仮面ライダー斬月・艦   作:はちコウP

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この作品はpixiv https://www.pixiv.net/novel/series/452817 に掲載した作品と同一の物です。

『仮面ライダー鎧武』『艦隊これくしょん』の基本設定をベースに独自要素、解釈を詰め込んでおります。

本作における艦娘の設定は公式ノベライズ作品『陽炎、抜錨します!』及び『鶴翼の絆』を参考としております。


※今後、分量が多い話は複数パートに分けて投稿します。



仮面ライダー斬月・艦【第十三話】part2

 

 早朝、出撃前の最後のブリーフィングの為に会議室に集まっていた面々は、(えびす)提督の

「偵察艦隊の編成に変更がある」

 との言葉を聞いて驚きの表情を浮かべた。

「入れ」

 提督に促されて入ってきた吹雪の姿を見て

「ちょ、ちょっと!どういう事なの!?」

 ガタッと音をたて席を立ちあがり、真っ先に驚きの声を上げたのは叢雲だった。

「司令官、もしかして吹雪を加えて誰かを外そうっていうの!?」

「早とちりするな。何もお前さんを外そうなんて心づもりは無い」

「なっ!?……べっ、別に私が外されるだなんて思っちゃいないわよ!」

「フッ、そういう事にしておいてやろう」

「ぐっ……」

「訳はこれから説明する。とりあえず座れ」

 狼狽した自分の胸の内を見透かされた叢雲は、顔を赤くして軽く身を震わせながら席に着く。

「知っての通り、始めは通常の六隻編成で艦隊を組ませるつもりだった。海軍本部からヨコを通じて“必要最低限の人員のみを配するを許可する”と通達があったからな。だが俺の…いや、俺らにとっての最低限が七隻に変わった。だから吹雪を加えると決めた」

「それ、ちゃんとした説明になっていないんだけど。だからどうしてそれが吹雪なのよ」

 憮然とした態度で叢雲が問いかける。

「理由は幾つかあるが、最も大きなものは昨晩編成に加えてほしいと志願してきた事だ。だからそう決めた」

「志願してきたからって……そんな理由でホイホイ変更してもいいわけ?仮にも軍の人間なんだから、そんなやり方問題あるとは思わないのかしら?」

「神通に推されて編入されたお前がそれを言うのか?」

「う……」

 その指摘に、二の句が継げずに叢雲は口ごもる。

「それに俺は軍人の真似事をしてい元探偵。どっちつかずの半端者だ。ここに集まったお前達も大体似たようなものだろう」

 言われてその場にいる多くの者が苦笑を漏らす。

 正規の軍人とは採用過程も教育・訓練型式も異なる、艦娘たる適性を重視して選ばれた面々が。

「軍人らしからずとも問題ない。半端者は半端者らしく、自分達のやり方で事を進めるだけだ」

「そうだぜ叢雲。要は結果さえ出しちまえば良いって事よ。小難しいこだわりは抜きにしてよ!」

 提督の言葉に感化された天龍が、拳を手のひらにパンと打ちつける。

 その隣では龍田がやれやれと言いたげな風に肩を竦めている。

 他の者らも反応は様々だが、おおむね同意の空気を漂わせていた。

「別にこだわっているとか、そういうわけじゃないんだけど……」

「叢雲」

 釈然としない様子の叢雲に吹雪が近づく。

「もしかしたら迷惑に思われることもあるかもしれない。けど私、精いっぱい叢雲の、みんなの力になれるように頑張るから」

 叢雲の前に吹雪の手が差し出される。

「……フン。別に迷惑だとか思ってないけど。足引っ張ったら承知しないからね」

 差し出された手を握る代わりに、叢雲は吹雪の手のひらを、己が手のひらで思いっきり打ち据えた。

 乾いた音が響き、手に走る痛みに顔をしかめる吹雪。しかしながらすぐに「えへへ」と嬉しそうに笑みを浮かべた。

「何よ、気持ち悪いわね」

 そう悪態をつく叢雲もまた微笑を浮かべていた。

「さて、あとの理由の話だ。艦隊構成人員が七隻になった事によりメリットがいくつか生まれるわけだが……貴虎、どういう事があるかわかるか?」

 夷提督が視線を貴虎の方へと向け問いかける。

 対して貴虎は、ほんの一瞬思考を巡らせた後にそれに答える。

「いくつか考えられますが、まず一つとして遊撃艦隊が組めるようになります。未知の敵の捜索、撃滅をしていくとなると有用な選択肢であるでしょう。戦艦や空母などの高火力、長距離攻撃兵装を持たない我々であればなおさらです」

「正解だ。では他には?」

「艦隊構成員の負担が軽減されます。トラック泊地までの道中、待機船周囲にて警戒に当たる者は三、四名が適正。ローテーションを適正に組めば、各員半日程度の安定した休息をとる事が可能かと」

「ならその運用を前提に、次のような状況に遭遇した場合どういう対応をとる?」

 次々と提督は貴虎に問いを投げかける。対して貴虎は、スラスラと迷いなくそれに答えてゆく。

 その様を見ていた艦娘らは、感嘆の声を漏らしたり、自らも問いについて考え頭を捻らせたり、答えを聞いて頷いたりと様々な反応を見せる。

「ふむ……提督業の講習を学んでいた時以降も随分と知識を深めていたようだな」

「私はこの世界の戦い方に不慣れで経験も乏しい。せめて知識だけは蓄えておかねば、皆の足を引っ張ってしまいますので」

「それならば問題ないな。貴虎、艦隊旗艦はお前に任せる」

「私がですか?」

「ああ。様々な知識や戦況判断能力、口頭でのやりとりとはいえ十分な域に達していると分かったからな」

「ですが先に述べた通り、私は艦娘の行う海上での戦いの経験は不足しています。ここは経験の豊富な者がなるべきなのでは?」

「今回の任務はあくまでインベスとヘルヘイムの捜索が主目的だ。深海棲艦とやり合う事じゃあない。ならばその経験が豊富なお前が旗艦として適任だ。……さて、これに異論のある者はいるか?」

 夷提督は室内の艦娘らに目を向けた。

「異論はありません。私も貴虎が適任だと思います」

 夕張が答える。

「オレもだ。貴虎にだったら命預けても構わないぜ」

 続けて天龍が。

 他の者らも答えは同様だった。

「……わかりました。旗艦としての任、務めさせていただきます」

 心を決めた貴虎が敬礼をした。

「よし。……とはいえだ、副官や補佐は必要だろう。神通、副官はお前を任命する。対深海棲艦戦では旗艦経験の多いお前の力が助けになる。そして龍田、お前は通信や各種手続きの補佐をしろ」

「はい、了解致しました」

「はぁい。了解よ~」

 神通、龍田の両名が提督の命を敬礼と共に受け取ったのだった。

 

          ――――――――――――――――――――――――――――――

 

「しっかりインベスとヘルヘイムの植物を見つけて、全部ぶっ倒してきなさいよね」

「陽炎、彼女らの任務は偵察と調査です。そこまでの必要は無いのですよ」

「せやな。そない無茶言うたらあかんで」

「言葉のあやよ。その位の気持ちで行きなさいって言いたいの私は!とにかく頑張んなさいよ!」

 陽炎、不知火、黒潮の三名が叢雲と吹雪に激励の言葉をかける。

「当り前よ。そっちこそ私達のいない間にヘマなんかしたら承知しないわよ」

「ありがとう!みんな元気でね!」

 駆逐艦娘らがそのように激励しあう様を貴虎達は遠目に眺めていた。

「本当に皆仲が良いのだな」

「そうね。艦娘の中でも駆逐艦の子達は特に連携を求められていて、一緒にいる事も多いから団結力は強くなる。だからああいう光景はよく目にするのよね」

「ええ、駆逐艦の子達は皆素晴らしいです。あの気勢は愛おしく思う程です」

「流石は沢山の駆逐艦を指導してきた神通ね。名教官らしくカッコいいこと言ってくれちゃって」

「ゆ、夕張さん。そんな風にからかわないで下さい……」

「え~褒めてるんだよ。そんなに照れないでってば」

 貴虎の傍らの夕張と神通がそんなやりとりをしていると

「貴虎!」

「ん?」

 駆逐艦娘の輪の中から抜け出てきた艦娘が一人駆け寄ってくる。

「島風、どうかしたのか?」

「ねえ、貴虎ってあの装備を付けると凄く速く動けるようになるって本当?」

「アーマーの事か?まだ十分に検証をしきれてはいないが、明石が言うには海上での航行性能はかなり高い方らしいな」

「じゃあさ、今度帰ってきたら海の上でかけっこしよう!どっちが早いか競走だよ!」

 体の前でぎゅっと腕を曲げ、目を輝かせる島風。

 その様を見て軽く笑みを浮かべ

「わかった。その勝負受けてたとう」

 貴虎は彼女の申し出に快く答えた。

「やった!絶対だからね!約束だよ!」

 満面の笑顔で右手を上げる島風。貴虎は彼女の手のひらへ向け自らの手を突き出す。

 パン!と軽い音と共に合わされる手。

「にひひっ!」

 とご機嫌な声を漏らして島風はパッと身を翻し、元いた所へと戻っていった。

「あら~貴虎さんってば島風ちゃんに目を付けられちゃったみたいね~」

「ああなった島風は厄介だぜ。しつこいくらいに勝負をしかけてくるからな。相手が根を上げてもひたすらに」

「そうか。なら十分に鍛錬をしておかなければ」

「って、マジでやる気かよオイ」

「これは見逃せないわね~」

 呆れ混じりに天龍、目を細めて龍田が言う。と、そこへ陽炎らとの別れを終えた吹雪と叢雲が戻ってくる。

「お待たせしました」

「もう十分なのか?」

「はい!」

「平気よ。これ以上時間をかけても仕方ないし」

「叢雲ってば、言い方」

 ひねくれたような物言いをたしなめる吹雪。対して叢雲は「別にいいでしょ」と煩わし気にしていた。

「皆さん」

 と声がした。

「鳳翔さん」

 声の主は鳳翔。彼女は小さな包みを手に貴虎らの元へやってきた。

「困難な任務でしょうけど、どうか無事に帰ってきて下さいね。これはささやかな気持ちです。宜しければお持ちになって下さい」

 鳳翔が手にした包みを開くと、そこには小さな赤い袋状の物が数個入っていた。

「これは、お守りですか?」

 貴虎の横あいから覗き込むようにして夕張が言う。

「はい、皆さんの出撃が決まった後、本土の神社へお参りして買ってきました」

「お気遣いありがとうございます。ありがたく受け取らせて頂きます」

 軽く礼をして貴虎がお守りを一つ受け取る。

 後に続いて一人また一人とお守りをもらって鳳翔にお礼を述べてゆく。

「吹雪ちゃん」

「はい」

「ごめんなさいね。私もついさっきあなたが出撃する事になったって知ったから、六人分しか用意できていなくて」

「い、いえ。気にしないでください」

「だからね。代わりと言っては何だけど」

 鳳翔は懐からお守りを一つ取り出して吹雪へと差し出した。

「自分用に勝ってきた物なのだけれど」

「そんな!悪いですよ。鳳翔さんの分が無くなっちゃいますし、私の事なんて気にしなくても……」

「私はいいの。またいつでも買いに行けるのだから。今はあなたに持っていてもらいたいの。じゃないと気がすまないわ」

「……わかりました。じゃあ、頂きます」

 吹雪はおずおずと鳳翔からお守りを受け取る。

 それを目の前にかざしてジッと見つめる。風に揺られて仄かに鳳翔の纏った香りが感じられた。吹雪は安らぐような気持ちがし、それと共にどこか心強さのようなものを強く感じたのだった。

「もう挨拶は済んだ頃合いだな」

 車椅子に乗った夷提督が近づいてきた。

「はい、大丈夫です」

 貴虎の返答を聞くと

「よし」

 夷提督は軍帽に手をかざし、海風に当てられ若干崩れた形とズレた位置を少し整えてから口を開いた。

「お前たちはこれから未知の敵の実情を探る任務へと向かう事になるが、どんな時であっても俺から言う事は一つ。生きて帰ってこい。それだけだ」

 静かに、だが力強く気持ちの込められた一言を告げられた一同は敬礼をし

「了解!」と声をそろえて応えたのであった。

 

          ――――――――――――――――――――――――――――――

 

 海上の波風は穏やかで、空は青く晴れ渡っていた。

 港を出た七人は、単縦陣の陣形を組んで海上を突き進む。

 彼らは待機船と合流すべく南西の方角へと進んでいた。

「待機船付きの任務なんていつぶりだろうな」

「あ、天龍さんは乗ったことあるんですね。私、実は一度も乗ったことが無くって、実際どんな感じなんですか?」

「言っちまえばちょっとしたホテルって感じだな。休む部屋だって寮の個室程度の広さはあるし、風呂だって広い。オレが前に乗ったのには卓球場だってあったんだぜ」

 天龍がラケットでボールを打つように手を軽く振って見せた。

「今回の艦にもあるかどうかはわからねぇけど、もしあったら一勝負してみるか?」

「いいですね!是非!楽しみです!」

「あのねぇ、修学旅行に行く小学生じゃあるまいし、はしゃいでるんじゃないわよ。まったく、緊張感が足りないわよ」

 目を輝かせて言う吹雪に向け、呆れ混じりに嘆息する叢雲。

「ご、ごめん」

 申し訳なさそうに肩をすくめる吹雪。

 天龍もまた龍田に言動をたしなめられ、バツが悪そうに視線を泳がせていた。

 他の者はその様を見て軽く笑い声を漏らす。

 一行の間には和やかな空気が漂っていた。

「そういえば、港に川内と那珂の姿が無かったわね」

 と夕張。

「姉さんと那珂ちゃんでしたら、一足先に横須賀鎮守府に向かったそうですよ」

「ふ~ん。見送りが無くって神通は寂しかったりしないの?」

「大丈夫です。二人とは昨晩のうちに十分お話をしましたから」

「そうなんだ。仲が良いのねあなたたち三姉妹も」

 夕張の言葉に神通は微笑みをもって応える。その表情からは微かな喜びと誇らしさのような物がうかがえるようだった。

「……何だあれは?」

 先頭を行く貴虎、もとい斬月は進む先に小さな二つの影のようなものがあるのを目でとらえた。

 その影は少しずつ大きさを増している。

 猛スピードで斬月らの方へと接近をしてきているようであった。

「総員警戒態勢!」

 異常に気付いた斬月が指示を下す。

 全員が武装のロックを解除し、僅かに乱れていた陣形を立て直し、即応体制を整える。

 前方を注視する斬月はやがて、接近してくる者らの姿をハッキリと認識した。それは橙色の服を身に纏った二人の女性。

「川内と那珂だと?」

 二人の艦娘が武装を構えながら高速で接近してくる様を見て斬月をはじめ、皆が何事かと訝しんだ。

「ちょっと!どうしてあの二人がこっちに仕掛けてこようとしてるのよ!?」

 大声をあげて戸惑う夕張。

「私が出ます!皆さんはそのまま待機を!」

「神通!?何なのよ!?」

 増速し陣形から抜け出した神通が、接近する姉妹艦へ向かってゆく。

 双方ともぐんぐんスピードを上げ、その間の距離は瞬く間に縮んでいった。

「危ない!ぶつかる!」

 その様を目にした夕張が悲鳴にも似た声を上げる。

 とほぼ同時に神通と川内・那珂が僅かに体をずらしてすれ違った。

 双方の間の距離は数十センチ程度、少しでも位置がズレてぶつかれば大怪我どころでは済まない。

 神通とすれ違った川内・那珂はY字を描くように二手に分かれてターンする。

 神通もまた、水飛沫を跳ね上げながら高速でUターンをして、再度二人の方へ向けて突撃。

 上空から見れば、三角形のそれぞれの頂点から中心へ向けて線が伸びていくような軌道で高速接近してゆく三人の艦娘。

 そして極限まで近づいて交錯するようにして、またもやギリギリの距離ですれ違い、急ブレーキをかけた後に百八十度回転。

 ピタリと静止した三人は、主砲を構えて向き合った。

 その様子を見ていた他の面々は、固唾を飲んで見ているのみだった。

『あははっ!さっすが神通!何も言わなくてもここまでピッタリ合わせてくるなんてね』

 少しの時をおいて、通信機を通して川内の快活な声が響き渡る。

『元々は以前、私が姉さんに対して行った航行演習ですから。それにしても那珂ちゃん、随分と腕を上げたわね。動きに無駄が無くなっています』

『えへっ!ダンスの体幹トレーニングもかねて、いっぱい練習したからね!艦娘としてもアイドルとしても、那珂ちゃんますます磨きがかかっちゃった。キャハ!』

 三人の会話は、ちょっと前まで命がけとも言えるような、凄まじい航行をしていた者らとは思えない程に和やかな雰囲気を出していた。

『じゃあ私達は行くね。みんな、神通のことよろしく!』

『みんな、またね~~!』

 一同へ向け大きく手を振って別れを告げると、川内と那珂はクルリと向きを変えて横須賀鎮守府方面へと向かっていったのであった。

 程なくして神通が斬月らの元へと戻ってくる。

「お待たせしました。では行きましょうか」

「ちょ、ちょっと待って。今のは何なの?」

 夕張が戸惑い気味に尋ねる。

「長期遠征任務前の準備運動のようなものです。私が考案して、姉妹間では必ずやるようになった恒例行事です」

「い、いつもあんな事してるのね……」

 涼しい顔で言う神通。対する夕張は僅かに顔を引きつらせていた。

「よろしければ夕張さんもやってみますか?」

「……遠慮しておくわ」

「ねえ、神通さん」

 神通の傍へ叢雲が進み出る。

「私にもあれのやり方教えてもらえない?戦いの役にたてたいので」

「わかりました。では時間の許す限りそれも指導させていただきますね」

 にこやかに微笑んで神通は言う。

「ええ~~……」

 それを見た吹雪は引きつり気味の声をあげる。

「私にも指導願えないだろうか?」

「貴虎!?」

 夕張が目を丸くして斬月の方へ目を向ける。

「知っての通り、私は海上での戦いの経験は浅い。あの航行技術を身に付けて戦闘力を向上させたい」

「はい、喜んで。では早急にお二人の訓練メニューを調整しましょう」

「……じゃ、じゃあ私」

 と、手を上げかける吹雪の肩を掴んで夕張が引き止めた。

「やめておきなさい。無暗に手を出したら取り返しがつかなくなるわよ」

 小声で囁く夕張。

「でも、私も実力に不安はありますし……」

「せめて様子を見てからにしましょう。始めるのはそれからでも遅くないし、怪我したら事だから、ね」

「……はい」

 と吹雪が言ったところで

『…ちら、…待機船……応答……います』

 途切れ途切れの通信が入ってきた。

「は~い、こちら特殊遊撃艦隊の龍田です。聞こえてますよ、どうぞ~」

 龍田が応答し、暫しの後

『こちら艦娘待機船“霜伊里”旗艦らより西南西の海上にて待機中。至急合流されたし』

 雑音の無いクリアな音声が返って来た。

「了解しましたあ」

 返答をした龍田が一同に目配せをする。

 頷いた面々は再び陣形を組みなおす。そして

「特殊遊撃艦隊、出るぞ」

 斬月の号令と共に出発したのであった。

 

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