凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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いい感じいい感じ


第102話 ライバルとして、親友として

---美海side---

 

〜これは、遥が退院する数日間の話〜

 

夕暮れ時。私は家から数歩出て海を眺めていた。

潮風が冷たい。こういう日には嫌な予感しかしなくて辛かったりする。

 

先日、光がウロコ様に会った。

それでもって色々聞いたらしい。まなかさんの状態。失ったもの。

 

もちろん全力で怒っていた。けれど、やっぱり少し変わったのだろう光は、冷静に考え、お船引をやろうと言い出した。

 

とはいえ大雑把なところは健在。

お船引を機にまなかさんが記憶を取り戻すかもしれない、と、そう考えたらしい。

 

どこまで現実味があるのかは知らない。

けど、現状そうするしかない以上、誰かからの批判はなかった。

 

 

 

 

 

お船引。思い出されるのは5年前だ。

 

あの日のこと、今でも忘れはしない。

またあんなことになったらどうしようと、今でも思い出すくらいだから。

...それでも、また千夏ちゃんが飲まれそうになった場合、今度は私が...。

 

いや、そんなことを考えるのはやめよう。

何より遥かに悪い、私はそう思った。

 

 

だから...そうだな。

 

このお船引が終わる頃に、遥に好きだって、ちゃんと告白しようか。

目的があれば、何がなんでも達成しようって気になれる。

 

 

 

それに、こんなモヤモヤした気分で過ごすのはいい加減飽きてきた。

 

 

 

 

私は、遥が好きで、好きで、大好き。

初めてであった時からずっと好きだった。

年の差は確かにある。けれど、その壁に押し返される程のやわな気持ちじゃない。

 

誰にも奪われたくない、私だけの遥であって欲しい。

...遥の1番が、私であって欲しい。それが私の気持ち。

 

 

5年前に決めた。一生遥のそばに居ると。

叶える時はきっと今なんだって、そう思う。

 

 

でも、恋敵がいる。

その子は親友で、同年代。

そして、私と同じくらいに遥が好き。

 

 

だから、勝負。

もちろん、負けるつもりは無いよ。

 

 

 

千夏ちゃん。

 

 

 

 

 

---千夏side---

 

〜同日くらいの話〜

 

「はぁ〜、もう1週間か〜。」

自室の机にひれ伏し、私はため息を零す。

 

遥君が心を壊してしまってもう1週間が経つ。

何度か面会はしたけど、どうもからっきし。

最初は正直ショックだった。

また、私がやってしまったんだって、ずっと思ってた。

 

先生は誰のせいでもないと言ったけど、それでも私は責任を感じてしまう。

遥の人生に影響を与えてる人の中に間違いなく私もいるから。

だから、悩んだ。私に何が出来るか。

 

ろくな答えはでない。でも、確信してることだってある。

 

責任を取っていなくなる、なんてことはもう絶対にやらない。

 

 

あの日汐鹿生で約束したいくつものこと、それはちゃんと私の体に刻まれている。

きっと、遥君は帰ってくる。自分自身の答えを見つけて。

...でも、その時にこの恋の答えも出ているかもしれない。

 

 

だから、どうしようかな...。

 

そうだなー...。

 

きっと今回がもう一度、告白する時かな?

お船引には特別な意味合いがある。

 

私にとっては、5年前の時の分からそうだ。

あの日、私は答えを聞けずに逃げてしまった。

 

 

でも、今も遥君が好きだ。大好きだ。

あの日告白した時よりも全然好きだ。

 

だから、全力でこの気持ちを伝えるんだ。

 

...もちろん、ライバルもいる。

 

 

ねぇ、美海ちゃん。もし、今お互いにフェアと言える状態なら..,

 

 

 

 

「よしっ!」

私は決心して、部屋からとび出た。

夕暮れ時。目的地は美海ちゃんの家だ。

 

 

 

...

 

 

 

「あれ?外に出てたんだね。」

美海ちゃんの家に着いた私だったが、インターホンを鳴らすことは無かった。

もう、美海ちゃんは家の外に立っていたから。

 

「千夏ちゃん、どうしてここに?」

「や、ほら。ちょっと話したいことがあるって言うか...、そんな感じ!」

「奇遇。私もね、ちょっと話したいことがあったの。...じゃあ、行こっか。」

 

さすがに2人だけで話したかったので人気のない場所へ移動する。

 

多分、2人とも本題は一緒だ。

 

 

 

「ねえ、美海ちゃん。私、今お互いにフェア、って判断していいよね...?」

「うん。というかこれ以上の状態はないくらいだよ。だからね...」

「だよね。だからさ...。」

 

 

「「私、遥(君)に告白しようと思う。」」

 

 

ズレること無く、被った。

 

 

「あっ...。」

「やっぱり...ね。」

 

そうしてお互い吹き出す。

 

「やっぱり好きなんだよ、遥君のこと。5年前のあの日からずっと。」

 

「分かってる。だって私も好きなんだから。...でも、追っかけるだけの好きは、もうやめるの。ずっと思ってたから。遥の傍で歩きたいって。これが私の決心だよ。千夏ちゃんは、どう?」

 

私の決心...?

...ない、なんてことはない、絶対に、ある...!

 

「私はね、遥君を一生傍で見ていたい。その温度に触れたくて、その声を聞きたくて、...その姿を支えたいの。これじゃ、ダメかな?」

 

「ううん、ちゃんと伝わるよ。千夏ちゃんが遥が好きなこと。」

 

美海ちゃんには、私の覚悟がちゃんと伝わったみたいだ。

 

こんな本心をさらけだして、恥ずかしくないのかと思う。

恥ずかしくはない。

むしろ、ここでお互い恥ずかしがるようじゃ、絶対に勝てないと分かってるから。

 

 

 

そうだ。もうひとつ、聞いておきたいことがあったな。

 

「ねえ、美海ちゃん。もし、どっちが勝ったとしても、これからも友達でいてくれる...?」

「それは...、もちろん。今更着ることの出来ない縁なんだよ、私たちは。」

 

そっか。そうだよね。

 

 

...ホント、ライバルが美海ちゃんでよかった。

 

 

「じゃあ、お互いお船引が終わって数日後の同じ日に告白しよう?」

「うん、分かった。」

 

互いの決意は固く、互いの絆は固い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ、私は絶対に負けたくない。




ええの書けたわ!(満悦)
細かい描写ほしいけど...。
頑張ろう!!

また会おうね(定期)
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