凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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完全オリジナルパートを入れるタイミングが難しいっすね。
こういう時はだいたい駄文。


第17話 暖かい一時

---遥side---

 

「だったらさ、うちに食べに来ない?」

水瀬はそう言って俺を食事に誘った。

 

俺は少し考えるように下を向く。

そして決心して顔を上げる。

「...いいのか?行っても。」

「丁度4人分買っちゃったしね。親は多分許してくれると思うし、問題は無いよ。と、それよりエナの方は大丈夫?」

「ああ、常に海水を入れたボトル持ってるから海に一旦帰る必要はない。...ちょっと待ってくれ。」

 

そう言って俺はボトルをカバンから取り出し、海水を体にかける。

「そう言えば水瀬、お前もエナ持ってると思うんだが、家とかなにかしてるのか?」

「うーん、風呂には塩入れてるけど...。あとはまあ、乾きそうな時は追追やってるかな、似たようなこと。」

そんな会話をしながら、作業をすませる。

 

「じゃあ、行こうか。」

エナを十分な状態にした俺は水瀬の家に向かう。

ここから5分くらいとのことだ。

「待たせて悪かったな。」

「ううん、誘ってる方なんだから当然だと思う。...そうだ、せっかくだから色々聞かせて欲しいな。」

「それは紡みたいなものか?」

「それもあるし、それ以外もある、かな...。」

 

水瀬は少し濁しながら返答する。

「...まあいいか。その代わりこっちもそれなりの質問はしてもいいよな?」

「等価交換、ね。」

 

 

など言ったが道中は他愛のない話をしながら向かった。

昔の陸の話、学校にどんな奴がいるかとか。

陸では辛い思い出がほとんどだが、陸が嫌いになった覚えはない。

それこそ、俺は陸と共に生きたい、そう思ってる。

 

 

 

「さて、ついたよ。ちょっと話してくるから待ってて。」

水瀬は家に着くなり真っ先に入っていった。数分後、俺の見える位置の窓から腕を大きく使ってOKサインを作る。

 

「お邪魔します。」

返事はなかった。玄関にはいくつか靴があったがどれが誰の、などは分からないので気にしないことにした。

 

リビングへ入っていくと、ソファーに新聞を読んでいる強面の男性が座っていた。親父さんだろうか。

「お邪魔してます。」

顔を伺うように挨拶をする。

「...ああ。」

親父さんは表情を変えないままそうとだけ返し、また新聞に戻った。

 

「そこら辺適当に座っててー。」

キッチンの方から水瀬の声が聞こえる。今はそれに甘えることにし、カバンから自前の本を取り出す。内容はもちろん心理学的なものだ。

 

...

 

 

十数分の沈黙の後に、料理が出来上がった。

とその時に、玄関のドアが開く。

「ただいま〜。」

女性の声だった。恐らく水瀬のお袋さんだろう。

 

「おかえりーお母さん。」

出来た料理を配膳しながら水瀬が答える。

「ああ、おかえり。」

「はいはいただいま...って、あら、お客さん?」

入ってきたお袋さんはこちらに気づいて言う。

 

「あ、お邪魔してます。水瀬さんとクラスメートの島波遥です。」

「あら、千夏がお客さんなんて珍しい。」

「うるさいよお母さん...。」

何か不服だったのか水瀬は少し拗ねて、お袋さんはニコニコしている。そこへ、新聞を読み終えたのか親父さんまでやってきた。

 

「島波君、だったかね。とりあえず、いただこうか。」

「あ、はい...。」

強面な親父さんに誘われてテーブルへ向かう。

威圧感が強すぎてどうやらこの人には歯向かわない方がいい感じがしてきた...。

 

「?ああ、そういうこと。」

水瀬のお袋さんは机に並べられた4人分の食事を見て理解したのか自己完結していた。

 

「「「「いただきます。」」」」

4人が席に着き、食事が始まる。

はずだった。

 

「あ、ちょっとストップ。」

待ったをかけたのはお袋さんだった。

「せっかく自己紹介されたんだからこっちも返さないとね。」

「私はしたからいいでしょ?」

 

「んー、そうね。そういうことでいいわ。じゃあ私からかな?」

「は、はあ...。」

「水瀬千夏の母の、水瀬夏帆です。病院に勤務してるから何回かあったような気はするんだけど...まだ小さかったかな?」

 

そう言われて記憶を探る。

そもそも病院に行くことはそんなになかったが...。

 

 

 

...思い出した。

みをりさんのお見舞いに行った時、何回かすれ違ったあの人だ。

「ああ、そういえばそんな気がします。多分今から3年前くらいの頃でしたっけ...?」

「多分そうじゃないかな?...遥君でいいかな?『いいですよ。』

えっと、遥君がみをりの見舞いに来た時の頃の話だと思う。」

 

「多分そうですね。」

夏帆さんがみをりさんを下の名前で呼んでいたのを聞いて、もう少し話を掘り下げたいところだったが、さっきから無言で食事をしている親父さんの方を放っておく訳にも行かないので一旦打ち切る。

 

「次はあなたの番ですよ。」

「ん、ああ。俺か。...コホン、父の水瀬保だ。仕事は漁協の方にいるから、何度か会うことになるかもな。」

相変わらず無愛想だが、家族が揃っているからかさっきよりは表情も雰囲気も柔らかかった。

 

「お父さん、顔ほど怖くないから...。」

俺が少し呆気に取られてたのを察知したのか隣に座っている水瀬が耳打ちで教えてくれる。

 

「まあ、一通り紹介も終わったので、頂きましょうか。もう先に頂いちゃってる人もいますけど。」

「...悪かったな。ところで千夏、今日の分味付けがいいな。」

「そう?ならよかった。」

 

家族3人で話している感じになっていたので、とりあえずもう一度小さく心の中でいただきますを呟いて魚を1口食べる。

 

「...うまっ。」

気がつけばそう言ってた。あの日、みをりさんが出してくれたような美味しさがそこには何故かあった。

「そう、ならよかった。ところでさ...」

 

 

それからは食事と会話が交互に進んで行った。

あまり知らない漁協の様子や、普段の生活での夏帆さんのぽんこつぶりなど、なかなか面白い話も聞けた。

因みにこの時に聞けたが、海出身なのは夏帆さんの方らしい。

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした。」

「お粗末さまでした。」

そう言って俺は立ち上がり、食べた食器を下げた。そして帰り支度を進める。

 

「あら、もう帰っちゃうの?」

「ええ。長居しちゃうと迷惑かもですし、またウロコ様がちょっかい出してきそうですし...。」

「別に迷惑なことはないけど...そう、分かったわ。気をつけてね?」

「はい、ありがとうございました。」

そう言って俺は頭を下げようとする。しかし、ストップをかけられた。

 

「礼を言うのは私にじゃないですよ。私は何もしてないですし。」

そういって夏帆さんはチラッと水瀬の方を向いた。

 

「ありがとな。水瀬。」

「え、わ、私?えーっと、どういたしまして。」

少し照れくさそうに水瀬は返す。

 

「...また来いよ。いつでも。」

「では、またいつか。」

保さんにそう返して俺は玄関のドアを開ける。

今日の夜の空気は心地よい感じだった。

 

そんな夜道を1歩踏み出そうとしたその瞬間、もう一度玄関のドアが開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ついて行ってもいい?...まだ、ちゃんと聞きたいこと聞けなかったから。」

 

 




うわああああ新キャラあああああ!!
イメージ絵が欲しかったりする ^q^
とりあえず通常周期に戻ります
では次回。

また会おうね(定期)
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