凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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歴代最高駄文&久しぶりの多視点


第42話 それでもみんなで

---遥side---

 

放課後。

俺の周りには陸の生徒、海の生徒多数がいた。

それこそあの時破壊されたおじょしさまだが、陸の生徒、海の生徒ともに諦める気は毛頭なく、もう一度作り直していた。

場所は紡の家を貸してもらっている。船まで貸して貰えるとのこと。本当に頭が上がらない。

 

今は、作業を分担して行っている。大体の男はおじょし様の修復作業を、女子は小物作りを、そして俺は...厨房を借りて料理をしていた。

時間もあまりないということで、出来るだけ長く作業するために、夜までやるそうだ。であれば、料理も必要だろうということで、こういう状況になっている。

 

 

...暇だなぁ。

1人料理をしながら心無しかそう思っていた。

 

そりゃ何人かは来たよ?光が味見して文句言ったり、江川らが茶化しに来たり、後は...。

 

なんて思ってると厨房のとこの戸が開いた。

しかも珍しいことに、訪れて来たのは要だった。

 

「どう?いい感じ?」

こいつは相変わらず爽やかだ。

「んーぼちぼちか...。磯汁作ってるんだけど何か足りない気がしてなぁ...。」

「ちょっともらってもいいかな。」

「ああ...ほれ。光が味見しても文句しか言わないからなぁ。真面目に答えれる人は欲しかったりする。」

 

そう言って要は1口分の汁をぐいっと飲む。

「...なるほど。美味しいねこれ。けど、確かに何か足りないって気もする。...具材?」

「調味料ではないか...ん?ちょっと考えついたんだけど。」

 

「聞くよ。」

「肉入れて見るか?たまには料理に冒険も必要な気もするし。」

 

それに、後で思い出した話なんだが、あの日みをりさんに食べさせてもらった磯汁には豚肉が入っていた。ということは、俺が足りないと思ってたのは、それに届きたいが為なんだろうか。

 

「分かった。でも...ないよね。買ってこようか?」

要の、こういうとこで気が利くのはありがたい。

 

「ああ、頼む。...そうだ要、後で話があるんだけど、聞いてくれるか?」

「後ね。分かった。ちょっと行ってくる。」

そう言って要は厨房から出ていった。

 

 

...こいつもこいつで結構疲れるんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

それから作業は順調に進んでいき、俺の料理もすごいスピードで召し上がられて行った。作る側としては嬉しいことである。

 

「遥、遥。」

後ろからとんとんと要が肩を叩く。

「ん、ああ。さっきの話だな。...ちょっと離れたところでするか。」

 

「聞かれちゃいけないこと?」

「聞かれたく...は、ないかな。それこそ、多分お前が1番安心して言えそうな話だからな。」

事の重さを感じたのか要は了承して頷く。

そして俺達は家の影の方へ隠れていった。

 

「で、どういう話なのかな。」

「ああ...。今日、大人は会議がある、とか言ってたな。」

「そうだね。」

「恐らく、内容は異常気象...まあ、海にせよ陸にせよの異変についてだと思う。...俺って勉強しかしてなかった時期あったろ?あの時にな、こんな言い伝えを知ったんだ。」

 

───海神様が力を失った時

 

───ぬくみ雪が陸と海に降り積もり

 

───やがて人間が暮らせないくらいの寒さになる

 

「!!」

このことについてはさすがに要も動揺していた。

 

「実際にうろこ様に聞いたわけじゃない...が、おそらく言い伝えは本当だ。だから大人達は今こんなに焦ってるわけだ。」

 

要がバツの悪そうに返す。

「...それで、僕にどうしろというわけかな?」

「そうだな...。もし海の中で、会議で決定されたことについてああしろ、こうしろなんて言われたら、お前に率先して動いてもらいたいんだ。光もまなかもちさきも、みんな非常時に難ありだからな。」

「買いかぶりすぎだよ。...僕だってそんなに強くない。」

 

その顔に笑顔はなかった。きっと要は本気でこう思ってるはずだ。

 

「それでもお前に言った理由は分かって欲しい。...俺が行けたら1番いいけど、恐らく例の件で大人からの目は白いし、足の方だって完全に治ったわけじゃない。...1度、ウロコ様に会って話したいけどな...。」

 

「分かったよ。引き受ける。僕も何か頑張らないといけないしね。」

要は再び笑顔をうかべる。それが100%作り物だということに気づいたが、俺は何も言わなかった。

 

 

 

---要side---

 

食材のお使いの前に後で話したいことがある、そう遥に言われた。

正直、遥には苦手な部分がある。

それにこれは勝手な嫉妬だが、きっとちさきは遥が好きで、それがすごく羨ましい。

僕だってちさきが好きなのに。なんて嫉妬を。

 

さてそれから、さっきの件について遥に問うと、人から離れた場所を指定された。曰く、聞かれたくない話らしい。

 

 

「で、どういう話なのかな。」

僕はいつも通りの雰囲気で話を始める。

 

「ああ...。今日、大人は会議がある、とか言ってたな。」

「そうだね。」

「恐らく、内容は異常気象...まあ、海にせよ陸にせよの異変についてだと思う。...俺って勉強しかしてなかった時期あったろ?あの時にな、こんな言い伝えを知ったんだ。」

 

異常気象...ぬくみ雪の事だろうか。

そんなことを思ってた僕に、それを遥かに超える答えが返ってきた。

 

───海神様が力を失った時

 

───ぬくみ雪が陸と海に降り積もり

 

───やがて人間が暮らせないくらいの寒さになる

 

「!!」

一瞬で理解してしまったのがいけなかった。

理解出来てしまったぶん、その先のことを考えてしまうからだ。

 

とりあえず今は、考えるのをやめて遥の話を聞くことに集中した。

 

「実際にうろこ様に聞いたわけじゃない...が、おそらく言い伝えは本当だ。だから大人達は今こんなに焦ってるわけだ。」

分かってる。これが偽物なんかじゃないってことを。

 

でも。

知ったところで僕には何ができるんだ?

 

「...それで、僕にどうしろというわけかな?」

 

「そうだな...。もし海の中で、会議で決定されたことについてああしろ、こうしろなんて言われたら、お前に率先して動いてもらいたいんだ。光もまなかもちさきも、みんな非常時に難ありだからな。」

 

つまりリーダーをやれと?

ずっと遠くから見てきただけの僕が、この一瞬だけどうにか出来ると思ってるのだろうか。

こういう時、いつも遥に頼ってばかりだったから、今こうなってるってことを、遥が1番わかってるはずなのに。

「買いかぶりすぎだよ。...僕だってそんなに強くない。」

 

「それでもお前に言った理由は分かって欲しい。...俺が行けたら1番いいけど、恐らく例の件で大人からの目は白いし、足の方だって完全に治ったわけじゃない。...1度、ウロコ様に会って話したいけどな...。」

 

遥は自分に出来る限りあることを模索していた。それに、多分遥も僕に苦手意識を持ってるはずなのに、僕に期待をしている。これは自惚れなんかじゃなくそう思った。なら、最低その期待にだけは答えたい。

 

「分かったよ。引き受ける。僕も何か頑張らないといけないしね。」

いつも通り笑顔で答える。

本当は余裕なんてない。きっとこの笑顔が偽物だってこともバレるだろう。

けど今は僕は僕らしく、出来ることをやろうと思う。

 

 

 

 

 

 

どんなに色んなことがあっても、ずっとみんなでいたいから。

 

 

 




最近2日に一回...。(;-ω-)ウーン
試験週間だしなぁどうしよ。
とりあえず今はできるだけ、UA1000目指して
では次回。

また会おうね(定期)
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