々にサーヴァント達がディルムッドの前にたちはだかった。
「六対一か……相変わらず卑怯だ」
「待て。あれは僕が……」
「切嗣。今は私がマスターだ」
アーサー王はそう言い、アサシンの言葉を止めた。
「戦いたいならいつでも受けて立つつもりだ。その気があるならいつでも私の背中を刺すがいい」
剣を収めたアーサー王は、後ろに振り返る。そこにディルムッドは駆け込んで肩に槍を突き刺した。
アサシンが銃をディルムッドに向ける。
「切嗣! よせ! 刺してもいいと言った!」
その後、ディルムッドが槍をグルリと回す。
傷口を抉ったのだ。かなりの痛みが走ったはずだがアーサー王は顔色を変えなかった。
「少しは苦しめよ」
「王としてできない」
ディルムッドはアーサー王に向けて言うが、その言葉でディルムッドは歯噛みをした。
「一応は王と認めてやる。情けないところを少しでも見せたら刺すぞ」
ディルムッドはアーサー王は卑怯者として倒したい。
だが、今の彼は凛々しく、自分を陥れた卑怯者の影は一つも見えなかった。
サーヴァントとして呼び出されたなら、とりあえずは従うしかない。今のディルムッドにとっては、セイバーは憎い相手だが、殺していい相手とは思えなかった。
「私のランサーになったと考えていいな」
その瞬間、ディルムッドは自分をサーヴァントのランサーであると認めた。
「しかし、なんでその姿なんだ?」
「元々、私の姿はこれだ」
男の姿でこの世界に現れたアーサー王。アーチャーの言葉に疑問のあるような返事をする。