凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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1日2本はきついなぁ...。
うへぇ...。


第24話 ここで終わりに

---あかりside---

 

あたしって何なんだろう。

サヤマートで働いてて、一応大人になってて、先島灯の娘で、...海の人間で。

分かってたんだ。この関係が知られたら、もう元には戻れないって。

海を捨てて付き合いを続けるか、...いっその事全てを終わらせるか。

サヤマートには数日間の休みを頂いて、自分自身のこれからについて考えた。

 

そして今日、答えを出す。

 

「さてと、今日からサヤマートに行かないと」

 

 私は食卓を囲んでいるお父さんと光に聞こえないように呟き、食器を片づける。光はもう既に食べ終えていて、残っているのは私1人。

 

カバンを手にして、私はゆっくりと立ち上がる。

 

「行くのか...。」

「うん、そろそろ行かないと。」

 

割り切れてなんてないけど、もうさすがに休めないから。

「そうか...。」

それから先はもう何も言わなかった。

 

荷物をまとめて玄関に出ると光が外に出ようとしてた。

「あっ、ちょっと待ってよ光!久しぶりに一緒に行こうよ。」

 

「ああ?今さらそんな年じゃねえだろ。じゃあ、行って来まーす。」

躊躇いもなく光は先に行ってしまった。

...少しは大きくなったんだな。

 

 

「じゃあ、行ってきます。」

誰にも届かない声で、私は呟いた。

 

 

 

何日ぶりの外だろうか。

太陽がすこぶる目に刺さってきた。

 

とあるカフェの前を通り過ぎると遠くに至さんを見つけた。向こうはこっちに気づくなり、一瞬だけためらって、こちらに走ってきた。

その顔は少し笑顔が浮かんでいた。

 

「あかり、話があるんだ......。」

 

「私も、至さんに話があるんだ。じゃあ、そこのカフェで話そっか。」

 

そうして2人で店に入っていった。

 

この場所には思い入れがある。みをりさんと至さんと、...美海と、来たことがある店だ。

 

終わりと始まりが一緒の場所なんだね。

そう、私はここで終わりにする覚悟を決めた。

これまでの関係に、生活に。

 

「ご注文は何になさいますか?」

 

「コーヒーで。」

 

「えっと、僕もコーヒーをお願いします。」

 

この店のマスターが注文を取りに来たので、適当にコーヒーを頼む。至さんも慌てたように私と同じものを頼み、マスターはその場を去った。

 

しばらくすると、マスターが二つのコーヒーカップを運んできた。その中には黒いコーヒーが注がれており、コーヒーらしい匂いが立ちこめている。マスターは私と至さんの目の前にコーヒーを置くと、再び下がっていった。

 

コーヒーの水面は揺らいでいる。

多分、私の今の心も、案外こんなものかもしれない。

そんな中、私は唐突に別れを切り出した。

 

「私ね、もう至さんと別れようと思うんだ。」

 

「何で?僕は......。」

 

「最初から無理だったんだよ。海の人間と陸の人間が結ばれるなんて、最初から無理だったんだよ。

美海ちゃんの為にも、私と至さんは別れるべきだと思うんだ。外から新しく人がやってきて、仲良くするってどうなんだろうね?少なくとも

美海は...受け入れてくれないと思うし。」

 

 

至さんは驚いたような顔をして、何か言おうとするが、私を見て黙ってしまう。至さんは落ち着くためにコーヒーを飲んで、一息する。

 

「確かに海と陸はそうかもしれないけど、僕達は......絶対に仲良くできるよ!」

 

「ううん、絶対に出来ない。私ね、美海ちゃん好きなの。だからその美海ちゃんが大きくなるために、その居場所に私はいらないはずだから...。だから私はもう至さんや美海ちゃんにも会わない。決めたんだ、光もいるしね......じゃあ、さようなら。」

 

至さんはまだなにか言いたそうにしていたが、私は自分の料金だけその場に置いて、店から出ていった。

振り返ることはしなかった。出来なかった。やったら泣きそうだから...。

 

 

 

 

 

道路を歩き、サヤマートへと付いた。そこで何時も通りにあの壁を見てみると、美海ちゃんがまた壁に文字を書いていた。でも、もう完成を見る必要はない。その望み通り、「どっかい」くことを決意したのだから。

 

私は壁に文字を書く美海ちゃんに近付くと、美海ちゃんもこっちを気づいて見上げてきた。その目はなにを考えているのかわからないが、伝えなければいけない。

 

「美海ちゃん、私決めたんだ。もう、美海ちゃん達には関わらないから安心して........私は、至さんの前から.......美海ちゃんの前からいなくなるから」

 

「......。」

 

美海ちゃんは何も言わなかった。そしてそのまま遠くへ駆けて行った。いいんだ、これで。もう終わりなんだから。

 

 

 

それから私はひたすら働いた。どうにもならない感情を抑え込むために。忘れられない何かを無理にでも忘れるために。

...本当に、忘れられるわけないのに。

 

 

「あれ、もう復帰してたんですね。」

午後7時頃、店内に入ってきたのは遥くんだった。

「あれ、遥くん。今日も買い物?」

 

「そりゃ一人暮らしですからね...。(次に食べに行くのもまだ時間あるしな)。...ところであかりさん、区切りをつけたんですね。」

 

あえて話題を逸らしたけど、やっぱり直ぐに気づかれちゃうか。

 

「あはは...やっぱりバレちゃうか。流石だね遥くんは。うん、そう。至さんに別れ話を切り出したんだよ。これで美海ちゃんも、どうにかなってくれるといいんだけどな...。」

 

遥くんは悲しそうな瞳でこちらを見ていた。

その瞳は何を見てるのだろうか。

 

私には到底分からないだろうな。

 

 

 

そんな中、すごい勢いで店内に至さんが入ってきた。

表情から緊張感が伝わる。

 

 

 

 

 

 

「た、大変だよあかり!っと遥君もか!この時間になっても美海が帰ってこないんだ!!」

 




黒樹さん文面お借りしました。
さて、一向に進まない。
助けてくれー!!
あ、俺ガイルSSのほうもお願いします。
では次回。

また会おうね(定期)
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