凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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尺が悪いよ尺が。
前半もうちょい急ぐか。


第28話 届かぬ壁

---遥side---

 

さてと。

突拍子に始まったお料理対決、後攻が俺だ。

水瀬はその他の準備、美海はどこか遠くを見てて保さんは...ここからじゃよく見えないか。

まあいい。見られてない方が全力は出せたりするもんだ。

 

水瀬には調理実習のあれ見られてるしな...。

悪印象を突破らわせるため、ちょっとここは全力を出すことにした。

 

 

〜数十分後〜

「いただきます。」

互いの料理が完成して4人で席に着く。因みに今日は夏帆さんはもう少し遅くなるそうだ。

審査員は保さんと、美海である。

 

机に並んだのは簡易的なパエリアと、ペスカトーレだった。...魚介類多いな。

水瀬曰く「お父さん魚介類好きだから」だそうである。

その言葉をヒントに、俺はペスカトーレの方を作ってみた訳なんだが...。

 

まず保さんがパエリアの方から1口、そしてペスカトーレを1口。

「...ふむ。」

腕を組んで考えているようだ。

やがて結果が出たのか、目を見開いた。

 

「...後者だな。」

あえて名前を呼ばないところが審査員っぽくて保さんっぽいのだが、どうやらこっちでは俺の勝ちなようだ。

 

小さくガッツポーズ。

 

「というか千夏、俺が魚介類好きってこと伝えたのか?」

「うん、というか島波君来てる時大体魚料理だったりしたから何となく分かってたとは思ってたけど。」

そういえばそんな気がして俺は頭をかく。

 

そんな会話を聞いていた美海がこっちをジーッと見つめて来る。

「遥って何回くらい?」

主語がなかったが言いたいことはわかった。

「ん、まだ3-4回くらいだと思うがなぁ...。」

「そう。」

 

おい主語。

 

嫉妬ファイアーが来るのかと少し心配したが、そんなことは無く、今度は美海が食事に手をつけた。

 

「これは千夏ちゃんの方がおいしいかな。」

そう言われて水瀬の方を見やる。小さくガッツポーズを作っていたのが見えた。

 

くそっ、1-1かぁ...。

 

「それと、遥。」

「ん?」

「これ、ママのレシピ参考にしたでしょ。...まだまだ届いてない。」

 

美海審査員はすごく厳しかった。(小並感)

俺は昔美海宅へ遊びに行った時に、いくらかみをりさんからレシピを受け取っていた。これもその1つで、家でも何度か作ったことはあったのだが。

 

その後、自分も一口食べてみる。言われた通り、たしかにあの味と壁を感じた。

 

...もう随分とたったのに、味は覚えてるんだな。

 

「ただいま〜。」

その後、4人で少しわいわいしながら食事をしてると夏帆さんが帰ってきた。仕事が遅くまであった分か、少しぐったりしてるように見えたが、振る舞いは明るかった。

 

「あら美海ちゃん、久しぶり。元気してた?」

「久しぶりです。」

こちらは意外とすんなり話が進んだ。気が楽になったのか、水瀬ほど関わりが深くなかったからか、それは誰もわからないのだが。

 

「おっ、出来てるねぇ。」

テーブルの上に並んだ料理を見て夏帆さんが声を上げる。

 

そして。片付けが一段落着いた夏帆さんも合流して食事が再開される。

 

「夏帆さん夏帆さん。」

ある程度食べるのが進んだ状態で俺は夏帆さんに質問した。

 

「どしたの遥君?」

「どっちが美味しいですか?この2つ。」

 

俺と水瀬が一斉に夏帆さんに目を向ける。多分両者とも目をギラつかせていた。おそらく、互いにかなりの負けず嫌い何だろう。

 

「うーん...。」

少々の間夏帆さんは考え、そして答えに至った。

 

「私の方が上かな?」

うーんこの...。

 

天然!!

 

「あれ、二人ともなんでそんな怖い顔してるの?ってそっか。遥くんはまだ私の料理食べに来たことないのか。...ふふん、じゃあ今度は私が振舞っちゃおうかな?」

うーん、それはそれで興味あるかな。

 

「じゃあ、そうさせてもらいましょうかね?」

そう言って美海の方を見る。美海はこくっと小さく頷いた。

 

因みにそのついでに水瀬のほうを見たんだが、何やらぶつくさと言っていた。母への文句だろうか。

 

「じゃあ、今日はここら辺で失礼します。ありがとうございました。...行こっか、美海。」

「ありがとうございました。」

食事が終わって少し談笑した後、俺達は時間も時間なので帰ることにした。今回は美海もいるので責任をもって送り届けなければならない。

 

「じゃあね島波君、美海ちゃんちゃんと届けるんだよ?」

水瀬が玄関まで見送りに来た。今日は一緒には来ないみたいだ。

「分かってますよ。じゃあ、また明日な。」

 

そしてドアがバタンと閉まった。

最後に見た水瀬の顔色は少し怪しかったが、今の俺には何も分からなかった。

 

 

そして俺は美海を送るために至さんらが住んでいるアパートへ向かった。道中美海に「手を繋ぐか?」と言ったが「もう小さくない」と怒られてしまった。

 

「ねぇ遥。」

アパートが目の前に見えてき出したころ、美海が口を開いた。

 

「ん?どうした。」

「その...今日はありがとう。久しぶりに、千夏ちゃんと話せたから...。」

「気にすんな。それに、水瀬も美海のこと、ずっと気にしてたからな。これで良かったと思うぞ。」

 

「そっか。...ここら辺でいい。じゃあね、遥。また今度。」

美海は小さく笑って、自分の家へと駆けていった。もう心の曇はだいぶ無くなったんだろう。

 

 

 

これで美海は前に進めるのだろう。なら...。

あとは、俺自身の問題かな。

 

 

 

 

 

そして俺は空を見上げる。日はとうに落ち、星が夜空を埋めつくしていた。

 

 

 




何故か料理がヨーロッパ。
イタリアにはぜひ行ってみたいですね。
さて、また駄文ですがよろしくお願いします。
では、次回。

また会おうね(定期)
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