日々の喧騒。日に日に溜まっていく鬱憤や不安。
そんな溜まるに溜まった、負の感情を、俺はお姉ちゃんに甘えることで解消していくことにした。
「…寂しいの? わかった、一緒にいよ?」
俺のお姉ちゃんの季空識。
何時もながらふわふわとしていてるけど、根はしっかりもの。
「…別に寂しいなんて言ってないが」
「強がらないで。ずっと一人だったんでしょ?」
「…まぁ、そうだったけどさ」
強がって咄嗟に嘘を付くが、お姉ちゃんの前では嘘が通用しない。
それどころか、普段あまり見られないところでさえも、お見通しなのだ。
「強がらないで、素直になってね?」
「…ん。」
「はい、よくできました」
頭を撫でられながら、「おいで」と膝に誘導される。
そして、膝枕をさせてもらう。
「キミはほんと、甘えん坊さんだね」
「…お姉ちゃんに甘えないと生きていけないぐらい辛いんだよ」
「ふふっ、調子いいこと言っちゃって。」
お姉ちゃんの手は温かく、ふわふわとしている。
…天使の羽毛のような軟らかさだ。
お姉ちゃんに甘えるときは、膝枕をしてもらいながら日々の出来事を話す。
辛かったこと、うれしかったこと。悲しかったことや、怒ったこと。
そんな、日常で起きたことを、一つ一つ、時間を掛けて話すのだ。
「…俺はちゃんと、頑張ったんだ。 …けど、アイツには届かなかった。」
「キミは一人で抱え込み過ぎなんだよ。…私を頼って、とは言わないけれど、誰か二人と話し合って解決しよう?」
「…うん。」
時に、俺の問題に対して口を出すことがある。
そんな時のお姉ちゃんは、親身になって解決への道しるべを示してくれる。
どんなときでも一生懸命聞いてくれるお姉ちゃんだが、この時だけはイケメンなのである。
…そして、別れの時間はいつの間にか、来てしまうのだ。
「…そろそろ夕飯だし、止めにするよ。」
「うん…じゃあ、最後にハグ。 ね?」
「…はいはい。」
優しく、お姉ちゃんを抱き締める。
…"もう大丈夫"という確認と、"ありがとう"の感謝の意味をこめて。
「いつでも、お姉ちゃんに甘えていいんだからね。胸の中と膝は、空けとくから。」
「…わかってる、ありがとう。」
全てに対して、甘えさせてくれる。
そんなお姉ちゃんに感謝しながら、また日常へと戻っていくのだ。
日常へと戻れば、負の感情を出さずにはいられないであろう。
…けれど、お姉ちゃんが居れば何でもできる。
生きる活力、とまではいかないが、日々の支えになっているとは言える。
…本当に、ありがたいものだ。