凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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ここから一気に書き上げよう。
因みに原作他キャライベントはほぼスキップします。
(紡のとことかさゆのとこは結果のみ)


第101話 最後の答え

---遥side---

 

ウロコ様と話して数日。

少しずつだが、俺に元気が戻ってきた、と先生は言った。

 

正直自覚はない。

けれど、これだけ長く休んでて、やっと気づいたことがいくつもある。

 

俺はこれまで1人で何事も終わらせてきた、と先生は言った。

 

まさにその通りだった。

俺はいつの間にか、全部自分で片付けようとしてきた。

何人かには手伝ってもらった。けれどそれは、決して仲間、とか協力、とかそう呼べるものの類ではなかった。

 

結局、意識しないうちに俺は他人を駒のように見ていたのかもしれない。

そうとわかった今は、過去の自分がとても恥ずかしく思える。

 

 

だから、今から、なんて遅いけど。

あいつらが作っていた輪の中のピースとして、俺は生きたい。

リーダーだなんて、司令塔だなんてどうでもいい。

本当の親友なら。あいつらと共に生きたいなら。

 

それくらいの覚悟がいるんだって、そう気付かされた。

 

 

それが、答えなんだろうか。

いや、この際だから洗いざらい、包み隠さず全部の自分と向き合おう。

 

 

まず、俺はどうしたい?

 

これは何度も考えてきた。

けれど、一つ一つ考える時の状況で出る答えは違う。

そして、きっと今回出る答えがきっと最後だ。

 

もう、分かってる。答えはすぐそこにある。

俺は、どうする。

 

 

考えるのをやめた時からもう1週間と少し。

もういいだろう。

 

逃げてるだけじゃ何も始まらないから。

 

 

これまで生きてきて、たしかに苦しいことばっかりだった。

美海にも、千夏にも、本気で向き合ったつもりでいて、全然届いてなんかいなかった。

 

好きの気持ちはもう、分かってる。

全部教えられた。ひとりじゃ辿り着けなかった。

 

俺は弱くて、誰かが隣にいてくれてやっと前へ進める。

支えてくれる、んじゃない。隣で歩いてくれるんだ。

 

だから━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

答えは得てる。

 

 

これまであったこと全て受け入れて、それでもって生まれ変わろう。

誰かを導く力なんかより、誰かの隣を歩く覚悟を持って生きる。

 

 

そうか、これが答えだったんだな。

 

 

 

 

 

 

...

 

 

 

 

夕方。

俺は病院の屋上に先生を呼び出した。

ここももう随分と馴染んだ。

 

 

「どうしたよ、急に呼び出して。...答えが、見つかったのか?」

「はい、揺るぎない答えを、やっと見つけました。これから俺はどうしたいか、どうありたいか。1人になって、皆が教えてくれました。」

 

「教えてくれ。」

 

「俺はずっと1人で全部を終わらせてきた、先生はそう言いましたね。

本当にその通りですよ。俺は弱いままで、それでも1人で強くあり続けたい、そういう生き方をしてたんです。だから、答えは簡単。甘えます。俺の隣に立ってくれる人がいるなら、俺はもう先に進みません。誰かと隣り合わせで歩く。弱い人間らしく、最後まで誰かに頼って、頼って、一緒に悩んで答えを出します。もう生き急ぐのはいやなので。」

 

先生はフッと笑った。

これまでにない、最高に優しい顔で。

 

「お前がその結論に至ってくれてよかったよ。俺もお前に出会えて変われたさ。...散々振り回されたけどな!...んでそれで、俺がお前の力になれたかなんてのは分かんねえ。けど、お前の答えを聞いて納得したよ。これからのお前になら、俺はきっと力になれるってな。」

 

「そんなこと言わなくても、俺も散々先生に助けられましたよ。これからもお願いします。」

「お前...、なかなか可愛いキャラしてんじゃねえか。」

 

なんて言う大悟先生は本当に嬉しそうだ。

 

そうだ。これも、1つの愛の形だ。

もちろん異性的な好意とかそういうのではない。親しい人への愛、つまるところ親愛と言ったところのものだ。

 

それでも、愛は愛。

それが分かれば、もうあとは怖くない。

この調子なら、俺はもっと前へ進んでいける。

 

 

 

 

そして、2人にはもっと違った形の愛がある。

誰にそれを伝えようか、ずっと悩んでいた。

 

 

けど、決めた。

俺が選ぶ相手。一生をかけて誰の隣を歩くか。

 

 

 

まあ、それはお船引を見届けてから伝えよう。

 

こんなこと言うとフラグだなんて言われるけど、大丈夫。もう怖くなんてない。

 

 

「さて、お前の健康状態もだいぶ戻ってきたしな。...エナの方はやっぱり止まってないが。だがまあ、もう退院はできるだろう。ただ、今日は無理だな。なんせこんな時間だ。退院は明日になるな。」

「エナのことは自分でケリをつけます。...けど、きっと一人じゃダメかもしれません。そしたらまた、1人の医者として助けてくれますか?」

「ああ、いつでも頼れ。」

「ありがとうございます。」

 

 

...

 

 

 

そうして俺は部屋に戻り、1人の最後の夜を過ごす。

明日目覚めれば、これまでの俺とはおさらばだ。

簡単に変われるなんて思っちゃいない。けれど、踏み出す1歩はもう分かってるから。

 

 

 

 

あぁ、明後日はお船引だったな。

 

遅れた俺が最後何が出来るかわからない。けど、あいつらを精一杯サポートしよう。

 

そして、5年前千夏に告白されたように、今度は俺が答えを告げる時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日ちゃんと返せなかった答えと一緒に、お船引を終わらせようか。

 

 

 

 

 

 

 

 




あとちょいで終わりですね。
前作ほどアフターストーリーとかないので。
結末は期待してもらって結構です。

また会おうね(定期)
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