幻想郷の異変に
気付いたのも束の間、
気がついたら見知らぬ町に
放り出されていた
“異様に明るい夜を持つ・東京に”
『いっつ~・・・。』
どうやらどこかにぶつけたらしい。
『っ、ここは。』
辺りは塀や、
植え込みに囲まれた住居が幾つも並んでいた。
『幻想郷の町、では無いか。』
妖怪山でも無い
守谷神社近辺でも
幻想郷の人里でも無い
『噂に聞く、“現代”か。』
この尻尾と耳は目立つな、
兎に角隠そう。
意識を集中し、
周りから見えなくなった・・・筈。
『剣は・・・あ。』
あの目玉のスキマは
間違いなくあの方だ。
しゅぽっと、収納され、
何かの袋包みを落とされた。
※ごめんね
暫くの路銀と、
仮の戸籍を渡すわね?
“文(あや)”か、
“東風谷(こちや)・早苗(さなえ)”を
頼りなさい?
あと、このスマホの使い方は、
スキマで弄ったから、わかるでしょ?
今の幻想郷には
絶対戻っちゃダメ
それだけは守ってね
『紫さん・・・。』
気づかぬふりをしたかったが、
“微かに手紙から匂う血の匂い”
これは
恐らく紫様の血の匂い
『兎に角、
どちらかに連絡は
取らないといけませんね。』
▽
一応、文さんにも、早苗にも、
ラ〇ンを送ったのだが、
うざったい返事を返して来たのは、
早苗だった。
※きゃ~っ!!
椛ちゃんひさひぶりぃ~っ!!
と、何かのキャラクターが
一緒に添付されていた
『うざ。』
返信をためらってしまった。
※いまどこどこ~?
※ね~既スー?
※ねー
※モミちゃ~ん!!
※椛もみもみしちゃうぞ~
『・・・ハッ。』
あぁ、確か、“現役高校生”とか
しょっちゅう言っていたっけ?
だからか、ここまでうっとおしいのは。
※どこかの町ですね
目印は・・・
『あのビル、
〇〇ビルか。』
※〇〇ビルが見えます
※おk
※その下に超特急で出発しんこー!!
みしっ
おっと、いけない、
大切な連絡手段だ、壊す訳には行かない
『あぁ、文さん、
貴女の方がマシに思えてしまうのは、
世も末なんでしょうか・・・。』
▽
『もみちゃんかわいい~っ!!』
『だぁ~っ!?
くっつかないで下さいっ!!』
いつの間にか、
白いフリル付きの上着に、
淡い紅色のロングスカート、
ウェスタンブーツを履いていた。
『って言うか、
早苗さんはなにをしてるんですか?』
『え?また“高校生”をしてますよ?』
え?貴女、幻想郷に来て、
何年かは経ってますよね?
高校生は無理でしょう?
年齢的に言えば、大学院生とかでは?
『さっ、私のお家に行きましょう!
諏訪子様も、神奈子様もいらっしゃいます!!』
やっぱり、人徳運、無いのかなぁ・・・
文さ~ん、助けてくださ~い。
▽
『早苗、
アンタは大学生で、
落第寸前だろうに、
椛は高校1年からスタートだね。』
『なんでですかぁああああっ!?』
『いや、
幻想郷に行った時点で、
アンタ修学旅行まで終わらしてたでしょ?』
『それに、次の定期テストで落としたら、
浪人生なんだから、
アンタは勉強しなさい。』
早苗がこの世の終わりの様な顔をしているが、
正直、自業自得だと思う。
『さて、
椛、アンタは高校生だけど、
そこで“情報収集”を頼みたい、
アタシは、
コッチの神と会合があるから
直ぐに立たなきゃならない、
諏訪子が家にいるけど、
“大人モード”で対応させるから、
そこは勘弁してくれ。』
『あ、はい、
神様ですからね、
容姿はいかようにも
変えられるのですから。』
『椛ちゃん、冷静~。』
『こら諏訪子、
あんたもボロを出さない様に、
ちゃんと母親を演じなさいよ?』
『まかせて・・・じゃなくて。』
あぁ、これを見たら、
誰ですかって、思うよなぁ~。
『任せて頂戴な?
私も人妻、
それ相応の対処は心得てるから、
安心して、会合に行って来て頂戴?』
『おい、胸を盛るんじゃない。』
『なによ?神奈子さんも、
大きいんだからいいでしょ?
それに、
旦那も大きいのが良いらしいからね。』
胸・・・まぁ、
私もそこそこのある方だと思うが、
正直、剣を振るうのに、
邪魔としか感じない、
しかも最近、また大きくなった気がする。
『・・・はぁ、どうしてこうなったの。』
誰に聞こえるように言った訳ではないが、
スキマから
“ごめんね”
明らかに消衰した“八雲 紫”が
本当に申し訳なさそうに謝る姿が
私の目にだけ映された。
“兄”
名前はお好きな名前を
当てはめて御読み下さい。
“弟”
同上