『そう、そこの道を左ね。』
『はい、お嬢様。』
『わ~!
幻想郷みたいに緑が沢山っ!!』
『あわわわ妹様っ!?
外に身を乗り出すと、
“やけど”しちゃいますよぉっ!?』
美鈴が慌ててフランを引き込む。
『そうだった、
幻想郷の用に、
パチェが魔力でガードを
作ってる訳じゃなかったんだっけ。』
『吉報よ、
橙から連絡で、
これから向かう場所に、
パチェも、こあも居るそうよ。』
『それはおめでとうございますお嬢様。』
『ほんとっ!?』
『いや~、ご無事で何よりですね。』
▽
何処かで見たような柵を通り、
更に山奥へ向かう。
給油しといてよかったと真面目に思う。
『っ!?』
『え?』
『これは・・・。』
『こ、紅魔館です、ねぇ。』
目の前には
大破した筈の紅魔館が鎮座しており、
その玄関口に、
二人の女性が立っていた。
『お帰り、レミィ、フラン、中『美鈴です』。』
『パチュリー様、
先ずはお食事でも?』
『えぇ、そうね、
入って頂戴、
“造りはそっくりそのままだから”
何も問題ない筈よ。』
『じゃぁ、俺はここに。』
『なに言ってるのよ?
“兄”
貴方は私の従者なのでしょう?
なら、来なさい。』
『・・・それでは、車をしまってから、
お部屋にお伺いいたします。』
『それもそうね、
美鈴、案内してあげて。』
『はい、お嬢様。』
『ねぇ?パチェ!
また、魔力でガードしてよ?
そうすれば
昼間でもアイツを
ぶっ飛ばせるからさっ!』
『はいはい、
でもその術式に、
時間が掛かるのも忘れないでね?』
▽
『“うつしみ”っ!?』
紅魔館の裏手にある倉庫に
車を仕舞った直後、倒れてしまった。
『アハハハ、
正直、きっついです。』
『・・・何日、持つんだ?』
『酷い事聞きますね、
でも、正直、
美鈴さんを万全にする分、
私を“消費して”3日、
それで美鈴さんは万全、
最盛期の状態で入れ替わり出来ます、
ただ、その3日持つかどうかですね。』
『・・・フラン曰く、
俺の血の中に、
レミリアの魔力が残っているそうだ。』
『ダメですよ、簡単に教えちゃぁ。』
『うろ覚えだが、
“美鈴も元は食人の妖怪”だったんだろ?』
『・・・さぁ、
そうだったのかもしれませんねぇ。』
『強情な奴だな。』
『アハハハ、美鈴さんも、
こうしたと思いますよ?』
『だが、消えてしまっては困るからな、
嫌でも飲んで貰うぞ?』
車のキーで、手を引っ掻き、
口に押し当てる
『いやです。』
『駄目だ。』
『嫌ですってば。』
『駄目だっつってんだろうがっ!!』
『・・・ずるいです。』
『女もずるいし、男もずるい、
そう言う生き物だろうが。』
『・・・辛いです。』
『そうだな。』
『なんで、敵なんでしょうね。』
『なんでだろうな。』
『普通に生きていたいだけなのに。』
『そうだな。』
『あなたも?』
『・・・そうだな、
飲め。』
『・・・ゴメンナサイ。』
『あぁ。』
『ごめんなさい。』
『あぁ。』
『・・・辛いです。』
『さっきも聞いたよ。』
すすり泣きながら、
少しずつ血を舐め取る
留めなく流れる涙は
本物も、偽物も変わらない
『入らないんですか?
パチュリー様?』
『あれが、“うつしみ”ね、
ひどく辛い宿命を持った妖怪なのね。』
『“うつしみ”
でも、咲夜さんはいませんでしたね?』
『今頃、
本物がぶっ殺してる筈よ、
あの子も
レミィに使える従者で、
メイド長、仕事はこなすでしょ?』
『アハハハ、そうでしたね。』