レインボーシックス346  セカンドシーズン   作:MP5

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 新年初投稿です、どうぞ

 ゴーヨ

 本名セザール・ルイス・エルナンデス

 メキシコ海軍特殊部隊出身オペレーターで、幼少期に爆破事故で母以外の家族を失った
 姉貴分のアマルとは歳の離れた姉弟みたいな関係


9話  ウサギの穴

 カンボジア・プノンペン。太陽が沈む前の時刻に観光客に扮したアルファチームは、指定された場所に徒歩で向かい、ハイドラの幹部、黒井が目撃されたベンメリア遺跡を調査するため、アメリカ特殊部隊でも特に優秀と言われるゴースト部隊と共に作戦が遂行される。

「ここだ」

 古いビルに入るとアフリカ系とアジア系の若い男二人がそれぞれ別のソファに横たわってくつろいでいた。3人に気づいたアフリカ系の男は気だるそうに起き上がりゆっくり近づく。

「アンタ達がレインボーか?俺はヒューイ・ダグラス、俺のことはトレーナーと呼んでくれ」

 トレーナーの相方であるアジア系の方は大きな欠伸をし、寝転がったまま気だるそうに自己紹介した。

「リー・バッカス・・・おやすみ」

 再び眠りについたバッカスに不安を隠せない寛二。源太も頭を掻き、トレーナーに質問する。

「コイツ本当に大丈夫か?」

「腕は良いんだが、きっての寝坊助でな。普段からこれなんだ・・・おい、そろそろ作戦だから起きろ!」

 額を引っ叩き、無理矢理起こす。眠そうに目を擦りながら身体をうんと伸ばし、大きな欠伸をする。

「ゴースト達も人手不足か、何だかわかるような気がするぜ」

「苦労してんなオタクらも・・・おっとそうだった、忘れるところだった」

 トレーナーが小指ぐらいの犬笛を吹くと、二階からジャーマン・シェパードが降りてきた。主の隣に行儀よく座る。

「軍用犬のベン、俺の飼い犬だ。4歳のオス」

「噂じゃ聞いてたけど、本当に飼い犬を軍用犬にするとは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 日が完全に沈み、夜行性の獣達が徘徊する時間。普段の作戦服とは違う、ジャングル迷彩を着込み、さらにゴースト御用達の暗視ゴーグルを付け、遺跡を出入りする一台のトラックを見つける。検問らしき場所で停車中にヨハンが門番を狙撃、混乱に乗じてベンがもう一人の門番に突進し左脚を鋭い牙で噛みつく。運転手が慌てて無線で助けを呼ぼうとするが既に取り囲まれ観念し両手を上げた。

「これがゴースト部隊か。やるね」

 生け捕りにした運転手を引きずり下ろし拘束、尋問を始める。

「ベンとヨハンの腕がよかった・・・さて、吐いてもらおうか。黙秘権はあるが、今度はあの犬に首元を噛まれることになるからな」

「は、話すから噛ませないでくれ!俺は黒井社長の命令で遺跡地下にある基地に配属されたんだ、俺達にとってアレは野望を成し得る鍵って黒井社長が」

「よしわかった。とりあえず眠っとけ」

 トレーナーが言うのが早いか、バッカスが振り子をドライバーの眼前に見せ、ゆっくり左右に振る。しばらく振り子を目で追うと、力なく眠ってしまった。荷台に運び、程よい大きさの木箱の中に入れた。

「小さい頃から独学で催眠術学んだ。だから自信ある」

 ヨハンはあまりに古すぎる催眠術に呆れ顔を隠せない。

(言ってはダメだが古典的だ・・・)

 荷台に程よい長さのスカーフが人数分あったためそれで顔を隠して敵に扮することにした。リアリティーのため右腕にハイドラのタトゥーシールを貼り、よりわからなくしてみせる。途中、数人に怪しまれたが無事通過し、敵の陣内まで入り込むことができた。

(うまくいきすぎだ・・・)

 ボディーチェックを済ませ、黒井のいるテントに入る。かなり焦っているのか、それとも、緑に囲まれた場所が非常に苦手なのか、全く落ち着きのない様子で5人を迎えた。

「私は今イライラしておるのだ、一般兵は任務に戻って基地の警備でもしてろ」

「あの俺、新人で何してんのかわからないんすよ。簡単にでも良いのでお願いできますかね?」

 寛二が下手に出て様子を伺う。

「私はセレブだ、愚民に教えるくらい造作もない。あそこには未だ発表されていない歴史的な宝が眠っている。アレをブラックマーケットに売り飛ばし下克上の準備をするのだ。東豪寺隆信を倒す私兵を買い、己の未熟さを教え込むのだよ。さぁもういいだろう、寝るからさっさと失せろ」

「了解。任務に戻ります」

 

 

 

 

 

 

 

 テントを出て武器を回収し、警備するフリをして隙を伺う。2時間ぐらい巡回をしていると、黒井のいるテントの方角から複数の銃声が聞こえる。AK-47を武装した盗掘者達が警備兵に発見され銃撃戦になっているのだ。これを好機とみた源太は全員に護衛するフリをして逮捕することを指示、早速テントへと駆ける。

「な、何事だ!?」

「別の盗掘者達です。あなたを見れば迷わず襲うでしょう、ささ、俺について来てください」

 その言葉を信じた黒井は源太の後について行き、乗ってきたトラックの荷台へ入る。布幕を閉め、外を確認できないようにすると、運転中のバッカス以外が一斉に銃口を向け素顔を見せる。

「き、貴様はこの私の顔を殴った若造!さてはあの盗賊も貴様らの手引きだな!」

「いや違う。だが、この口が利けるのは今の内だぞ。洗いざらい吐いてもらおうか、わざわざ娘を危険に晒してまでテロリストに協力する理由をな」

「おのれまたしても・・・ふん、身の安全を保障するって言うなら喋ってやろう。娘のな」

「腐っても親父ってか。いいだろう、だが貴様は捕虜として扱う」

 源太は最初に抱いていた印象が少し良い方向に変わった。詩花に初めて会った時も、彼女は父を慕っていたので、娘の前では良い親を演じていたのかもしれない。だが、銃声が源太を現実に戻す。盗掘者達が敵を殲滅してこちらに追ってきたのだ。

「まさか・・・隆信の奴め、それを見越して私兵たちを派遣したのか。狙いは私だ、頑張って守りたま・・・」

 源太は無表情で顔面を殴り、気絶させ箱に入れた。

「すまん皆、俺もやるよ」

 敵の追撃に本気度を感じた。約20台ものジープにその倍数の機関銃、果てはRPG-7まで撃ってくる始末。こちらもそれに応えるように反撃に打って出る。しかし、猛攻により荷台の布幕も穴だらけになった。それだけでなく、大通りに出ると後ろから増援も現れ、弾も心もとなくなってきた。途端、トレーナーが荷台にあるものを見つけた。布を取ると、ステルス機能を持つ人外に対して大きな効果を発揮した、回転式自動機銃が2つあった。それを設置し起動させると瞬く間に効果を発揮し、スクラップが大量に増えていく。太陽が昇る前に応援のカンボジア軍と合流、このまま基地内まで護送され任務を完了させた。

 

 

 

 

 

 

 

 続いて黒井の尋問に移り、自らの事情と組織について知っていることを喋らせる。基地の取調室で黒井を起こし、知っていることを吐かせることにした。

「ハイドラは確かに幹部が代わる代わるだが、法則性がある。それは前幹部の推薦がある人物に代わるのだ。推薦がいなければもう復活しない」

「推薦?」

 寛二は頭を傾げる。

「財布事情はもちろん、社交性に信用度、なにより能力が優秀でなくてはならんのだ。雑兵の多くが傭兵崩れや難民、酔狂なボンボン共とまとまりがない。訓練には元軍人が指導している」

「なるほど、雑兵が自力で幹部になることはない。逆に言えば金と力があれば誰でもなり得るってことか」

「そういうことになる。ちなみに言えば幹部の数はあと3人は残っているぞ、それとボスはその中にいる」

「ハイドラって割には頭が少ないんだな。名前は?」

「私の知っているのは一人、東豪寺グループの総帥、東豪寺隆信だけだ。知りたければ奴を捕まえてみろ、その前に詩花を頼む。人質にされたとはいえあの子には悪い事をした、彼女が奴に捕まれば間違いなく幹部に無理矢理取り付けるだろう」

「・・・その父性を、どうしてあの時に見せなかったのかねぇ」

 源太の嘆きに悲しそうに俯いた黒井崇男はゴースト部隊の輸送機によってアメリカへ極秘裏に飛ばされた。アルファチームの働きはゴースト部隊の間にも広まり、部隊同士の信頼向上に僅かであるが貢献したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ゴースト部隊と別れたアルファチームは急ぎ日本へ向かった。彼女のマンションまでノンストップで車を走らせ、詩花の部屋前まで到達する。一息つき、マスターキーでロックを外すし勢いよくドアを開けた。しかし、ターゲットの姿がなかった。特に荒らされた形跡はなく、新しい所属先である765プロに連絡する。すると、事務員の女性から詩花は身の危険を感じて事務所で寝泊まりしていることを知る。3人にためらいはなかった。765プロに急行し、事務員の女性と仲良く話をしている詩花を見つけ、黒井の事と彼女に迫っている危機を丁寧に教えた。

「パパが・・・まさかと思っていましたが、東豪寺のおじ様が本当に・・・」

「君にはちょっと不本意だと思うが、ヘリフォード基地まで来てもらう。そこなら安全だろうからね」

「・・・わかりました。今回もあなたを信じます」

 ヨハンは突然現れた自分達に呆然としている社長らしき男と事務員の女性に視線を向ける。

「事情は後日話します。俺らを信じてください」

「あ、あぁ・・・ところで、黒井の奴は元気そうだったかね?」

「前回逮捕した時よりはやつれていました。ですが、娘が無事なら復活するでしょう」

「そうか、彼女の事は私に任せてくれ。それとハリーによろしくと伝えてくれ」

「!?ハリーと知り合いか?」

「比較的新しい友人だが、何故か気が合ってね。まっ頼んだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 4人を見送った社長と事務員はODT事件を思い出した。

「我那覇君と菊地君が巻き込まれたのと比例にならない事態になるね。私の魔法を、フルに使おうかな」

「ハリーって方に頼むのですか?」

「いや、彼は私よりも忙しいだろうね。以前もらった対テロ対策マニュアルでも読み直してくれたまえ、出勤してくる赤羽根君と他のアイドル全員に伝えるんだ」

「わかりました!(あぁ・・・妄想の時間が激減する・・・)」




 ゴーヨのうわさ


 ジョーダンの手によってボルケーンシールドがよく悪戯されるらしい
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