レインボーシックス346  セカンドシーズン   作:MP5

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 うわさは引き続き載せていく予定です


2話  黒い雪

 イギリス・ヘリフォード。突然休暇が終わりを告げ、眉間にしわが寄った状態のまま司令室に入る源太。シックスであるドミンゴがいないかわりに、眼鏡を掛け、Tシャツと綿ズボンという非常にラフな格好をした男が応接用ソファに座っている。

「やぁゲン、こんな顔じゃ新人君が怖がるよ」

「せっかくの新婚旅行が台無しになったんです、機嫌悪いに決まってますよ」

「実を言うと、ヨハンも似たような状況だったんだ。もっとも、彼の場合狙撃されそうになったけど」

「狙撃、ですか?」

「彼の新婚旅行先はグアムだったんだけど、クルーザーでくつろいでいたら陸地から狙われたんだ。スコープの反射に気づいたヨハンが里奈嬢を安全な場所に避難させ、積んでいたスナイパーライフルで反撃に出た。海上の揺れる船の上からの狙撃を成功させるなんて、ウチじゃグラズかヨハンぐらいのもんさ。っで、敵の死体にはハイドラのタトゥーが刻まれていたんだ」

「我々が狙われているのではないですか?」

「それも考えたんだけど・・・彼らは標的に我々がいなくてもアメリカをはじめとした多くの国で無差別に攻撃している。死傷者の身元もホームレスから有名政治家まで様々、その中に特殊部隊員もいたのも事実。そして、ハイドラの構成員に特殊部隊経験者がいたことも確認された。彼らは単なる武装テロ組織ではなく、戦闘技術の高いプロが指示及び指導しているものと思われる。もっとも、分析が始まったばかりだから結論はまだ早いけどね」

「要人殺されりゃ、各国政府もレインボーに協力してほしいものでしょうな。俺達以外にも動いてるハズですが?」

「NSAにゴースト部隊が動いたって情報があるかな。あのサム・フィッシャーも現役で活動してるかもね」

「・・・あのオッサンか。子離れできたんですかね」

「うーん、たぶん無理だよ、娘が彼氏連れてきた瞬間、一発KOだったらしい。彼氏が」

 

 

 

 

 

 

 

 ノックが話を中断させ、寛二が入ってきた。

「望月寛二、参上しました・・・この眉間にしわ寄せた方は?」

「俺は今日から直接の上司になる男だ」

「!?もしかして、真田源太曹長!お逢い出来て光栄っす!」

「あーわかったからとりあえず座れ。ハリー、こいつをチームに入れるんですか?」

「ちょっと繊細さに欠けるけど、ちょうどいい塩梅になると思うよ。それにしても、日本人ってどうして自発的に動き、正しい判断を下せる若者を切り捨てる傾向にあるのかな?『和』って概念がいまいち伝わっていない気がするんだ」

「・・・それはそうと、本題よろしいです?」

「おっと失礼。ジャンとエコーによるサイバー組からハイドラの潜伏先を衛星で発見したって情報が入った、場所はタイ・バンコクの市街地内、詳細はタイに入ってからスマホに送信する。チームにはヨハンも加えてくれ」

「了解、支度します」

 

 

 

 

 

 

 

 急ぎ作戦服に着替え、自分達の得物と必要な弾薬を装備し輸送機へ乗り込んだ。源太とヨハンはそれぞれの愛妻にしばらく帰ることができないとメッセージを残し、寛二の装備を見る。

「ポイントマンとしての仕事、期待してるぞ」

「間違っても自滅するんじゃない。たった3人で数がわからない敵を相手にするんだ、慎重さも欠けるな」

「はい、期待に応えるよう、精一杯頑張ります!」

「・・・よろしい。聞くが新兵、俺ら以外の隊員達とは挨拶済ませたか?」

「俺の担当教官はエリアス氏です。江夏さんと会ってアニメの話で盛り上がったし、ジョーダンさんの気さくさに心を打たれました・・・ただ」

「?」

「タチャンカの親父さんの飲み会勧誘は、勘弁願いたい限りです。俺下戸ですし、あの人あり得ない量飲むし」

「「あぁ~」」

 寛二は源太と合流する3日前、タチャンカから新人歓迎会と称しつつ朝まで付き合わされていたのだった。朝帰りしたその日にドクに怒られ、ブリッツには心配され、スモークには笑われと散々だったという。

「まぁなんだ、災難だったな」

 源太の右足のマグナムリボルバーに目が行く。

「レイジングブル44マグナムか。ジョーダンのプレゼントだったな」

「結婚祝いの品だ。いいだろ?」

「相変わらずそういうの好きだなお前」

「ヨハンは何かもらったのか?」

「・・・グラズから絵をもらった。ハガキサイズだが俺と里奈を描いてくれた。アイツとはライバルだが、素直に嬉しかったよ。里奈からお守りをもらった」

 MSG90A2に緑色の熊のキーホルダーらしきものが取り付けられていた。

「作戦には支障なさそうだな。よし、あとは揺られてタイへ行くだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わってスイス・チューリッヒ。今もなお古い町並みが残るこの都市に、観光客に扮したレインボーオペレーター、海野五郎はとある人物の調査を行っていた。名は白雪千夜、346プロのアイドルで、主とあがめていた黒埼ちとせが病気で亡くなると辞表を出して行方不明になった。ここ最近ハイドラの構成員と接触した情報が入ったため彼女をつけていた。

(なんだか冷たい雰囲気だなぁ。やっぱり、支えがいないとこうなっちゃうかもしれないのか?)

 目線の先にいる黒ずくめのショートカットの女性が千夜だ。日本人が観光に来たとは思えないほど楽しげな様子もない。路地裏に入ったのを確認し、五郎も距離を離して入った。

(間違いない。あれは死に急いでる、なんとかして阻止できれば)

 エコーから通信が入る。

「おーいゴロ、無理すんなよ。お前の装備はハンドガンだけってこと忘れんな。別の場所からレイモンドとカルロス廻すから早まるなよ」

「了解」

「任務完了しだい、また別任務に派遣されるから、体力温存はしておけ。以上だ」

 建物内に入ったことを確認すると、Cz75を抜き、音を出さないように静かに入る。3階の一室のドアが開いたと思えば仮面をつけた男が千夜を招き入れた。閉まったことを確認し、耳を当てて会話内容を探ろうとするが、思った以上に聞こえてこない。ジャンが持たせてくれたポータブル聴音機の電源を入れ、再び探った。

「我々になにか用かね?」

「・・・」

「用がないならさっさと帰りたまえ。我々はいそが」

 途端、男の悲鳴が外まで聞こえた。異変を感じた五郎は突入し声がした方に走る。

「スタンガンか」

 スタンガンを押し当てた火傷が首に残っている。背後から気配を感じた五郎は振り向き、襲ってきた千夜を背負い投げで投げる。

「動かないで。君を撃ちたくない」

 観念したかのようにスタンガンを放し、ハンズアップして立ち上がる。

「驚いた、ただの観光客だと思ってた」

「まぁ地味なのは認めるよ。それよりも彼となんの話を?」

「・・・わたしはお嬢様が全て、アイツらはお嬢様を病死に見せかけて殺した!」

「!?ど、どういうことだ・・・話が見えない。とにかく、彼を連行して尋問のプロに頼もう。君にも来てもらうよ」

 男を担ぎ上げ、先ほど入った入り口まで戻ると、イギリス人とブラジル人のコンビが待っていた。

「おっせーぞ、俺の出番はあるか?」

「カルロス落ち着け。っで、首尾はあったか?」

「彼女とコイツをヘリフォードに連れて行く。知りたいことができた」

「わかった俺とカルロスは部屋を調べる。行くぞ出番だぞ」

「レイモンド、俺の言う出番てのは戦闘的な意味で」

「黙れ。全く、俺より年上とは思えん」

 呆れた顔で千夜が五郎に質問する。

「仲間?」

「まぁね。普段はアレだけど戦闘のプロだよ・・・俺は海野五郎、よろしく。訳あって身分は明かせないけど」

「白雪千夜。お前、アイツに似てる」

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一足先にヘリフォードへ帰還した五郎は捕虜1名と重要参考人1名を連れてきたという功績を上げ、伍長に昇進した。カベイラの尋問によると、失踪したのはちとせの死が不審であったためであり、誰も信用できない状況で自ら調査していた。ルーマニアでハイドラへの連絡方法を入手した彼女は、スタンガンで気絶させて拘束し、起きたところで無理矢理吐かせる予定だったらしい。

「見た目以上に無茶やらかすでありますな・・・ところで身柄はどうするんです?」

「最初は女性陣達と暮らさせる予定だったんだけど、オックスフォードの僕の家に住まわせるよ。監視もあるけど、どちらかと言えば彼女は自分を大事にしなさすぎるから、僕と妻と他のオペレーターとで命の大切さを教えていくつもりさ」

「・・・望月君とそこんとこ似てますね」

「彼の場合は、若気の至りさ。正直、エリアスを教官にしてよかったのか疑問だよ」




 ブラックビアードのうわさ


 実家を案内すると誰もが驚くらしい
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