魔法の勇者も成り上がり   作:叶麻直

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先に謝っておきます。


スミマセン!スミマセン!
感想欄で『筒の使い方は次回か次次回で!』って堂々と言ったのに次回になっちゃいました!
作者が嘘つきでごめんなさい!
本当にスミマセンでしたぁ!m(__)m



ミッション──そして脱出

ボクは今、兵士の服を借りて昨日4人の勇者が一晩過ごしたあの大部屋へと向かっている。

勇者たちにマルティのやることを阻止出来るように

 

 

10分前──

 

「ボクは今から他の勇者たちの部屋に行く。」

「え?それって危険では…私がいきますよ!」

「いや、ヴェネラがその格好だと見ただけでバレちゃうと…ここって女性の兵士、ほとんどいないでしょ?顔を覚えられる可能性がある。」

「成る程!アユム様…でなくアユム、さんのその見た目なら特に怪しまれず行動できますね!」

 

ボクの役に立てないと残念がっていたけどとりあえず納得してもらった。

 

「まず、ボクとヴェネラの服を交換するんだ。」

「ふぁ!?ぬ、脱ぐんですか!?」

「そりゃ…ボクにこの格好で上に出ろと…?」

 

ごめん、人前で脱げみたいなこと言っちゃったけど…

とにかく、ボクとヴェネラの服をそれぞれ交換した。

 

「アユムさん、それは…?」

 

そしてボクはポケットからとメモ帳ペンを取り出して文字を書き出した。

 

ここに召喚されたとき、カバンが無くなっていたからてっきりないと思ってたんだけどさっきお風呂に入るときポケットに入ってたことに気付いたんだよね。

 

ちょっとだけここで用意された部屋着だったけど落ち着かなくって結局この服に着替え直したんだけど、着替えてよかったあ

 

…にしても持っていたカバン、無くなったけど元の世界元の世界(向こう)に置いていかれたのかな?

 

「へえー、アユムさんの世界にはそんなものがあるのですね。常に持てていいですね。…その文字はアユムさんの世界の文字ですか?私には読めないです」

「うん、これならこの世界の人にはよめないから彼らへの伝言にはもってこいだ。」

 

…別世界の日本の他の勇者たちが同じ文字を使っていればいいんだけどね

 

 

「よし、じゃあ、行ってくるよ。戻ってくるまでバレないように上手くやり過ごしてね!」

「はい、お気をつけて」

 

 

そして現在──

 

「確か…ここだったかな…っ!」

 

メイドさんがやって来た。

咄嗟に通路の角に身を潜めた。

…この格好だからバレないと思うけど念のため

 

「勇者様、出発の準備が整いましたので謁見の間へお越しください」

「遂に冒険に出発だな」

「どんな仲間なのか楽しみです」

「どんなカワイコちゃんがいるのかなあ」

「元康お前、世界救う気あるのか…?」

 

そう言って尚文たちはメイドさんについて行って謁見の間へと向かっていった。

 

「……よし」

 

ボクは周囲を見て誰もいないことを確認して客室の扉へ近づいた。

 

「…ちっ!鍵が…!」

 

見えなかったけれどいつの間にか鍵を掛けられていたらしい。

他の勇者たちに確実に見てもらえるように中に置いておこうかと思ったけど入れないと意味がない…

なら、他の人に見つかる可能性は高いけど…

 

「……よし」

 

しゃがみ込んで床と扉の間に滑り込………みにくいな

…っし!入った。

 

「っと、後は戻るだけか…」

「おい、お前、そこでなにをしている?」

「!」

 

いつの間にか兵士がやって来ていた。

 

ヤバい…ボクが牢を抜け出したのがバレたらこの紙没収される可能性あるし、何よりヴェネラが危険だ…

 

「あ、ああ、ちょっと落とし物を…」

「見つけたのか?」

「ああ、見つかったよ…」

「良かったな。次は気を付けろよ」

「…ああ」

 

何とか乗り越えた…とホッとしていると…

 

「ああ、そういえば…お前、ここで見ない顔だか新入りか?」

「…まあ、ね」

「そっかじゃあ、頑張れよ。わからないことがあったら俺に聞けよ。1年の差だが先輩だからよ」

「あ、ありがとうございます」

 

ここの見廻りは広くて本当、大変だよ…

と呟きながら去って行った。

 

「後輩思いの良い人、だったな。こういう人を騙すって…心痛むな…」

 

しばらく立ち尽くしていたが、ハッとして慌てて歩き出す。

 

いけない、いけない…ここでぼうっとしてる暇なんて無かったんだった。

 

伝言のミッションは一応クリアした。

後は牢に戻ってこの城を抜け出すだけだ…

 

 

「アユムさん!大丈夫でした…か?」

 

ボクに気付いてヴェネラが心配そうに聞いてくる。

ボクはそんなヴェネラに親指を立てて言う。

 

「大丈夫だ!彼らならきっと気付いてくれる。さあ、ここからでるよ!」

「はい!」

 

ヴェネラを牢から出して即座に奥の通路へ行く。

 

通路は暗かった。でも通路の脇にランプがあったため、明るさには困ることは無かった。

 

「ところでアユムさん、この服、今まで来てきたなかでとても動きやすくて可愛いですね。」

「そうか?」

「はい。こんな服がこの世界にもあればいいのに…」

 

どうやらヴェネラはボクの服が気に入ったらしい。

確かに動きやすいけど…可愛い?

タータンチェックのシャツの方かな?

 

 

他にも城でのことやボクの世界でのことなど、そうした他愛ない話をしている内に

 

「もうそろそろ出口です。」

「確か出るのは森…だったけ?モンスターはどうしよう…魔法の勇者なのにまだ魔法使えないけど」

「ご心配なく。この辺のモンスターは好戦的ですがそこまで強くはないです。…多少は痛いでしょうが…」

 

なら、大丈夫……なのかな?

聞けば村までは歩きで半日か1日はかかるらしい。

なら、モンスターとの戦闘は免れるかな…戦闘になったら最悪、走って逃げるしか無いかも

 

 

そして出口の真下に来た。

 

「私が先に様子を見ます。村への道はよく知っています。このくらいは私にやらせて下さい。」

「…わかった。案内、頼んだよ」

 

ヴェネラは梯子を登っていった。

 

…ヴェネラがいて良かった。

ヴェネラがいなかったらあのまま始まったばかりの勇者人生終了してたよ…

…今は城から逃亡で勇者っぽくないけど…

 

「登っても大丈夫です。」

 

少しするとヴェネラが上から顔を出して安全を告げた。

ボクは梯子を登って、この世界に来て初めてのフィールドに立った。

 

「さあ、こちらです」

 

 

森の中を走って行くと突然、ヴェネラが立ち止まった。

 

「どうした?」

「モンスター、オレンジバルーンです。弱いですが、とても好戦的です。見つからないようにいきましょう」

 

今ここで戦う暇なんて無いもんね。

しかも弱いとはいえ、元康が言うには魔法使いは防御力が低い。下手に戦ってダメージを受けたら危険だ。

 

 

こうしてモンスターに見つからないように慎重に歩いていき、遂に森から抜けた。

 

「うわぁ」

 

そこは、見渡す限り平原、少し向こうには山がそびえていた。

見渡す限り建物しかなかった元の世界とは全く逆。

壮大な景色にボクは暫く見渡していた。

 

「右手に見えるのが私の故郷、リユートです。」

 

ヴェネラに促されて見ると、近くに小さな村が確かにあった。

 

「ここまで結構休憩したり慎重に進んだりしたのに、思ったより早く着いたね。丸1日は掛かるかと思ったけど。」

「そうですね。モンスターとの戦いが無かったからでしょうか」

 

そして、ボクとヴェネラは村へと足を動かした。

 

 

「誰だ!…ってヴェネラ!?お前、仕事はどうしたんだよ!まだ休暇じゃないだろ!」

「ケビンじゃない、門番ご苦労様。」

「だから…ん?そこの奴って男か!?まさかお前、男が…」

「違う違う!」

 

ヴェネラの友人らしいケビンとヴェネラのやり取りを苦笑しながら見ていると、

 

「お前、魔法使いか…?」

 

驚いて振り向くと後ろにはボクより少し年上の男の人がいた。

てっきり城からもう追手がやって来たのかと…

 

「まあ、合っているのかな…どうしてわかった?」

「ずいぶん大きなな魔力を持っているから何となくそうかなあ…と」

「魔力感じるんだ…」

「お前はわからないのか?魔法使いなのに?」

 

思ったけれど…

 

「あっ!メルガさん!久しぶり」

 

どうやら彼とヴェネラは知り合いらしい。

 

「どうしたの?急に戻って来て…」

「立ち寄っただけだ。途中であんたの姿が見えたから。…ところで、ヴェネラ、あんたのその姿はなんだい?」

「ああ、これね。この服、あの人のものなんだけど…あの…聞いてくれる?」

 

 

「へー、魔法の勇者なんて初めて聞いたな!異世界なら来たなら感じてないのも頷ける」

「その女許せん!そこの奴も、ヴェネラを巻添えにしやがって!」

「私は自分の判断で、自分から巻き込まれたの!アユムさんは関係ないの!」

 

ここにはいないマルティだけかと思ったら、突然ボクにもケビンは敵意を向けてきた。

メルガはというとここまでのことよりもボクが勇者だったことに興味を持ったみたいだ。

 

「2人とも!今はそんなことよりもアユムさんを匿って欲しいの、お願いできる?」

「こいつなんかどうでも…いや、ヴェネラのお願い……兄さん、僕はどうすれば…?」

「この村に住んでいない俺に聞くな、お前が決めろ」

 

ケビンはどうもヴェネラを巻添えにしたボクを嫌っているのだがヴェネラからの頼みを受けるか悩んでいる。

メルガはどうでもいいという風にメルガに向けられたケビンの疑問を即座に一蹴する。

 

「…お願い…できる?」

「……ああ!もう!わかった、協力してやる!」

「ありがとう!」

 

顔を真っ赤にさせながらケビンはやけくそのように叫ぶ。

 

「…ボクとしてはありがたいけど、いいの?」

「…本当は癪だがヴェネラの頼みであれば……」

 

成る程、ケビンはヴェネラのことが……ね。

 

「な、なんだお前、しかも兄さん!そんな目で見るな!」

 

ふと横を見るとメルガが優しげな目でケビンを見ていた。恐らくボクも同じ顔をしていたのかも

 

 

「では、村に入りましょう。」

「ああ、そうだ。この村に魔法を使える人っている?魔法を使うコツとかを教えて貰いたいんだけど…」

「いますよ。でも、今日はもう遅いので明日にしましょう。私の家はこっちです。」

 

 

ヴェネラの家に来た時、ヴェネラの両親とのひと悶着があったけれどヴェネラが無理矢理納得…してないけどとりあえずここに匿ってもらえることになった。

 

彼らの視線が痛いけど匿って貰えるだけ感謝だ。

 

 

「見てろよマルティ、必ず無罪だと、偽物の勇者でないと証明してやる…!」

 

そう言ってこの決意を胸に刻み付け、夜を明かす。




今日から令和!令和初投稿!
投稿とその他諸々頑張ります。
今のところ長い間投稿無し、ということはないですが、元々サボりやすい性格なので、なかなか投稿がないことがこれから在るかもしれません。(というか、確実にやるかも…)
気長に投稿を待ってて下さい。
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