蒼の薔薇は、遠くに見える巨大竜巻を口を開けて見上げていた。竜巻はまるで天を支える柱のように成長していた。
「……どうする。もう全員眠らせて連れ去るか」
「いや…もしそれで生贄を探して竜が飛び回るようなことになったら街がやべぇよ。討伐すりゃ良いとは言ったが、ここまでの力だとどれだけの被害が出るかわかったもんじゃねぇ」
「くそ!一体どうすれば良いんだ!!」
「……全く思いつかねぇな…」
イビルアイとガガーランの悲痛な思い悩む声に、メンバーも唇を噛む。
そして「――何をそんなに困っているのですか?」宵切姫の声に、五人は揃った動きで振り返った。
儀式から戻った宵切姫は、風や砂で汚れていた髪を再び艶やかに煌めかせていた。更に全員が薄く長い
「まさか、呪われた兵士が?」
その最も恐れる敵の名前に護衛と
「……いや、呪われた兵士はいない」
イビルアイの言葉に皆ほっと息をついた。
そして、最後の説得をするべくラキュースが一歩前に出た。
「宵切姫様、本当に恐ろしくないのですか?このまま
「ふふ、面白い事を仰いますね。えぇ、そうですよ。きっと死んでしまいます。私は
「そんな…!あなたにだって、誰かに恋をして幸せに生きる権利はあります!名誉のために全てを捨てて生贄になるなんて…辛すぎます!」
宵切姫は愛らしく小首を傾げ、悩んだようなわずかな間を持ってから答えた。
「……アインドラ様、おっしゃっている意味がよく分かりません。私は私の神様に恋をしていますし、名誉のために全てを捨てるわけではありません。ただ、我々をお守りくださる絶対神に我が身をもってお礼をしたいと思っているんです。名誉は後から付いてきたおまけにすぎませんの」
「そんなの…!他者の命を求めるなんて、
砂漠からの猛烈な熱射に汗が出る。いや、それ以上にラキュースは体のうちから生まれる必死な熱に汗が出た。人の命を救える、最後のチャンスなのだ。
そこで、大司教の
「それ以上宵切姫様と
魔法が放たれるかもしれない指先の前に、ガガーランが割り込む。
「大司教!神々は絶対に命を粗末にするような真似はお許しにならねぇぞ!誰にでも家族や愛する人のそばで寿命まで生を全うする権利があるはずだ!」
「命を粗末に……?命を粗末にすると言うのは、何の意味もなくただ漫然と生きて、何の役にも立たずに死ぬことだ。
大司教にそっと背を押されたが、宵切姫は動かなかった。
その様子に蒼の薔薇は思わず笑みが溢れた。
「――宵切姫様…?」
「バーリヤ大司教様、少しお待ちください」
「……かしこまりました。ですが、降臨の遠吠えはもう響いたのですから、あまり時間はありませんよ」
「わかっております」
宵切姫はさく、さく、と砂を踏み、腕を伸ばして迎えようとする蒼の薔薇に近付いた。しかし、死の花嫁は決してその腕の中に飛び込む事はなかった。
「この世の命は、全て誰かのために存在していると言うことを皆様はご存知ですか?例えば……そうですね…。砂漠と言えば、一見すると不毛の地のように見えますが、その実、砂漠は命に溢れる場所なのです」
しゃがんだ宵切姫の前には、小さな足跡と波状に砂がかき分けられた跡が続いていた。
「これはサバクネズミを追うガラガラヘビが這った後です。虫達を食べるサバクネズミはガラガラヘビに食べられ、ガラガラヘビの卵はコンドルに食べられます。コンドルの水っぽい糞は止まり木として使われているサボテンに潤いを与え、サボテンはトカゲ達の喉を潤します。どの生き物も誰かに何かを与えているんです。魔物ですらそれは当てはまります。傍若無人に砂漠を生きるように見える魔物達も、死ねば砂漠に生きる全ての生き物の糧になる。全ての命は何かの命を育み、誰かのために存在している…。だと言うのに、何故私が
「宵切姫様……。その考え方は、あなたのような聡明な女性が、まるで家畜と同じだと言っているようです……。あなたはただの生き物じゃなくて、知能のある生き物なんですよ」
「……何が違うのですか?食べ、食べられ、誰かの身になる。当たり前の摂理を前に、知能の有無は関係ありません。皆さんも家畜を食べる時、家畜の生がもっと長い事を知っていながら、殺して食べているんですよね…?皆さんがオアシスの魚を獲った事を私は知っていますよ。それに、宵越しの祭りで召し上がられた
「そ、そんな……。魚はそうですが……でも……
胃の奥が不快感を吐き出そうと一瞬痙攣する。昨日落夜が持ってきてくれた物は皆で綺麗に平らげた。その中に知能のある生き物の肉があるなんて誰が思うだろう。
「それと全く同じ事です。愛でている木に花が咲いて、それを美しいと摘んで帰ることと何ら変わらないのです。
宵切姫はそう言うと立ち上がり、ですよね?と大司教に微笑んだ。
「
あまりの価値観の違いに愕然とした蒼の薔薇は立ち尽くした。
目の前で人が一人死のうとしている。
こんなのは絶対に間違っている。
助けなければ――。
しかし、それこそが素晴らしい生の真っ当の仕方だと信じて疑わない一行は「それでは。ありがとうございました。さようなら」と蒼の薔薇に頭を下げ、ラクダにまたがって巨大竜巻へ向かっていってしまった。
ベールがはためく後ろ姿は、まるで魂や
「……本当にもう……止められないの……?」
ラキュースが呟く。それに返すイビルアイの声は震えるようだった。
「……止まらないだろ。それに、あれが幸せだと思ってるなら…もう止める必要もない。私達は神聖魔導国の民だ。多様性の中、それぞれの種族が持つ文化やアイデンティティを尊重する義務がある………」
「俺達とは違う価値観だったって言って諦めるしかねぇかもな……」
「生きていれば……生きてさえいれば!いくらだって変わることができるのに!!死んでしまったら、確かに肉体は他の生き物の糧になるかもしれないけれど、その人個人の魂はそこでおしまいなのに!!」
「……私もそう思うよ。さぁ、私達も行こう。せめて彼女の最後を見届けるんだ」
「そんな……」
「見届ける、か。俺は他者が血を流す意味が分かってんのか
「ふ、その通りだな」
蒼の薔薇がここまで乗っていたラクダ達は、すぐそばで枯れかけの草や棘のあるサボテンを食んでいた。
「すまない、もう少し付き合ってくれ」
体を撫でてやると大人しく座り、人が乗るのを待つ。
もしかしたら、全種融和というのは夢物語なのかもしれない。
今こうしてラクダに跨ろうとしているが、ラクダにもし人間達と同じだけの知能があったら――。
(奴隷労働者だな…)
彼らは不平不満を言わない。だからこうして使役している。使役できるようにする事を教育、調教と言う。
ラクダが進み始めると、イビルアイは先をいく死の行進を見つめた。
「……宵切姫達もラクダと同じだ。仕える事を当たり前だと教育された…可哀想な家畜なんだ……」
その言葉はある意味、とても差別的で、とても悲しい響きを持っていた。
「ここが神聖魔導国だったら…言葉を話せる生き物は傷付けられない権利を手に入れられるのに…」
「本当にな。言葉を話す、という基準は分かりやすかったし、私も納得していたが……少し心が揺らぐようだな。逆に、これまで食べてきたあらゆるものに危害を加えてきたような気分になった。走らせてきたラクダや馬にも、な。言葉を話しているから、と言う理由だけで私達は宵切姫を助けようとしていたが、言葉を話すも話さないも何も変わらない命なのだとしたら、食べてしまって助けなかった命に何と詫びれば良いんだ」
それを聞くと、ここまでじっと話を聞いていた双子が口を開いた。
「陛下方は言葉を話す生き物を"国民"と呼んで、守ってくれる。その代わりに、言葉を話せない弱い生き物を"自然"と呼んで、国民に守るように言った。自分たちより弱い立場のものを救う事は当たり前だと、セバス様もエ・ランテルでいつも教えてくれてる」
「命を奪わないと生きていけないように生き物を作った張本人達が掲げる神聖魔導国の法は最も優れている。これより優れた考え方は存在しない。それに、食べる前には必ず光神陛下に感謝を述べてる。ガガーランの言ったように、そこに感謝があるかどうかが大事。光神陛下も物を口にするとき、必ず"いただきます"と言うらしい。イビルアイは気にしない方がいい」
「……そうだな」
「そう。考えすぎ。生きる事は常に死と隣り合わせ」「仕方がない殺生も使役もこの世にはある。使役も気になるなら、ラクダをなでなでするべき」
「……私は本当は必要がないのに食べているんだ…。だから、な」
「それも考えすぎ」「"人間でいる事"を続けるために食べてるんだから、生きるための行為のうち」
「ふ、ありがとな」
その後しばらくもくもくとラクダを歩かせていると、巨大竜巻に近付けば近付くほど風が吹いて来た。
一行は遮光服のフードを被り、顔を覆うようにストールを鼻の上まで巻きつけて進んだ。
薄目を開けて前方を見るような具合だが、ラクダは速度を全く変えず、少し離れた先にいる宵切姫一行の後を追ってくれた。
ラクダ達は瞬膜と呼ばれる透明な瞼を閉じる事で目を開けたまま眼球を保護することができる。ちなみに鼻の穴もぴたりと閉じて、鼻に砂が入らないようにしていた。
少し進むごとに風の勢いが強まるようだった。
「――イビルアイ、そろそろ看破を使ってくれ。」
「使っているさ。だが、まだどこにも何もいない。」
「まさか本当にラキュースの言う通り、そもそも存在してねえのか…?」
「わからん。あれだけの竜巻を発生させる存在なのだから、もしかしたら私の魔法では看破できないと言う可能性もある」
「ち、文句付けるのもびびっちまうような相手じゃねぇか」
ガガーランの自嘲に、皆軽く笑いを漏らした。
そうこうしていると、竜巻にほど近いところで宵切姫達はラクダを降りて、何か儀式めいた事を始めた。強風の中宵切姫の足元に絨毯を敷いて、大きな壺一つと、いくつかの小さな壺を並べる。
「…始まってしまうな。行くぞ」
ラクダを急かし、更に竜巻に近づく。――すると、ふと、この場にはあまりにも場違いなものがある事に気がついた。
「……馬車……?」
「え?どこ…?」
「あそこだ。見ろ。それともまさか、不可視化魔法がかけられた馬車か?」
今度は舞い上げられる砂の中、はっきりと見えた。
宵切姫達が儀式を行っているところからは遠く、ここから見える竜巻の弧の端にそれはあった。
注意深く
砂嵐に阻まれながら、チラチラと見え隠れするのは漆黒の馬車。牽引する馬は牛のように大きかった。
「――馬車だわ。本当にあった。あんなところに…?」
そう思うのも当たり前のことだ。ラキュース達はエリュエンティウに着くまでに数度転移をして行ったのだが、その道中で馬車の車輪が砂にはまってしまい、動けなくなって立ち往生している商人を助けたのだから。
「――はっ!そうか!!」イビルアイが大声をあげる。
「な、なに?」
「
一同は納得の声を上げ、ラクダを宵切姫達に向かって走らせる。
今馬車から誰かが降りてくるような雰囲気がなかったのだから、もう宵切姫達の前にいるのかもしれない。人間サイズの馬車だったのだから、もし不可視化して宵切姫の前に座っているようなことがあればここからでは物理的に見ることはできない。
下手に馬車に向かって内部を確認している時間はなかった。
ラクダはすぐに儀式を行う宵切姫達の下に辿り着いた。
「――皆さん!考え直して、私の旅立ちを祝いに来てくださったのですか?」
宵切姫は感動したように蒼の薔薇を見たが、蒼の薔薇はラクダを飛び降りるとそれぞれ武器を取り出し、隙なく当たりを見渡した。
「イビルアイ、いるか?」
「……何も見えないな。まだ馬車にいたのか……もしくは私の看破では力不足なのか」
その様子だけで宵切姫は理解した。蒼の薔薇が祝いに来てくれたわけではない事を。
「……わかってはくれなかったんですね。その剣は、私を脅すための剣なのですか…?」
落ち込み、泣いてしまいそうな声だった。
「いや、そんな事はしない。しかし……宵切姫、最後に一つだけ聞かせてくれ。お前はこの選択が幸せだったと言えるか。死ぬために生きてきた時間も幸せだったと言えるか」
「もちろんです!」
その答えに
皆
「人は決して忘れられないようなことがいくつもある生き物でしょう。それが良い思い出ばかりの私はきっと、幸せ者なのだと心から思えるのです。だからどうか、私を行かせてください」
その切実な願いに蒼の薔薇は頷いた。
「……私達は神王陛下の下へ旅立つお前の幸せを願っている」
「あぁ、陛下方……どうかこの迷える娘をお導きください」
「俺達はお前が逝く事を、もう止められるとは思ってねぇからな」
「いつか魂を洗われて再びこの世に戻ってきたら、その時には神聖魔導国の民であるように」「私たちは祈り続ける。さようなら、宵切姫」
別れを口にした面々に宵切姫は幸福そうに笑った。
「はい!さようなら、皆さま!両親や落夜に、宵切は立派に勤めを果たしたとお伝えください!!」
そして、背を向けた宵切姫は大司教の唱える歌のような経文のようなものの中、小さな壺達に入っている水を大きな壺に恭しげに注いでいき、全てを終えるとナイフを取り出した。ナイフには刀身にまでぎっしりと装飾が施されていた。
ナイフはそっと胸元に当てられ、ググ…と中へ入り込んでいく。
ラキュースが目を逸らそうとすると、その手をイビルアイが握りしめた。
切れ味はとても悪そうで、そう深くは刺さらなかったが、ナイフの装飾を伝って血が流れ出した。大きな壺に宵切姫の血が注がれる。
「
バーリヤ大司教が告げると、宵切姫は十分に血を注ぐことができたことを理解してナイフを抜いた。
そして、壺を抱えて大竜巻へ向けて歩き出す。その顔色の悪いこと。しかし、彼女にはコカがある。血を流しすぎて顔は色を失い始めていると言うのに、幸福に満ちた顔は狂気すら感じさせた。
これ以上竜巻に近付けば宵切姫は粉々になってしまうだろう。
蒼の薔薇はもう、
あの馬車はたまたまあそこにあっただけ。もしくは、大竜巻の発生を調べに来た役人達や冒険者の物。
ナイフを抜いた宵切姫の胸元はじわりと血が滲み、震える足で一歩、また一歩と進んでいく。竜巻に近付き、いつしか立っていることが困難になり、吹き飛ばされてしまうほどの風が強く吹き始める。
「あぁ、神様……。宵切はこの時をずっと待っていました。どうか、お姿をお見せください……。」
そう言い、宵切姫の伸ばした手は――大竜巻に触れようとしたところで、竜巻の中から現れた者に取られた。
蒼の薔薇は駆け出した。
蒼の薔薇が神の道に入る少し前。
お揃いの薄紫色の遮光服に身を包む四人組が、ドォロール砂漠の砂岩地帯にいた。
「エリュエンティウのあたりと違って暑すぎんだろー…。レーナース 、水ー」
「あんた自分の分はもうなくなったの?」
「んなもんもーなくなったー」
クレマンティーヌは自らの無限の水袋をひっくり返し、それが一滴も出てこない事を示した。無限の水袋と言うが、無限とは名ばかりの、普通の水袋よりは多く水が入るマジックアイテムだ。
「先輩、私の分がまだありますから飲んでください!」
「さっすがネイアー!」
ネイアが差し出してくれた水袋をクレマンティーヌが受け取ろうとすると――横からサッとそれは奪われた。
「私も飲むわ」
番外席次は奪った水袋にすぐさま口をつけ、ゴキュゴキュと喉を鳴らして飲んだ。
「っおい!!番外、飲み干すなよ!?」
っぷはー!と吐き出された極楽の息は、番外席次の幼い見た目に非常に似合わなかった。
「そもそもクインティアが後先考えないで飲み干したりするのが悪いのよ。ちゃんと無限の水袋いっぱいに水を持ってきたんでしょうね」
「持ってきたっつーの!!私は陛下方の馬車の屋根が熱くなりすぎないよーに水掛けたりしてんだよ!!」
四人の後ろには
紫黒聖典は今回、「竜巻を見にいく」とだけ言われてついて来ている。
「じゃあ、お掛けする用の水を用意しなかった隊長のミスよ」
「まぁまぁ、あんまりクレマンティーヌを虐めないであげて」
「レーナ〜ァ」
そう、クレマンティーヌはちょっとばかし今回の旅を舐めていたのだ。
前回スレイン州から出発したエリュエンティウまでの旅は、一週間ほど見慣れたような緑の茂る道を南下し、砂漠を三日ほど移動した。
その間の砂漠の移動は、今回ほどキツくはなかったのだ。
というのも、ここよりも幾分か北に位置していて、更にエリュエンティウと山、スレイン州の終わりに位置する草原と森に挟まれていたような砂漠だったのだ。遠くにはうすぼんやりと山や天空城が見えていたし、砂地の上には這うように菊や昼顔が咲いていた。砂地を横切るのは蛇や虫だけでなく、遠巻きにスナネコが歩いていたりもしたものだ。
夜に寝る時にはアインズの作った要塞で眠り、朝に外に出てみると砂上を霧が漂って一日の気温の急上昇を抑えていた。
ところがここ、エリュエンティウ市より三日ほど南下した砂漠の外れは命の危険を感じるような気温だった。同じ三日間とは思えない過酷さだ。何より生き物も植物も少ない。
神々は不思議と前回とは違って要塞を出してくれず、楽しそうにテントの張り方を聞いてきたりと忙しい。前回は守護者達に怒られてテントで寝られなかったなどと、紫黒聖典は思いもしないだろう。
夜は極寒、昼は猛暑。
以前に経験した砂漠のように霧が発生するような事はもちろんなく、愛らしい小花が咲いている事もない。
摂氏にして五十五度。
どこまでも広陵としていて、枯れかけの草と、時折見かける小さなサボテンを食べる爬虫類と虫だけの世界だ。後は一行が死ぬのを待っているコンドルがしつこく頭上を飛び回っている。
「…まーじで地獄だわ」
「仕方ないわね。テスカ様にお水を頂いてくるわ。クレマンティーヌが暑さで倒れたらどうしようもないもの」
「え!い、いや!いいって!」
「私の分もあんまり渡すと後々困るんだから。時には救いを求めて手を伸ばす事も必要よ」
意外にも上司に、それも今回の旅で初めて会った都市守護者と呼ばれた人物に、水を与えて欲しいなどと図々しい事を言えるほどクレマンティーヌの肝は座っていなかった。いや、怒られガチなクレマンティーヌのことだ。また怒られるかもしれないと恐れたのかもしれない。彼らの力は、初めてエリュエンティウに行った時に嫌というほど思い知らされているから。
一方レイナースは神を太陽のようなものだと思っている。過ぎた願いは不敬だが、本当に困った時、自ら救いを求めて手を伸ばさなければ恩恵は受けられないのだ。日陰で寒いと文句を言う暇があれば、太陽の下に向かうべきなのだ。
レイナースは
「テスカ様、隊の水が減ってきてしまったので、少し分けていただけませんか?」
テスカは南方らしく、黒いスーツ姿だ。それに、南方では剣よりも主流な刀を携えている。
エリュエンティウ市からの出発だったが、彼はエリュエンティウ市民に相当愛されているようで、街を出るまでずっと賑やかだった。
「構いませんよ。あ、うちの副料理長に持たされたカクテルもありますけど、どうです?」
「いえ、任務中ですのでカクテルはまたの次の機会に頂きます」
「そうですが。では、こちらをどうぞ」
そう言って取り出したのは白地に青の模様が描かれた水差しだ。
神々や神々が生み出した者達だけが持ち歩く、本当に無制限に水が出てくる命の神器。神官によっては大地を生んだ後、それを注ぐ事で海を作ったという者もいる。
レイナースは
ゴーレムの馬も
一つの難点はある程度のスピードを出させると後ろにいる人に砂が思いっ切りかかることだ。
レイナースはすぐにクレマンティーヌの隣に馬を寄せ、馬の体にかけてある水袋を取った。
紫黒聖典のゴーレムの馬達の背には絨毯を丸めたようなものや、綺麗に折り畳まれたタープ、テントにかける布、その上には食べ物や武器の手入れに必要な荷物が大きめの
今回は荷物運搬用の馬車を引いていないので、ゴーレムの馬の背に載せられた荷物はかなりの量だ。なんなら寄りかかる事もできる。
他にも馬体の左右には無限の水袋が合わせて四つ掛けられていて、クレマンティーヌはなんと四袋も空にしてしまったのだ。
「ほら、そっち側にかけてあるやつも貸して」
「んー」
レイナースは無限の水袋がパンパンになるまで水を注いで馬体に下げ直した。
次々と水を入れると、ネイアと番外席次を手招く。
「あなた達も一応補給しておきましょ。あんまり何度も借りにくいし」
「あ、ありがとうございます!先輩!」
「さすがロックブルズね」
「……私が隊長だってーのに」
「はいはい。だから隊長様のサポートをしてるのよ」
全ての水袋を満たしきると、レイナースはクレマンティーヌに
「はい、じゃあクレマンティーヌ。お返ししてきて」
クレマンティーヌはじっとりした目付きでレイナースを見るとそれをパッと奪い取って速度を落とし、テスカの横に付いた。
「た、助かりましたー。お返ししまーす」
「それは良かったです。いつでも言ってください」
流石にカルマ値が高いだけあり、テスカは何の裏もない明るい笑顔で
「……ほんとーに?」
「えぇ。構いませんよ。減る物でもありませんし」
普通水は減る物だ。
「じゃ、またなくなったら貸してくださーい」
クレマンティーヌはこの人は怖くないと認識した。
「どうぞどうぞ。さて、目的地はそろそろですよ」
そう言うと、テスカは馬車をコンコン、と叩き、御者席の後ろにある連絡窓を開けた。
「――アインズ様、フラミー様。おそらくこの辺りです」
中から了解の声が聞こえ、テスカが
「紫黒聖典、全隊止まれ!」
三人は何があったのか聞く事もなく機械のようにその場にぴたりと立ち止まり、次の指示を待った。
結局、やはりクレマンティーヌを隊長だと全員が思っているのだ。
「下乗!――礼!!」
再びの号令に揃った動きで馬から降り、馬車の前に膝をついて待つ。
出迎えの準備が整うタイミングを見計らったかのように馬車の扉は開いた。
中からは二足歩行の猫達がぴょこんと二匹揃って降りた。その後には更にアイパッチを付け、迷彩柄のマフラーを巻いたメイド。―― CZ二一二八・Δ、略称シズ・デルタ。
「アインズ様、フラミー様、着きました!」「ツァインドルクス=ヴァイシオン、早く降りろ」
「………索敵開始」
シズは緑色の瞳の中にある照準器をキュイーン…と鳴らして、見えている景色を拡大した。辺りを見渡すとごく小さな電子音がピピピ…と鳴る。
「………脅威無し。知的生命体無し。小動物の数を確認――四、五……八。続いて――」と、更にあたりのデータを取ろうとしたところで馬車からは白金の鎧が出てきた。
「やれやれ…。僕にも着きましたと言ってもらいたいところだね……」
「分かった分かった。言って聞かせるから」
後に続くようにアインズも出てきてしまう。シズはまだ辺りの分析を終えていなかったが、脅威はないと言うことがわかっているため、まずは膝をついた。
「――何も危険はなさそうだな」
「危険もさることながら、何もないところだね」
そして、アインズはいつもと変わらず、生の権化の手を引いてやる。
馬車を降りたフラミーはうんっと伸びをした。
「うぅーん……――っはぁ。伸びましたぁ!」
「何人も乗ってたから狭苦しかったですよね。疲れました?」
馬車の中ではアインズとフラミーが横並びで座り、前にツアーとシズを座らせ、双子猫は床に座ったり、フラミーに抱っこされたり、シズに抱っこされたりして過ごしていた。ちなみに猫達はズボンを吊っているサスペンダーの金具に一円玉の不思議なシールを貼っている。
「いえいえ、全然狭くなかったし、楽しかったですよ!でも次は歩きたいですねぇ」
「あぁ、わかります!歩いてみたいですよねぇ。こんなのに乗るより、やっぱり徒歩ですよ」
「私もそう思います!」
仲睦まじく笑い合う二人は「見渡す限り砂と岩ですねぇ」やら「次は馬にしても良いかもしれないですねぇ」やら言っている。
馬はまだしも、神を歩かせるわけにはいかないので紫黒聖典とシズは今回歩きたいと言われなくて良かったと思った。
「さて、全員楽にしろ」
「「「「は!」」」」
「………はい」
紫黒聖典は立って休めのポーズになったとしても、照りつける日射のせいで汗が止めどなく流れていた。
近くを歩いていたトカゲ達が珍しがって一行の足元に寄ってくる。そして人の影に入り込んで涼み始めた。
見上げる瞳はあまりにも無垢で、クレマンティーヌは若干苛立った。
「それで、どうだ?テスカ。お前には感じるか」
「いえ、申し訳ありませんが私はキイチと違ってそう言う
「お前の感覚を信じるかキイチを一度呼び出すか迷うな」
「キイチを呼んだ方が確実かも知れません。ですが、大気の歪みが一番強い所に行ってしまうと、最悪巻き込まれるかと思います。キイチは竜巻を見た記憶を失っているので、大きさを把握する事は難しいかと」
「……それを聞くと、お前の感覚を信じたくなるな」
「一応、私の予測地点を丸で囲ってみますので、しばしお待ちください」
「頼む」
テスカは腰から鞘に入れたままの刀を外すと、それを砂にトン、と下ろして円を描き始めた。
と言っても、相当大きな円を描くようでほとんど直線なので、歩けばかなりの時間がかかりそうだ。適当なところでやめて帰ってくるかと思いきや、テスカは砂埃がアインズ達に当たらない場所まで行くと走って円を描いた。
紫黒聖典は少しだけ刀が収められている鞘の心配をした。黒を地として、金で細緻な蒔絵が施された鞘は芸術品の域に達している。間違ってもあんな風に使うものではない。
――そして、何を考えていても、すぐに思考は一つの場所に戻ってくる。
「……あちーな」
クレマンティーヌが呟くと、シズと共に砂で山を作り始めていた双子猫が振り返った。"楽にしろ"の方法が聖典とは全く違う。
「暑いの?」「君、猫?」
「……猫じゃないでーす。超暑いでーす」
「猫だと思ってたぁ!」「暑くて可哀想だねぇ」
二匹はクレマンティーヌを見上げ、可哀想可哀想と言って回った。
一方フラミーはどこからともなくバナナを取り出した。小さく一口齧ると口から出して、自分の足元で涼むトカゲ達に差し出した。
「はい、召し上がれぇ」
トカゲ達は喜んでフラミーに群がり、バナナをむっしゃむしゃ食べた。腹をいっぱいにすると、トカゲは走って立ち去った。
「施しを受けてお礼ひとつ言えないなんて畜生ね」
番外席次のセリフに頷くのはレイナースだけだ。
「言えるわけねぇだろ…」
クレマンティーヌが呟く。
双子猫もトカゲを見るためにフラミーの足元に座り、シズも付いていく。
「………フラミー様。
「いいよ、喉渇いちゃった?」
「………いえ、ケットシーとニッセの銃に補充したい」
命の神器を無造作に渡されたシズは、猫に手を伸ばし、「ん」とだけ言った。
二匹は水鉄砲をそれぞれ一丁づつ大切そうに取り出し、シズに渡す。色は黄緑とピンクだ。
シズがざぶざぶとそれに水を入れていくと――
「あ、あぁ……」
ネイアから喘ぎ声が上がった。
水はたくさん溢れて砂に染み込み、砂を茶色く染め替えた。
ちなみにこの水鉄砲、聖典や冒険者が持っている無限の水袋より余程水が入る。
シズは補充を済ませると一度ジャキンと硬質な音を立て、二匹にそれを返した。
「………任務」
それだけで猫達は何をするべきか理解する。
二匹はフラミーの足元でバナナに群がるトカゲ達に銃口を向けた。
「任務開始!」「食らえ!命乞いをしろ!」
二匹の銃からはビュッと水が放たれ、トカゲ達にかかった。
水を食らったトカゲ達は極楽に目を細めて撃たれるがまま撃たれた。仲間の背にたまる水を飲むトカゲもいる。
「気持ちよさそう。シズとにゃんちゃんは優しいねえ」
シズはカルマ値が中立から善の間だし、猫達もおそらく善のNPCなだけあり、嬉しそうに笑うとそこら中にいるトカゲに水をかけてやった。
時折シズの顔にもかけ、キャッキャと楽しんでいる。と言っても、シズの表情はほとんど変わらないが。
「………ふふ」
一方アインズはテスカが米粒のように小さくなるほど遠くまで円を描きに行っている様に苦笑しつつ、ツアーの鎧に寄りかかった。
「良い眺めだな」
「それは砂漠のことかい?それとも、あの八欲王の子供達のことかい?」
「どちらもだ。どうだ?この辺りの砂漠も美しいとは思わないか?地平線はいいものだろう。何よりこの澄んだ空気がいい」
アインズはそう言うと、自然の美しさを教えてやっているツアーを見上げた。せっかくの短い旅行なので呼んでやったのだ。守護者を連れてくるよりも割と融通が効く。
――それから、一番の理由はテスカから気になる
どうせ竜王がいるか聞いたとしても、この男は「さあね。僕はそう言うことを君に教えるつもりはないよ」と言うだけで何も教えてくれるはずがないのだ。
「まぁまぁだね。それにしても、君はこう言う景色は嫌いだと思っていたよ。君の好きな草木がないじゃ無いか」
「――ここの砂漠は、リアルにある死の砂地とは違う。命がある」
「そう言うものかい」
「あぁ、そう言うものさ」
無限に広がる地平線は、この世界のどの場所よりも空を広く見せ、夜空は特に格別だった。プラネタリウムよりも多くの星が見え、毎晩天の川の天体ショーを楽しむことができた。星だけを見るためにナインズとアルメリアを呼んでやったりもした。二人をナザリックで寝かしつけて、またテントに戻ってくるときのワクワクはたまらない。
アインズは骨の身で大きく息を吸うと、ゆっくりとそれを吐き出した。呼吸の真似事だ。
シズや猫達、フラミーのはしゃぐ声の中に、砂の小さな丘の上を砂が滑る音が聞こえてくる。さらさらとどこかで蛇が地を這う音が聞こえてくる。ここは、砂漠は砂漠でも命を育む場所なのだ。
「――で、どうして君はまた人になっていないんだい。骨の姿でいると精神を引かれるぞ」
「……うるさい。こんな所で人になって見ろ。髪に砂がつくし、不潔になってはいけないだろう」
「それも砂漠の醍醐味だと思うけどね」
「それはそうだが――」アインズはちらりと汚いおじさんが嫌いな人を見た。「……仕方がないんだよ。念のために今はこのままでいないといけないんだ」
恐れられているとも知らないフラミーは紫黒聖典を見ると
よほど物欲しそうな顔をしていたのだろう。
「お顔洗います?風も出て来ましたし、ちょっと砂っぽいですもんね!」
「「「「洗います!!」」」」
四人は答えると、それぞれたっぷりの水をガントレットをしたままの手のひらで受け止め、これでもかと顔を洗った。トカゲ達も溢れてくる水に少しでも当たろうと足元に寄ってくる。
猫達も水を撃ってやり、紫黒聖典はちゃっかり頭まで洗ってさっぱりした。
水遊び同然になり始めると、巨大な円を描いていたテスカが遠くからようやく戻ってきた。
「お待たせいたしました。このくらいかと思います」
「……なるほど」
アインズは分かったような相槌を打ったが、今のところ何も分からない。
そして、いつもの腕時計を確認した。
「お前の言った時間まであと五分とないな」
「君の言っていた謎の竜巻かい?」
「あぁ、そうだ。風も出て来ている。もし位置がズレていた場合、紫黒聖典は死ぬかもしれんな」
楽しく遊んでいた四人はぴたりと動きを止め、アインズに振り返った。
「危険だから、お前達は
構わないと言われても神々が乗っていた馬車に乗れる神聖魔導国民がいるだろうか。
四人は顔を見合わせた後、「無理だよね」と視線で会話をすると頭を下げた。
「ありがとうございます。えーと…ですが、これも訓練だと思って外で過ごそうと思います」
「そうか?そう言うなら良いが、無理はするなよ。くれぐれも死んでも復活できるなんて事は思うな」
「は!!」
「では行け。馬車が飛ばされたりしないように、ケットシーとニッセも紫黒聖典のそばにいろ。お前達もあんまり砂が酷いようなら馬車に乗って待っていて良いからな」
「分かりました!」「僕たち生きるからちゃんと逃げる!」
「うんうん。まぁお前達は多分死なないだろうけどな。さ、シズも一緒に行け。お前も馬車に乗ると良い」
「………アインズ様とフラミー様はどうするんですか」
「竜巻の様子を見てくる。何、心配する事はない。いつでも転移はできる」
「………ん」
シズは少し悩むと、猫達の手を取り、アインズからの思考の命令でその場を離れ始めた
「…じゃ、我々も一時おそばを離れさせていただきまーす」
クレマンティーヌはすぐにでも行きたそうだ。
レイナースと番外席次はアインズに頭を下げ、フラミーに一応一言掛けた。
「フラミー様、何かありましたらいつでもお呼び下さい」
「ありがとうございます。皆も何かあったらいつでも呼んでくださいね。怪我しないようにね」
「はい!」「はーい!」
三人がザクザクと砂を踏んでその場を離れ始める。が、ネイアはアインズの側でオロオロしていた。
「…どうした?バラハ嬢も早く行くがいい」
「い、いえ…。陛下方だけを危険な目に合わせて、自分ばかり避難してもいいものかと……」
「良いに決まっている。一緒にいても死ぬだけだ。そんな事になったら、何でも笑うティトとはいえ流石に笑わないだろう」
「あ、あの、そ、それは」
「ほら、行った行った」
しっし、と手を振るとネイアは渋々その場を離れた。
大量の荷物を背負っているゴーレムの馬達を引くクレマンティーヌは、ネイアが近くまで来るとその頭をぐしぐしと撫でた。
「へーか達が大丈夫だって言うんだから大丈夫なんだよ。近くにいたら邪魔になるだけだってーの」
離れていたから聞こえていないはずだというのに。
「わっ。せ、先輩はどうしていつも私の考えてることが分かるんですか?」
「クレマンティーヌ様は天才だからねー」
一行は元いた場所から五分程歩いて離れた。
その頃には風がかなり強まっていて、遮光服がバタバタと音を立てた。
「――ち、馬車には乗らないなんて下手に遠慮すんじゃなかったなー。この風じゃ口にも目にも砂が入るわ!」
「言っちゃったものは仕方ないわ。せめて馬車の影に座りましょう」
四人は馬車を風除けに使うことに決め、準備を始めた。
万が一にも馬車が倒れたりしないようにゴーレムの馬も風下に連れ込み、支えさせる。
持って来ておいたテント用の布を四人で被り、じっと息を潜めた。
「………少し狭い」
「っうわ!!」
四人で被ったと思っていたと言うのに、四人の輪の中にはいつの間にかシズがいた。
「あ、あのシズ様は馬車に乗ってらしても良いのでは?」
ネイアがそう言うと、シズはすっと茶色の液体が入った瓶を差し出した。神々と同じように、どこから出てきたのか全く分からない。
「え?」
「………お腹が空いてる顔をしてる」
「あ、ありがとうございます」
受け取ると、スッとストローを差し込んでくれた。ストローは柔らかいような硬いような、不思議な材質で作られていた。
「………紫黒聖典はアインズ様とフラミー様に可愛がられてる。何かが起きないように、ここにいてあげる」
紫黒聖典は四人で頭を下げた。
そして、せっかく貰ったのでネイアは液体に口をつけた。
それは想像を大きく超えて甘かった。
「お、美味しい…!!」
一口飲んで、また一口。吸い上げるのに少し力がいるほどの粘液質なものだが、非常に冷たくて美味しい。
この砂漠で失われてしまった多くのエネルギーを補給できるようだった。
「………チョコ味。ちょっと
偉大な方と言う言葉に、ネイアはすぐに光の神を思い浮かべた。
「………クレマンティーヌも、レイナースも、ルナも飲む」
三人も受け取り、果物やハチミツといったものとはまるで違う甘味をじっくり味わって飲んだ。
そうしていると、布が飛ばされないように座っていた辺りからもぞもぞと猫達が侵入した。
「わぁ!狭くて暗くていいねぇ!」「僕達もここにいよーっと!」
猫達は五人の真ん中に陣取るとふんふん鼻歌を歌いながら水鉄砲を磨いた。
「……いや、ケットシー様とニッセ様も別に馬車に乗っててもいーんだよ?」
ちなみにどっちがどっちだかクレマンティーヌ達にはわからない。
「うーん、狭い方がわくわくするからね!」「こっちにいる!シズちゃんもいるから!」
開いているのか閉じているのかよく分からない糸のような目で二匹は微笑んだ。
テント布が風に煽られるバタバタと言う音がどんどん大きくなる。
五人と二匹はしばらく狭い空間で身を寄せ合った。
わーい!ついにネイアとシズが話したぞー!
一応、防衛点検の時に神都組はお迎えがシズだったから、顔を合わせる機会は何度かあったみたいですね!
次回#139 竜巻と宇宙
24日を目指して書きます!