凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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アニメよりの展開も入れてくで!


第59話 再会、そして

---遥side---

 

光が帰ってきて1日が過ぎた。

あの後は言ったように潮留家に泊まることなく水瀬家へと戻った。

とりあえず、今日も伺うと言葉を残して帰ったので、俺は朝食を取った後に真っ直ぐ潮留家に向かった。

 

「あら、おはよう遥君。」

家に着いたら、庭で洗濯物を干してるあかりさんがいた。

この様子を見る限り多少は落ち着いたんだろうと思う。

 

「おはようございますあかりさん。それで、光の方は目覚めたんですか?」

「ああ、うん。普段朝起きるように、あっさりと起きたよ。...流石に色々変わりすぎてるから、混乱してるとは思うけど。」

 

俺が懸念していること。

光の記憶が、どこで止まってるか、という事だ。

ましてや、それを知らない人が光を引っ張りだこにしてしまったら。

 

嫌な予感がする。

 

が、そんな予感ほど当たりやすいのを俺は知っていた。

 

玄関の前に1台の車が止まる。

「おはようございますあかりさん。って遥もいたのか。」

「ああ。ところで何の用だよ狭山。」

「光が目覚めたんだろ?んで会いに来たわけよ。まあ、漁協の大人連中も光に会いたがってるから、ちょっとお話がてらドライブに行こうって話。」

「大丈夫なのか?それって。」

 

その答えが帰る前にドアが開く。

「なんだよお前ら、朝から騒がしいな。」

いつもの朝と何の代わりもないように、光が出てくる。

 

「おぉ!光!元気になったか!」

 

狭山が好かさず抱きつきに行き...かわされて顔から突っ込む。

 

「何だ狭山かよ...。なんだこんな朝っぱらから?」

「ああ、漁協のおっさんらが光に会いたがってたから、ちょいとひとっ走りして来たんだが、ついてきてくれるか?」

 

「...?ああ、分かった。」

光は納得したのかしてないような表情をしながら車に乗り込む。

 

因みに、この間、俺と光は目が合ってない。

 

 

そんな中で美海も登場し、いよいよ光と一体一で話せる状況じゃなくなってしまった。

 

 

しょうがない、今は諦めるか。

 

 

俺はとりあえず現状打破を諦め、車に乗り込んだ光と、ついでに乗った美海を俺は見送るのだった。

 

「さてと、色々と最悪なことになりそうですね....。」

俺はここから考えれる未来を予想し、苦い顔で呟く。

 

「どういうこと?最悪なことって。」

そんな俺に洗濯片手にあかりさんが反応する。

 

「そうですね...。今、光が漁協に行ったとしましょう。そうしたら漁協の人達は間違いなくこう言うでしょう。「久しぶり」と。でももし、光の中の時間は止まったままで、お船引きが最後の記憶で、5年経ったと感じてなければ...。光はただでさえ落ち着きのない精神の持ち主です。こんな混乱、耐えれると思えますか?」

 

「...確かに、そうかも。」

あかりさんは手を止め、思い詰めたような顔をする。

 

とはいえ、ここからでは漁協まで距離があるし、話途中の漁協の中で、無理にその輪の中には入れない。

 

1番まずいのは現状動けないこと、だった。

 

「まあ、何とかします。どうせまだ鷲大師にいる時間は長いので。」

「...ごめん、頼めるかな?」

「任せといてください。」

 

そして俺は光と、光と話すタイミングを探しに出かけた。

 

 

 

1時間。

 

2時間。

 

刻一刻と時間は過ぎて行くが、光とは出会えない。

こう...目撃証言とかはあるのだが、どれも少し前だったりして当てにならない。

 

やっとの思いで見つけた場所は、丁度紡の船の船上だった。

 

なにか叫び声が聞こえる。

一言一言ははっきり聞こえてないが声でわかる。

これは光の声だ。

 

そんな様子を静観していると、光が船から走って遠ざかって行った。

 

今しかない。

 

俺は少し軋む足を全力で走らせ、光に追いつく。

「光!!」

 

俺よりざっと数十メートル先の光を呼び止める。

振り返った光は涙目だった。

「なんだよ...。」

 

「ちょっと話、しないか?」

 

 

場所をうつし、俺達は海沿いのベンチに座った。

「...なんだよ話って。」

 

「色々聞きたくってな。まず、お前、5年経ったって感覚はあるのか?」

「...ない。俺にとっちゃ、お船引きは昨日のことなんだよ。それなのに、それなのに周りの連中は久しぶり、とか変わんねえな、とか...。そんなの、変わるわけねえだろ...!」

 

光は瞳をうるわせ怒りを静かにぶつける。

やっぱり、俺の思ってたとおりだった。

 

俺が大切なものを失ったお船引きは5年前。

けど、光にとってまなかを失ったお船引きはつい昨日なのだ。

 

後悔の念が、無いはずがない。

 

そんな中、光は続ける。

「変わるとか変わらねえとか、分かんねえよ...!一体俺は、どうしりゃいいって言うんだ...!」

 

俺は、ずっと変わってない気でいた。

けれど、今光にあって、大きくなってしまったことを改めて感じさせられる。

光から見れば俺は変わってしまったのだろうか?

 

「...そうだな。俺もお前を見て思ったよ。変わる、変わらないって、ほんとわかんねえな。俺からすれば変わってないつもりでいたけど、お前とあって、改めて時間が流れたのを自覚させられたと思う。...なあ、光。こんなことを聞くのもなんだけど、お前から5年経った俺はどう見える?」

 

 

「どうって...そうだな...。背丈は変わった。足も変わった。けど...、なんだろう、やっぱ分かんねえよ。...ちょっと1人にしてくれ。」

そう言って光は立ち上がり、ふらっとまた離れていく。

 

俺は追わなかった。

やりたいことはやった。出来るだけやった。

最後の光の目には何が写ってたかは知らないが、最初より輝きがあったような気もしないような...。自信はない。

 

もうすぐ、5時か...。

 

あの日から5時になるとお船引きの歌が流れる。

曰く、帰る時迷わないようにらしい。

俺は...ちょっと苦手だ。この歌は。

思い出は苦く、いつまでも消化されない。

消えてしまってもいけないのかもしれないが。

 

と、5時の音が鳴り、また数分が経つ。

 

「ぅぉぉぉぉおおおおお!!!」

遠くから元気いっぱいの叫び声が聞こえる。

このやんちゃでわんぱくな叫び声は、俺の知るところ一人しかいない。

 

光は全力でこっちに向かって走ってくる。その姿は先程までの弱気な光ではなく、5年前に見たいつもの光だった。

その後ろからはちさきが追ってきている。さっき会ったんだろうか。

 

二人とも、見覚えのある顔だ。それぞれの、5年前のような。

 

そして光は俺の前で立ち止まると元気よく言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、やっぱり全然変わってねえや!!」

 

 

 




リアルとこっちの両立...ふぇぇ。
がんばろーる!
では、次回。

また会おうね(定期)
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