”モノ”ガタリ   作:水壁

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なんか迷走してしまった気がする…
作品書き始めたらやっぱり一気に書き上げなきゃだめだね・・・


先生の腕

 漫画家という職業は思いのほかたくさんの人の協力によってできているものであります。ストーリーも絵も製本作業まですべてのことを一人で行う漫画家は、アマチュアの同人作家でもそうはいないはずです。今回はそんなストーリーから作画、翻訳まで依頼されるとすべて一人でかたを付けてしまう凄腕の漫画家のお話です。

 

 

「先生!また一人でやってしまわれたのですか?!」

「ああ。なにか問題あったかね?」

「問題も何もいつも言ってるじゃありませんか!もっとアシスタントや私たち編集を頼ってくださいって!」

「すまんな。昔から一人でやってたもんでな。」

 

 先生はいつもこうである。まだ売れない作家だった時代、アシスタントの一人も雇えず作画の隅から隅まで自分で行っていたため、その時の癖が抜けないらしい。

 

「仮にも先生は10本以上も連載を抱えているんです!少しでも負担を減らせるように仕事を割り振ってください!これではアシスタントの子たちも何のために先生のところに来ているかわかりません!」

「そうか。すまないな。では8番の作品のセリフ入れ、頼む。小声の描写が多いから文字を小さめにな。」

「先生、ほかには何かありますか!アシスタント一同、まだまだいけますよ!」

「じゃあ4番の背景明るめにお願い。それとB3番のトーン頼む。」

「「「はい!」」」

「はあ、とりあえずこれで今日は先生もアシスタントたちを頼るかな…」

 

 これは今回だけの話ではない。ひと月に一度は起きることなのだ。編集が毎週作品を取りに来るのだが言ってからおおよそひと月で元の作業方法に戻ってしまい、また同じことをする羽目になる。

 

「今回は長く持ってくれるといいけど…」

 

 やはりというか、案の定というか先生は一月後にはまた、作業を一人で行うように戻ってしまった。しかしいつもとは様子が違うようで。

 

「先生!背景、終わりました!次の仕事、渡してくださいっ!」

「おう…わかった。Cの119、セリフ入れ頼むわ」

 

 アシスタントの子たちが積極的になってくれたようだ。まあ、声を掛けなければ一人でやってしまうところは変わってないらしい。

 

「先生。原稿、受け取りに来ました。あとバックナンバーの締め切りが残り一週間です。進捗、どうですか?」

「9番のだな。そこの棚に出来上がっている。」

「さすがに仕事がお早い。お体のほうは大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。まあ、若いころとは作風を変えたからな。多少作業量は増えるがきついときはアシスタントに手伝ってもらえる。一月前のは助かった。また同じようなことになったら頼んでもいいか?こればかりは直せそうにないのでな。」

 

 驚いた。先生が人を頼るとは。うれしい変化だ。

 

「ええ、そのぐらいであればいくらでも。編集の仕事の殆どは先生がやってしまいますから、私仕事が少ないんです。なんならもっと仕事ほしいぐらいですから。」

「そうか、そりゃあ頼もしい。また、頼むよ。」

 

 そうだ。私はいつまでもこの人についていこう。そばで支えていこう。そう思わせてくれるのだ。この人の作品は。幼少期も、少年期も、青年期も、そして今でさえ。作風、作品が違えども、この人に育てられてきたのだ。

 だから、思う。

 

「ええ、任せてください。私は先生の腕となるものですから。」

 




読了いただきありがとうございます。

えー…今回モノガタリ第三弾です。
迷走した感じが未だに抜けることがなくあまり気分が優れないのですが取り敢えずあとがきです。
今回は「テレビ」、「リモコン」です。そして作者は漫画家についてほとんど知らない故何かおかしいところがあればこっそり教えてくれると嬉しいです。

本題に。今回はテレビを漫画家としてとらえ、その編集としてリモコンを当てました。アシスタントたちはテレビについてるボタンぐらいに思っていただければ結構です。
日本で最初にテレビ番組が実験放送されてから今年で80年です。子供のころの楽しみの一つしてテレビというのは切っても切れないものだったと思います。いわゆるテレビっ子といわれる人からすれば、テレビというのは育ての親にもとれるようなものでしょう。今回のリモコン君はテレビっ子でテレビにあこがれ、遂には直接補佐することができる立場になりました。夢を追う、というのは途方もなく疲れてしまうことですが、夢を作る立場というのも疲れるものだと思います。たまには、漫画家さん、作家さん、映像作家さんなどに感謝をしてみてはいかがでしょうか。
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