艦これネタ置場   作:歌猫

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2:能力チェックと同情と

自身が集積地棲姫となったことに気付いた後、彼女は建物内を探索し、比較的無事な部屋を見付け、寝床を整えてからそのまま寝た。いくら、何事にも動じないマイペースな性格をしているとは言え、流石に衝撃が強かったようである。

 

「オー……マジデデキタワ」

 

 そして翌日早朝、驚きだと言わんばかりに、彼女は周りを緩やかに飛んでいる艦載機を見やった。とは言え、彼女の視界に艦載機は映っていない。彼女は艦載機を通して、自分だけでは見れないアングルで景色を見ていた。

 

(これが、赤城達が見ていた景色、か。ん~……慣れるまで時間がかかりそーだねぇ~)

 

 小さく溜息を吐きながら、彼女は艦載機との視界の共有を切った。しかし、艦載機を戻すことはせず、そのまま遠くへ飛ばす。この島に、資源や食材があるのか、探してもらうためである。何か見付けたら連絡するよう言っているため、放置しても問題は無い。

 彼女はその間、今の自分の能力を把握するべく色々と試していた。主砲、魚雷、爆雷、そして先程の艦載機運用。軽くとはいえ全てを一通り使ったせいか、燃料と弾薬が少々減った。それでも全体の五十分の一に満たっていない辺り、集積地棲姫のスペックの高さが手に取るように分かる。

 

(それにしても、前に編み出した低燃費高効率運用が、慣れ親しんでいた艦娘の時より楽に出来るとか……どんだけ器用なのさこの体)

 

 旧型駆逐艦から姫級に進化(?)したとはいえ、器用さだけは艦のスペック差だけでは説明が付かない。頑丈さや手数の多さ、威力の高さは言うまでもないが、それらのスペックが霞むほど器用さが抜きん出て高い。

 

(ま~確かに大破してもあっさりと、こっちを大破させてたけど……まさかこれが理由とはねぇ)

 

 てっきり、スペックに任せた馬鹿火力のせいだとばかり思っていたが、考えを改めるべきかもしれない。技巧派な姫級とかどんな悪夢だ。つくづく、戦闘ではなく後方支援専門の姫で良かったと、彼女は胸を撫で下ろした。

 

(でも、どうしてまたこんな極端に…………まさか、資源節約のため、とか? …………やべぇ、泣けてきた)

 

 もし、彼女が想像した通り、他の姫級やレ級が資源の残量お構いなしに消費しまくるから、せめて自分だけはと頭を捻った結果なのだとしたら。そう思うと、深海棲艦経理担当者の不憫さに涙が出てくる。敵対していた時から薄々感じてはいたが、どれだけ苦労人なのだろうか集積地棲姫は。

 集積地棲姫の不憫さに涙していた彼女に、島の探索を頼んでいた艦載機から通信が入った。早速視界を切り替えると、燃料が湧き出ている泉が見えた。別の所では弾薬の材料が、また別の所では鋼材やボーキサイトがごろごろと転がっている。何だこの島、資源の楽園か。

 

「ウッワ、アッチハシュウフクザイガワイテルシ……ヨウセイサンガイリャア、チンジュフガタテレルジャンカ。コリャスゲーワ」

 

 しかし、そんな高物件(?)な島なのにも拘わらず、周辺には艦娘どころか深海棲艦の影も形も無い。そのことは彼女に警戒心を沸き立たせるには、十分な事態だった。

 

(こりゃ~暫くは、この島とその周辺の地理を把握することから始めないといけないなぁ。あ~ダリィ……)

 

 非常に面倒臭いことこの上ないが、かといってこの島の調査を怠る訳にはいかない。慢心の末轟沈し再び復活した時、今のように【歪み】の支配から逃れられるとは限らないのだ。己の未練が分からず、故に未練を晴らすことが出来ない以上、彼女は轟沈する訳にはいかない。

 そんな真面目なことを考えていると、彼女のお腹が空腹の悲鳴を上げた。昨日は何も口にせずに寝たのだから、仕方がないのかもしれない。

 

「…………トリアエズ、ハラゴシラエカラダナ」

 

 面倒事は一先ず横に置いておき、彼女は食料を持ってくるよう、艦載機にお願いするのであった。

 

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