「〈ヤマト〉からの返答と
ガミラス空母司令室で通信士が告げる。シュルツは「ふむ」と
「『バカめ』と言わんばかりだな」
「やつめ、この辺に我々がいると察しをつけているのでしょうか」
とガンツが言う。彼の言う『この辺』とは〈ヤマト〉から一光日離れたところ、という意味だ。地球人の超光速通信技術はその程度の距離までしか通信波を飛ばせない。ゆえにこちらがそれよりも離れたところにいれば、〈ヤマト〉が何を言ったとしてもタイムラグなしに受け取ることができない。
「と言うより……」とヴィリップス。「こちらが〈ヤマト〉を追跡し、居場所を突き止めていることを教えてやったことになるのかもしれません」
「むう……」
とシュルツは
いや、あれが地球人どもの〈チェス〉だの〈オセロ〉だのでいう最良の手でないことは、
ギャンブルだ。さあどうするとシュルツは思った。地球人は〈放射能除去装置〉と聞けば何もせぬわけにいかぬだろうが……。
そうだ。しかし〈ヤマト〉にすれば、『地球と話せ』ということになる。とは言え、しかし『敵にそう応えた』と地球に知らすことはできない。
もう〈ヤマト〉は地球と交信できぬのだから。地球から一光年離れた今は地球まで一年かかる電波信号を送るしかもうできないはずだ。そんなもの、送ることに意味はなく、だから代わりに言うしかない。
『交渉は地球とせよ。我は旅を続ける』と――この返信にはその意味もあるのだ。
だが、と思った。シュルツは言った。
「やつらとしては知りたいはずだな。我々が何者で、なぜやってきたのかを。なぜやつらを滅ぼそうとするのか――やつらにすればそれはある意味、放射能除去装置より欲しい情報であるはずだ」
「ええ、それは」
とガンツが言う。ヴィリップスも頷いた。
「そうだ。やつらが知りたくないはずがない。ここは直接、わたしが行かねばならないだろうな。そうでなければやつの足は止められん」
「司令がですか。しかしそれは……」
ガンツが言った。ヴィリップスも、
「そうです。もしものことがあれば……」
「いいや、ここは危険だなどと言っておれん。わたしは責任を取らねばならぬ身なのだからな。イザとなれば、体当たりしてでも〈ヤマト〉を……」
「それは……」とガンツは言った。しかし、「わかりました。わたしもお供させてください」
「わたしも」とヴィリップス。
「そうか」とシュルツは言った。「すまんな」