因みに原作他キャライベントはほぼスキップします。
(紡のとことかさゆのとこは結果のみ)
---遥side---
ウロコ様と話して数日。
少しずつだが、俺に元気が戻ってきた、と先生は言った。
正直自覚はない。
けれど、これだけ長く休んでて、やっと気づいたことがいくつもある。
俺はこれまで1人で何事も終わらせてきた、と先生は言った。
まさにその通りだった。
俺はいつの間にか、全部自分で片付けようとしてきた。
何人かには手伝ってもらった。けれどそれは、決して仲間、とか協力、とかそう呼べるものの類ではなかった。
結局、意識しないうちに俺は他人を駒のように見ていたのかもしれない。
そうとわかった今は、過去の自分がとても恥ずかしく思える。
だから、今から、なんて遅いけど。
あいつらが作っていた輪の中のピースとして、俺は生きたい。
リーダーだなんて、司令塔だなんてどうでもいい。
本当の親友なら。あいつらと共に生きたいなら。
それくらいの覚悟がいるんだって、そう気付かされた。
それが、答えなんだろうか。
いや、この際だから洗いざらい、包み隠さず全部の自分と向き合おう。
まず、俺はどうしたい?
これは何度も考えてきた。
けれど、一つ一つ考える時の状況で出る答えは違う。
そして、きっと今回出る答えがきっと最後だ。
もう、分かってる。答えはすぐそこにある。
俺は、どうする。
考えるのをやめた時からもう1週間と少し。
もういいだろう。
逃げてるだけじゃ何も始まらないから。
これまで生きてきて、たしかに苦しいことばっかりだった。
美海にも、千夏にも、本気で向き合ったつもりでいて、全然届いてなんかいなかった。
好きの気持ちはもう、分かってる。
全部教えられた。ひとりじゃ辿り着けなかった。
俺は弱くて、誰かが隣にいてくれてやっと前へ進める。
支えてくれる、んじゃない。隣で歩いてくれるんだ。
だから━━━━━━━━━━━━━━━
答えは得てる。
これまであったこと全て受け入れて、それでもって生まれ変わろう。
誰かを導く力なんかより、誰かの隣を歩く覚悟を持って生きる。
そうか、これが答えだったんだな。
...
夕方。
俺は病院の屋上に先生を呼び出した。
ここももう随分と馴染んだ。
「どうしたよ、急に呼び出して。...答えが、見つかったのか?」
「はい、揺るぎない答えを、やっと見つけました。これから俺はどうしたいか、どうありたいか。1人になって、皆が教えてくれました。」
「教えてくれ。」
「俺はずっと1人で全部を終わらせてきた、先生はそう言いましたね。
本当にその通りですよ。俺は弱いままで、それでも1人で強くあり続けたい、そういう生き方をしてたんです。だから、答えは簡単。甘えます。俺の隣に立ってくれる人がいるなら、俺はもう先に進みません。誰かと隣り合わせで歩く。弱い人間らしく、最後まで誰かに頼って、頼って、一緒に悩んで答えを出します。もう生き急ぐのはいやなので。」
先生はフッと笑った。
これまでにない、最高に優しい顔で。
「お前がその結論に至ってくれてよかったよ。俺もお前に出会えて変われたさ。...散々振り回されたけどな!...んでそれで、俺がお前の力になれたかなんてのは分かんねえ。けど、お前の答えを聞いて納得したよ。これからのお前になら、俺はきっと力になれるってな。」
「そんなこと言わなくても、俺も散々先生に助けられましたよ。これからもお願いします。」
「お前...、なかなか可愛いキャラしてんじゃねえか。」
なんて言う大悟先生は本当に嬉しそうだ。
そうだ。これも、1つの愛の形だ。
もちろん異性的な好意とかそういうのではない。親しい人への愛、つまるところ親愛と言ったところのものだ。
それでも、愛は愛。
それが分かれば、もうあとは怖くない。
この調子なら、俺はもっと前へ進んでいける。
そして、2人にはもっと違った形の愛がある。
誰にそれを伝えようか、ずっと悩んでいた。
けど、決めた。
俺が選ぶ相手。一生をかけて誰の隣を歩くか。
まあ、それはお船引を見届けてから伝えよう。
こんなこと言うとフラグだなんて言われるけど、大丈夫。もう怖くなんてない。
「さて、お前の健康状態もだいぶ戻ってきたしな。...エナの方はやっぱり止まってないが。だがまあ、もう退院はできるだろう。ただ、今日は無理だな。なんせこんな時間だ。退院は明日になるな。」
「エナのことは自分でケリをつけます。...けど、きっと一人じゃダメかもしれません。そしたらまた、1人の医者として助けてくれますか?」
「ああ、いつでも頼れ。」
「ありがとうございます。」
...
そうして俺は部屋に戻り、1人の最後の夜を過ごす。
明日目覚めれば、これまでの俺とはおさらばだ。
簡単に変われるなんて思っちゃいない。けれど、踏み出す1歩はもう分かってるから。
あぁ、明後日はお船引だったな。
遅れた俺が最後何が出来るかわからない。けど、あいつらを精一杯サポートしよう。
そして、5年前千夏に告白されたように、今度は俺が答えを告げる時だ。
あの日ちゃんと返せなかった答えと一緒に、お船引を終わらせようか。
あとちょいで終わりですね。
前作ほどアフターストーリーとかないので。
結末は期待してもらって結構です。
また会おうね(定期)