凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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うーん駄文
ベタ展開はNG


第34話 雨に打たれて

---千夏side---

 

世界ってなんでこうも上手くいかないんだろう。

私達が努力して、協力して作り上げた1つのカタチは、なんでこうも簡単に受け入れて貰えないのだろう。

 

大人は言う。大人には大人の事情がある、と。

でも、公表されないそのことで、このカタチを壊していいものだろうか。

いいはずがない。

 

なのに、それを分かっていながら。

私は何も言い出せなかった。ついには島波君が目の前で大人に殴られるまで至ってしまった。

なんとかして止めさせたいと、隣で先島君がうずうずしている。けれど、先島君を止めているのは紛れもない島波君だった。

 

「やめんか!寄って集って大の大人が見苦しい。」

海側の1人の静止の声でようやく一旦喧騒が収まった。

大人に紛れてチラチラ視界に移る島波君はかなりボロボロになっていた。おそらく所によっては折れてるかもしれないくらいに。

 

そんな島波君は、平気そうな顔をしながらこちらを見る。そして、目が合った瞬間、ドアの方を向いた。

 

その時、私は遠くで足音がしてるのを聞いた。恐らくこの部屋に入ってくるのだろう。

外に待機している他の生徒達だろうか?

なんにせよ、この場に入れるのは良くないはずだ。多分、島波君はそれを思ってこっちにサインを出したのだろう。

 

私は、今自分に出来ることをしたい。

そう思って、ドアの外の人物を確認しに向かった。

「千夏、ちょっとどいてくれ。」

え?

私はその場で立ち止まった。

 

お父さん!?

 

 

 

---遥side---

 

ドアが開く。そこにいたのは保さんだった。

「...おい、これはどういう状況なんだ?」

 

部屋へ入るなり、保さんはそう口にした。

普段は口数は少ないが性格は温厚。そう思っていた。

その性格相まってか、手を出すような素振りは見えないが明らかに怒気を隠せていないのが分かる。

 

「えっと、その...」

「...」

漁協の大人は返答に困り、海側の大人はもう黙っている。

因みに俺が殴られた相手は海側の大人だったのだが、ごちゃごちゃになってる以上漁協側の大人は自分たちがどこまでやったのか把握していないみたいだ。

 

「...もういい。とりあえず遥君、一旦外に出てもらいたいんだが、立てるか?」

「ええ、大丈夫ですよっと...。」

 

明らかに大丈夫では無い身体を起こそうと机に縋りながら立つ。いくらか身体の軋む音が聞こえたが、今はそれどころではないくらいな状況なので痛みは感じなかった。

 

そうしてフラフラしながら俺はドアの外に出た。

そのドアの外は暗く重たい雲が覆い、長く止みそうにない雨が降っていた。

俺はそのまま保さんの車に乗せられて、どこかに向かった。まあ、恐らく病院だろうが。

 

因みに、その後会議がどうなったかは知らないが、成功はしていないだろう。

あれが壊れてしまった今、もう知る必要は無いのだから。

 

 

 

 

 

 

車内では状況確認だけが行われた。

それ以外には話す内容も無し、話せる雰囲気でもなし、そんな状況だった。

隣には水瀬が座っている。とりあえずあの喧騒に巻き込まれたのは俺だけだったので、そこに関してはよくやった方だと思う。

 

力の差なんて、知れてるからな。

 

そして着いたのは案の定病院だった。

 

それこそ今回は救急車で運ばれるほどの怪我ではなかった。が、十分大怪我だったということで、しっかりと診察、検査された。

この先生がまた癖が強かった訳だが、まあ今はどうでもいいか。

 

診察の結果は数箇所の打撲(強めの)、及び足にヒビが入ってる、との事だった。

 

さて、この診断結果には困った。

何せ足をしっかり固定され、数日間は杖での行動のため、海に帰ることができないのである。

入院ならまだなんとかなるが、丁度中途半端なラインらしい。

 

...まあ、あの喧騒があって堂々と海に帰る方も馬鹿な気がするが。

 

 

処置が終わり、外へ出ると、保さんと水瀬が待っていた。

二人とも神妙な顔つきをしているが、仕方の無いことだろう。

 

「...確認するが、診察結果はどうだった?」

「全身打撲、及び足にヒビ、だそうですよ。まあ、ポッキリと折れてるよかマシですね。顔もそんなに殴られた訳でもないですし。」

「そうか...。」

保さんはそれっきり黙る。水瀬の方はずっと下を向いたままだった。

 

そして数秒後水瀬は顔を上げた。その目には少し涙が浮かんでいる。

「バカなんじゃないの!?あんな無謀なことして、自分だけ傷ついて終わらせて!それで何かを守ったつもりにならないで!...私が、私たちが望んだのはそんなものじゃない!!」

 

それは明らかな怒りだった。

強く強く握りしめられた拳はその全てが伝わってくる。

 

「...なら他に、どうしろってんだよ。ただの話し合いで通じる連中でも無く、互いに因縁がある相手。どうやって協力させればいいんだよ。...最悪、あそこにいた全員を巻き込んでしまう可能性もあった。

ならあれ以外、どうすればいいんだよ。」

 

俺は力なく返す。

ああ、拗れてしまったんだな。善としてやった、1つの行動で。

 

「何のために私達があそこにいたか、考えてよ...。ただ見てるだけなんて、そんなの...。」

それ以上言葉は出なかった。

 

「....」

 

場に沈黙が流れる。次に口を開いたのは保さんだった。

「遥君、これからどうするんだ?...少なくとも、海には帰れる状況ではないだろう?」

「...そうですね。流石に水に浸かるのはドクターストップが出てます。」

「ふむ...そうか...。」

そう言うなり保さんは1人で頷き、何かを考えついたようにこっちを見た。

 

 

 

 

 

「当分の間、うちに泊まらないか?」

 

 




方向性がズレてくのだけは注意(`・д・)σ メッ
ところでまたリアルが忙しい。
頑張るしかねえなぁ。

また会おうね(定期)
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